柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

『男!あばれはっちゃく』16話「住めば都さ」感想

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『男!あばれはっちゃく』16話より

1980年7月5日放送・脚本・田口成光さん・松生秀二監督

東京差別

弘子ちゃんの父方のお祖母ちゃんが群馬の田舎から上京してきた話。

人騒がせなおばあさんが騒動を引き起こす話は、初代『俺はあばれはっちゃく』8話を思い出させる話でした。

脚本も初代8話と同じ田口成光さん。田口さんなりの初代の8話のリメイクというか、2代目版の話のように思います。

東京や団地の暮らし、群馬には馴染みのない物に戸惑う弘子ちゃんのお祖母ちゃんの姿が描かれますが、まるで田舎には何にもないような文明から取り残された土地から文明のある世界にきたようになっているのが、いや、1980年代の田舎ってそんなに文明から取り残されていないなって、この当時は横浜市から福島県に住んでいた私なんかは思ってしまいました。

それに群馬県ですよね。年寄りだからだと言っても、ちょっといくら何でもってエレベーターの件に関してもなんですが、思ったりして。

まあ、ひったくりとか、訪問販売なんていう人達に振り回されるっていうのは、あると思いますが、それって東京、都会に限った話ではないんですよ。

だってね、私が仕事で初赴任した土地って、この話を書かれた脚本家田口成光さんの田舎の長野県飯田市だったんですけど、私、そこで独り暮らしをして、弘子ちゃんのおばあちゃんと同じようにとんでもない訪問販売にあって、布団を無理やり買わされたんですよ。

田舎だって、そういう困った訪問販売ってあるんです。何も、東京だけの話じゃないんです。

多分、田口さんが長野県から上京してきた時の経験が、初代の8話や今回の2代目の16話に少し反映されていて、さらに時代のギャップや世代間ギャップを加えるために、お婆さん達を通して、田舎と東京、関東のギャップを書いたと思うんですけど、なんかちょっと、東京、関東差別を感じましたね。

私は生まれてすぐに長野県大町市から神奈川県横浜市に引っ越して、4歳(正確には5歳の誕生日の4ヶ月前)まで横浜に住んでいました。

また、私の父が生まれも育ちも東京で生粋の江戸っ子でした。

横浜に住んでいた頃は、父方の祖父母の家が近かったので、よく東京にも行っていましたし、私にとっては生まれた長野県よりも東京や横浜の方が故郷なんです。

父はサラリーマンで長野県大町市に転勤してきた時に、そこに住む生粋の信州人の母と出会って結婚して私が生まれました。父はほぼ4年ごとに昇進して転勤の辞令があり、私達家族もそれに伴い、福島県、長野県松本市と引っ越しをしてきましたが、赤ん坊の頃から物心つくころまで住んでいた土地っていうのは、故郷に近いんです。

例えそれが本当にそこを故郷としている人達からは、あなたの故郷ではないと思われても、言われても。

確かに転勤族の流れ者の私には、ちゃんとした故郷はありません。

長野県で生まれ、長野県で長く育ち、長野県で就職した私は一応長野県を出身地としていますが、やはり私の感覚では後からきたよそ者という認識があり、自分にとっては、横浜の方が故郷だという気持ちが強いのです。

東京も横浜の人達も優しかったし、私をいじめる人達は一人もいなかったし、だから私には東京も横浜もいい思い出がいっぱいです。

だから、東京や横浜のような都会を住みにくい土地として、他の土地の人達が描くのは本当に嫌な気持ちになります。

初代のドラマでの舞台は神奈川県、2代目の舞台は東京都。

そのどちらも私にとっての心の故郷を非情な場所として最初は描いている、また進んでいる都会に馴染めない地方の人を文明の遅れた人として登場させるっていうのは、土地に対しても地方の人に対しても偏見があり過ぎて、私はあんまり好きではありません。

都会だろうと田舎だろうと

1980年代を地方で過ごした私には、1980年はそんなに地方も生活レベルで文明が遅れていたという実感がありません。

まだ水洗トイレがなかったりもしましたが、中心地などは開かれていたし、水洗トイレもあったし、エレベーターもあったし、交通も不便ではなかったです。

恐らく田口さんが長野県から東京へ上京してきた1960年代よりも、地方は東京に近い感覚になっていたと思います。

上京したギャップの経験が1980年では少し古い感覚になっていたのではないか、そこを補う為に上京してきた人をお婆さんにしたのだろうけれども、それでも、ちょっとなって私は思ってしまった。

似非ではあるけれども、神奈川県や東京都を故郷だと思っている私には、自分の故郷を馬鹿にされたような気分になってしまった。

都会は冷たいと各地方から出てきた人達は、ドラマの話の中でも、歌謡曲の歌の中でも、東京やその周辺の関東に住みながら言うけれども、そこに赤ん坊の頃から住んで人の優しさや人情の中で育ってきた者にとっては、何、人の土地に来て勝手にディスっているんだよって気持ちになってしまうのです。

