柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

『男!あばれはっちゃく』に登場した『帰ってきたウルトラマン』のメイツ星人

貴重な資料

以前、X(旧Twitter)で、唐沢なをき先生の以下の投稿を見ました。

この投稿を見て、私が思い出したのが、アマダから発売されていた『男!あばれはっちゃく』のミニカードです。なぜなら、そのミニカードには、メイツ星人(もしくはぜラン星人)のマスクをかぶった長太郎のカードがあるから。多分、唐沢なおき先生が書かれている『あばれはっちゃく』の写真集は、3代目『熱血あばれはっちゃく』放送中に出版された『あばれはっちゃく』写真集のことだと思います。私は写真集を所有していませんが、『あばれはっちゃく』の写真集は『熱血あばれはっちゃく』時代に出したものしかないはずですから。

さて、唐沢先生の投稿の続きを見ていくと、平成になって『ウルトラマンメビウス』にメイツ星人が登場することになり、そのメイツ星人を作るために、『あばれはっちゃく』の写真集に写っていたいたメイツ星人を参考にしたいたことが分かります。

メイツ星人が登場した『あばれはっちゃく』の話

メイツ星人は『帰ってきたウルトラマン』33話「怪獣使いと少年」(脚本・上原正三さん、東條昭平監督)に登場した星人です。ぜラン星人は同じく『帰ってきたウルトラマン』31話「天使と悪魔の間に…」(脚本・市川森一さん、真船禎監督)に登場した星人です。私はどちらの話も好きなのですが、どちらも強烈に心に楔を刺す人間の善と悪を考えさせられるお話です。

帰ってきたウルトラマン』には、『あばれはっちゃく』シリーズに関わった人達が多く制作に関わっています。『あばれはっちゃく』のプロデューサーの鍛冶昇さん、初代『俺はあばれはっちゃく』、『男!あばれはっちゃく』の監督の山際永三監督、脚本家の田口成光さん。国際放映は『ウルトラマン』シリーズの下請けでしたし、ウルトラマンシリーズ第二期にも関わっていましたし、国際放映の小道具の中にメイツ星人のマスクがあったりしたのでしょうね。

それで『男!あばれはっちゃく』のミニカードやお話の中に小道具として登場させていたのだろうと思います。ちなみに、メイツ星人のマスクを小道具として使っていた話が『男!あばれはっちゃく』20話「ユーレイ大好きマル秘作戦」。空き家の洋館で行われた肝試しの飾りとして使われています。

『男!あばれはっちゃく』20話より

余談ですが、メイツ星人は『あばれはっちゃく』以外にも、1973年TBSで放送されていた国際放映のドラマ『へんしん!ポンポコ玉』5話でも登場していたそうです。

レアなのはメイツ星人の写真だけではなかった!

さて、メイツ星人の写真はとてもレアであることは、唐沢先生のXでの投稿から分かりますが、そもそも、その写真が掲載されている『あばれはっちゃく』の写真集も、現在では、とてもレアで貴重な本なのです。ここに来てくださる『あばれはっちゃく』ファンの方達には、どれだけ資料的価値がある写真集であるか分かると思うのですが、ファンでない人にとっては、ピンとこないと思います。

現在は絶版で復刻されておらず、10年前には中古本もなかなか売り出されておらず、最近になってアマゾンや古本屋やヤフオク、メルカリなどで出品を目にするようになりましたが、上記にあるアマゾンでの値段を見ると、17万円の高値がついています。

ウルトラマン』シリーズファンにとっては、メイツ星人の写真があり、それをもとに造形家の品田冬樹さんがメイツ星人を新たに作るための参考資料としての価値の比重が大きいと思いますが、『あばれはっちゃく』シリーズファンにとっては、どのような経緯で3代目あばれはっちゃくが荒木直也さんに決まったのか等、『あばれはっちゃく』に関する資料本として価値がある本なのです。物の価値というのは、何を大事にしているか、人によって変わるものなのだと、今回の件を通して思いました。

他に『男!あばれはっちゃく』は、今となっては入手困難な『キャンディ・キャンディ』のコミックス1巻も小道具として登場しています。それも、いがらしゆみこ先生のサイン付きで。『キャンディ・キャンディ』は、原作者の水木杏子先生と作画のいがらしゆみこ先生の関係で、漫画もアニメも現在では、簡単に見ることが出来ません。だからこそ、この小道具のコミックスは、現在ではとても価値のある物ですが、それに価値を見出すのは、私達世代までかもしれません。

あれだけ、世間を席巻した人気少女漫画、アニメの名作作品であるのにも関わらず、私よりも下の世代には無名になっているのが、とてもとても残念でなりません。

『男!あばれはっちゃく』56話より
『男!あばれはっちゃく』56話より

人によって変わるものの価値基準

当時の現場は、取り立てて特別な意識はなく、普通の小道具の1つとして、現場で使っていたのだろうと思います。時を経て、貴重な価値が出て、ファンや関係者がびっくりしたり、そこに価値を見出したのでしょうね。そして、それも全ての人にとってではなく、あるファンの間では、とても価値あるもので、関心のない人達にとっては、何の意味もないもの。同じものでも、ある人にとってはお宝で、そうでない人にとっては「ふーん」で終わるなんてことは当たり前ですが、この落差が個人的には、とても興味深く面白く感じます。

私にとって、とても有意義で面白い情報の発見や内容への言及をブログで書いていても、無反応で関心を持たれないブログ記事がある一方で、私が当たり前すぎて、何気なく書いてた記事に関心を持たれて、旧Twitterでブログ記事を拡散された経験があるので、特にそう感じます。そして、そういうことを通じて、人の価値基準の違いを知ることになりました。

私にとって『男!あばれはっちゃく』9話にアニメックがドラマに出てくるのは、話の流れ的に普通のことで、驚きも特別なことだとも思いませんでした。(そのアニメックで好きなアニメのポスターやセル画を見れたのは嬉しかったですが)、けれども、それに対して驚き、それがきっかけで『男!あばれはっちゃく』を見てみたいと思う人達がいる。何がきっかけで作品に興味を持つのか、どこを重点に思うかは人それぞれなのですね。

大切なもの関心があるものはそれぞれに違う

物の価値って、人よってこんなにも変わるものなのですね。みんな、それぞれに大切にしているもの、関心を持っているものが違っている。誰かにとって何でもないものが、誰かにとっては、とても大事で大切なもの。自分にとって価値がないものだとしても、誰かにとっては大切で大事な心の支えであるということを肝に銘じて、どんな物や人に対しても敬意を持って、大切にしていきたいなって、そんなことを思いました。

そして、今日は吉田友紀さんの57歳の誕生日。吉田さん、お誕生日おめでとうございます。