柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

てるほとカヨちゃん

カヨちゃんと信一郎でてるほの役割だと思ったか

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上記の記事で、2代目『男!あばれはっちゃく』では、初代『俺はあばれはっちゃく』のてるほの役割をカヨちゃんと信一郎に分けたと思いますが、皆さんはどう思いますかという問いかけをしました。

それに対して、万江仁士さんが自身のYouTubeチャンネルで答えてくれてました。それを見て、てるほの役割をカヨちゃんと信一郎に分けたと私が思ったのかについての内容が上記の記事では、ちゃんと書いていないと感じたので、そう思うに至った私の考えをもう少し掘り下げて書いてみようと思いました。

私は上記で取り上げた2代目の19話に、初代と似たような場面があって、その初代の場面でてるほがいた位置に、2代目ではカヨちゃんがいて、なんだか、カヨちゃんって、てるほみたいな存在なのかなって思ったことが、てるほとカヨちゃんの立ち位置が少しにてるなって思ったのですね。

でも、初代のてるほに当たる、桜間家の長子は2代目では信一郎になっていて、じゃあ、カヨちゃんがてるほになったら、信一郎はどうなってしまうのだろうか、と考えた時に、てるほの役割をカヨちゃんと信一郎で分けたのではと考えたのです。

てるほは成績優秀で女の子というのもあって、父ちゃんから溺愛されていました。特にそれが顕著だったのが初期の方で、父ちゃんはてるほに関しては、親バカな一面があったのです。

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この出来の悪い長太郎と対比させ、親から贔屓されている存在が長太郎の姉の立ち位置で、これは、性別は変わりますが、2代目の信一郎に引き継がれています。そもそも、2代目の設定資料の段階で、信一郎に対して父ちゃんは親バカであるとされていました。

桜間長治

 40才。長太郎の父親。頑固な職人気質の理容師。東京生まれで亡父の後を継いで床屋になり、大企業三星電気××工場の理容師だったが、縁あって東京本社の理容師勤務となる。それを機会に一家も上京。小さな店を買った。長太郎の悪童ぶりが気に食わず終始雷を落としているが、秀才の長男信一郎は溺愛し、東大へ進学させるためにも東京へ出てきたほどの親ばかである。

 高校時代柔道の選手だったのが自慢で、長太郎に手ほどきをしたのだが、本人は遂に黒帯になれなかった。大の酒好きで、酔うと見境なく人を投げ飛ばす癖がある。妻とは仲良く、日曜には店を手伝う。(『男!あばれはっちゃく』DVD解説書より引用)

てるほは長太郎にとって、親に贔屓され、自分と比較される出来のいい姉で、憎たらしい存在で、てるほにとっても出来が悪くて、自分のことを馬鹿にする弟はムカつく相手な訳なんですが、心の底から憎みあっているかというと、そうではなくて、長太郎を自慢の弟だと言っていたり、長太郎に何かあれば助けてくれる存在でもあったんですね。

この長太郎と喧嘩をしても、長太郎を信頼していて、助けてくれる存在なのは、信一郎にもあるんですが、長太郎と関係の近い実の姉のてるほ、兄の信一郎よりは、年齢の離れた従姉であるカヨちゃんになると、少し他人としての距離感が生まれて、もう少し冷静な視点というのが長太郎に対して生まれているなって感じたんです。

長太郎とてるほの実の姉弟だと距離が近すぎ、長太郎とカヨちゃんの従姉弟関係になると近づ離れずの絶妙な距離感があって、長太郎と信一郎の兄弟関係になると、長太郎とてるほの時のような距離の近さと、同性同士だからこその近さがあって、初代との差別化が生まれ、さらには話のバリエーションも増えることを狙って、てるほの役割をカヨちゃんと信一郎に分割したのかなって思ったのです。

これは、私が作品を見て感じたことなので、違うかもしれません。長太郎とてるほの関係性に関しては、昔、少し注目して書いていた時期があり、カテゴリー「長太郎とてるほ」でまとめてあります。はてなダイアリー時代の記事なので、レイアウト等読みにくいところがありますが、興味がある方は読んでみてください。

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ストレートなてるほの怒りと冷静なカヨちゃんの怒り

長太郎とてるほの距離が近いと書きましたが、この場合、長太郎の行動で被害を受けたてるほの感情が高ぶると、見境がなくなり、感情がセーブ出来ない場面がありました。例えば『俺はあばれはっちゃく』42話「呪われた桜間家」や50話「クシャミ一発」の回等では、長太郎に対しててるほの怒りは大きかったです。やはり、他人ではないので遠慮がないというか、感情のまま怒りをぶつけてしまうのだと思います。そもそも、1話でてるほは長太郎の軽口にに怒って、殴りつけています。

これが、カヨちゃんになると、長太郎の迷惑行為(だいたいが良かれと思っての長太郎の行為)に対して、嫌な顔や迷惑な顔をしても、てるほのようにストレートに長太郎に怒りをぶつけてはこないので、カヨちゃんの方が冷静というか、長太郎に困ったという感情をぶつける時にクールダウンしているように感じます。