私も赤ん坊の頃から住んでいたとはいえ、他所から来た異邦人に過ぎないのにね。

でも、私の父にとっては紛れもない故郷東京ですから、そこを馬鹿にされると嫌ですね。

後、母の故郷である大町市や母方の親戚が多く住む松本市を馬鹿にされるのも嫌でした。長野県って南北に大きくて、山で分断されているので、同じ長野県でも大町市松本市飯田市で文化も意識も違うんですよね。

飯田市に赴任した時に、職場の生粋の飯田市の人達から大町や松本を馬鹿にされて、本当にムカつきました。もう新卒1年だから何も言い返せない。それに変な訪問販売にもあうし、朝5時から夜8時まで仕事していたから、大家が職場まで押しかけて来るし、当時は携帯電話もなかったし、本当に非常識で、どうしても違う土地っていうのは、東京だとか都会とか関係なく、よそ者、住み慣れていない人間にとっては、風土や習慣、風習、気候、人間関係を含めて慣れるまでは、本当にこんなとこ嫌だって思うんですよ。

それから、転職して千葉に引っ越しました。

親の転勤や自分自身の転職による引っ越しなどもあって、様々な土地に住んできましたが、本当に最初はどこの土地も慣れるまでは、前の土地が良かったって思うんです。

また、離れて暮らすと嫌だった土地でも懐かしく感じる。

これは、故郷を持たない流れ者の私だからこそ持つ感情かもしれません。

住めば都

嫌な思い出のあった場所でも、住んでいる間はいい思い出や僅かでもいい人達との出会いがありました。

本当にね、あれだけ憎んで恨んで、懐かしい土地に帰りたいと泣いていた時もあったんだけども、離れてみると懐かしく、ニュースでその土地が出てくると嬉しかったり、事故や災害で見ると悲しくなってしまったりして、愛着がついてしまうんです。

最終的には、都会の中にもいい人や場所があって、住めば都なんだってとこで落ち着くので、私は逆都会差別に感じていたけれども、話の中の都会と田舎をひっくり返してみたら、私が引っ越し先で感じたことと同じことなんだって思うと、そんなに怒る必要もないんだなって、こうして書いていくうちに少しずつ落ち着きました。

なんというか、今回は話を見て自分の体験や感情を思い起こさせる話で自分語りをしてしまいました。

なんていうか、人って自分の故郷(故郷だと思っている場所)には愛着がついて大事にしているもんなんだなってそう感じます。

ゲスト紹介

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『男!あばれはっちゃく』16話より

立花かおる役(弘子ちゃんのおばあちゃん):賀原夏子さん

1921年1月3日生まれ。1991年2月20日没。

文学座1期生。19歳で48歳の役を演じる。また、24歳で姑役を演じるなど若い頃から老け役を演じる。1946年木下惠介監督の『大曾根家の朝』で映画初出演、東宝のドラマに多く出演された。『チャコちゃん』シリーズ等。初代『俺はあばれはっちゃく』8話「飛んでけ婆さん」おふでさん役で出演。

 

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『男!あばれはっちゃく』16話より

立花(弘子ちゃんのお父さん)役:川島一平さん。

弘子ちゃんのお父さん役の川島さんは初代『俺はあばれはっちゃく』7話「チカン御用だ」に出演したマキタゴロウを演じました。

1945年9月25日生まれ。劇団NET所属。数多くのドラマに出演されています。

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『男!あばれはっちゃく』16話より

団地の人役:邦創典さん

1903年11月24日生まれ、1982年12月21日没。東京市深川区菊川(現・東京都墨田区菊川)出身。極東映画、松竹、東宝、新東宝国際放映、エヌ・エー・シーに所属。

数多くの映画、ドラマ、特撮に出演されていました。

 

その他

前浦康司さん(『男!あばれはっちゃく』66話にも出演。他『太陽にほえろ!』692話に出演)

宮地佳旦さん

上記のお2人のプロフィールは分かりませんでした。

多分、どちらかがひったくり犯、もう一人がセールスマンだと思います。

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『男!あばれはっちゃく』16話より

弘子ちゃんのおばあちゃんの荷物を盗んだ男。

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『男!あばれはっちゃく』16話より

訪問販売のセールスマン。

吉田友紀さんラジオ出演

嬉しい

さとうさんから頂いた情報です。

さとう

はじめまして。
ご存知かもしれませんが、吉田さんが湾岸スタァというラジオ番組に出演されるそうです。
もう過去作でしか声を聴くこともないかもしれないと思っていたのでビックリしたのですが、周囲にこの話題を共有できる方がいなくて、こちらに書かせていただきました。

吉田友紀さんが明日、12月19日放送19時から(生放送か収録)1時間ののラジオ番組『湾岸スタァ』に出演されます。

毎週金曜日25時から再放送あり。

放送局はマリンFM。

パソコンのリスラジのHPから、スマホListenRadio(リスラジ)をインストールすることで全国各地で聞くことが可能です。本州に住んでいる私ですが、リスラジにある北海道、沖縄のラジオ局の番組も聞くことができました。

パソコン

listenradio

 

iPhone

ListenRadio(リスラジ)

ListenRadio(リスラジ)

