柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

早起きと遅刻

『俺はあばれはっちゃく』の長太郎は朝寝坊でよく遅刻をしていた。マラソン大会の練習(第17話)、鰻を獲りに行く(第30話)といった目的がある時は目覚ましをかけて早起きをしていたが、普段はそうではなかった。
第56話ではギリギリに来て佐々木先生にちくりと言われている。

「今日も滑り込みセーフか?」

朝寝坊して遅刻をする、またはしそうになるというのは「華の落ちこぼれ」という人物像を印象付ける要素の一つだが、実は意外な事に第1話の長太郎は朝寝坊をするような人物には見えない。朝早くからしっかりと身支度をし、学校に行く準備をちゃんとして、ドンペイの散歩に行って朝食を食べて余裕を持って学校へ行っている。

そんな長太郎が初めて遅刻をするのは第5話だ。しかしそれから第14話までは遅刻はしていない。だが、第15話あたりから遅刻の回数が増えていく。第15話では母ちゃんに起こされる。第18話では走りながら叫んでいる。

「時間よ止まれ!これは遅刻じゃないんだぞ!」

 第20話は音楽室に慌てて入ってきている。

「はぁ、間に合った滑り込みセーフ」

第29話では、早起きをして公園の掃除に向かっているが竹箒を振り回しながら呟いている。

「どうも、朝の早いのは苦手だな。班長になるんじゃなかったな」

第30話で牛乳泥棒の疑いをかけられるが、そんなに早起き出来る訳ないと言って父ちゃん達の疑惑を晴らし、納得させている。この頃になると長太郎は朝が苦手で早起きが苦手な人物として定着している。そして最終話の第56話での空港での皆の台詞。こうなると、第14話まで(第5話を除いて)遅刻をしていない長太郎の印象はなくなっている。

遅刻をするというのは話の都合上もあると思うが、長太郎の人物像を形作る一つの要素としてつけたのではないかと思う。第1話のような長太郎では少し長太郎にしては優等生すぎたのかもしれない。長太郎の遅刻の回数が増えて来たのが第14話を過ぎてからというのも、第10話辺りから視聴率が10%にとどき始め、視聴者が増えていったのと重なり、新しく増えた視聴者により分かりやすく、「あばれはっちゃく」桜間長太郎という人物像を伝える一つの要素として遅刻を多用したのかもしれない。

何かにつけて遅刻しそうになる場面を見せていく。してないことよりしている姿の方が同じ回数でも印象に残りやすいと思う。2代目のエンディングではまさに早起きが苦手な長太郎の事を歌うようになった。