『男!あばれはっちゃく』23話の「花嫁カヨちゃん」の回では、長太郎の早とちりでカヨちゃんのお見合いが決まってしまって、カヨちゃんはものすごく、困ってしまって長太郎に文句は言うのですが、決して長太郎を叩くことはしない。そこには、自分の言葉が原因だという自覚もあり、または従姉とはいえ、遠慮があり、カヨちゃんは19歳なので11歳の長太郎は子どもであることから、大人としての対応をしているのだなって感じるのです。

てるほと長太郎の場合は実の姉弟で、長太郎が小学5年生、てるほが中学2年生で年齢差は3歳なので、子ども同士の関係。カヨちゃんは大人というには若いけども、大人と子どもの中間地点にいて、大人側にも子ども側にも立てる存在だったなって思うのです。長太郎と信一郎にてるほと長太郎の近い関係を、さらに同性にすることで、てるほと長太郎の時よりも近い関係を作り、一方でカヨちゃんという母ちゃん以外の家族の中での異性との関係と年上の従姉としての近いようで遠い、遠いようで近い関係性を作っていたのかななんて思います。

似ている場面

微妙にてるほとカヨちゃんの性格や立場、立ち位置は違うのですが、2人に感じる共通点が長太郎を信じていて、長太郎が義理人情に欠いたことをすると、怒って発破をかけるところです。てるほが長太郎に発破をかける言葉は多々ありますが、すぐに思いつくのは、万江仁士さんが動画内で話していた『俺はあばれはっちゃく』26話「モヤシも男だ」での、てるほの言葉です。

26話は、長太郎と公一が喧嘩をしていて、公一が自分をいじめた相手に仕返しをしたことに怒った相手の兄が長太郎が弟に石を投げて怪我をさせたと勘違いをして、公一とヒトミちゃん、正彦に長太郎に自分のとこに来るように言い渡しますが、公一が自分がしたことだと相手のところに行ってしまって、それでヒトミちゃんと正彦が長太郎に公一を助けて欲しいとやって来ます。しかし、長太郎は公一の態度に腹を立てていて、それを断ります。その時に出てきたのが、長太郎へのてるほの言葉が以下の言葉です。

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『俺はあばれはっちゃく』26話より

「そう、あんたの友情って、その程度だったの」

「なにぃ」

「それとも、その子のお兄さんが怖いのね」

それで、このてるほの言葉を聞いて、私が思い出したのが『男!あばれはっちゃく』9話「あばれアニメだ」でのカヨちゃんの言葉です。この話では、長太郎に張り合って、嘘をついてアニメのセルをみゆきちゃん達に見せると豪語した邦彦の嘘を知った長太郎がみゆきちゃん達に言いふらそうとするので、それをカヨちゃんが止めます。

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『男!あばれはっちゃく』9話より
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『男!あばれはっちゃく』9話より

「見損なったわ、長太郎君ってそんな人だったのね。人が苦しんでいるのを笑って見てられるの」

「そんなこと言ったって」

 「邦彦君が嘘ついたのは、確かに悪いわ。でも、邦彦君、本当に困っているのよ。だから自分で絵まで描こうとしたんじゃない」

「男なら素直に謝ればいいんだよ」

「邦彦君にはそれが出来ないのよ。このまんま、邦彦君が学校に行かなくなっちゃったら、どうするの。ねぇ、長太郎君、なんとか助けてあげられないかな。ふーん、みゆきちゃんにいいつけて、喜ぶ気なのね。そんなことしてみゆきちゃん、なんと思うかな」

どちらも、友達を見捨てようとした長太郎の考えを変えさせる言葉なんですが、てるほの方が容赦がなくて、カヨちゃんの方が冷静に感じます。カヨちゃんも長太郎に少し意地悪く「みゆきちゃんにいいつけて、喜ぶ気なのね」って言っているんですが、その後にちゃんと優しく諭しているんですね。

これが、てるほとカヨちゃんは似た立ち位置にいるけど、微妙に違う長太郎との関係性なんだなって思うのです。初代26話の脚本は安藤豊弘さんで、2代目9話の脚本は市川靖さんなんですが、どちらの話も監督は山際監督なんですね。

だからなんでしょうか、長太郎とてるほ、長太郎とカヨちゃんの関係性とてるほとカヨちゃんの違いから、初代の長太郎の気持ちの変化が直情的、2代目の長太郎の変化が柔らかいと違う印象を感じながらも、なんか似たような雰囲気を私は感じ取ってしまうのです。なんというか、山際監督らしい演出だなと。山際監督らしい演出がどういうものか説明は出来ませんが、見ていて肌で感じる同じ空気というのを感じます。感覚の話なので、うまく伝えることが出来ません。

同じ監督でも、脚本家も違う、演者も違う、登場人物の人間関係や性格も違っているから違うものなのに、共通点や同じ空気を感じるのは、監督が同じだけではなく、変化はあってもシリーズにある共通性があるからなのかなって、素人ファンの一人として、そんなことを思いました。