  • 株式会社ディーピーエヌ
  • ミュージック
  • 無料

apps.apple.com

Android

play.google.com

番組内容に関しては下のリンク先の記事で。

久しぶりにメディアで吉田友紀さんの声や話が聞けるのがとても嬉しいです。

さとうさん、教えてくださりありがとうございました。

www.dreamnews.jp

 

引っ越し完了

やっと

住んでいたアパートの取り壊しが決まり、立ち退きを言われ引っ越し先を探して、およそ半年。

ようやく引っ越しが完了しました。

新居はとても狭い物件になりましたが、なんとか立ち退き予定ギリギリで引っ越しが出来て良かったです。

それまでは、取り壊される前に引っ越しできるのか不安でしたが、今はホッとしています。

それから、郵便局への転送届、転居届やら銀行や運転免許の住所更新等の手続きをして、せせこましく飛び回っていました。

他にネットのアマゾン、楽天などの住所変更にも追われていました。

もろもろの事務手続きも終わって、ようやく安心して年越しが出来る状態になってきました。

年越しの前にクリスマスがありますね。

なんだか、今年は世界は新型コロナに振り回され、私は立ち退き要請、引っ越しなどがあり個人的にも目まぐるしく生活環境が変わりました。

今年は常に何かに追われているような一年でした。

狭いなりに

新居はかなり狭く、備え付けのコンロに当たるのが卓上のIHクッキングヒーターなので、台所からリビングに移動可能。

冬にはリビングに卓上コンロを持って来て鍋をするのに最適だなって思います。

っていうか、台所もリビングも猫の額ほどの狭さなので、工夫して狭い部屋を有効利用していかないといけなくなりました。

なんとか、それなりに、寝れる場所とDVDが見られる場所、こうしてブログが更新できる環境は整いましたので、おいおい『男!あばれはっちゃく』の視聴感想も復活していこうなかって思います。

とはいえ、年末。

今度は年の瀬に追われ、再開は年明けになるかもしれません。

でも、今年も後2週間ですが、出来る時間が確保出来たら、不定期に感想記事を書いているかもしれません。

とりあえずは、引っ越しが片付いたご報告でした。

 

赤ひげ3 最終回感想

 

赤ひげ

最終回だけ見ました。

部屋探しで忙しく、また、現在はテレビ視聴をする習慣が殆どなく、チェック不足でした。

『赤ひげ2』のおよねの代わりに、つぐみ(優希美青さん)がいて、また、赤ひげは誤解されて憎まれているのが分かると、相手のことを思っていたり、自分の感情や事情を話さない(話せない・相手を思って)赤ひげ先生の不器用さを感じて、見ながら赤ひげの不器用さは相変わらずだなって感じました。

およねがつぐみに変わった以外は前回と見慣れた小石川のメンバーだったので、相変わらずというか、お久しぶりという印象でした。

自己満足

相手を思って身を引いたというのが、今回の話で大きなキーワードのように思いました。つぐみの母にしても、赤ひげにしても、今回の話を動かすきっかけになったゲストのお絹にしてもです。

だからこそなんでしょうか、勝手だなって感じるもののつぐみの言葉は心にきました。

それが、最後の方で赤ひげのつぐみへの謝罪の言葉に入っていて、相手の為を思っての行動って結局は自己満足なんだなって思って。

ただ、身を引いた相手の感情を思いやるということも必要だなってのがあって、どちらも人の心って想像することは出来ても、本当の感情や気持ちって相手に聞かない限り分からないじゃないですか。

聞いても、はぐらかしたり、誤魔化したり、本音と違うことを答えたりして、本当のことって当事者以外には分からない。

それを自分の主観や経験だけで、相手の立場や状況に思いを馳せることなく、自分の感情優先で考えてしまうと、どちらも自己満足、自分勝手で我儘な見方や考え方しか出来なくなってしまうのではないかって思いました。

想像力、相手を思いやること、相手の立場に思いを馳せる事って、とても難しくて、それが見当違いや的外れになってしまうから、誤解やすれ違いが起きてしまう。

そこに人間ドラマが生まれるのだろうけど、なんか、こうか細く心優しい人達が傷つけあって悲しむ姿というのは、見ていて辛いものがありますね。

だからこそ、誤解がとけたり、和解出来た場面が印象に残る、そんな感じがします。

過去について話す場面が多く、回想シーンが多かった印象がありました。

全体的に暗くおとなしめな印象があったかな。

途中まではその回想シーンが多かったのがちょっと不満で、その回想シーンの時代がメインの赤ひげの若い頃の時代の『赤ひげ』が見たかったなって気持ちもあったんですが、お絹がきてから後の展開は、この今の赤ひげの時の話だから良かったのかなって思えたりしました。

似た立場

とても静かで淡々としていて、あまり多くは語らないけれども、態度や雰囲気で鬱屈とした寂しさとか報われなさを出していたつぐみは、結構、感情を出していたおよねとは違う態度ではあったものの、似たような感じを受けて、それがつぐみが前回のおよねの立場にいたからなのか分かりませんが、そんな感じを受けたのは、赤ひげに対して信頼をしていいのか、憎んでいいのか迷いがおよねにもつぐみにもあったからかなって思いました。

