柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

『男!あばれはっちゃく』8話「母ちゃんのためなら」感想

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『男!あばれはっちゃく』8話より

 

アバンタイトル

時代劇のセットの風景、着物を来た長太郎達がかごめ、かごめ、目を瞑りながら、みゆきちゃんの顔を触っていた長太郎。いつまにか、みゆきちゃんとカツラを被ったドンペイが入れ替わって、オチ。

本編

朝、母ちゃんが開店の準備を始めると、邦彦達が集まり理容サクラマを無視して、みゆきちゃんを誘って学校へ行くのを目にします。

桜間家の食卓では信一郎が放課後、友達と図書館に寄るから遅くなるとの事。

一方、長太郎の方は学校に一緒に行く友達も出来ない状態で、鮮やかに長太郎が無視されたのを目にした母ちゃんは、長太郎には友達がまだいないことを嘆きます。

長太郎はそれでもかまわないとおどけてみせますが、父ちゃんは友達がいないのは、とんでもないことと咎めます。

親は子どもに友達がいるかどうか、気になるようで私の親もそうだったなって思います。

長太郎は積極的な性格ですが、積極的な性格だからと簡単に友達が出来る訳でもなく、人間関係は相手もあってのことですから、相手がこちらに苦手意識があると、避けられてしまって、友達を作ろうにも距離を置かれてしまうってことはあると思います。

長太郎の場合は、まさにそれだなって思います。

みゆきちゃんに理解されてきた長太郎ですが、2話で仲良くなったと思った洋一も、まだまだ長太郎に対しては好意的ではなく、また、弘子ちゃん、和美ちゃんも同じで、邦彦にいたっては、長太郎を毛嫌いしています。

これまでの中で、みゆきちゃんを除く、邦彦達の長太郎の印象が良くないのが薄く積み重なっているのが、長太郎を無視する行動に出ています。

長太郎を抜かして学校に行く途中で、邦彦は今度の日曜日に「ちとせパーラー」で誕生日パーティを開くから、みゆきちゃん達に来て欲しいと言います。

この邦彦の誕生日パーティが今回の話の中心になります。

桜間家では信一郎を送り出した後、長太郎が今日の授業参観日に来る母ちゃんに、綺麗にめかしこんで来てとリクエスト。

初代『俺はあばれはっちゃく』15話「アイラブ母ちゃん」も、授業参観日の話で、それは母の日の前日に放送されましたが、2代目『男!あばれはっちゃく』8話も母の日の前日に放送されました。

これは、母の日が5月の第2日曜日で、『あばれはっちゃく』が毎週土曜日に放送されていたためですね。

今回も初代と同じく母ちゃんがメインで話を書くのは、『あばれはっちゃく』シリーズ唯一の女性脚本家、三宅直子さん。

三宅さんは主婦から脚本家になられた方で、母ちゃんや初代では長太郎の姉、てるほをメインにした女性視点の話を多く書かれました。

今回も、母親の立場や気持ちを分かった上で書かれていて、母ちゃんの感情が伝わってくる話だったなって思いました。

学校の給食の場面、長太郎の食べ方に冷ややかな目が向けられます。 給食が終わり、窓から授業参観に来た親たちを教室の窓から長太郎達がそれぞれ見つけて声をかけていく場面で、誰が誰の母親か分かっていくのは、初代15話と同じです。と同時に長太郎のクラスメイトの名前と親はどんな仕事をしているのか、家族構成もこの話で判明します。

これまで分からなかった和美ちゃんの名前が分かったのがこの話。また、和美ちゃんのとこが母子家庭だというのが、和美ちゃんの母親と洋一の母親の会話から分かり、邦彦のとこが父子家庭だというのが、母ちゃんと邦彦の父親、佐藤部長の会話から分かります。

仕事を父ちゃん達に任せて、邦彦の授業参観日にタクシーで来た佐藤部長は、母ちゃんの姿を見て声をかけていて、佐藤部長の親切さ、優しさを感じました。

授業参観の授業は国語。川上善兵衛の話について。川上善兵衛は実在した人物で「ワインの父」と呼ばれた人。長太郎達の国語の教科書のページに写真がありますが、その写真は現在、ウィキペディアにある川上善兵衛と同じもの。

