柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

芸術の秋

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『俺はあばれはっちゃく』38より

アバンタイトルで芸術の秋

5代目『逆転あばれはっちゃく』からはアバンタイトルがなくなってしまいますが、『あばれはっちゃく』は初代『俺はあばれはっちゃく』から4代目『痛快あばれはっちゃく』までオープニング、本編の前にアバンタイトルがありました。アバンタイトルはプロローグ、前書きみたいなもので、作品によって違いがありますが、『あばれはっちゃく』の場合は本編にあまり関係のない寸劇(時々、本編と関連していると思われるのもある)でした。

9月、10月、11月あたりになると、このアバンタイトルで長太郎が芸術家に扮してモデルとかけ離れた絵を仕上げて、モデルから怒られるというパターンがありました。12月になるとクリスマスでサンタクロースバージョンが見られますが、今回は秋ということで、スポーツの秋は置いといて、アバンタイトルで見る芸術の秋を見てみます。

初代・2代目は画家

初代『俺はあばれはっちゃく』と2代目『男!あばれはっちゃく』の長太郎は、画家になっています。初代長太郎は公一とドン平をモデルに。公一とドン平はまるで西郷さんのよう。それなのに長太郎が描いたのは、それと全くかけ離れていて、公一の怒りを買ってしまいます。このアバンタイトルは初代38話、脚本は安藤豊弘さん、監督は松生秀二監督です。

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『俺はあばれはっちゃく』38話より
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『俺はあばれはっちゃく』38話より

2代目『男!あばれはっちゃく』の長太郎も画家。モデルはみゆきちゃん。洋一に大きな団扇で風を起こさせて、みゆきちゃんの服を風になびかせて描いています。勢い余って、風でみゆきちゃんのワンピースのスカートが捲れるハプニング。

それよりも、みゆきちゃんは長太郎の実際とはかけ離れた絵の出来に激怒。この2代目は29話で脚本は『あばれはっちゃく』シリーズ唯一の女性脚本家の三宅直子さん、監督は川島啓志監督です。今だと、スカートが捲れてしまうとこで、怒られてしまうかもしれませんね。

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『男!あばれはっちゃく』29話より
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『男!あばれはっちゃく』29話より

3代目、4代目はカメラマン

3代目、4代目になると筆とキャンパスに変わってカメラになり、長太郎は画家からカメラマンになります。ただ、芸術家としての長太郎は3代目長太郎までですね。4代目長太郎は清やマヤ、信彦、とし子達と楽しく写真撮影をしている感じで、芸術家として絵や写真を作品として残そうとするのを感じません。

3代目はカメラマンとしてモデルのあけみちゃんを撮影していて、オチも初代、2代目と同じです。ただ、初代、2代目ではモデルが実際とかけ離れた作品に仕上げたことに怒ったのに対して、3代目では長太郎のスケベな下心に対して怒っているのが違いますね。

2代目で故意なのか事故なのか、スカートが捲れたという今でいうラッキースケベに対してみゆきちゃんが怒っていなかったのに対して、芸術だと言い訳をしながら、あけみちゃんにヌードを要求した長太郎を欺いて怒っているのは、意図的にエロを求めると手痛い仕打ちを受けるんだという戒めを感じました。

スカート捲りもヌード姿を要求するのも、女の子にしてみればセクハラなんですけれども、もしかしたらそうなったらいいなって思いはどこかにあったにしても、ハプニングの一つとしてスカートが捲れてしまった2代目と長太郎自らヌードを要求した3代目でみゆきちゃんとあけみちゃんの怒りの違いが生まれたのかな、なんて思ったりしました。

3代目はカメラ、写真なので、初代、2代目と違ってモデルと違うものにするってことが出来ないからこその、ヌード要求からのヌードになると見せかけてのお仕置きだったんだろうなって思います。親友の実をアシスタントに使っているのは2代目からの引継ぎですね。3代目は31話から。脚本は市川靖さん、監督は川島啓志監督です。

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『熱血あばれはっちゃく』31話より
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『熱血あばれはっちゃく』31話より

4代目は先に書いたように、いつものメンバーとの写真撮影。そして、イソップ寓話『金の斧』のパロディーになっています。ちなみに大分県の民話にも同じような話があります。

minwa.fujipan.co.jp

長太郎のカメラを欲しがった信彦のせいで、長太郎がカメラを落としてしまい、女神に扮したまゆみちゃんが長太郎が落としたカメラよりもよいカメラを次々に出していって、長太郎が一番欲しいと思ったものを手にしてみたら、期待外れのものだったというオチ。

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『痛快!あばれはっちゃく』33話より

写真撮影というところで、3代目との繋がりがありますが、初代、2代目、3代目と続いてきた系譜とは違っています。筆からカメラに3代目で切り替わり、それでも芸術家の括りでモデルを相手に作品を作り出していたのから、カメラという繋がりはあっても、芸術家の作品というのから離れて、イソップ寓話のパロディにして、道具が生み出す作品からのオチから、道具そのものに対しての欲へシフトしたのが4代目のアバンタイトルだったなって思います。

また、今だとオチに使われた亀の落書きに対して動物虐待といわれてしまうかもしれないなって思ったりしました。4代目は33話から。脚本は安藤豊弘さん、監督は磯見忠彦監督です。

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『痛快あばれはっちゃく』33話より
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『痛快あばれはっちゃく』33話より

安藤豊弘さんで始まり安藤豊弘さんで終わる

今回、『男!あばれはっちゃく』29話を見直して、みゆきちゃんを描く長太郎を見た時に、初代の長太郎も同じことしていたなって思い出して、初代と2代目が秋に画家を気取っていたのなら、3代目、4代目もあったかなってと3代目以降も振り返ってみたのですね。

2代目、4代目は2年目もあるので、一応、一通り2年目の9月、10月、11月あたりの放送回を確認して見たのですが、画家になっているアバンタイトルは見当たらなかったです。(見落としがあるかもしれませんが)

画家に扮していたのは初代と2代目長太郎で、初代と2代目が画家に扮していた時期に該当する時期の3代目、4代目が扮していたのが今回紹介したカメラマンだったのですね。だけども、芸術家としての長太郎は先に書いたように3代目まで。4代目はちょっと違いますね。

長太郎が画家、カメラマンという芸術家に扮してモデルから怒りを買う、叱責されるというオチの最初は安藤豊弘さんでした。これに微妙なアレンジを加えて、2代目では三宅直子さんが、3代目では市川靖さんがアバンタイトルにしていました。

3代目で市川靖さんが筆をカメラに変えて、4代目で最初の雛形を作った安藤豊弘さんが小道具のカメラを引き継ぎながらも、これまでとは違う形のアバンタイトルにしていたのが面白かったです。

アバンタイトルにも今回紹介したものだけでなく、シリーズで同じ時期に同じようなアバンタイトル(クリスマスなど)を見ることがありますが、それぞれの脚本家の持っている脚本の形というか、ハコがあって、それをシリーズで共有して、少しアレンジを加えていたんじゃないかなって思います。

この長太郎が芸術家になってモデルから怒られるというのは、『あばれはっちゃく』シリーズでは、安藤豊弘さんの脚本が発端になっているので、元々は安藤豊弘さんが持っている脚本の雛形なんだろうなって思います。それが巡り巡って4代目で安藤豊弘さんのところに戻って、その安藤豊弘さんの手によって、最初のと繋がりがありながら違うものに変えているのは、とても興味深く面白く感じました。