柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

別役で5代目に2回続けて登場した2代目

『逆転あばれはっちゃく』12話より

別役で

あばれはっちゃく』には、前作で長太郎を演じた俳優の人達が、別役で登場してきました。最終作になった『逆転あばれはっちゃく』には、3代目長太郎役の荒木直也さんを除いて、歴代の長太郎役3人が12話に登場しています。この12話では、初代長太郎役だった吉田友紀さんが早田一郎役で、4代目長太郎役だった坂詰貴之さんが坂井四郎役で活躍された話でしたが、2代目長太郎役の栗又厚さんは顔見せ程度の出演でした。

栗又さんが『逆転あばれはっちゃく』のゲストとして、活躍をされた話は、この後の13話で、群馬から父親を捜しに来た少年を演じています。ここで、注意をしたいのは、栗又さんが12話で演じた役と13話で演じた役は「別人」だということ。

DVDDOX付属の解説書を見れば分かりますが、栗又さんが演じた12話の人物は大矢二郎で、13話で演じたのは木戸洋一で役名が違います。また、話を視聴すると分かりますが、人物設定も違うんですね。12話はベンチで寝ていて、鶏を捕まえるのに協力する程度で殆ど人物背景が分からないのですが、13話では荷物を持って群馬から東京で歌手になると出ていった自分の父親を捜しに来たことを話しています。

その13話で栗又さんが演じた木戸洋一が捜していた父親が5代目長太郎の父さんにそっくりということで、長太郎と洋一は兄弟とかの話に発展して、騒動が起きるのですが、これは、スピンオフを使ったメタ要素を含む話になっています。2代目長太郎を演じた栗又さんと、シリーズで長太郎の父ちゃんを演じてきた東野英心さんを知っていればより楽しめる話。

それに、洋一が群馬から来たのも、2代目長太郎が群馬からの転校生だったということも含まれての面白さになっていて、さらには父ちゃんだけでなく、洋一は山西先生を見て、自分の小学校時代の先生に似ていると言っているのも、シリーズで長太郎の担任の先生、2代目では寺山先生を演じていた山内賢さんの存在があればこそ。

でも、そうなると、シリーズ全てで長太郎の母ちゃんを演じた久里千春さんの5代目母さんをスルーしたのは何故か?という疑問が湧くのですが、話として洋一が父さんの隠し子としての騒動も含まれているから、母さんまで同じとはいかなかったのかなって思ったりもします。

13話の洋一の設定には、所々に2代目『男!あばれはっちゃく』の長太郎の設定が見え隠れしていて、シリーズファン特に2代目のファンにとっては、より面白く感じたんじゃないかなって思います。

とにもかくにも、栗又さんは別の役で2回『逆転あばれはっちゃく』に出演されていたんですね。それも、どちらもかつて長太郎を演じたことを匂わせながら。

12話では顔見せ程度でしたが、それでも2代目長太郎を思わせる場面があって、それは5代目の父さんにマジマジと見られて「どこかでお会いしたことがありませんでしったっけ?」と聞かれている場面です。

ただし、これは栗又さんだけでなく、吉田友紀さん、坂詰貴之さんも尋ねられているんです。ここで、12話の栗又さんが13話の洋一と同一人物なら、父さんに飛びつくはずですが、それがないことでも、12話と13話で栗又さんが演じた人物が別人だと分かりますね。

だから、5代目の世界には2代目長太郎によく似た人物が2人存在することになるのです。

『逆転あばれはっちゃく』12話より
『逆転あばれはっちゃく』12話より

現実的な要素

13話の洋一は野球が得意な人物にもなっていて、5代目長太郎に野球を教えてくれる約束をしてくれるんですが、実は現実世界で、栗又さんは野球部に入っていたんですね。これは、11年前に雑誌のインタビューで栗又さんが答えていて、「中学で野球部に入って活動していたら、体は自然に痩せていきました」と話しています。ちなみに下記のリンク記事が11年前に栗又さんの雑誌インタビューを読んだ感想記事です。

kakinoha.hatenadiary.com

栗又さんが野球経験者になっているからか、13話で栗又さん演じる洋一がバットの素振りをしている場面を見ると、とても様になっていると感じます。2代目長太郎は、最終回の卒業式で中学ではサッカー部に入部すると寺山先生に話していましたが、栗又さん自身は現実の世界では野球部に入部したことを11年前の雑誌のインタビューで知って、『逆転あばれはっちゃく』13話を見たら、その野球部での経験が生かされたのかも、なんて思いましたね。

『逆転あばれはっちゃく』13話より

『逆転あばれはっちゃく』13話より

栗又さんは1969年12月生まれなので、『逆転あばれはっちゃく』(1985年)に出演した時は、16歳になる手前の15歳、高校1年生の頃。多分、なんですけど、11年前の雑誌のインタビュー記事を思い出すと、栗又さんは飲食店で調理のバイトをして調理に興味を持って、調理師の道を目指したことを語っていて、ホテルオークラのシェフになられているので、この後にシェフの道を歩んでいくんだなってことも踏まえて、『逆転あばれはっちゃく』に出演された栗又さんの姿を見ると、感慨深いものを感じます。