柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

『男!あばれはっちゃく』第6話「掃除はプロだぜ」感想

 

脚本・市川靖さん・山際永三監督

アバンタイトル

洋一と二人、屋外で鍋の前に立つ長太郎。ガスボンベにガスコンロ。サツマイモをガツガツ食べて、お尻には白い風船を仕込んでいる。どうやら、サツマイモを食べてガス(おなら)を出して何かをしようとしている様子。おならが出そうになったタイミングで洋一に声掛け、マッチを擦って火をつける洋一。途端に爆発。真っ黒けっけの2人。

本編

ドンペイを連れて合気道の稽古にお寺に来た長太郎。みゆきちゃんに手ほどきをお願いしますが、初心者の長太郎と合気道歴5年のみゆきちゃんでは、実力に差があり過ぎて相手にされません。長太郎のレベルにあった方で練習をすることに、真面目にやっているかと思えば、ちょっと居眠り。そんな中、連れてきたドンペイが暴れ始めます。

これ、前回のみゆきちゃんのママに足を踏まれたとか、そういうきっかけがなくて、ドンペイが暴れているので、ちょっと、ドンペイどうしちゃったのかなって、見ていてハラハラ。ドンペイが暴れまくって、長太郎が止めに入って、お地蔵さんが倒れそうになり、なんとかそれを止めるも、合気道の師匠でお寺の住職の和尚さんが地蔵の下敷きになって足を骨折。

長太郎は責任をとって、お寺に住み込みで和尚さんの面倒を見る事に。

長太郎は朝早起きをして、掃除をして食事を作ってと、まるで寺で修行する小坊主のように雑用をすることに。

朝早くからの仕事で目覚ましをかけても、それを止めて起きない長太郎の頭に、鹿威しの仕掛けのような道具で、眠りを覚まされます。それは、和尚さんが使った長太郎起こし機。鹿威しのような仕掛けで、木魚のように長太郎の頭を叩いて起こすのがコミカル。

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『男!あばれはっちゃく』6話より

長太郎の掃除は結構、雑。動きもコミカルでチャカチャカ早送りした感じで、ポンポン進みます。

長太郎は朝早くからのお寺の仕事で、算数の授業中に居眠りしてしまうのですが、ここでも罰として掃除を言い渡されてしまいます。この時に、また、掃除かというのが畳みかけてきて、笑いました。

この学校の掃除でもチャカチャカした動きで雑に掃除をしていく長太郎がテンポよく流れていくので、長太郎が本当に掃除が嫌なんだなって感じました。やらないといけないからやっていくけど、さっさと終わらせたいという気持ちが見えてくるんですよね。

学校に行く前に長太郎が作った和尚さんへの食事もカップ麺でしたし、こういうの笑えます。

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『男!あばれはっちゃく』6話より

学校の掃除が終わって、長太郎がお寺に戻ってきて、またお寺の庭掃除をしていると、ある男性が長太郎に声をかけます。先代の時代から頼まれていたものがあるから、和尚さんを読んで欲しいと。

どうやら、お寺は元々は四谷にあったものの、江戸時代に火事で焼けてその時に紛失したお寺にある仏像と対になる仏像が手に入ったということ。その仏像を持ってきたタニオカさんは、その仏像が200万すると和尚さんに言います。

長太郎はこんな汚いのが200万もするのか、と思いますが、和尚さんは亡くなった先代の時代から探していた仏像の為に欲しいと思うものの、買うお金が50万足りず、ため息。

掃除をしながら、それを聞いていた長太郎は、和尚さんの為にとあることを閃きます。

それが、お葬式の呼び込み。

長太郎は看板を持って町内を歩くのですが、寿司屋の前では効果がないと気づき、ある場所で呼び込みを始めます。それが、みゆきちゃんのおうちのちとせ医院。

それは、もう、みゆきちゃんも止めに入るし、みゆきちゃんのママも怒鳴りこんでくるわけです。

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『男!あばれはっちゃく』6話より

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『男!あばれはっちゃく』6話より

まあ、そんなわけで長太郎は父ちゃんと信一郎に絞られます。長太郎としては和尚さんの役に立てという言葉を守っただけなのにって思うわけで、なかなか、この和尚さんが困っている、お寺の収入源のお葬式が少ない、お金が足りない、お葬式をして収入が入れば和尚さんの欲しい仏像が手に入る。葬式が必要な人は病院にいるから、みゆきちゃんの家の前でお葬式の呼び込みをするっていう、それだけをみてしまうので、みゆきちゃんの家でやられる迷惑を考えないとこが、長太郎の1つのこと、優先すること以外はあまり目に入らないとこが騒動を引き起こすのかなって思いました。

お葬式も大事なものなんですが、やはり病院の前で「死」を連想させるのは縁起でもないというか、それは切り離せないものではあるんですが、ちょっと、それはって思ったりするのです。

決して悪い事ではなく、いずれ、お世話になることではあるんですけど、こういうのって難しいですよね。

長太郎が河原で拗ねていると、カヨちゃんがきてカヨちゃんが和尚さんの髭剃りに行って長太郎の見張り役としてくる事に、でも、カヨちゃんは長太郎の味方。

お寺に行くと、和尚さんがタニオカさんから仏像を買ったことを知り、合気道の稽古に来ていたみゆきちゃんもカヨちゃん長太郎が看板を持ってお葬式の宣伝、呼び込みをした理由を知って納得。

長太郎はまた掃除をすることになって、和尚さんが買った汚い仏像を石鹸で洗い始めます。仏像を洗う長太郎を見て慌てる和尚さん、そんな和尚さんに長太郎が仏像の木材の事を話し、さらに合板ということまで話します。

和尚さんはそれを聞いて目を回し、カヨちゃんは偽物だと言い、みゆきちゃんは江戸時代にそんな木材はないと言います。

和尚さんはタニオカに騙されてしまった。長太郎とみゆきちゃんは売ったタニオカを追いかけてます。途中で本屋で立ち読みしている弘子ちゃんと和美ちゃんの間を長太郎が割り込んできて、続いてみゆきちゃん。

長太郎が来た時は文句を言っていた和美ちゃんがみゆきちゃんが飛んで来た時には、大変な事が起きたと、一緒になって追いかけるところが面白く、弘子ちゃんと和美ちゃんの中で、まだ長太郎よりもみゆきちゃんに対する信頼度が高いんだなって感じました。

同じ行動をしているのに、みゆきちゃんの時には文句がなく、なんかとんでもないことが起きたんだと心配して、一緒に駆け付けるところが、みゆきちゃんの信頼度の高さに繋がっていると感じました。

長太郎が追いかけて、洋一の家の前に来て、長太郎は着物を着た人を知らないかと聞くと銭湯の玄関にはタニオカが履いていた下駄があり、洋一がその人は一番風呂にくる常連だと教えてくれます。

弘子ちゃんと和美ちゃんは特に何もしないんですが、みゆきちゃんが長太郎と洋一の後を追いかけて男湯に入ろうとした時に、止めていたので、2人はこの為に来たのかなって思いました。

長太郎はタニオカの服を取って、お寺までタニオカを誘導します。

タニオカはカーテンを腰に巻いて長太郎を追いかけます。この時にみゆきちゃん達の悲鳴が上がるのですが、みゆきちゃん一人だけでなく、弘子ちゃんと和美ちゃんの声も加わるとパニックの度合いが大きくなって、インパクトが強くなるなって思いました。

