柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

1970年代のものを1980年代に繋げたドラマ

キャラクターの好物と苦手なもの

昔のアニメや漫画のキャラクターって、大好物な食べ物と並んで苦手な物もセットでありましたね。例えば『オバケのQ太郎』のQちゃんは食べるのが大好きで犬が苦手、『ドラえもん』はどら焼きが大好きでネズミが大嫌い。『忍者ハットリ君』のハットリ君はカエルが苦手みたいに。

例に挙げたのが、全部藤子作品だわ。藤子アニメ作品意外だと、私が小学3年生の時に好きだった『魔法の天使クリィミーマミ』の主人公、森沢優ちゃんはクレープとグラタンが大好きでした。『おじゃる丸』のおじゃるがプリン好きだったり。

他にも特撮で『秘密戦隊ゴレンジャー』のキレンジャーはカレーが大好物だったり、『電子戦隊デンジマン』のデンジブルーはアンパンが大好物だったり。他にも、このキャラクターだったら、これが好物で、これが苦手という定番がありました。それで、その好物や苦手な物を見ると、必然的にその作品のキャラクターや人物達が頭に浮かぶ、連想出来るようになりました。

今でも、キャラクターの好物や苦手な物という設定はあるんだと思うんですが、最近はそんなに見かけなくなったなというか、私自身がそういう作品を見なくなっただけかな。今、私の中で比較的新しい作品で『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の天晴がピーマン嫌いっていうのが最新なんですけど、これも2015年の作品で、もう7年前の戦隊なんですよね……。うーん、私の情報が古いわ。

つまり、子ども向け作品の登場人物達って、好物や苦手なものが設定されていたなっていう話です。

このキャラクターといえば!

このキャラクター、人物といえば、これ!という定番を好物でも苦手でも設定されていたというのは、特に昔の子ども向けの作品では、いろいろな作品で目にした設定でした。昔の子ども向けの作品で多くみられた設定は、他に登場人物の2つ名というか、異名ですかね。

あばれはっちゃく』にも、こうした人物設定って見られるんですが、そうした設定が色濃くあるのは、初代『俺はあばれはっちゃく』で、代を重ねるにつれてそうした設定が薄くなっていったように感じるんですよね。今も新しく作られる子どもを対象にした作品にも、このキャラといえばこれっていう設定はあるんだと思うんですけど、なんかそのインパクトは薄れてきたなって感じます。これは、私個人の感想に過ぎないんですけどね。

で、前置きを長々と書いてきたんですが、初代『俺はあばれはっちゃく』の場合、メイン登場人物の個性を印象付ける苦手な物、好きな物、2つ名があって、それが正彦のカエル嫌いだったり、てるほとヒトミちゃんが三浦友和さんのファンだったり、公一が「もやし」って呼ばれていることなんですよね。そもそも、主人公長太郎の「あばれはっちゃく」が2つ名ですよね。

端的に人物の印象をつけるものがあって、この人物といえばこれっていうのが、初代『俺はあばれはっちゃく』では、後の代と比べて印象が大きくあるんですよ。多分、これは時代もあるんじゃないかなって思っています。

私が前に出した藤子作品のキャラクターにしても、1960年代~1970年代の作品でその時代の子ども向けの作品は、そういう苦手な物や好きな物を設定していた作品が多かった。『俺はあばれはっちゃく』は、「あばれはっちゃく」シリーズで唯一1970年代に放送された作品で、1960年代~1970代の児童向け作品の作りの流れを持っていたんじゃないかなって。

それに、キャラクターの苦手な物、好きな物の設定とか、2つ名のようなものっていうのは、1960年以前にもあったりしたんじゃないかなあ。私がその時代を生きていないから知らないだけで。

個性と馴染み

こうした、このキャラクター、人物といえばこれっていう分かりやすい目印って、なんかこうずっと印象に残っていて、連想ゲームでそのキャラクターを思い出すようになっていきますよね。

ああ、今日の記事はまとまりがない。

カエルを見ると、私は「あ、ハットリくんと正彦が嫌いなのだ」って、2人を思い出すし、三浦友和さんを見ると、ヒトミちゃんとてるほが好きなスターだって思い出すし、もやしを見ると公一を思い出すとか。もやしで覚えていたから、公一の本名忘れていたとかあったなって……。

