赤ひげ
最終回だけ見ました。
部屋探しで忙しく、また、現在はテレビ視聴をする習慣が殆どなく、チェック不足でした。
『赤ひげ2』のおよねの代わりに、つぐみ(優希美青さん)がいて、また、赤ひげは誤解されて憎まれているのが分かると、相手のことを思っていたり、自分の感情や事情を話さない(話せない・相手を思って)赤ひげ先生の不器用さを感じて、見ながら赤ひげの不器用さは相変わらずだなって感じました。
およねがつぐみに変わった以外は前回と見慣れた小石川のメンバーだったので、相変わらずというか、お久しぶりという印象でした。
自己満足
相手を思って身を引いたというのが、今回の話で大きなキーワードのように思いました。つぐみの母にしても、赤ひげにしても、今回の話を動かすきっかけになったゲストのお絹にしてもです。
だからこそなんでしょうか、勝手だなって感じるもののつぐみの言葉は心にきました。
それが、最後の方で赤ひげのつぐみへの謝罪の言葉に入っていて、相手の為を思っての行動って結局は自己満足なんだなって思って。
ただ、身を引いた相手の感情を思いやるということも必要だなってのがあって、どちらも人の心って想像することは出来ても、本当の感情や気持ちって相手に聞かない限り分からないじゃないですか。
聞いても、はぐらかしたり、誤魔化したり、本音と違うことを答えたりして、本当のことって当事者以外には分からない。
それを自分の主観や経験だけで、相手の立場や状況に思いを馳せることなく、自分の感情優先で考えてしまうと、どちらも自己満足、自分勝手で我儘な見方や考え方しか出来なくなってしまうのではないかって思いました。
想像力、相手を思いやること、相手の立場に思いを馳せる事って、とても難しくて、それが見当違いや的外れになってしまうから、誤解やすれ違いが起きてしまう。
そこに人間ドラマが生まれるのだろうけど、なんか、こうか細く心優しい人達が傷つけあって悲しむ姿というのは、見ていて辛いものがありますね。
だからこそ、誤解がとけたり、和解出来た場面が印象に残る、そんな感じがします。
過去について話す場面が多く、回想シーンが多かった印象がありました。
全体的に暗くおとなしめな印象があったかな。
途中まではその回想シーンが多かったのがちょっと不満で、その回想シーンの時代がメインの赤ひげの若い頃の時代の『赤ひげ』が見たかったなって気持ちもあったんですが、お絹がきてから後の展開は、この今の赤ひげの時の話だから良かったのかなって思えたりしました。
似た立場
とても静かで淡々としていて、あまり多くは語らないけれども、態度や雰囲気で鬱屈とした寂しさとか報われなさを出していたつぐみは、結構、感情を出していたおよねとは違う態度ではあったものの、似たような感じを受けて、それがつぐみが前回のおよねの立場にいたからなのか分かりませんが、そんな感じを受けたのは、赤ひげに対して信頼をしていいのか、憎んでいいのか迷いがおよねにもつぐみにもあったからかなって思いました。
私は『赤ひげ2』から見ているので、一番最初は知らないのですが、『赤ひげ』シリーズは、およねやつぐみのような立場の人がきて、赤ひげという人間を信頼と不信の中で見つめ、それを通して保本達が医師として人として成長していく物語なのかなって思いました。
また、弱い立場の人達を通して、貧困や人や親と子の関係を見つめ直す話でもあり、なんだか切なく悲しくなって、人はいつの時代も必死に生きてきたんだってことを知り、こう自分も頑張ろうって思えます。
描かれる時代は江戸時代だけども、そういう人の営みや感情、人間関係は現代に通じるからこそ、少し悲しく寂しく、切なく、共感出来るのでしょうね。