また、このタニオカの誘導の作戦の途中で仕事帰りの父ちゃんがそれを見かけて、みゆきちゃん達と共に長太郎、洋一、タニオカを追いかけていきます。

お寺について、和尚さんがカヨちゃんの肩を借りて、長太郎達を迎え入れます。長太郎は和尚さんを騙したことタニオカに和尚さんに謝って欲しかったと思いますし、和尚さんに文句やタニオカを懲らしめて欲しかったと思いますが、和尚さんの言葉は意外なものでした。

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『男!あばれはっちゃく』6話より

 「この仏像ね、偽物だったんですよ。あんたも悔しいでしょうな。こんな偽物、掴まされて」

「え、ええ」

「何言ってんだよ、和尚さん、そいつはな、騙したんだよ」

「騙したんじゃない!この人も騙されたんだ」

 こんな言葉が騙された和尚さんから出てくるとは思いませんでした。長太郎の納得がいかない様子にカヨちゃんが声をかけますが、長太郎が解せない顔をしていると、全てを見ていた父ちゃんが、和尚さんの気持ちを「分かってやれ」と諭します。

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『男!あばれはっちゃく』6話より

こういうのが仏の心なんでしょうか。タニオカさんが和尚さんに素直に200万円を返したのも、その優しさに触れて、騙した自分が恥ずかしくなり、タニオカさんの中にある良心が素直に罪を認め、申し訳ない気持ちが和尚さんに対して素直になれたのかなって思いました。

全てが終わって、和尚さんの足も治り、長太郎も家に戻る事に。長太郎が壊した縁側の板も新しいのになったのに、調子に乗った和尚さんが壊してしまい、また、足を痛めてしまったけれども、もう、長太郎は自由の身。「あしたもあばれるぞ」で締め。

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『男!あばれはっちゃく』6話より

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『男!あばれはっちゃく』6話より

まとめ

初代から書いている5人の脚本家の5人目市川靖さんの2代目の初の脚本です。市川さんは初代『俺はあばれはっちゃく』の最終回を書いて以来の『あばれはっちゃく』の話。

ドンペイが暴れた理由は分からないものの、それ以外は単純明快で分かり易い話でした。

長太郎が3回ほど、閃ていくんですが、どれも逆立ちはなし、殆ど目を瞑って閃くことが多かったですね。また、長太郎がお葬式の看板を持って歩く姿は、初代長太郎が37話「父ちゃん社長だ」で看板を持って父ちゃんの仕事を宣伝していたのを思い出しました。この初代37話も脚本は市川靖さんです。

長太郎が罰で掃除をさせられるという、畳みかけが面白いのと、長太郎の掃除の映像がチャカチャカしているのが面白い話で、また、掃除以外の長太郎の食事の適当さや一つの事に集中したら、他の迷惑を考えない長太郎の長所と短所が同時に分かる演出というか、長太郎の行動が面白い話でした。

掃除のプロの長太郎がプロとしての力を発揮したのは仏像を洗った時でしたね。父ちゃんが大工で長太郎が木材に詳しかったのもプロならでは。お掃除の関連で古い汚い仏像を綺麗にするのがプロの力の見せどころになっていました。

私がこの話で好きなのは、和尚さんがタニオカさんを許す場面です。それも、「許してやる」というのではなくて、仏像を探して見つけてくれたタニオカさんも騙されて悔しいというように、上から目線でもなく、自分と同じ被害者として、相手を責めるでもなく、タニオカさんを許していること。

自分を騙した人を憐れむとか可哀想とかという高みからではなくて、同じ位置で同じ目線で許すというか、うまく伝えられないのですが、こう人を糾弾するだけが解決の道ではないんだなってのがあって、こういうのって本当に一番、難しいことだと思います。

自分を裏切り騙した人を責めずに悪者にしないで、許すとこと。

相手を悪者にするのは簡単だけど、それは相手に新たな憎しみを与えて、終わりない戦いに繋がっていくのかなって。

後は許された相手にも良心があることが大事で、それがないと味をしめて、また人を騙す人はいるんですけど、タニオカさんはそうではなかった。

まだ、恥を知っていたんですね。長太郎に服を取られて裸で追いかける時に、恥ずかしさを感じてカーテンを巻いて追いかけたタニオカには「恥」があった。

裸で出る事も、人を騙すことも恥ずかしい事。

恥というのは、忘れてはいけないし、かかないにこしたとはないんだなって思いました。

人を許す優しさ、恥を知る事の大切さをしみじみ感じた話でした。市川さんの話は破天荒な中にこうしたホッとする温かさを感じる話が多くて、私はとても好きです。

収録DVD紹介

 

『男!あばれはっちゃく』第5話「ヒゲが消えたよ」感想

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『男!あばれはっちゃく』5話より

脚本・田口成光さん・山際永三監督

アバンタイトル

ジュリーの扮装をして、パラシュートをつけ、マイクを持って『TOKIO』を熱唱する長太郎。長太郎の持つ、マイクのコードの先から火がついて、長太郎の手元のマイクが爆発。後ろの尻もちをついた長太郎が「すっころぶ」と『TOKIO』の歌の調子で歌ってオチ。

kakinoha.hatenadiary.com

これまで初代『俺はあばれはっちゃく』の初代長太郎はアバンタイトルで空を飛ぶための試みを多くしてきましたが、2代目長太郎が空を飛ぶ事に挑んだのは、これが初めて。厳密には、パラシュートをつけてはいても、ジュリーの『TOKIO』を歌っていただけで、空を飛ぶことを挑んだのではないのですが、それでも『TOKIO』の歌詞を思い出せば「TOKIOが空を飛ぶ」と歌っていて、2代目長太郎もそう歌っていて、ジュリーの『TOKIO』の演出で実際に飛びあがっていて、当時、それが話題になっていたのですから、2代目長太郎がジュリーのように飛び上がるのを目指していたと見てもいいのかなって、結果は「飛ぶ」ところか「すっころん」でしまった、と。

当時の人気歌手のジュリーの格好『TOKIO』を歌う2代目長太郎。一瞬、する決め顔は、ハッとするかっこよさです。

本編

立派なヒゲを生やした紳士が歩いているところから、みゆきちゃんのママがその紳士に声をかけます。会話から、その紳士がみゆきちゃんのパパ、大島英介さんだと分かります。みゆきちゃんのパパ、初登場の場面です。

みゆきちゃんのママに対する物腰の柔らかい穏やかな口調と話し方から、みゆきちゃんのパパの温和な性格が伺えます。また、みゆきちゃんのママの口ぶりから、とてもパパが好きなんだということも伝わってきます。

主導権はみゆきちゃんのママにあって、対照的な性格の夫婦なんだなって分かるのですが、決して、みゆきちゃんのママがみゆきちゃんのパパをいたずらに牛耳っている印象がありませんでした。このさじ加減がちょっとでも違うと旦那を蔑ろにして尻に敷く恐妻家に見えてしまいますが、そうではない。ちょっと勝手で我儘なみゆきちゃんのママを包容力のあるみゆきちゃんのパパが優しく受け止めている印象の方が強いです。

みゆきちゃんのママの強引さに押し切られるみゆきちゃんのパパの姿がこの話では見えますが、対照的ながらも夫婦仲の良い雰囲気が出ていて、とても仲の良い夫婦だなって思います。最初の場面の会話は短いのですが、その短さの中でそれだけの雰囲気を生み出しているのが、さすが、藤江リカさんと安田伸さんの2人だと思います。