私は『赤ひげ2』から見ているので、一番最初は知らないのですが、『赤ひげ』シリーズは、およねやつぐみのような立場の人がきて、赤ひげという人間を信頼と不信の中で見つめ、それを通して保本達が医師として人として成長していく物語なのかなって思いました。

また、弱い立場の人達を通して、貧困や人や親と子の関係を見つめ直す話でもあり、なんだか切なく悲しくなって、人はいつの時代も必死に生きてきたんだってことを知り、こう自分も頑張ろうって思えます。

描かれる時代は江戸時代だけども、そういう人の営みや感情、人間関係は現代に通じるからこそ、少し悲しく寂しく、切なく、共感出来るのでしょうね。

父ちゃんの名声

どこで

『男!あばれはっちゃく』15話に登場した伊奈勝平が父ちゃんの名前を間違える場面。

「長治(ちょうじ)」と「ちゅうじ」と間違える場面なんですが、特に伊奈勝平は父ちゃんの名前の漢字、表記、文字を見ている場面ってないんですよね。

邦彦の父親の佐藤部長と女性社員の会話のやり取りを聞いて父ちゃんの知り合いだと話しだしている。

単に聞き間違いかなって思って見ても、佐藤部長は父ちゃんのフルネームを出していないし、確か「桜間君」と呼んでいるので、「長治(ちょうじ)」と「ちゅうじ」と聞き間違えるタイミングってないんですよね。

もしかして父ちゃんは有名人?

「桜間」と聞いて、父ちゃんの名前を間違ったとはいえ出してきた伊奈勝平は間違えて覚えていただけで、「桜間長治」という人物を噂では知っていたのではないかって思ったんですね。

「桜間長治」という名の評判の良い大工が存在しているって知っていて、どこかでその名前の表記を見ていて、「桜間ちょうじ」と間違えて覚えていたと考えられます。

父ちゃんは、佐藤部長が引き抜いた存在です。つまりヘッドハンティングされた人材。

群馬の大工を東京の会社の部長が引き抜いてくるということは、その界隈で父ちゃんは名の知れた大工だということ。

おそらく「群馬の大工の桜間長治」の名は業界で轟いていて、伊奈勝平もダイクノンを作る際にその名を耳にしたり、目にしたことがあって、この「桜間長治」という名のブランドの高さを知っていて利用したのではないかって思うんです。

父ちゃんは腕のいい大工

父ちゃんが大工であるというのは、原作からの設定ですが、ドラマは少しずつ扱いが違っています。初代『俺はあばれはっちゃく』では、父ちゃんはてるほ曰く、「半分サラリーマン、半分大工」という変な設定。大工でありながら、駅前スーパー株式会社に勤めているサラリーマン。スーパーの中の内装などを手掛けています。こういうのを手掛ける大工さんを内装大工、造作大工などと呼ぶそうです。

kakinoha.hatenadiary.com

初代の父ちゃんは駅前スーパー株式会社の社内に店内の内装を手掛ける部署があった。2代目の父ちゃんの会社は『ちとせ美工(株)』は、内装、外装、デパートのディスプレイ、施工、デザインを行う建設会社、工務店であることから、会社員で大工であっても、初代の駅前スーパーに勤めていながら大工よりも不自然ではない印象になりました。

3代目『熱血あばれはっちゃく』の父ちゃんは大工は大工でも宮大工で、宮大工というと神社やお寺などを建てる、補修する大工で、また伝統的な昔からの技術を使うようなので、微妙に初代や2代目の父ちゃんが持っていた技能とは違う技能や知識がより必要なのかなって思ったりしました。

初代から父ちゃんが腕のいい大工だというのは、長太郎の自慢でそれを裏付ける話もあって(『俺はあばれはっちゃく』37話「父ちゃん社長だ」脚本・安藤豊弘さん、山際永三監督)、2代目になると佐藤部長からの引き抜きや伊奈勝平が間違っていたとはいえ、父ちゃんの名前を知っていてそれに乗っかるだけの信頼度があるということが分かると、いかに父ちゃんが優れた大工、名の知れた大工だってことが分かって、それが視聴者に浸透していったんだなって感じました。

3代目の宮大工になると、そこに伝統が入ってきて凄みを感じます。

父ちゃんが大工設定なのは、4代目『痛快あばれはっちゃく』までで、5代目『逆転あばれはっちゃく』の父ちゃんの職業は、動物園の飼育員に変わります。

最終作・5代目でダイクノン

父ちゃんは大工という印象が強いだけに、5代目で父ちゃんの職業が変わったのや、呼び方が「父ちゃん」から「父さん」になったのは、かなり印象が変わりましたね。

演じられているのは同じ東野英心さんなのに、これまでの父ちゃんの印象も多少残っているのに不思議な感覚でした。

私は5代目はDVD化されてから見ているので、シリーズの中で一番印象が薄く、また、父ちゃんの職業も大工のイメージが強いので、飼育員の父ちゃんの印象がないのですが、5代目でとうとう、ダイクノンになってしまったんだなって思うと、全然関係がないのに、2代目の15話のダイクノンが予言のように見えてしまう、思えてしまうってのも面白い見方をしたなって思ったりもします。

