柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

一人野球の野球盤(『男!あばれはっちゃく28話』アバンタイトルから)

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『男!あばれはっちゃく』28話より

一人野球

『男!あばれはっちゃく』28話のアバンタイトルでは、長太郎が一人でキャッチャー、バッター、ピッチャーの3役をこなして、一人野球をしています。これ、よくよくみないと長太郎だけでやっているのに気が付かないというか、いや、気づくけど、いくら何でも一人でやるには無理があるという先入観も手伝って、この早変わりのおかしさに頭が少しバグります。

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『男!あばれはっちゃく』28話より
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『男!あばれはっちゃく』28話より

そんな一人野球をしている長太郎をこっそり、みゆきちゃん、洋一、邦彦、和美ちゃん、弘子ちゃん達が見ていて、長太郎を馬鹿にしたジャスチャーをしてからかい、長太郎を追い詰めると、そこにあったのは野球盤。一人でも野球で遊べる野球盤をリアル一人野球で再現している長太郎というオチでした。

この時に出てきた野球盤を調べてみると、エポック社の公式サイトに歴代の野球盤を写真付きで発売年代ごとに紹介しているページに行きついたので、引用画像と同じ野球盤を探してみると、どうやら、1974年に発売された野球盤AM型か1977年に発売された野球盤AM型(連続投球装置付き)か1978年に発売された野球盤AM型人工芝球場のいずれかのようです。最初に出した引用画像の野球盤とエポック社公式サイトで見比べて確認して見てください。

epoch.jp

上記リンク先にあるように、野球盤は1958年から初代が発売され、進化し鉄腕アトムの野球盤や巨人の星の野球盤、読売ジャイアンツの野球盤などもあり、1974年に発売された野球盤AM型が300万台の大ヒットになって一番売れて、その野球盤AM型が進化して、1977年連続投球付き、1978年人口芝生とさらなる進化を重ねっていったようです。

私は幼い頃に近所だったか、親戚の家だったかで野球盤で遊んだ微かな記憶があって、なんか、こう手前で金属の球が消えるというか、落ちるというギミックがあって、打てなかったなあっていう記憶があったりします。人数や広い場所、道具がないと遊べない野球が野球盤だけで遊べるというのは、ファミコンで野球ゲームがメジャーになる前は有難いことだったんですね。

実際の野球と

長太郎は野球盤での野球を一人で現実にして遊んでいたわけですが、それをみゆきちゃん達はジャスチャーでからかって馬鹿にしていて、これは、野球自体が野球盤で遊ぶものではなく、実際に体を動かして遊ぶものなのに変だという意思表示なのか、野球盤があるのに現実でやっているのがおかしいという意味なのか、言葉がない分、どちらにも受け取れました。

初代の長太郎もテレビゲームやインベーダーゲームで遊んでいたりしましたが、基本は実際に体を動かして遊ぶことがメインで、それは2代目長太郎も同じでした。野球盤があっても実際に体を動かして野球をしている長太郎と一人で野球をするのなら、野球盤でやればいいのにという、野球というゲームをするのに体を動かすか頭を働かせるか、どっちなんだよ、どっちが自然なのかという問いかけにも感じました。

ケースバイケースで選ぶというか、野球盤は一人でも数人でも出来るけども、実際の野球を一人でやるには無理がある。その無理に挑戦する長太郎のおかしさ、また、それをからかうみゆきちゃん達がなんだか、私にはちょっと不気味に見えたアバンタイトルでした。

やはり国民的なスポーツ野球

これまで、このブログでは『あばれはっちゃく』は放送当時のメジャースポーツの野球よりは、当時はプロリーグもなく、野球よりはマイナーだったサッカーの方をクローズアップしてきたと書いてきましたが、少しずつ野球も目立って扱うようになっていったように思います。以前も書いていますが、4代目『痛快あばれはっちゃく』あたりになると、信彦や清が所属しているクラブが野球部でした。

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これまでは野球が一番人気の時代に長太郎がサッカーをしていたり、海外サッカーチームのロゴのある服を着ているのが目立ち、2代目が中学でサッカー部に入ることを寺山先生に話したり、3代目がサッカーをしているのもあって、サッカーに目がいってしまいましたが、野球もまた当時の男の子達に人気があり、やっているスポーツとして扱っていたんだなて改めて思いました。

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ちなみに余談ですが、実際の2代目長太郎を演じた栗又厚さんは、部活で野球をするようになってから痩せていったことを、昔、雑誌のインタビューで答えていました。

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あばれはっちゃく』では野球帽を被っている子と言うのは、あんまり見かけないのですが、よくよく見ると既に初代から、西武ライオンズの野球帽や巨人のマークのついたサンバイザーを被っている子がいたり、2代目にも近鉄バファローズの帽子を被っている子がいたり、また初代51話「帰れ鬼ッ子」でも二郎君のお兄ちゃんが野球のユニフォームを着ていたり、野球がメインになる話もシリーズには出てきているので、私が思っているよりは野球をないがしろにはしてなかったのかなって、ちょっと考えを改めました。

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『俺はあばれはっちゃく』29話より

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『俺はあばれはっちゃく』39話より

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『男!あばれはっちゃく』26話より

おまけ・アバンタイトルについて

オープニングの前にある本編とはあまり関係のない(たまに関連性を感じたのもありましたが)寸劇をアバンタイトルといいますが、これは台本にあるものです。私は初代『俺はあばれはっちゃく』52話「恐怖の劇画だ」の台本を持っていますが、それを読むとちゃんとアバンタイトルも書かれていて、ちゃんと台本通りになっています。だから、基本的にアバンタイトルもアドリブなしの台本通りのようです。

アバンタイトルではかなり、無茶なことを長太郎がしていますが、これを事前に読んで坂道を転げ落ちたりするのが分かってチャレンジするというのは、かなりの度胸が必要だったんじゃないかなって思います。

わらさんがニコニコ動画アバンタイトルをまとめて紹介してくれて、2代目の2年目になるとアバンタイトルでクイズを多くやるようになっていて、私が初代のアバンタイトルでは長太郎が空を飛ぶことにチャレンジすることが多かったと纏めたのとは違って、2代目以降はクイズをしていくことが増えてきたんだって分かって、その変化が面白く思いました。

クイズの罰ゲームもちょっと大変だったりしますが、アバンタイトルの危険度は初代や2代目の初期の頃よりは、少なくなっていったのかななんて思いました。これも、また見直していくうちに考え方が変わっていくかもしれません。

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