3話の時もそうでしたが、実際の教科書を小道具に使っていたのが分かります。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

長太郎はこの授業で母ちゃんの紹介を寺山先生に要求し、寺山先生が快諾して長太郎の母ちゃんがみんなに自己紹介。そこをつかさずフォローしたのが佐藤部長。

その前に長太郎が父ちゃんが邦彦の父親と同じ会社で働いていると説明しているので、佐藤部長もフォローに入ったのだと思います。母ちゃんはとても恥ずかしかったと思いますが、佐藤部長のフォローのお陰で助かったと思いました。

その後にみゆきちゃんのママが入って、弘子ちゃん、洋一、和美ちゃんの母親達が自己紹介。先の校庭で親の姿を見つけて声をかけていた答え合わせの感じで、親子の組み合わせや更に詳しい家庭の事、住んでるところが分かります。

一通り、レギュラーの子役の親たちの紹介が終わったところで、授業に戻るあたり、これがレギュラー子役とその家族のお披露目、紹介の場面だったんだなって思いました。

授業が終わって、佐藤部長が邦彦に長太郎も誕生日パーティに呼ぶようにと言います。邦彦は嫌がりますが、父親に言われたなら仕方がないと長太郎を呼ぶことにします。

長太郎は母ちゃんと理容店のお客さんに聞いた、フランス料理レストランちとせパレスに行きますが、長太郎はそこよりも北海道のラーメンを食べたいとラーメン屋へ。

ラーメン屋の前に「ちとせパレス」へ行ったのも、この話の騒動の布石になっています。

邦彦の誕生日パーティの場所は「ちとせパーラー」、母ちゃんと長太郎が事前に情報を入れたのが「ちとせパレス」。

佐藤部長に言われて長太郎の家に来た邦彦が誕生日パーティの場所を言おうとして「ちとせパ」まで言ったところで、母ちゃんが最後まで聞かずに「ちとせパレス」だと思い込み。邦彦は母ちゃんに押し切られる形で、不安を感じながらも、桜間家を後にします。

邦彦から誕生日パーティに呼ばれて、浮かれる母ちゃん達。冒頭で長太郎を無視して学校に行った邦彦達を見ている分、母ちゃんの喜びは大きく、フランス料理レストランのちとせパレスで出るフランス料理の話で盛り上がり。

現代からこの話を見ると、2代目長太郎役の栗又厚さんがホテルオークラで調理師として働いているのを知って見ると興味深く思います。

長太郎は朝食も、給食も、ラーメンもガサツに食べていて、それぞれの食事の場面でガサツな食べ方がインパクトを残しています。

給食で冷ややかな目を向けられた時は弘子ちゃんや和美ちゃん達に嫌がられ、ラーメン屋でも母ちゃんが恥ずかしく思い、その食べ方が長太郎に邦彦の誕生日パーティに来て欲しくない原因の1つにされていました。

長太郎が一方的に理由なく、邦彦達に嫌われるのではなく、嫌うだけの理由があるということもえがいているというのは、邦彦達が一方的に悪いのでもないというバランスをとっているように思います。

ただ、それが長太郎を仲間外れにする正当な理由にはならないということも、この話の中では明確に伝えています。

ある人物に対して苦手意識を感じたり、嫌な面が見えて嫌な感情を持つ心の動きは自然に生まれるもので、その感情を持つ動きは止める事は出来ないし、それを否定することも出来ませんが、その感情から相手を攻撃する事は、自分の意思で止める事が出来るんじゃないかなって考える事が出来たのが今回の話でした。

長太郎は次の日の登校途中で邦彦に声をかけ、誕生日パーティの事を話しますが、この時、長太郎が話した誕生日パーティの会場が違うことに邦彦は気づきます。

また、長太郎がみゆきちゃん達に話した内容と合わせて、長太郎が誕生日パーティ会場を勘違いしていることを邦彦は確信します。

それまでは母ちゃんの早とちりで間違っていたのが、今度は意図的に邦彦によって間違ったままにされた瞬間でした。

誕生日に呼ばれた長太郎は、母ちゃんと玉川高島屋へ誕生日パーティに行くための服と邦彦のプレゼントを買いに行きます。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

