『赤ひげ2』最終回を見ました。
小石川養生所を取り潰したい役人岡野から費用削減を言われ、それを飲まなければ赤ひげがやめると迫られ、ただでさえ費用が少ない中、これ以上の費用削減は小石川養生所が運営出来ないことを示し、使用人や医師達は慌てます。
一方で、おいねという女性が亡くなり、その祖母のおつたはおいねの墓に手を合わせていた男をおいねの恋人だと勘違いして、咳をしている男を小石川養成所に連れていきます。
その男は金銭の関係で揉めた男の仲間に追われていた男であり、その追手から逃れるために、おつたの勘違いを利用します。
小石川養成所の存続の危機と、ひょんなことから小石川養成所の世話になることになった半七はおいねの恋人、繁二郎として小石川養成所に身を寄せますが、およねが繁二郎ではないと見抜いて、半七の生い立ちを聞きます。
また、半七は保本と外ですれ違っていました。
最終的に半七を裏切り、半七から恨みを買っていた栄治とその仲間二人が小石川養成所に乗り込んできて、そこに岡野が来ていた事で、二つの事柄が繋がり、小石川養成所は危機を脱するのですが、それぞれに無関係に見えていた事でも、そういう経緯を意図していなくても、起きた出来事を自分達の境遇に有利にするために、その場で判断して動くという対応の巧さを感じました。
半七が栄治の手下から逃げた時に、偶然、おいねの墓に手を合わせ、おつたに繁二郎と間違えられたのを使って手下から逃げたのも、半七を殺しに来て失敗に終わり、養成所に来ていた岡野を人質にとった栄治に対して、赤ひげが取った行動も、その場の機転の1つに見えました。
また、この話ではおよねが過去の自分と重なる半七に人を殺したい程憎んでいた憎しみが消えると語る場面が印象的でした。
およねが前回までに気持ちが浄化して落ち着き、憎しみから解放されていたからこそ、半七に話す言葉に説得力があったと感じました。
信じていた人に裏切られ、希望を打ち砕かれ、病に倒れて絶望していた半七を見ていて、その気持ちが分かる一方で、生きている限り、希望というのは無くならないのではと感じました。
それは「綺麗ごと」の1つではあるのですが、冒頭で若くして亡くなったおいねの姿を見ていると、死んでしまったおいねにはこれから先の未来がないのに対して、半七はまだ生きている。
お金は栄治に取られてしまったけど、生きている限りもう一度稼ぐことが出来る。
死んでしまえばおしまいだと感じたのです。
岡野も賄賂で私腹を肥やし、小石川養成所を潰してとしても、栄治に殺されたら意味がないからこそ、命を優先して小石川養成所を潰さないから「助けてくれ」と赤ひげに懇願したのだろうと、バラバラな出来事が良く見ると、共通点を持っていて、それが1つに繋がった時に、小石川養成所にとっても半七にとっても、良い方向へ話がまとまっていったのだろうと思います。
今回で『赤ひげ2』は最終回を迎えましたが、小石川養成所は存続していくので、いずれ、また、『赤ひげ3』が始まるのかもしれないとそんなふうに思いました。
今年は、もう、今日で終わりですね。
『赤ひげ2』の中でも、餅つきをしていて、新たな年を迎えたようです。
皆様もお体に気をつけて良い年をお迎えください。