決まる

 

やっと

引っ越し先が決まり安堵している柿の葉です。ほっとして、『男!あばれはっちゃく』の感想記事を再開しました。

記事の形式

また、形式は変えていくかもしれません。それから、感想記事では書ききれない、書いた後で気づいた点についてのツッコミとか疑問とかは別記事で小ネタのように書いていこうかなって思っています。

感想記事に追記でもいいと思っいたこともあって、誤字脱字直しやら、何回か読み直すと意味が通じにくい部分や、言い回しを変えたりするついでにしてたんですが、どうも、記事が無駄に長くなるので、別記事にした方がいいかなって思いました。

特に決まりもない、個人の趣味の感想ブログや考察、妄想ブログなので、流動的に変化していくと思います。

あくまで私の感想だったり、作品や出演者、スタッフに関して調べたことから、いろいろと関連付けて、ああだ、こうだと書いているので、見当違いなことを書くこともあるかもしれませんが、そんなとこも含めて、こんな見方をしている人間もいるんだな、自分とは違うけどとか、うん、そこだけは同意とかっていうのも含めて、作品を楽しむ参考になっていたらいいなって思っています。

興味が広がったら楽しい

私が原作者の『あばれはっちゃく』以外の作品や、出演者の他の出演作品、スタッフが関わった作品を出来る範囲で紹介しているのは、『あばれはっちゃく』に関わった人達が『あばれはっちゃく』の世界だけの人ではないことを知って、その人達の関連性や他の作品で見せる別の顔を知っていって、より『あばれはっちゃく』をより楽しめているので、その楽しみをこのブログを読んでくださる人にも体験してもらえたら嬉しいなっていう思いがあります。

当然、同時代に別作品、別番組で活躍しているのを知っていて、同じように関連付けて楽しんでいる人がいて、私の知らないことを教えてもらったりして楽しくて面白いと感じています。出演者だけでなく、プロデューサー、監督や脚本家、制作会社や放送局に関して調べてその人脈を知っていくと、人間関係の繋がりが見えて、その繋がりの縁が作品に集結していったのかという思いを馳せることも出来て深い楽しみの入り口に来た気がします。

気長に

引っ越し先が決まった後も、引っ越しの日程やら他にもやらないといけないことがあるので、更新は不定期で連続で更新できる日があれば、何日か、何週間か開く日もありますが、気長にお付き合い願えれば嬉しいです。

もうすぐ12月。新型コロナ禍の中、冬がやってきますが、体に気をつけて新型コロナにもインフルエンザにもその他の事故や病気にも気をつけてお過ごしください。

では、また。

『男!あばれはっちゃく』15話「何でも切るゾ」感想

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『男!あばれはっちゃく』15話より

1980年6月28日放送・脚本・市川靖さん・松生秀二監督

疑惑があるのにお人好しな人達

今回は初っ端から怪しい雰囲気が漂っていた話。もう、既に人の良すぎるいつもの人達が騙されるんじゃないか、詐欺にあうのではないかというのが漂っていました。

父ちゃんが大阪に出張中に父ちゃんの知り合いだという伊奈勝平という人物が登場して、特許申請中の大工道具ダイクノンを売りにきます。

それにしても父ちゃん(大工)のいない間に「ダイクノン」大工いらずの意味のある道具を売りにくる奴が出てくるとは、車に書かれた文字「大工いらず」の文字も父ちゃん不要って言ってるみたいで嫌でした。

この伊奈勝平という人、最初から父ちゃんの名前を出してきたのではなく、父ちゃんの会社に売りに来た時に、邦彦の父親と女子社員の会話を聞いて、父ちゃんの知り合いだと言ってくるんです。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

でも、この時に父ちゃんの名前を「ちゅうじ」って間違えているんですよね。

あれ?父ちゃんの名前って「ちゅうじ」じゃなくて、「長治(ちょうじ)」じゃないの?って思うんですけども、邦彦の父親の佐藤部長がそこを咎めないですよ。

だから、あれ?父ちゃんの名前って「長治」と書いて「ちゅうじ」って読むのが正しかったのって混乱しちゃいました。オープニングで父ちゃんの名前はちゃんと「長治」ってあるんですが、読み仮名がある訳ではないですからね。

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『男!あばれはっちゃく』オープニングより

それでも、前回でお祖父ちゃんが「ちょうじ君」って父ちゃんのことを呼んでいるし、これまでもドラマを見ていたら分かる事なんで、佐藤部長の対応に惑わされるものの、父ちゃんの知り合いと言いながら、この伊奈勝平という人は怪しいなって感じる訳です。

それに、佐藤部長はこの伊奈勝平を桜間家に連れて行くんですけど、母ちゃんの反応も悪い。どうやら母ちゃんは伊奈勝平を知らない様子。それでも、母ちゃんは自分が知らない父ちゃんの仕事の知り合いだと思っちゃう。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

