柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

初代あばれはっちゃくが持っていた「怪物くん」の本(ドラマを見て分かる設定125)

『俺はあばれはっちゃく』1話より

長太郎の部屋にあった『怪物くん』

初代『俺はあばれはっちゃく』の1話の長太郎の部屋にある『怪物くん』(藤子不二雄A先生)の表紙の雑誌があるのが分かりますか?藤子不二雄A先生の『怪物くん』は、少年画報社の『少年画報』(1965年2月号~1969年5月号)、『少年キング』(1967年6月~1969年5月)で連載され、1968年4月21日~1969年3月21日までTBSで東京ムービースタジオ・ゼロのテレビアニメ(モノクロ)が放送され、後にシンエイ動画が1980年に再アニメ化して、1980年9月2日~1982年9月28日までテレビ朝日で放送された人気作品です。後に大野智さん主演で日本テレビで2010年にテレビドラマ化されましたね。

『俺はあばれはっちゃく』は1979年2月3日~1980年3月8日まで放送されたので、1980年のアニメと2010年のテレビドラマ版は関係がなく、初代長太郎の部屋にある『怪物くん』は、1960年代の『怪物くん』に関連していると考えられます。そこで、この初代長太郎が所有している『怪物くん』は何なのか、画像で確認出来る表紙の絵柄を手掛かりに調べてみました。

ソノシート付の『怪物くん』の本

長太郎の部屋の『怪物くん』の表紙の本の部分を拡大してみます。

『俺はあばれはっちゃく』1話より

『怪物くん』の表紙の本が分かるようになりましたか?この怪物くんの絵柄と同じ表紙を求めて、画像検索をしてみると……、ありました。これです。

https://jp.mercari.com/item/m14933246636

初代長太郎の部屋にあった同じ本がメルカリに出品されていました。既に売り切れていましたが、間違いなく初代長太郎の部屋にあったのと同じ表紙です。表紙の情報から、これが1968年にアニメ化された時に発売されたもので、1968年のアニメの主題歌『おれは怪物くんだ』が収録されているソノシートが付録の本だということが分かります。発売は制作は日本ビクター株式会社、発売はビクター出版株式会社、定価380円。

初代長太郎は『ドラえもん』のアニメを見ていましたが、それ以前に1968年版モノクロの『怪物くん』を見ていた可能性もあるんですよね。

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10年前の本・もしかしたら、てるほのお下がり?

とはいえ、『俺はあばれはっちゃく』の1話が放送されたのが1979年2月3日(撮影開始は1978年12月)ですから、1968年に発売されたこの本は、初代長太郎の時代から見ると、9年、10年前の物。3代目長太郎だけではなく、初代長太郎も約10年前の本を所有していたということに……。それもどちらも少年画報社関連という偶然(偶然なのかなあ……)

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初代長太郎の年齢は小学5年生の11歳。放送された日から考えて、9年前の本だとしても、本が発売された時の長太郎は2歳ですよね。姉のてるほは長太郎の3歳年上なので、本が発売された時のてるほは5歳だとすると、もしかしたら、『怪物くん』の本はてるほの本だったのが、長太郎にお下がりで渡ったのかもしれません。5歳の女の子が『怪物くん』のソノシート付きの本を買っても、何も不思議ではありませんし、当時の『怪物くん』はそれだけ人気アニメだと聞いていますから、そうじゃないかなって思います。まあ、これは私のいつもの悪い癖の想像なんですけれどね。

脱線

そういえば、3代目『熱血あばれはっちゃく』で登場した『少年キング』には、望月三起也先生の『ワイルド7』(『少年キング』1969年9月21日号~1979年7月16日号)が連載されていた時代の『少年キング』でもありました。『ワイルド7』は、『あばれはっちゃく』と同じ国際放映がテレビドラマ化し、1972年10月9日~1973年3月26日まで日本テレビで放送しています。

『熱血あばれはっちゃく』で、10年前の『ワイルド7』が連載されていた『少年キング』が小道具で出てきたのは、1972年に国際放映で『ワイルド7』をテレビドラマ化した時に資料として買ったものを丁寧に保管していて使ったのかなって考えていましたが、初代『俺はあばれはっちゃく』の時代から『ワイルド7』の連載が始まっていない時代の少年画報社関連の雑誌を小道具として使ているのを見ると、『ワイルド7』のドラマ化とは関係なく、少年画報社の雑誌も小道具の中にあったのかなって思ったりします。

面白いなって思うのは、初代も3代目も、どちらもその時代から見て、約10年前の本を小道具として使っていたことです。2代目『男!あばれはっちゃく』(1980年3月22日~1982年3月27日)の時は、その当時の『週刊少年サンデー』(72話「怒れ!桜島マル秘作戦」1981年8月22日放送)で1981年『週刊少年サンデー』6月24日・28号や『週刊少年ジャンプ』(102話「ひとり卒業式マル秘作戦」1982年3月27日放送)で1981年『週刊少年ジャンプ』9月14日・40号を小道具として使っていたのに、初代と3代目の時は、なんで約10年前の本を使ったのか不思議です。

あんまり、話に関係がないので、その時、たまたまだった偶然なのだろうとは思うのですが……。物語に関係のない小道具の雑誌(本)の話ですが、約10年ほど前の雑誌を使っていた初代と3代目の偶然の一致はちょっと面白い一致ですね。

『男!あばれはっちゃく』72話より

『男!あばれはっちゃく』102話より

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それから、これは本当に余談なのですが、1972年のテレビドラマ版の『ワイルド7』には、初代長太郎役の吉田友紀さんの実父である鴨志田和夫さんが2話に出演されています。『ワイルド7』は、後に1990年にOVA、2002年にテレビアニメ化、2011年に実写映画化されていて、根強くコアなファンが多くいる漫画作品です。