さて、みゆきちゃんのママが、みゆきちゃんのパパの乱れたヒゲを気にして、綺麗にしてとお願いしています。今回、サブタイトルにもある「ヒゲ」。これが、今回の騒動の元になっていくわけですが、そのヒゲに注目させるように、みゆきちゃんのパパが後ろ姿でも「ヒゲ」が目立っていています。

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『男!あばれはっちゃく』5話より

ヒゲを整えて欲しいのは、みゆきちゃんのパパが5年かけて書いた論文を大学病院に提出するためで、その為の見栄えを良くして欲しいというのが、みゆきちゃんのママの希望。後で分かりますが、大島家が営む「ちとせ医院」は代々、「おひげのお医者さん」として有名な病院なんだそう。

場面は変わって、ドンペイの散歩をしていた長太郎が、バレーボールで邦彦達と遊ぶみゆきちゃんを見つけて声をかけています。長太郎が来たことで嫌な顔をする邦彦達。長太郎はみゆきちゃんがこぼしたバレーボールをキャッチしてみゆきちゃんに投げ返しますが、その時、坂にあるごみ箱を倒してしまい、それが次々と転がっていき、みゆきちゃんのママに当たってしまいます。

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『男!あばれはっちゃく』5話より

この時、やたらとゴミが多いのが気になりました。転がっていくゴミ箱から、どんどんとゴミがこぼれてゴミだらけになっていくのも。これは、次第に話を見ていくと、ここだけでなく、ゴミやゴミを焼く、煙の映像も流れていて、それがみゆきちゃんのパパが書いた論文へと繋がっていることに気がつきます。

みゆきちゃんのママは、転がってきたゴミ箱に当たってひっくり返り怪我をして、長太郎をいたずらの犯人だと長太郎の家に怒鳴り込みに行きます。でも、これ、長太郎の取った行動がきっかけになってゴミ箱が次々と倒れたのは確かなんですが、狙ってやったわけではなくて、結果的にそうなった不可抗力だと思うんですけど、長太郎も自分がきっかけだと感じていたのと、みゆきちゃんのママの凄い剣幕にかなわなくて、それに耳を掴まれていかれたので、逆らえなかったんじゃないかなって。

みゆきちゃんのママは長太郎の家に乗り込むのですが、弘子ちゃんが理容サクラマの扉を開けたり、邦彦がみゆきちゃんのママの自転車を引いたりしていて、なんというか、本当に邦彦達をお供にしているみたい。

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『男!あばれはっちゃく』5話より

さて、怒鳴り込まれた時の母ちゃんの顔を見ると、長太郎が何かしたなって顔はしているんですが、みゆきちゃんのママに対して申し訳ない顔をしていないんですね。長太郎とみゆきちゃんのママの顔を見比べて様子を見ているんです。で、みゆきちゃんのママが長太郎にみゆきちゃんのママが怒っている説明を促すのですが、長太郎が言い淀んでいると、イライラしたみゆきちゃんのママが興奮して、はずみでドンペイの足を踏んでしまい、踏まれたドンペイが騒いで、理容店に来ていたお客さんのところへ突撃。

そのお客はみゆきちゃんのパパ。ハサミを持って、自分のヒゲのカットをしていたところで手元がくるって、ひげが半分だけなくなってしまって、それを見たみゆきちゃんのママの怒りはさらにエスカレート。悪態をついて、みゆきちゃんのパパを連れて帰ってしまいます。

ここで、初めて母ちゃんが申し訳ない顔をして謝ります。カヨちゃんは、みゆきちゃんのパパが自分でやるって言ったのだから、謝る必要はないって言うんですね。それにしても、ドンペイを長太郎と共に連れ込んだのは、みゆきちゃんのママだし、ドンペイが騒いだのもワザとじゃないとはいえ、みゆきちゃんのママがドンペイの足を踏んだからだし、みゆきちゃんのママにも責任の一端はある訳なんですよね。

だから、一部始終を見ていた弘子ちゃんが「どっちが悪いと思う」と和美ちゃん、邦彦、洋一に尋ねるのですね。和美ちゃんは「さあ、ね?」と答えかね、洋一が「結局、長太郎君が悪いってことになると思うな」と答え、邦彦もそれに同意します。なんか、実は長太郎がそんなに悪くないのに、長太郎のせいにされてしまうっていうのは、その場の勢いと長太郎に対する周囲の印象もあるんだなって思います。

ちとせ医院に戻ったみゆきちゃんのパパはみゆきちゃんのママの手の怪我の手当てをして、自分がヒゲをやるって言ってそうなったのだから、桜間さんを怒らないでと言いますが、「お店で起きた事はお店の責任」とみゆきちゃんのママは怒りを治めません。ここの手当てをしている時に見える壁に額に飾った写真が3枚あるのが見えます。それがみゆきちゃんのひいおじいさん、おじいさん、お父さんであり、代々の「ちとせ医院」の院長であることが、みゆきちゃんのママの言葉で分かります。

前述した「おひげのお医者さん」もここで出てきます。ここで、みゆきちゃんのパパが大島家の婿養子であることも分かりました。みゆきちゃんのママのひいおじいさんの代から続いてきたちとせ医院ですから、みゆきちゃんのママの大島家にパパがきて、ちとせ医院を継いだということ、みゆきちゃんのママに腰が低いのも人柄プラス、婿養子だったから。

このヒゲで大学病院に論文を持っていくのは恥ずかしいというみゆきちゃんのパパに大学の助教授になれる大事な論文なのだからというみゆきちゃんのママは何か思いつき、みゆきちゃんのパパをみゆきちゃんのいる居間に連れていきます。みゆきちゃんのママが何かを取りに行っている間に、みゆきちゃんのパパはみゆきちゃんにヒゲについて尋ねます。

「別に。ない方が若く見える気もするけど」

みゆきちゃんの答えはあっさりしていますね。その分、ヒゲに拘るみゆきちゃんのママとパパが滑稽に見えます。みゆきちゃんのママはクマの毛皮の一部を持ってきて、それをヒゲ代わりにしてみゆきちゃんのパパにくっつけようとします。みゆきちゃんに糊を持ってくるように頼んで。その時に返事をしたみゆきちゃんの声が、また、みゆきちゃんのママとの温度差を感じて面白いです。この時のみゆきちゃんの返事は声だけなんですが、その声だけでママとの温度差が出ているんですね。

みゆきちゃんのママに仮のヒゲをつけられたみゆきちゃんのパパは論文の入った緑の封筒を持って大学病院に行くんですが、結局、勇気が出なくて途中でやめてしまいます。その前にみゆきちゃんのパパは父ちゃんと寺山先生に会っているんですね。2人に声をかけられて話をしている途中でクシャミをして、その弾みでつけてもらった毛皮が父ちゃんに飛んで父ちゃんの頬に。恥ずかしくて帰ってしまったみゆきちゃんのパパをポカンと見送る父ちゃんと寺山先生ですが、父ちゃんに飛んだヒゲを見て笑ってしまいます。

家に帰って来た父ちゃんはこの出来事を笑いながら、母ちゃんたちに話すのですが、その真相を知る母ちゃんたちは苦い顔。長太郎は信一郎に2階から引っ張り出され、父ちゃんに大目玉を食らいます。一方、大島家ではみゆきちゃんのママが電話で理容サクラマの評判を下げる電話をしまくってみゆきちゃんが嫌な顔をしています。電話だけではなく、翌日の買い物途中の井戸端会議でも理容サクラマの悪評を流し始めます。口コミでの評判下げ。

