柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

3代目『熱血あばれはっちゃく』で一番覚えている話

母ちゃんの上をいく

私が『熱血あばれはっちゃく』の話の中で一番印象深く、覚えている話が47話「歌え!太陽マル秘作戦」です。この話、塩沢ときさんがゲストの回で、塩沢ときさんの強烈な個性と問題を解決する長太郎の大胆な発想がとても印象に残っています。DVDで見返してみて、細かい部分の記憶違いはあったのですが、だいたいは思い出通りで懐かしく見ることが出来ました。私の記憶違いは、筆で赤く塗って長太郎が墨やケチャップのシミを隠したと思っていたのですが、そうではありませんでした。

この長太郎がアイディアを実行する前に、母ちゃんが造花、コサージュを作ってシミを隠そうと考えたことは、とてもよく覚えていて、今でも、コサージュを見ると、この話を思い出すほどです。子どもの頃に見ていた時に、窮地からの母ちゃんのアイディアが素敵でいいなって感じたのですが、長太郎がその上をいく思いっきりのよい、大胆で斬新なアイディアをやってしまって、しばし唖然としてしまいました。

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『熱血あばれはっちゃく』47話より

47話の簡単なあらすじ

あけみちゃんのママのアサコさんが学校の先輩でオペラ歌手のランコさんとランコさんのコンサートで着る服を作ってもらおうと、イタリア特注の布を持って桜間洋装店にやってきます。あるかた、服が出来上がったとこで、長太郎が学校から帰宅。習字道具をいつものランドセルを投げるようになげたら、作って飾ってあったランコさんの服に直撃。

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『熱血あばれはっちゃく』47話より

習字道具の中身がでて、墨のついた筆が服に当たって墨を付けてしまいます(っていうか、学校で習字をした後に筆を洗わなかったのか長太郎よ)。長太郎はこの責任をとって、手芸店にいって同じ布を探しますが、イタリア製のものはなく、その探している途中でアサコさんに見つかり、アサコさんが桜間洋装店にきて責任を取るようにと強く詰め寄ります。雑誌社の記者でもあるアサコさんは、責任が取れなければ、この桜間洋装店の悪い噂を書くと母ちゃんを脅し、母ちゃんは寝込んでしまいます。

そんな母ちゃんを心配する父ちゃんは、長太郎を激しく叱責。夕食のナポリタンを食べようとする長太郎からナポリタンを奪い、それを長太郎が取り戻してとしているうちに、店の方へ2人は移動して、そこでランコさんの服にケチャップたっぷりのナポリタンをぶちまけ、新たなシミを作ってしまいます。それを見た長太郎の兄の修一郎が母ちゃんを呼び、さらに大変な事態になったことで、母ちゃんがパニック状態。さて、ランコさんの服をちゃんと仕立てて渡すことが出来るのか。

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『熱血あばれはっちゃく』47話より

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『熱血あばれはっちゃく』47話より

イタリア

この話、イタリアがキーになっているんですね。ランコさんがオペラ歌手、持参した布がイタリア製の布、長太郎がもう一つシミを付けてしまったのがナポリタン。ま、ナポリタンはイタリア料理ではなく、日本で生まれた料理なんですが、スパゲティといえばイタリアという発想かなっと、それに主な視聴者の子どもに分かりやすいですしね。でも、子どもの頃に見た時は、ピンクの布と合わせるように、赤い色を持ち出すためのケチャップだったのかなって思っていたので、大人になってDVDで見返してみて、イタリアだからナポリタン?ケチャップだったのかと、それがあってるかどうかは別にして、一人で勝手に納得してました。

責任の取り方

謝るしかできない、どうしようも出来ない状態になっても、責任を取ることの厳しさ、難しさを強く感じた話でした。母ちゃんの選択したいくつかの責任の取り方、長太郎が考えた責任の取り方、一つ目の解決法がダメでも、また、新しく解決方法を考える。さらに悪化して、取り乱しても、また改善を考えることが繰り返されていて、解決できるまで、どこまでも問題に向き合って考える母ちゃんと長太郎の姿がとても心に残る話です。

長太郎の大胆で思いっきりの良い解決方法は、吉と出るか、凶と出るか分からない部分が大きく、賭けの要素も多いのですが、最後まで諦めなければ、天は味方をしてくれるんだなって思えた話でした。

仕事をする女性

この話の脚本は三宅直子さん、母ちゃんが主役の話は仕事を持つ女としての姿が描かれていて、三宅さんらしい話だなって思いました。『あばれはっちゃく』はシリーズが進むと、長太郎の母ちゃんだけでなく、あけみちゃんのママや4代目『痛快あばれはっちゃく』(1983年~1985年)の信彦の母親のように、女性も仕事をしていて、時代の変化を感じます。

初代『俺はあばれはっちゃく』(1979年~1980年)も公一の母ちゃんが八百勝を経営していましたが、それは公一のとこが母子家庭だったからという事情もあり、また2代目『男!あばれはっちゃく』(1980年~1982年)の和美ちゃんのとこも同様に母子家庭でクリーニング店を営んでいましたね。

母子家庭という点においては4代目の信彦のところもそうなんですけども、パートとしてだけではなく、働く女性の姿がシリーズの中で増えていったのは、社会の変化だったのかなって思いました。

もう一つの話

この47話は母ちゃんの仕事の話と並行して、長太郎の5年生最後の文集を書くという話もあって、それは長太郎とあけみちゃんとした約束の話。あけみちゃんだけでなく、いつものメンバー全員との約束でもあるんですけど、特にあけみちゃんが長太郎を励まして、書いてくることを望んでいて、きっと書いてきてくれると信じているので、長太郎とあけみちゃんの話だったなって印象に残っています。あけみちゃんが長太郎に優しくて、とても癒されました。こちらの話の行方もDVDで見てくれたら嬉しいです。