この佐藤部長が伊奈勝平を連れてきた少し前に、ドンペイの散歩から帰って来た長太郎が縁側を壊しています。信一郎に咎められて、長太郎は父ちゃんの大工道具を持ち出して修理を始めていて、そこに伊奈勝平がきてダイクノンを使って縁側を直してしまいます。

連れてきた佐藤部長は仕事があるからと既に帰っているんですね。もう、佐藤部長は伊奈勝平を桜間家に連れてきただけ。会社でいろいろと伊奈勝平の話を聞いて、信用できる人物だと佐藤部長はニコニコと話していたけれども、なんかこう人が良すぎないかって思ったし、そもそも父ちゃんの名前を間違えているのに、なんで信用しているのって思ってしまった。

もしかして、佐藤部長はものすごいうっかりさんなのではないか、と思ったりして。しかし、世の中には佐藤部長を上回るお人よしな人達が存在していた!それが桜間家。

なんで、縁側を直して父ちゃんの知り合いだからと言うだけで、面識のなかった伊奈勝平を家に泊めるの?しかも父ちゃんの席に座らせるって、それはちょっとどうなのよって思いました。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

この後に出張先の父ちゃんから電話がかかってきます。で、父ちゃんが大阪にいるっていうのを出すのに使われたのが、受話器から聞こえてくる『大阪で生まれた女』。

『大阪で生まれた女』は1979年にショーケンが出した歌ですよね。特に大阪を代表する風景が出てくるでもなく、父ちゃんのいる居酒屋のような場所が出てくるだけでした。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

で、父ちゃんからの電話でこの伊奈勝平の正体が分かるかなって思ったら、店内BGMが大きすぎて会話がまともに成立せず、伊奈勝平の正体は不明のまま。父ちゃんの知り合いということで、そのまま桜間家に泊ってしまいました。

佐藤部長も桜間家もお人よしが過ぎる気がする。とはいえ、これは私の話なんですが、小学生の頃に両親が留守の時(父は会社、母はパート)にミシンの訪問販売のおばさんがきて、お話を聞くのに家に上げてしまったことがあって、パートから戻ってきた母にそのことを話したら、こっぴどく怒られた経験があるんですよね。

だから、父ちゃんが留守にしていても、母ちゃんがいて伊奈勝平を泊めるなんてのは、ちょっと驚いてしまいました。

子どもの頃は、佐藤部長の信頼と父ちゃんの知り合いだから泊ることになったのかなって思ったりもしたんですけど、自分が同じような事をして物凄く母親に叱られた経験があって、大人になって見返すと、そこら中に伊奈勝平は信用が出来ない人物だというのが散りばめられているって分かるし、父ちゃんとの電話がまともにできないのも、長太郎達が騙される下準備が整ってきたって感じるんですよね。

ドラマの中では、伊奈勝平をこの段階では信じている人の方が多いんですが、唯一、カヨちゃんだけが、指摘しているんです。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

「おじさんの知り合いに発明家がいるなんて、嘘っみたい」

 カヨちゃん、鋭いなって。けど、このカヨちゃんの言葉って、父ちゃんに対しても少し失礼なんですよね。次に、母ちゃんに窘められているから、カヨちゃんの失礼発言にも感じられる。最初にこの話を見た時には、この後者の失礼発言として受け入れているから、父ちゃんの名前を間違えているのにっていうので、信用はないけれども、伊奈勝平が受け入れられているのもいいのかなって思ってみてしまうという。

今、見返すと疑惑があるのにここまで信用していいのって思うですけど、子どもの頃はこの時点では自分も母ちゃん達と同じだったなって。

叱るには理由がある

父ちゃんがいない時に限って、父ちゃんを必要とする用事が舞い込んでくる。長太郎はみゆきちゃんからクーラーの取り付けを父ちゃんにお願いしたいと頼んでくるし、長太郎の家にクリーニングの服を取りに来た和美ちゃんのママが網戸の取り付けを父ちゃんに頼んできます。

で、これを伊奈勝平がダイクノンで代行してしまうんですが、その前に、和美ちゃんのママが桜間家に来ている時に、長太郎が帰ってきていつもの通りにランドセルを投げるですね、これが見事に和美ちゃんのママに命中するんです。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

これを見て、この話の冒頭で父ちゃんが大阪に出張するというとこで、家に帰って来た長太郎が投げたランドセルが父ちゃんに当たってしまう場面があるんですが、それを思い出したんです。

で、この時に父ちゃんが長太郎に言った言葉も思い出して、ああ、父ちゃんの言ったとおりになったなって思って。父ちゃんが叱った時は、もちろん、ランドセルが当たって痛かったのもあるんだろうけど、母ちゃんのお店から帰ってきてその時にお店の中に向かってランドセルを投げるのは危険だって事を長太郎に教えていたんだなって思ったわけです。

長太郎は気にしていないし、たいていはカヨちゃんが受けとめるから長太郎はあんまり父ちゃんの言葉が届いていないし、注意をして謝ってもランドセル投げを中々やめないんですけど、なんかこう注意するには、それなりの理由があってするんだって、和美ちゃんのママが父ちゃんと同じ被害にあった時に思いましたね。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