今の時代なら、SNSを使うのでしょうが、40年前は口コミ。これは初代の45話「八百勝繁盛」で登場した口コミ婆さんを思い出しました。本当に人の噂に戸は立てられないとはよく言ったもので、悪い評判が流れてしまうと、客商売はあがったり。これは、もう営業妨害であって、実際に長太郎の母ちゃんの店の客足は遠のいてしまったのですから、問題です。

長太郎は事件現場のとこへきて、このゴミ箱が悪いと蹴り飛ばすと、またゴミ箱は転がり、今度はタイヤ交換をしていたチリ紙交換の運転手のおじさんに当たってしまいます。おじさんはタイヤのいたずらをしたのが長太郎の住む近所の子の仕業だと聞きますが、長太郎は否定。一言、嫌味を言ってそこを去ります。ここでの長太郎とチリ紙交換のおじさんの出会いが後に起きる事件の解決へと繋がっていきます。

チリ紙交換のおじさんと別れた長太郎は、ママと買い物をしているみゆきちゃんに会って声をかけると、足を踏まれてみゆきちゃんのママに怒りを持ったドンペイがみゆきちゃんのママに向かって吠え立て、みゆきちゃんのママはびっくりして、電信柱の出っ張りを掴んでドンペイから非難します。これが、非難になってはいないのですが、みゆきちゃんのママの必死さが伝わってきます。

なんとか、ドンペイから逃れたみゆきちゃんのママはそのまま興奮して、ちとせ医院の待合室に来て、患者が散らかした雑誌をどんどん束ねていきます。バックには長太郎がさっき別れたチリ紙交換のアナウンスが聞こえていて、みゆきちゃんのママは束ねた雑誌をチリ紙交換に出すのですが、その束ねた雑誌の中にみゆきちゃんのパパの書いた論文の入った緑の封筒がありました。

みゆきちゃんのパパが緑の封筒に論文を入れて持って行ったのは、その前に出ているので、緑の封筒を古雑誌と一緒に束ねた時に、見ている方は「あ!」と思う訳です。

あっという間にその緑の封筒はチリ紙交換のトラックの荷台にあって、絶体絶命。みゆきちゃんのママが怒りに任せて束ねていったのと、既に昨日、論文は提出していたという思い込みから確認をするということが抜けていたのが悲劇の始まり。

一方、理容サクラマでは、みゆきちゃんのママの口コミが成功して、お店は閑古鳥。長太郎をサクラにして客寄せしますが、ここ2,3日お客が来ないということで、カヨちゃんの友達の理容店が新聞に広告を出していると聞いた父ちゃんは看板を作って理容サクラマの宣伝に。仕事で縁があった人のお店に看板を置いてもらいます。その帰り、長太郎は母ちゃんの店の宣伝をする手作りのポスターを見かけます。これがママのやることに不満を感じ、苦言を直接言っていたみゆきちゃんの態度に繋がっていて、話の締めくくりにも関与してきます。

場面はみゆきちゃんのパパが探して物をしているところへ。どうやら、論文の入った緑の封筒を探している様子。みゆきちゃんのママがそれに気がついて、緑の封筒があった場所を知るとみゆきちゃんのママは目を回してしまいます。この時の藤江さんのややおするオーバーな演技が大変なのにコミカルさを出しています。

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『男!あばれはっちゃく』5話より

両親がそれで倒れこんだみゆきちゃんがそれを邦彦達に話し、泣いているところに長太郎がきて、理由を聞き、長太郎はみゆきちゃんの為に、あの時、チリ紙交換をしていたヒノモトチリ紙交換を思い出して、みゆきちゃんの為に、ヒノモトチリ紙交換を探して走り回ります。

なんとか見つけても、それは川崎に行ったと言われ、長太郎は川崎まで走ります。ちなみに長太郎の住んでいるところは、東京都世田谷区です。川崎は隣県の神奈川県川崎市のこと。長太郎、交通機関を使わず、自分の足で川崎まで交換車を追いかけていきます。

川崎といえば公害病が多かった市として有名でした。長太郎が走っていく風景に、黙々とした煙がうつる場面があり、冒頭のゴミだらけになった場面もそうですが、ゴミと煙がこの話には多く出てきます。

また、長太郎に説明をする時に、邦彦の口からみゆきちゃんのパパの論文が「大気汚染と小児喘息について」の論文だと分かると、ゴミ問題、煙の問題、大気汚染とこの話の中に時折出ていた映像と結びつきました。

その汚染された大気の中を長太郎が全力疾走で走っていく。こうして、連想を膨らませていくと、いかに危険な中を長太郎が大好きなみゆきちゃんの為に例え、火の中、水の中、煙の中、走っていたのかが分かって、長太郎の思いの強さを感じます。

また、長太郎に気がついた警察官が長太郎と一緒になってチリ紙交換車人の車を止めて、チリ紙交換の人も含めて三人で、大量の古雑誌から緑の封筒を一緒になって探した時に、なかなか見つからないのことに、チリ紙交換車の人が不信になった時に、警察官の人が長太郎を信じた言葉が印象的でした。

この子が言っているんだからね

長太郎の言葉を信じて夕方まで、へとへとになりながら探してくれた警察官。ちょうど、その時に長太郎が封筒を見つけて警察官に確認を取り、良かった、良かったと。探している時も不満を口にしたチリ紙交換車の人に、子ども為の立派な論文なんだからと探すことをやめさせなかった警察官の、長太郎がチリ紙交換車を見つけてしがみついている姿を見ても、危ないとは思っても怒らず、心配でついてきて車を止めさせ、一緒に論文の入った緑の封筒を探してくれた警察官にとても安堵して頼もしさを感じました。

長太郎は印象や雰囲気で悪者にされてしまうことがあっても、前回のようにちゃんと長太郎の話を聞いて味方になってくれる存在がみゆきちゃんや寺島先生だけでなく、ここにもいるんだって。

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『男!あばれはっちゃく』5話より

群馬県から転校してきた長太郎はこうして少しずつでも味方を増やしていったんだって思うと気持ちが暖かくなりました。長太郎が論文を取り戻してきて、大島家にそれを届けると大島家は大喜び。翌日、罰の悪いママを連れて、桜間家に謝りに行きます。

この時の小さくなっているみゆきちゃんのママが普段の態度と違い過ぎて可愛いのと、ママに押されっぱなしのみゆきちゃんのパパが逆に頼もしく見えて、2人は変わっていないのに立場が逆転しているのが面白かったです。ひげや見栄えに拘ったのがいけなかったというみゆきちゃんのパパ、素直に謝ったみゆきちゃんのママ。

そして、先に来ていたお客の寺山先生がみゆきちゃんのかいたポスターに惹かれて、理容サクラマに来たことを告げると、みゆきちゃんがちょっと照れながら、

あら、先生。内緒にしてって言ったのに。

みゆきちゃんはママが理容サクラマの悪評を流しているのを心苦しく思って、誰に頼まれるでもなく、ポスターをかいて貼っていたのですね。そのさりげない優しさとそれをやったことを言わない奥ゆかしさが素敵です。長太郎は寺島先生の持っていたみゆきちゃんのポスターを見て喜びます。そして締め。

やったぜ、今日もあばれるぞ!