1話でドンペイの頭に被せた紙袋が出てきましたが、それも薔薇の絵の高島屋のものでした。私も幼少期に横浜に住んでいた頃は、高島屋にお買い物に行った思い出がありますが、高島屋は一流の百貨店。母ちゃんの気合の入り方が並々ならぬことを感じさせました。

母ちゃんが選んだプレゼントが帆船のモデルで、それを見た時には初代長太郎が父ちゃんに誕生日に作ってもらったヨットの模型を思い出しました。

高島屋には鯉のぼりが飾ってあって、またこの回の放送が母の日の前日というのもあり、誕生日当日にパーティを開いたかは不明だけども、邦彦の誕生日が5月であることが分かりました。

長太郎はさらに母ちゃんの手で髪型をセットされて、めかしこんで邦彦の誕生日パーティに向かいます。この時に桜間家総出で長太郎を送り出しているところに、長太郎が友達が出来る事が一代イベントであることが分かります。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

長太郎は隣のみゆきちゃんを呼んで行くのですが、既にみゆきちゃんは行ったとのこと。この時に応対してくれたみゆきちゃんのママが長太郎を見て、「七五三」というのですが、その前に授業参観日に来たみゆきちゃんのママを見た長太郎が「ちんどんや」と言っているので、それが対比になっていて面白く笑えました。

みゆきちゃんが先に行ってしまったのも、長太郎の勘違いを解けない要因になっていて、みゆきちゃんもお隣だし、同じパーティに行くんだから、誘ってくれても良かったのにって思いました。

長太郎は間違った場所、ちとせパレスに行って追い出され、よく勘違いされる場所のちとせパーラーを聞いて、その場所に向かう途中で出前の自転車と衝突して、邦彦へのプレゼントが壊れてしまいます。

長太郎を待っていたみゆきちゃん達が、なかなか来ない長太郎を心配する中、邦彦がパーティを始める事を言い、長太郎を抜きにパーティが始まります。

邦彦は長太郎がこない理由を知っているのと、長太郎が万が一来た時にはパーティが終わっている状態にしたかったのだと思いますが、長太郎は間に合い、遅れたことを弘子ちゃん達に責められるも、邦彦に来たんだからいいじゃないかと言われて治まります。

邦彦の思惑はどうにせよ、ちゃんと長太郎の席を確保して開けておいたのと、遅れた長太郎を責めた弘子ちゃんや和美ちゃんを宥めたのも、邦彦の中にある僅かな良心と長太郎が遅れた理由を知っている邦彦の対応だったように思います。

長太郎は相変わらず、ここでもガサツに食べて顰蹙を買うのですが、みゆきちゃんがプレゼントを渡したことで、長太郎も壊れてしまったプレゼントを邦彦に渡して、邦彦が壊れたプレゼントなんていらないと投げ捨てた事で大喧嘩をしてしまいます。

長太郎は母ちゃんが選んだプレゼントをゴミのように扱った邦彦を許せなかったと思いますが、その大事なプレゼントを雑に扱って壊したのは長太郎です。

出前の自転車とぶつかったのは事故でしたが、長太郎は腹立ち紛れに出前の人をプレゼントを使って殴っていました。ぶつかった衝撃と殴った事で、邦彦へのプレゼントが壊れていて、壊れたものをプレゼントされてしまった邦彦から見ると、単なる嫌がらせに感じたかもしれません。

佐藤部長は邦彦に壊れたプレゼントでも受け取れと言いますが、せっかくの誕生日に我慢して嫌いな相手から壊れたプレゼントを受け取らないといけないと言われた邦彦の事を考えると、結構、厳しい事を佐藤部長は言うんだなって思いました。

と、同時に息子に甘いだけの父親ではないという印象も持ちました。

長太郎にそういう意思がないのは明らかですが、邦彦はあえて長太郎が会場を間違っていた事を訂正しなかった負い目もあって、そう思ったかもしれません。

長太郎が邦彦が場所を間違っていた事を訂正しなかった事に気づき、邦彦を責めた時、早とちりした母ちゃんを邦彦が貶したことで、長太郎はさらに怒ります。

母ちゃんの勘違いと早とちり、長太郎を毛ぎらう邦彦の気持ちが今回の騒動を引き起こしました。

他のお客さんも巻き添えにして長太郎は大暴れ。邦彦の誕生日パーティは滅茶滅茶になり、喧嘩を止めに入った洋一達も巻き添えになって、長太郎の家に邦彦達の親が怒鳴り込んできます。