ダイクノンを売って大騒ぎ

みゆきちゃんの家のクーラーを取り付けて、和美ちゃんの家の網戸を取り付けて信頼を得た伊奈勝平。

ダイクノンの値段を聞いてきたみゆきちゃんのママに対しての伊奈勝平の返答に不気味さを感じました。

「まず、特許が下りれば3万円はくだらないでしょうね。ま、今の段階では宣伝を兼ねまして、5千円でお分けしております。はい」 

 先に3万円って言葉を聞いた後だと、5千円ってすごく安く感じますよね。和美ちゃんのママはそれでダイクノンを買ってしまうし。

長太郎はダイクノンをもっと売る為に、みゆきちゃん達と一緒になってダイクノンの路上販売を始めて売ってしまう。そこに寺山先生がくるものの、寺山先生は注意するでなく、ダイクノンの性能を聞いて寺山先生もダイクノンを買ってしまうという。

もう、佐藤部長、桜間家だけでなく、寺山先生まで警戒心なさすぎと言いますか、みんな騙されやすい人達なのではないか心配になってしまいます。

で、ダイクノンは全部売れるんですが、この後でダイクノンを買った寺山先生が説明書のないダイクノンが使えないってことで困っている様子が出てくるんです。

さらに桜間家にはダイクノンを持った人達が詰めかけて母ちゃんを責め立てています。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

人をかき分けて長太郎が母ちゃんの元へくる様子が見えます。怒鳴り込んできた母親を止めに来ている和美ちゃんが健気ですね。長太郎の母ちゃんに対する優しさもそうなんですけど、和美ちゃんが母親をフォローする姿も健気で。きっと怒り狂って長太郎の家に行く母親を和美ちゃんは追いかけて止めに来たんだろうなって思うと、これまで長太郎を否定していた和美ちゃんが自分の母親の立場ではなく、長太郎側の立場にここにいるってことが嬉しかったな。

その前に学校で長太郎がみゆきちゃんからクーラーの取り付けを頼まれる時に、長太郎は洋一と邦彦と楽しく校庭でボール遊びをしているんですが、この場面でも長太郎は既に友達として受け入れられていたんだなって感じがして、それこそ2話とか、4話とか、8話とかを見ていると、長太郎が受け入れられたんだって感じがして、私はこの話の本筋とは別のところで、良かったなって思っていました。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

騙されたと思ったら

さて、話を戻して。説明書もなく、使えないダイクノンの返品騒ぎでようやく伊奈勝平に騙されたと知る桜目家の人達。

そこへタイミングよく父ちゃんが出張から帰ってきます。もう、帰って来た父ちゃんの姿は安心感よりも怖さを感じました。もうすっかり長太郎と母ちゃん達の立場になってしまっているんですね。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

ダイクノンの返品の山、父ちゃんのいない間に起きた事を知って、父ちゃんは母ちゃんに怒ります。長太郎は伊奈勝平を連れてきた佐藤部長を責めますが、信一郎はダイクノンを売るのを思いついた長太郎のせいにします。結局、長太郎のせいにされちゃうのかと理不尽に感じながらも、父ちゃんは母ちゃんにも怒るし、この後に来た佐藤部長にも怒るので、それでいいかなって。

父ちゃんが帰ってきて、問題の伊奈勝平がダイクノンの説明書を持ってやってきます。ここで初対面の父ちゃんと伊奈勝平。父ちゃんに気づくまでの伊奈勝平の態度と父ちゃんの怒りを爆発するまでの間が面白かったですね。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

伊奈勝平は退散して、父ちゃんは伊奈勝平が持ってきた説明書をぶちまけるんですが、この後で佐藤部長が新聞を持ってやってくるんです。事情を知った父ちゃんは佐藤部長がダイクノンを買ってしまった事と自分の名前を間違えて覚えていた事に怒るんです、で、この時点で本当に父ちゃんがいないとみんなダメだなって思って、人の良いみんなが伊奈勝平に騙された話だと思ったら、佐藤部長は伊奈勝平のような優秀な人材を逃してしまったと嘆いていて、話がかみ合わない。

佐藤部長が持ってきた新聞を見ると、なんとダイクノンの特許申請がとれたという新聞記事が伊奈勝平の写真つきであるんです。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

ええ、どう見ても詐欺師に騙された話だと思ったのに違うの!!って思いました。だって、怪しい様子は散りばめられていたし、最後に戻ってきた父ちゃんの怒りで反省して簡単に人を信じてはいけないという教訓かと思えばそうではなかったという大どんでん返し。

いや、それでも知り合いでもない父ちゃんの知り合いだって語ったのは嘘だし、父ちゃんと対面しても誰だか分からなかったし、だいたい父ちゃんの名前を間違えている人を信用する佐藤部長ってどうなのって思うところもあった。

これは詐欺の話だと思ってもおかしくない。佐藤部長が新聞を持ってくる前に、詐欺の話だと思っていた話の風向きが変わったかなって感じた前兆はあって、それが伊奈勝平が持ってきた説明書。