 

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『男!あばれはっちゃく』5話より

まとめ

やたらとゴミが出てくる話だなって思いながら見ていましたが、当時の公害やみゆきちゃんのパパの論文と照らし合わせていくと、それが無駄な演出ではないことに気がつきました。みゆきちゃんのパパは5年の歳月をかけて論文を書いていますから、最低でも1975年からの課題だったと言え、もちろん、それ以前からの社会問題でした。

今回の監督は山際永三監督。話の中で時折出てくる、たくさんのゴミ、大気汚染を思わせる映像を見ながら思い出したのは、山際監督が監督した『帰って来たウルトラマン』(1971年)22話「この怪獣は俺が殺る」(脚本・市川森一さん)でした。

『帰って来たウルトラマン』22話「この怪獣は俺が殺る」は市川さんの脚本にはないゴミ問題を提起する台詞を山際監督が一言足しただけで、印象を変えた話でした。この『男!あばれはっちゃく』5話の脚本を書いたのは田口成光さんで市川さんではありません。

それに『帰って来たウルトラマン』と『男!あばれはっちゃく』は直接の関係もありません。

それでも『帰って来たウルトラマン』22話と『男!あばれはっちゃく』5話の監督が同じ山際監督で、2つの話で見つけた共通点(ゴミ問題)を考えると、今回5話のゴミや大気汚染、喘息に関する公害の問題提起は、脚本家の田口さんよりも山際監督の意向が大きかったと感じるのです。

また、田口さんは市川さんと共に、円谷プロの文芸部で先輩、後輩の中で脚本を書いてましたから、脚本を書かれた田口さんもどこかで9年前の『帰って来たウルトラマン』22話を意識していたんじゃないかなって、この5話を見て『帰って来たウルトラマン』22話を思い出した私は勝手に連想したのです。

私は幸いなことに喘息の苦しみを知らないのですが、喘息で長く苦しんでいる人は多く、その苦しみは想像を絶するもので、特に今は新型コロナがあり、喘息持ちの人にはさらに恐怖になっていると思います。警察官が論文がどんな論文かを知って、それが大事で有難い大切なものだと言うのも、そういう苦しみを見てきたからではと思いました。

kakinoha.hatenadiary.com

以前の記事でも紹介していますが、この話で初登場したみゆきちゃんのパパを演じたハナ肇とクレージーキャッツのメンバー、安田伸さんの温和で優しいパパとコミカルなみゆきちゃんのママを演じた藤江リカさんの雰囲気がいいですね。

収録DVD紹介

『男!あばれはっちゃく』第4話「なぐれ!先生」感想

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『男!あばれはっちゃく』4話より

脚本・安藤豊弘さん・松生秀二監督

アバンタイトル

木の上を見上げる長太郎。そこに、みゆきちゃん、洋一、邦彦、弘子ちゃん、和美ちゃんがきて、長太郎が見上げた先を見る。そこには、鳥の巣のようなものが、揺さぶられて鳥の巣から蛇のおもちゃが落ちてきて、戸惑うみゆきちゃん達。いたずらが成功して笑う長太郎の頭に、巣が落ちてきてオチ。

珍しく、今回のアバンタイトルは次に始まる、本編と若干関連性のあるアバンタイトルになっています。アバンタイトルは本編内容とあまりリンクしないのですが、たまにはリンクする時もありますね。

本編

朝のみゆきちゃんの登校の場面から。理容サクラマの前の道路を掃き掃除しているカヨちゃんに挨拶をするみゆきちゃん。随分、早い登校に声をかけたカヨちゃんに、みゆきちゃんは、当番なんです、と答えて登校していきます。

桜間家の食卓、英語の単語帳を捲りながら、朝食を食べる信一郎。東京の学校は進んでいて、勉強についていけるか、と心配する母ちゃんと父ちゃんに対して、頼もしい返事をする信一郎。テストを見せて「百点は僕だけさ」と答えると、父ちゃんが信一郎は「我が家のホープだ」と信一郎への期待とそれを裏切らない姿に喜んでいます。

一方長太郎は、まだ、寝ていて、カヨちゃんが長太郎を起こしに行きます。起こされた長太郎は、となりのみゆきちゃんの部屋に声をかけますが、カヨちゃんからもう登校した事を告げられ、「冷たいな」と不貞腐れ。

長太郎も食卓に来て、朝食を食べ始ます。信一郎は既に登校して、入れ違い。長太郎は信一郎と比べられ、父ちゃんと母ちゃんは、長太郎にもちゃんと友達を作るようにと言いますが、長太郎は「そんなことを言われたら、メシがまずくなる」と抗議。長太郎はまだ切り分けていない残りの食パンを丸々抱えて、登校していきます。「給食までにお腹が減るの」と言って。

今回は、既に、ここで大きな振りがありました。長太郎は父ちゃんと母ちゃんから友達を作るようにと言われていて、それを守ろうとして、行動していきます。学校へ行く途中、長太郎は食パンをくり抜いて食べ、筒状になった食パンを望遠鏡のようにして、覗き、寺山先生を見つけると声をかけます。

食パンの事を聞かれて、弟のドンペイの大好物だと長太郎は答えます。学校に着くと、校庭でクラスメイト達がサッカーをしているのを見て、長太郎はその中に入っていきますが、長太郎が蹴ったボールが盆栽をいじっていた校長先生に当たり、みんなは退散。長太郎は校長先生に怒られます。この時、長太郎が校長先生のあだ名「盆栽じいさん」を校長先生に行ってしまったため、教室に戻ると、それについて、洋一や弘子ちゃん、和美ちゃんから文句を言われてしまいます。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

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『男!あばれはっちゃく』4話より

校長室では、寺山先生に新任の音楽の松島先生が紹介されていて、それを通りかかったみゆきちゃんと邦彦が見つけます。新しい先生が素敵で音楽の授業が楽しみというみゆきちゃんに、何かを思いついた邦彦。それが何かと尋ねたみゆきちゃんに、「内緒、内緒」と答えた邦彦は、教室に戻ると、新任の松島先生にいたずらをするのが、5年3組の憲法だと長太郎に話します。

「転校生の度胸試し」 

 それが出来ないと、長太郎はクラスからは認められないとの言葉に、校長先生のことで、洋一や弘子ちゃん、和美ちゃんから非難され、和美ちゃんには「だから、このクラスに入れる事を反対したのよね」とまで言われていて、さらには、朝の食卓で父ちゃんと母ちゃんから友達を作れ、と言われていたこともあって、クラスに認められ、友達も作る為にも、邦彦が出した度胸試しをやる事を決めます。

今回の脚本は、安藤豊弘さんですが、長太郎がクラスメイト達から拒絶されて、5年3組に入れないでくださいって言われたのは、既に1話(脚本・山根優一郎、監督・山際永三)で描かれているので、ちゃんと1話からの流れを汲んでいる展開なんですよね。長太郎がリスの件でちょっぴり見直されても、まだ、本当にちょっぴりで5年3組に認められていない。

邦彦が持ちかけた度胸試しは、長太郎が一躍、クラスに認められる大事なチャンス。だから、長太郎はその誘いに乗るのですが、長太郎が松島先生を驚かすのに用意したどじょうは、想像以上に効力を発揮して、音楽室を通りかかった校長先生に騒ぎを知られて、長太郎は校長室に呼ばれ、寺山先生も呼ばれて怒られてしまいます。校長先生にとっては、朝の件もあり、2回目。校長先生が寺山先生に話している間に長太郎が校長室の机にある盆栽の枝を折ってしまい、さらに追加で怒られてしまいます。