ちなみに、公一はドラマでは「モヤシ」って言われていましたけど、原作『あばれはっちゃく』の方では「おんなのこ」と呼ばれていました。それから、原作の正彦はカエルが苦手ではないし、ヒトミちゃんとてるほも三浦友和さんのファンではなかったりします。だから、これらはドラマに合わせて作られた設定だったりするんですね。

時々話に生かされて

正彦のカエル嫌い、公一がモヤシと呼ばれていること、ヒトミちゃんやてるほが三浦友和さんのファンというのは、話にも使われていて、それが話のメインになっていたり、ちょっとしたスパイスになっていたり、話の発端になっていたりして、ちょこちょこと使われていました。

正彦のカエル嫌いは正彦初登場の2話「優等生フンサイマル秘作戦」のオチで使われていたり、19話「特ダネ記者だマル秘作戦」で調子に乗っていた正彦を戒めるのに使っていたり、そうえいば、書きながら思い出しましたけど、正彦は高所恐怖症でもありましたね。それで、思い出したのが『うる星やつら』の面堂の閉所・暗所恐怖症。『うる星やつら』もアニメ化は1981年でしたけど、漫画は1978年からの作品でしたね。

閑話休題

公一のモヤシは、26話の「モヤシも男だマル秘作戦」が一番かな。ヒトミちゃんの三浦友和さんのファンの件は1話の「猛犬退治だ!マル秘作戦」ですし、てるほの三浦友和さんのファンは、50話「クシャミ一発マル秘作戦」で長太郎がてるほの校内放送用のテープを台無しにした時に、てるほが三浦友和のファンで山口百恵に嫉妬していると暴露しているところで使われていて、他にもあるんですが、それは過去記事にちょろっと書いているので、暇がある時に見てみてください。

古い時代から新しい時代へ

あばれはっちゃく』シリーズは1985年9月まで放送されたので、1980年前半の子ども向け作品だといえるんですけど、一番最初のシリーズである『俺はあばれはっちゃく』は、1978年12月から撮影が始まって、1979年2月3日~1980年3月8日まで放送された作品なので、1970年代後半の作品。さらに、原作は1970年代前半の作品。

だから、『あばれはっちゃく』は1970年後半~1980年前半にかけて作られた作品で、年代の変わり目をシリーズの中で迎えて、その昔ながらを守りながら続け、その守っていたことが、やがて「マンネリ」と言われて、シリーズ後半、4代目あたりから少しずつ時代に合わせた変化をいれていった作品だったんじゃないかなって、私なんかは思うわけです。

これは、DVDで作品を見返しての素人の感想に過ぎないんですけどね。それに、『あばれはっちゃく』のドラマは、もともと2クール(全26話)で終わる予定のドラマだったので、それこそ1979年で終わる1970年代のドラマの予定だったわけです。

それが、1985年まで続いた。ある意味、古い設定のドラマが新しくなっていく時代の中で生き残ってきたというのは、驚くべきことだなって思います。だって、変身も魔法もない。不思議な生き物やロボットの居候もいない、普通の小学生が主人公のドラマが設定が古くなっていく中で20%以上の視聴率を得て、1979年から1985年まで続いた訳なんですから。

時代が変わる

10年ひと昔というように、年代が変わると時代が変わるという印象があります。1970年代と1980年代では、別の時代の印象があります。1979年と1980年では、その差は少しでしょうけど、年数を少しずつ重ねていくうちに、その開きは大きくなっていきます。初代の1979年と5代目の1985年では、それは特に大きい開きでしょう。

1985年になると、昭和の終わりも近づいていて、元号まで変わると、ついに時代が違うのが顕著になってしまったのかなって感じます。『あばれはっちゃく』シリーズが1980年後半を乗り切っても、1990年代を迎えることは不可能だったのではないかなって。

それでも、なんか、こう、1979年で終わる作品が1985年まで続いたことは、奇跡だったと私は今でも思いますよ。

繰り返しますが、変身も魔法も不思議な居候も道具も力もなにもない、普通の小学生(でもアイディアとバイタリティ、勇気と元気と行動力と優しさがある)が主人公の私たちと変わらない日常の児童ドラマが6年近くも続いたのだから。