でも、その後で父ちゃんを見ても父ちゃんが誰だか分からない伊奈勝平を見て、やっぱり父ちゃんの知り合いだって言うのは嘘だったんだって思ったところへの、佐藤部長の新聞があって、二転三転して、結局、詐欺ではなくて、単なるうっかりさん達の話だったのかって。それでも、伊奈勝平が嘘つきであったのは変わらないですけどね。

なんだか、狐に包まれたような話でした。最後に父ちゃんに言われて長太郎がぶちまけた説明書を集めてそこに寺山先生がきて、長太郎が説明書を投げて、いつものように「暴れるぞ」って決め台詞で落ちるかと思ったら、父ちゃんの声が飛んできてそれをとめたのが面白かったです。

この最後の締め方も含めて、予想を裏切る展開が印象に残る話でした。

ゲスト出演者

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『男!あばれはっちゃく』15話より

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『痛快あばれはっちゃく』2話より

伊奈勝平役:沼田爆さん

1940年2月22日生まれ。劇団四季退団後、ドラマや映画、吹き替え、リポーターとして活躍。

沼田爆さんは、4代目『痛快あばれはっちゃく』で父ちゃんの会社の専務のいっぺいとして『あばれはっちゃく』シリーズに再登場しています。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

ダイクノンを返品にきた女性(画面向かって右側の女性)役:上野綾子さん。

画面向かって右側の女性が上野綾子さんです。上野さんは1930年7月31日生まれ。東京都出身。

あばれはっちゃく』シリーズでもお馴染みの山際永三監督の映画監督デビュー作『狂熱の果て』(1961年・11月1日公開・大宝)に出演されています。他に『男はつらいよ寅次郎恋歌』(1971年・11月20日公開・松竹)にも出演。また、『男!あばれはっちゃく』21話に再登場されています。

『狂熱の果て』はついにDVD化されて見る事が出来るので、ぜひ、興味のある方は見てくださいね。 

狂熱の果て [DVD]

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  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: DVD
 

 

不甲斐ない管理人の柿の葉に愛の手を

15話のオープニングにはあと2人の女優の方の名前があります。

それが清水和子さんと蛭田幸子さんです。

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『男!あばれはっちゃく』15話オープニングより

清水和子さん

先に上野綾子さんの次にある清水和子さんについて。清水和子さんは、『男!あばれはっちゃく』18話にも再登場されていて、18話も確認してみました。15話と18話で同じ役者の方(演じている役は違うと思われる)が以下の画像の方です。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

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『男!あばれはっちゃく』18話より

15話では上野綾子さんの隣にいる女性、18話に登場する女性と同じ(画面向かって右、女性の左目)目の下に黒子が確認出来ました。

もしも上記の方が清水和子さんだとすると、清水さんは劇団若草に所属されていたと思われます。1956年9月16日公開日活映画『隣の嫁』(監督・堀池清)に小手たけ子役で出演されています。また、『特別機動捜査隊』(1961年10月11日~1977年3月30日・NET(現・テレビ朝日))311話(1967年10月11日放送)に里子役で出演されています。

清水和子さんが劇団若草所属だと推定したのは、下記のリンクのキャストに清水和子さんの名前があり、そこに(若草)とあったために判断しました。

www.nikkatsu.com

また、同じく1957年1月15日公開の日活映画『孤獨の人』のキャストの中にも清水和子さんの名前があります。 

www.nikkatsu.com

 清水和子さんのドラマ経歴を調べていくと、1962年NHKドラマ『テレビ指定席 祝福』にもキャスト名があります。

1956年から活動されていたとして、『男!あばれはっちゃく』に出演された1980年には、24年のキャリアになっていると思いますが、子役として活動されていれば、年齢的にも問題がないように思えます。

ただ、ちょっと上記の方が調べた清水和子さんである自信があまりありません。

 

蛭田幸子さん

最後に蛭田幸子さんについて。15話に出演した方で他に台詞があったのが、ちとせ美工の女性社員とダイクノンを返品に来た和美ちゃんのママの隣にいた女性です。

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『男!あばれはっちゃく』15話より

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『男!あばれはっちゃく』15話より

こちらの2人は明らかに別の女性なのですが、オープニングに表示されたレギュラー、準レギュラー以外の役者名は4人(沼田爆さん、上野綾子さん、清水和子さん、蛭田幸子さん)。画像で紹介している人数は5人になり、数が合いません。

恐らく、どちらかが蛭田幸子さんだと思われます。蛭田幸子さんの名前で検索すると『UFO大戦争戦え!レッドタイガー』(1978年・テレビ東京)の2話に出演されていたことが分かりました。『UFO大戦争戦え!レッドタイガー』は、『あばれはっちゃく』のプロデューサーの鍛冶昇さんや、『あばれはっちゃく』シリーズの監督の1人松生秀二監督が監督して作品に参加されていました。

 

清水和子さんと蛭田幸子さんに関しての情報に自信がありません。不甲斐ない管理人の柿の葉を助けてくださる方、大歓迎です。