それで、寺山先生は長太郎を連れ出して、校庭で、松島先生にいたずらした事を聞くのですが、長太郎は邦彦の言ったクラスの憲法を守り、頑なに邦彦達からそそのかされて、やった事を話さなかった為に、罰として校庭に水の入ったバケツ2つを持って立たされてしまいます。

長太郎が罰を受けている姿は、クラスメイト達から認められるために、邦彦達の事を言わず、ずっと耐えている姿の健気さ、何も知らない寺山先生との温度差が切なくなりました。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

この松島先生への長太郎のいたずらが、先に書いたアバンタイトルでの長太郎の邦彦達へのいたずらと少しリンクしました。それにしても、長太郎が用意したどじょうが松島先生の大の苦手だったということで、必要以上に長太郎のいたずらは効果が大きかったのですが、まだ新任したばかりの松島先生が、よりにもよってどじょうが苦手だなんて、どこで長太郎はその情報を仕入れたのでしょうか、不思議です。これは、初代『俺はあばれはっちゃく』2話で長太郎が正彦の苦手なカエルを正彦の下駄箱に入れた時にも思いました。2話で転校してきた正彦がカエルが苦手だなんて、まだ、2話では正彦の事をよく知らない長太郎は知らなかったはずで、たまたま、長太郎が仕込んだカエルが正彦の苦手な物だったわけで、これは、今回の4話の松島先生も同じなんだろうなって思います。

本編の本筋から少し、離れますが、松島先生がどじょうに驚く場面で、校歌の歌詞の貼り紙を確認出来ます。見にくいですが、校歌が三番まであるのが確認出来ました。また、校長室に呼ばれて怒られている場面で、歴代校長の写真を見る事が出来て、それが3代目までってことも確認出来ます。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

長太郎は、下校時間まで校庭に立たされても、みんなの事は言わなかったと、邦彦達に声をかけますが、「やりすぎ」「もっとスマートにできなかったのか」と文句を言われて、長太郎は切れて、邦彦に襲い掛かり、そこに寺山先生が来て、さらに1時間立っているように言われてしまいます。

長太郎としては面白くありません。

(どいつも、こいつも、卑怯者ばかりだ!) 

 腹が立った長太郎は、学校から帰るとランドセルを放り投げます。ランドセルはお店にいたカヨちゃんを直撃。カヨちゃん、可哀想。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

ランドセルを放り投げた長太郎は、その足で邦彦の家に向かい、自転車で塾に行く邦彦を呼び止め、邦彦に怒りをぶつけます。自転車に乗る邦彦を投げ飛ばし、手提げかばんを引き裂き、ノートを破り、踏みつけ、自転車を持ち上げて邦彦目がけて投げつけます。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

当然、これは邦彦の父親、佐藤部長の耳にも入り、佐藤部長が長太郎の家に怒鳴り込み、父ちゃんと母ちゃんは佐藤部長から長太郎の教育、躾がなっていないと嫌味を言われてしまいます。長太郎は父ちゃんから、謝れと言われますが、長太郎は謝りません。長太郎の中には、邦彦達、特に憲法だと言って、それで5年3組の仲間になれると言ってきた邦彦に対して、裏切られた気持ちが強く、罰を受けても邦彦達の事を言わなかったのに、という思いが強くあったのだと思うと、長太郎が謝らないのは、男の意地に感じました。

長太郎が暴力に出るまでにどんなに理不尽で心が傷つけられ、裏切られたか、その悔しい思いが分かってもらえず、一方的に悪者にされてしまった悲しさ。長太郎が理由もなく暴力をするわけがないと分かっていてくれるって、父ちゃんと母ちゃんなら、兄ちゃんなら分かってくれるって長太郎は思っていたんじゃないかなって思うんですよね。父ちゃんに張り飛ばされて、怒鳴られたけど、信一郎までも長太郎に「謝れ!」って言ってきて、カヨちゃんも「謝ればいいじゃない」って言われて、それは、カヨちゃんは長太郎の味方側としての発言だったと思うけど、頭に血が上った長太郎には、カヨちゃんの言葉さえも、自分を責めている言葉に聞こえたんだろうなって思うんです。

長太郎は、父ちゃん、母ちゃん、信一郎、カヨちゃんから「謝れ」って言われているんですが、同じ言葉でもカヨちゃんの言葉だけが、他の3人とは違う「謝れ」のニュアンスに聞こえました。父ちゃん達は、長太郎が悪い事をしたから「謝れ」って強く長太郎を責めているように聞こえましたが、カヨちゃんは、長太郎が悪くなくてもこの場を治めるために、長太郎が家を追い出されない為に、この場は「謝れ」って言っているように感じたのです。

それでも、長太郎はそこで謝ったら、自分が悪かったと認める事になるから、意地でも謝らなかった。長太郎が邦彦にした事は悪い事ではあるけれども、そこに行きつくまでの長太郎の心理やそれをした動機は、そんな簡単に済まないほどに深い悲しみがあって、それを言えば父ちゃん達も分かってくれるかもしれないけれど、邦彦からの話を聞いた佐藤部長の言葉を信じて、長太郎を責めてきた父ちゃん達に話しても、言い訳に思われると長太郎は思ったのか、言い訳をしないで、でも、怒りは収まらないところが、長太郎の心の荒れ模様を感じられてやるせません。

長太郎はドンペイと一緒に出ていきますが、自分のお金を取りに一度家に帰り、お店の入り口を叩いて、お金がないと食べ物が買えない、開けろ!と抗議します。なんか、この場面を見ていて、昨今の現実2020年の状況を思い出してしまいました。お金がないと食べ物も、安心した生活もおくれませんんものね。

長太郎が家から閉め出されている姿を、隣の家のみゆきちゃんが見つめています。

ここで流れたBGMは初代『俺はあばれはっちゃく』のエンディング『はっちゃく音頭』アレンジされた悲しいメロディと思い出される歌詞がとてもこの切ない場面に合っていました。

みゆきちゃんは、いたずらの後、邦彦達から冷たくされていた時も、心配そうに長太郎を見ていて、長太郎が寺山先生や家族からも一方的に悪者にされてしまったこと、自分もそれに加担した事を心苦しく思っている表情をしていました。この折に触れて、長太郎を心配するみゆきちゃんの存在が、長太郎の救いになっていきます。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

長太郎は物置の段ボールで寝る事にして、そこにカヨちゃんが毛布を持ってきて寝ている長太郎にかけます。寝言で長太郎は群馬にドンペイと帰る事を言っています。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

翌朝、配達された牛乳を取りに行き、長太郎の寝ている物置にカヨちゃんが行くと既に長太郎とドンペイの姿はなく、カヨちゃんは通りかかったみゆきちゃんに長太郎がいなくなったことを告げます。カヨちゃんから話を聞いたみゆきちゃんは自転車で、河原で運動をしている寺山先生を見つけて、今回、起きた騒動の全てを話し、寺山先生と手分けして、長太郎を探します。長太郎は、群馬の祖父ちゃんの所に帰るために、群馬ナンバーの車を見つけて、ヒッチハイクで群馬に帰ろうとしていました。

そこへ、みゆきちゃんと寺山先生が駆けつけます。寺山先生はみゆきちゃんから話を聞いた事、みんなの事を言わなかった長太郎を褒めますが、長太郎の傷ついた気持ちはそれだけでは収まらず、群馬に帰ると譲りません。長太郎は泣いてはいませんが、きっと本当は大泣きしたかったのではないかと思いました。どんだけ、長太郎が悔しい思いをしたかは、ここまでで充分、伝わってきていたからです。

