柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

父ちゃんの名声

どこで

『男!あばれはっちゃく』15話に登場した伊奈勝平が父ちゃんの名前を間違える場面。

「長治(ちょうじ)」と「ちゅうじ」と間違える場面なんですが、特に伊奈勝平は父ちゃんの名前の漢字、表記、文字を見ている場面ってないんですよね。

邦彦の父親の佐藤部長と女性社員の会話のやり取りを聞いて父ちゃんの知り合いだと話しだしている。

単に聞き間違いかなって思って見ても、佐藤部長は父ちゃんのフルネームを出していないし、確か「桜間君」と呼んでいるので、「長治(ちょうじ)」と「ちゅうじ」と聞き間違えるタイミングってないんですよね。

もしかして父ちゃんは有名人?

「桜間」と聞いて、父ちゃんの名前を間違ったとはいえ出してきた伊奈勝平は間違えて覚えていただけで、「桜間長治」という人物を噂では知っていたのではないかって思ったんですね。

「桜間長治」という名の評判の良い大工が存在しているって知っていて、どこかでその名前の表記を見ていて、「桜間ちょうじ」と間違えて覚えていたと考えられます。

父ちゃんは、佐藤部長が引き抜いた存在です。つまりヘッドハンティングされた人材。

群馬の大工を東京の会社の部長が引き抜いてくるということは、その界隈で父ちゃんは名の知れた大工だということ。

おそらく「群馬の大工の桜間長治」の名は業界で轟いていて、伊奈勝平もダイクノンを作る際にその名を耳にしたり、目にしたことがあって、この「桜間長治」という名のブランドの高さを知っていて利用したのではないかって思うんです。

父ちゃんは腕のいい大工

父ちゃんが大工であるというのは、原作からの設定ですが、ドラマは少しずつ扱いが違っています。初代『俺はあばれはっちゃく』では、父ちゃんはてるほ曰く、「半分サラリーマン、半分大工」という変な設定。大工でありながら、駅前スーパー株式会社に勤めているサラリーマン。スーパーの中の内装などを手掛けています。こういうのを手掛ける大工さんを内装大工、造作大工などと呼ぶそうです。

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初代の父ちゃんは駅前スーパー株式会社の社内に店内の内装を手掛ける部署があった。2代目の父ちゃんの会社は『ちとせ美工(株)』は、内装、外装、デパートのディスプレイ、施工、デザインを行う建設会社、工務店であることから、会社員で大工であっても、初代の駅前スーパーに勤めていながら大工よりも不自然ではない印象になりました。

3代目『熱血あばれはっちゃく』の父ちゃんは大工は大工でも宮大工で、宮大工というと神社やお寺などを建てる、補修する大工で、また伝統的な昔からの技術を使うようなので、微妙に初代や2代目の父ちゃんが持っていた技能とは違う技能や知識がより必要なのかなって思ったりしました。

初代から父ちゃんが腕のいい大工だというのは、長太郎の自慢でそれを裏付ける話もあって(『俺はあばれはっちゃく』37話「父ちゃん社長だ」脚本・安藤豊弘さん、山際永三監督)、2代目になると佐藤部長からの引き抜きや伊奈勝平が間違っていたとはいえ、父ちゃんの名前を知っていてそれに乗っかるだけの信頼度があるということが分かると、いかに父ちゃんが優れた大工、名の知れた大工だってことが分かって、それが視聴者に浸透していったんだなって感じました。

3代目の宮大工になると、そこに伝統が入ってきて凄みを感じます。

父ちゃんが大工設定なのは、4代目『痛快あばれはっちゃく』までで、5代目『逆転あばれはっちゃく』の父ちゃんの職業は、動物園の飼育員に変わります。

最終作・5代目でダイクノン

父ちゃんは大工という印象が強いだけに、5代目で父ちゃんの職業が変わったのや、呼び方が「父ちゃん」から「父さん」になったのは、かなり印象が変わりましたね。

演じられているのは同じ東野英心さんなのに、これまでの父ちゃんの印象も多少残っているのに不思議な感覚でした。

私は5代目はDVD化されてから見ているので、シリーズの中で一番印象が薄く、また、父ちゃんの職業も大工のイメージが強いので、飼育員の父ちゃんの印象がないのですが、5代目でとうとう、ダイクノンになってしまったんだなって思うと、全然関係がないのに、2代目の15話のダイクノンが予言のように見えてしまう、思えてしまうってのも面白い見方をしたなって思ったりもします。