父ちゃんは怒り、母ちゃんも嘆く。

一方みゆきちゃん達は、邦彦から話を聞き、長太郎が会場を間違っていた事を黙っていた邦彦を責めていました。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

「じゃあ、やっぱり、間違っているのを知ってて黙っていたのね」

「みんなだって、あいつが来ない方がいいって、言ったから、なあ」

「それは言い訳にならないわ。邦彦君、このままですますつもり?そんな邦彦君って、私、大嫌いよ」

「分かったよ、みゆきちゃん、そんなに怒るなよ」

この後、みゆきちゃんと一緒に邦彦は長太郎の母ちゃんに全て事情を話し頭を下げて謝ります。母ちゃんの為に長太郎が怒ってくれたことを喜ぶ母ちゃんの後ろで父ちゃんも喜んでいて微笑ましいです。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

河原で友達はドンペイだけでいいと言っている長太郎のとこへおにぎりを持ってきた母ちゃんがきて、邦彦とみゆきちゃんが来て謝った事、母ちゃんのそそっかしさを謝り、母ちゃんの為に怒ってくれたことが嬉しかった事、みゆきちゃんが長太郎がお母さん思いで見直した事を長太郎に話します。

みゆきちゃんに見直された事を喜んだ長太郎は「今日もジャンジャン暴れるぞ」で締め。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

まとめ

今回は母ちゃんのそそっかしさが問題を大きくしたと感じた話でした。誤解を解かなかった邦彦も問題ですが、一言も邦彦から間違った場所は話していないのですね。「ちとせパ」まで同じ店名で、「パ」まで邦彦が言いかけたところで、話が母ちゃんのとこでどんどん進んで、翌日の登校途中でも長太郎が邦彦の話を聞かずに行ってしまったのも、今回の騒動を引き起こしたと言えます。

邦彦も強く誤解を解かないのも問題ですが、話を聞かない母ちゃんと長太郎にも問題があると思いました。

だからといってみゆきちゃんの言う通り、それが長太郎にしたことの言い訳にならないのは確かです。長太郎の食事マナーを咎められるのは仕方がないにしても、長太郎を気に入らないからと、それが仲間外れにする正当な理由にはならない。

嫌な面、誤解があるのは仕方がないけど、それが人の好意や気持ちを無下にする理由にはならないということが今回の話から伝わっています。

また、今回は佐藤部長の気配りも目についた話でした。

邦彦は最後にみゆきちゃんに諭されて、謝りに行きますが、この時に邦彦がみゆきちゃんをとても好きだという事、みゆきちゃんに軽蔑される事が一番、辛い事が分かります。後々、邦彦がみゆきちゃんの事を好きでいる事、みゆきちゃんに好かれたいという考えで行動を改めることが分かってきて、邦彦が長太郎を嫌がるのも大好きなみゆきちゃんの隣の家にいる事や、みゆきちゃんの態度に左右されているんだろなって事が分かって、みゆきちゃんを巡って、初対面の悪印象だけでない複雑な感情を邦彦が長太郎に持っている事が分かると、初代長太郎と正彦の関係が逆転したのが、2代目長太郎と邦彦の関係に見えてきます。

kakinoha.hatenadiary.com

10年前に上記の記事でも書きましたが、2代目は初代と微妙に設定や長太郎の立ち位置がずらされていると感じます。

前作との差別化と初代の長太郎が1年かけて視聴者との間に気づいた信頼関係が長太郎を善にライバル役を嫌な奴にという図式にしたように感じました。

邦彦はその役目をおって、当初は嫌な奴として登場してきますが、次第に良い面も見せていくようになってきます。

みゆきちゃんに諭されたものの、正直に自分の悪い事も話して頭を下げた今回の邦彦はそういう良い面を見せた始まりだと思いました。

次回の9話も邦彦がクローズアップされ、彼の良い面と悪い面が見える話になっています。また、今回の監督は松生監督で、今回もまた夕日の場面が綺麗でした。

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『男!あばれはっちゃく』8話より

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