群馬に帰るという長太郎に、寺山先生の平手が飛びます。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

「このいくじなし、お前は負け犬だ」

「 違うわい!俺は負け犬なんかじゃないや」

「尻尾を巻いて、群馬に逃げようとしたじゃないか!」

「逃げるんじゃ、ねぇよ」

「だったら、東京にいろ!」

「ああ、いてやらあ」

「ようし」

 この前に寺山先生は長太郎にみゆきちゃんの事を話していて、長太郎にも味方がいることを伝えいるのですね。どんなに人から誤解をされても、ちゃんと見ていてくれて、分かってくれる存在、味方がいるということ。事情が分かれば、味方になってくれて、長太郎を理解してくれる人、寺山先生がいるという事。それでも、長太郎は群馬に帰ると言い張った長太郎を殴って、さらに、長太郎を「負け犬」だと言い放ちました。

平手に「負け犬」の言葉は、それだけ、取り出すととても酷いと思いますが、既にこの時点で寺山先生は長太郎の意地の強さ、頑固さ、律義さを見抜いていたように思います。長太郎が罰を受けた時に、松島先生が桜間君を許してあげて下さい、と言った時に、寺島先生は長太郎を知るいい機会だと言いました。一連の出来事、みゆきちゃんからの情報、長太郎の態度を見て、長太郎の頑固で自分が悪者にされても、邦彦達に嵌められた事を言わず、それでも怒りが収まらないで怒りに任せて行動した長太郎を知った寺山先生は、長太郎を引き留めるには、多少、乱暴でも長太郎の強がりというか、意地の強さに賭けたのだと思うのです。

「負け犬」と言われて、引っ込む長太郎ではありません。長太郎の意地の強さはそんなもんじゃないからです。それを分かった上で敢えて厳しい言葉を浴びせ、その後に寺山先生の本当の目的、長太郎を東京に引き留める言葉を続けるのです。

負け犬じゃないなら、東京にいろ、って。

なんか、長太郎は寺山先生の勢いに乗せられて、東京にいてやる!って答えて、この騒動は一件落着。

心配で見守っていたみゆきちゃんも笑顔になり、長太郎は勢いづけてみゆきちゃんに抱きつこうとして、みゆきちゃんに驚かれてしまいます。

笑顔になった長太郎が、「わりぃ、わりぃ」と言って、「今日もあばれるぞ!」で締め。

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『男!あばれはっちゃく』4話より

まとめ

この4話も大好きな話の1つです。今回、見返して見て、あれ、こんなに最後はあっさりしていたのかなって思いました。長太郎がみゆきちゃんと寺山先生に理解された話でした。2話で洋一と仲良くなったかなっと思っていたところで、今回は洋一にも突き放されたのが、まだ、長太郎とクラスメイトとの仲が不安定だったのかと思って、そこは、まだ4話だからなって思いました。今回は長太郎の友達を作る事、5年3組に馴染む事の気持ちを邦彦に利用されてしまったのですが、長太郎がクラスに馴染もうとしたのは、3話までの間でも書かれていて、また、邦彦が2話で見直された長太郎に不満を持っていたのもあって、今回の話はその流れで見る事が出来たのと、さらに今回の冒頭での朝食の父ちゃんと母ちゃんからの長太郎の話も重なり、長太郎がクラスメイトに認められるために邦彦に唆されたのも、すんなりと見ることが出来ました。『あばれはっちゃく』は1話完結ですが、ちゃんとその前の話の流れを汲んでいるんですね。

また、今回もサッカーが登場してきて、あんまり強くサッカーを出していないんですが、こうして見返すとサッカーをする場面は意外と『あばれはっちゃく』には多いように感じます。ただ、私が意識しすぎているだけかもしれません。

邦彦はここまでは、本当に嫌な奴なんですが、その後、少しずつ、嫌な面だけじゃないのが見えてきます。

それにしても、カヨちゃんは長太郎にとっては救いですね。1話から長太郎の味方の印象が強くあり、今回もそうでしたが、初代の母ちゃんの持っていた長太郎に対する優しさがカヨちゃんに強く感じました。初代『俺はあばれはっちゃく』15話(脚本・三宅直子、監督・山際永三)で母ちゃんが家を出た長太郎を探しに行く姿を、2代目でカヨちゃんが長太郎に毛布をかける場面で思い出したり。母ちゃんは2代目にも、もちろん、いるんですが、初代の母ちゃんの長太郎への甘さというか優しさの部分は、2代目ではカヨちゃんが引き受けていると感じます。甘いだけでなく厳しい優しさもカヨちゃんは長太郎に示してくれるのですが。

それと、今回も前回に引き続き、監督は松生秀二監督。前回、夕日を背にした信一郎の映像がありましたが、今回も家を出た長太郎がドンペイといる夕日の場面があって、その夕日のオレンジ色がとても印象に残りました。

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左『男!あばれはっちゃく』3話より、右『男!あばれはっちゃく』4話より

収録DVD紹介

 

転校生

3年前に書き、非公開にした記事を公開します。内容は当時(2017年)のまま、一部、誤字脱字などは修正しました。

大林宣彦監督の訃報を知り、改めてこの記事を公開します。4月10日公開予定だった『海辺の映画館ーキネマ玉手箱』をとても楽しみにしていました。それが、新型コロナウイルスのせいで、公開日が延期になってしまい、公開が出来ないまま、4月10日のその日が命日になってしまうなんて、とても切なく悲しいです。大林監督のご冥福を心よりお祈りします。(2020年4月11日追記)

映画『転校生』に出演していた岩本さんを見つけました。

入れかわった尾美さん演じる一夫(中身は一美)をいじめたりからかったりする同級生の役で、小林さん演じる一美(中身は一夫)に蹴り飛ばされていたりします。また、吉田友紀さんの実父の鴨志田和夫さんも出演されていますが、鴨志田さんは尾美さんと小林さんに絡むチンピラの役で、これもまた小林さんに蹴り飛ばされていたりします。

この『転校生』の原作は『あばれはっちゃく』と同じ山中恒先生の作品、『おれがあいつであいつがおれで』です。内容は主人公達の年齢が違うだけで、他はほぼ原作通りで、台詞も殆ど原作と同じです。

おれがあいつであいつがおれで』は身近でありながら不可解な異性と入れかわる事によって相手を理解していく話で、異性に限らず相手を完全に理解する事は出来ないけれど、相手の事を考える事は出来て思いやる事が出来るという事を教えてくれた話だなと思いました。

映画『転校生』で特に好きな場面は原作にはない一夫と一美の別れの場面で一美が一夫の乗るトラックを追いかけて手を振りながら「さよなら私」と言い、一夫もまた「さよなら俺」というところです。

あばれはっちゃく』の長太郎とヒトミちゃんの別れでもそうでしたが、あれだけ毎日一緒にいた相手と離れ離れになってしまう寂しさ、誰よりも心の繋がりを持った相手との別れはとても切なく、しかし、心の原点になるような貴重な宝物として、決して忘れる事は出来ない大切な記憶として残っていく、いずれ寂しい別れがくると分かっていても人と人が出会うということはとても尊い事なのだと思うのです。

関連記事:一期一会 - 柿の葉日記

2017-02-20 20:17:29

人気を感じ始めた10話、書き始めのきっかけの10話

 

41年前の今日『俺はあばれはっちゃく』10話放送

今からちょうど、41年前1979年4月7日に『俺はあばれはっちゃく』第10話「笑えじいいさん」が放送されました。

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上記の3年前に毎週放送日に『俺はあばれはっちゃく』を見てレビューする記事の中でも、それ以前の過去記事でも書いてきましたが、この10話が放送された頃から、『俺はあばれはっちゃく』の視聴率は10%に届きました。裏番組の存在や初回が5.4%だったことを考えると視聴率の伸びがすごいです。

人気も視聴率もどんどん上がり、20話の頃には20%を伺えるところまできます。人気も視聴率も継続的に上がっていき、当初は2クール(全26話)で終わる予定だった『俺はあばれはっちゃく』は作品の延長が決まり、結果、全56話の作品になり、シリーズ化され、1985年9月まで『俺はあばれはっちゃく』を含む5作品の『あばれはっちゃく』のドラマが放送されたのは周知の通りです。

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『俺はあばれはっちゃく』のことを書くきっかけの10話

視聴率が10%に届いた『俺はあばれはっちゃく』の10話は『あばれはっちゃく』シリーズの人気の階段の一段目といっても良いでしょう。この一段目から、20話の頃には20%が見え、シリーズ化されて20%を超える視聴率を獲得していったのですから。

『俺はあばれはっちゃく』のみならず、シリーズ全体としても、『俺はあばれはっちゃく』10話は節目の話だと思います。

それと、これは作品に関係はありませんが、この10話は、私が『俺はあばれはっちゃく』のDVDを買うきっかけになった話でした。

11年前、懐かしい『俺はあばれはっちゃく』の事を調べていた私は、YouTubeにUPされていた、この『俺はあばれはっちゃく』10話を見つけて視聴しました。

とても嬉しく懐かしく、もっと見たいと思った私は『俺はあばれはっちゃく』のDVDを購入しました。

それで、何度も何度も見返して、見ていた時代、思い出した事、改めて『俺はあばれはっちゃく』を見て感じた事、考えた事、妄想した事、出演した俳優、子役さん達はどうしているのかな、どんな人達なのかな、プロデューサーの人はどんな人だろう、脚本家の人達は他にどんな作品を書いたのだろう、監督の人達は他にどんな作品と作ったのだろう、今はどうしているのかな、原作はどんな作品なんだろう、どんな人が書いたのだろう、他に作品を書いているのかな、スタッフの人達はどんな事をしているのだろうっていろいろな事に興味が出てきて、それらについて調べていきました。

見た時点で、私が覚えている他の作品に関わった出演者やスタッフの人達が分かったのもあって、あ、あの作品で知った人は、『俺はあばれはっちゃく』に出演していた人、スタッフの人だったんだってのもありました。

そうしたことを、この柿の葉日記にはてなダイアリーの時代から、今日まで11年書き続けてきました。

その間に『俺はあばれはっちゃく』だけしか発売されていなかったDVDが全シリーズDVD化され、子どもの頃は4代目『痛快あばれはっちゃく』までしか見ていなかった私が5代目『逆転あばれはっちゃく』まで見る事が出来るようになり、『俺はあばれはっちゃく』だけでなく、他の代の『あばれはっちゃく』についても、ここ「柿の葉日記」で書く事が出来たのです。

私が『あばれはっちゃく』に関する事をブログで書くきっかけになったのは、YouTubeにUPされていた『俺はあばれはっちゃく』10話がきっかけでした。

その10話をUPされた方が、このブログに訪問したくださり、コメントを頂いたのはとても嬉しかったです。その時もお礼を書きましたが、改めてありがとうございました。

現在は、著作権違反で削除され、YouTubeで見る事は出来ませんので、見ていない方はDVDを購入して見て欲しいと思います。

しかし、初代『俺はあばれはっちゃく』のDVDは現在廃盤で、中古価格も高く、出品も少ない状態で入手が難しいです。ツタヤなどでレンタルは出来ます。

2代目以降はAmazon等で買えますが、気軽に買えるものではないので、『あばれはっちゃく』の制作会社の国際放映YouTubeチャンネルで公式配信して欲しいです。

前にも書いたように難しく、望みがないと分かっていても、そう思ってしまいます。

BS、CSの再放送も望んでいます。地上波での再放送も望みますが、YouTubeと同じで出来ないと諦めもあります。

とにもかくにも、10話は『俺はあばれはっちゃく』が人気の階段を登り出した話、私がYouTubeにUPされていた10話を見てDVDを買い『俺はあばれはっちゃく』について、ひいては、全ての『あばれはっちゃく』に関して、ここで書き始めたきっかけです。

あばれはっちゃく』だけは知らない若い世代

1979年4月には、2日に大山のぶ代さん版の『ドラえもん』が始まり、7日には『機動戦士ガンダム』の放送が始まりました。

この2作品より2か月先(1979年2月3日放送開始)に始まった『俺はあばれはっちゃく』は先行して、当時子どもだった私達の心をしっかり掴み始めた時期でした。

そして、2作品が始まって人気を獲得していった後も、『俺はあばれはっちゃく』は作品の放送が延長し、シリーズ化されて、当時の子ども達の心を掴み続けました。

私は『ドラえもん』も『機動戦士ガンダム』も大好きなんですが、若い世代、1985年以降に生まれた世代、1985年の2、3年前後生まれも含む世代の多くが『ドラえもん』や『機動戦士ガンダム』を含む『ガンダム』シリーズを知っていても、『あばれはっちゃく』シリーズを知らない人が多いのが、少しだけ残念です。

なぜなら、私は『あばれはっちゃく』を見て育ち、『あばれはっちゃく』が今でも大好きなドラマであり、小説であり、漫画だからです。

あばれはっちゃく』は私にとって思い出の過去の作品ではなく、現在進行形で今でも現役で大好きな作品です。

この作品の存在を伝えることに、私のブログが少しでも役に立っていればと願いながら、これからも『あばれはっちゃく』について書いていこうと思います。

 

あばれはっちゃく』原作本、コミカライズ、DVD紹介

あばれはっちゃく』の原作本、コミカライズされた漫画本、ドラマ化された5作品のDVD紹介(DVDは各代の1巻目のみ紹介)初代『俺はあばれはっちゃく』はDVDBOXは2巻まで、2代目『男!あばれはっちゃく』はDVDBOX4巻まで、3代目『熱血あばれはっちゃく』はDVDBOXは2巻まで、4代目『痛快あばれはっちゃく』はDVDBOX3巻まで、5代目『逆転あばれはっちゃく』はDVDBOX1巻まで発売されています。

初代のみ発売元が違い、現在は中古品しか販売されていません。

あばれはっちゃく ‐ワンぱく編‐ (角川つばさ文庫)
 
あばれはっちゃく ‐ツーかい編‐ (角川つばさ文庫)
 

 

 

 

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD
 

 

 

 

 

酒井一圭さん、小田井亮平さんラジオ出演

現在放送中

今、現在、TBSラジオで生放送放送中の『爆笑問題日曜サンデー』の午後2時からのゲストコーナーに、5代目長太郎役酒井一圭さんが、純烈のリーダーとして、純烈のメンバー小田井亮平さんと一緒に出演します。

リンク先のラジコで聞けるので、視聴エリアの方はお聞きください。また、視聴エリアでなくても、有料になりますが、ラジコではエリアフリーで聴くことが出来ます。

http://爆笑問題の日曜サンデー (1) | TBSラジオ | 2020/04/05/日 13:00-15:00 http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200405131636