柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

登場人物の性格が一言で

アバンタイトル

海の中をパジャマで泳ぐ長太郎と、ひとみちゃんが乙姫様の姿になって、玉手箱を渡してという、少し浦島太郎を思わせるアバン。

玉手箱をあけて、そこで夢から覚めるというものになってます。

このアバンも含めて、7月7日の七夕でみた長太郎とヒトミちゃんが彦星と織姫になって天の川で会うという長太郎の夢もそうでしたが、長太郎が水関係の夢を見て、起きると寝小便というのが出てきます。

水関係の夢、寝小便というのは定番ですが、それぞれ夢落ちになってます。

本編

今回の主人公は恵子ちゃん。ドンペイの散歩中に、恵子ちゃんが廃品回収の軽トラックをバックの誘導案内をしているのですが、長太郎に声をかけられて、「ストップ」を言いそびれて、軽トラックがブロック塀にあたって、ブロックや電柱が大破します。

しかし、豪快な大破だなあ。

運転手のおじさんが出てきて、そこへおばさんが駆けつけ、おじさんに文句をいいますが、この二人は夫婦。

おばさんがおじさんの運転を非難しますが、おじさんは恵子ちゃんの誘導が悪いと弁解します。

でも、恵子ちゃんは長太郎と逃げた後。恵子ちゃんは罪の意識を感じますが、長太郎は目の悪い恵子ちゃんにバックの誘導を頼んだのが悪いと、恵子ちゃんを励まします。

でもなあ。メガネかけてたし、目の悪いことは関係ないような。

場面変わって翌朝、長太郎が早起きして、父ちゃんのために鰻をとりに川へといきます。

これまで出てきた場面描写で、初代『俺はあばれはっちゃく』の舞台は神奈川県だと推測できるのですが、神奈川県の川に鰻なんているのかな。

さて、長太郎は川原で小さな男の子に出会います。この男の子が今回の話の騒動の原因の山田一郎君なんですが、この男の子に恵子ちゃんが絡み、冒頭の夫婦が一郎の両親でこの二人も絡んできます。

さらには、川原に行く途中で出会った御なじみの巡査山本さんが追いかけている配達された牛乳が盗まれる事件も絡んできます。

牛乳が盗まれ、それが犬を連れていた男の子ということで、ドンペイを散歩させている長太郎が疑われてしまうのですが、長太郎は無実。

翌日、学校で長太郎が鰻をとるコツを蛇のおもちゃを使って再現。教壇で正彦、公一や他の男子クラスメイトに話して聞かせます。

この教室での場面。長太郎たちの手前では、ヒトミちゃんと明子、さゆりがあやとりをして遊んでいます。

さらに、長太郎の後ろにある黒板には、ドラえもんの絵が描かれているのです。

『俺はあばれはっちゃく』は2月3日に放送が始まって、この話で30話ですが、同じ年1979年、『俺はあばれはっちゃく』放送開始から2ヶ月後の4月から、同じテレビ朝日で『ドラえもん』(大山のぶ代版)の放送が開始されたのです。

あばれはっちゃく』シリーズが終わるまで、『あばれはっちゃく』と『ドラえもん』は私が子ども時代にテレビ朝日で放送されていた人気子ども番組でした。既に子どもの人気番組であった『あばれはっちゃく』に『ドラえもん』を登場させたのも、同局の人気子ども番組だったからと思います。また、この話以外にも、初代の後も、『ドラえもん』はちょくちょく出てきます。特に4代目『痛快あばれはっちゃく』が多いです。

 

さて、長太郎の鰻の知識に学校では教えないことは詳しいと言うのが正彦なのが、教室での勉強が出来るのは正彦、教室の勉強以外のことが出来るのは長太郎だということが、正彦の呆れ気味に褒めているんだか、けなしているんだか分からない一言で表現されているのが、面白いですね。

調子にのり、悪ふざけをしてヒトミちゃんたちに、蛇を生きているように操って驚かしにきた長太郎は、窓際で佇んでいる恵子ちゃんにまでちょっかいを出して取っ組みあいの喧嘩に発展します。

体格のいい恵子ちゃんと細身の長太郎。いくら恵子ちゃんが体格が良いといっても、女の子相手に取っ組み合いの喧嘩を始めるとは……。正彦が真っ先に恵子ちゃんへ声をかけて止めに入ってます。正彦らしいですね。

いつもの休み時間ならば、ヒトミちゃんは恵子ちゃんと一緒のことが多いのですが、今回の話の主役の恵子ちゃんが一人休み時間に孤立していて、悩んでいるということで、今回は明子と小百合とヒトミちゃんはあやとりをしていたわけですね。

恵子ちゃんと長太郎の喧嘩にクラスは騒ぎ、佐々木先生が駆けつけ、正彦が事の経緯を説明して佐々木先生が長太郎を叱り、恵子ちゃんに謝らせますが、頭を下げた先で舌を出している長太郎を見ると、言葉と気持ちは裏腹のようです。

普段の恵子ちゃんらしくない態度に、長太郎、ヒトミちゃん、公一、正彦、明子、小百合がそれぞれに心配の声をあげるのですが、明子は恋の悩みがあると言うのですが、公一の給食を残していたという目撃談から恵子ちゃんが無理な減量をしていることからくる栄養不足であると正彦が言い、小百合が無理な食事制限の弊害を言い出します。

恵子ちゃんの様子を真剣で深刻に心配する長太郎達ですが、彼らのこの推測は当たってなく、明子の恋の悩みも違います。

長太郎は減量による栄養失調も恋の悩みも違うという、自分の勘を言いますが、この時点では恵子ちゃんの不調の原因が分かりません。

学校から戻ってきて、恵子ちゃんの姿を見て、川原で空の牛乳瓶を見たことで、牛乳泥棒の疑惑を恵子ちゃんに持った長太郎は、翌朝、確認をとります。

ここで、恵子ちゃんが元気のなかった理由と長太郎が山本さんにかけられた牛乳泥棒の事件が繋がり、さらには長太郎が追いかけた一郎君を一郎の家まで追いかけたことで、廃品回収のおじさんが一郎の父親であると判明して、恵子ちゃんが元気をなくしたのも冒頭のバック誘導失敗にあることが分かります。

このバック誘導失敗事件のお陰で、おじさんは壊した電柱の弁償を電力会社にしないといけなくて、おばさんと喧嘩別れ、仕事もクビになって、仕事をしなくなり酒びたり。一郎君が拾ってきた犬も捨てるように言われてしまい、一郎君の家を目茶目茶にした理由を感じて、一郎君と犬の世話することになった恵子ちゃんは悩んでいたという、恵子ちゃんの責任感を強く感じます。

小学生の恵子ちゃんがそこまでと思いますが、事情を長太郎に話すことになり、恵子ちゃんは長太郎にも責任があると言います。そのとおりなんですが、ここで恵子ちゃんも一郎の父親と同じでやっぱり人のせいにしちゃっているんですよね。

原因は確かにそうだけど、声をかけられたのは事実だけど、すぐに仕事に戻らなかった恵子ちゃんは悪くなかったのかと、それと犬の世話のために、牛乳や長太郎がとった鰻を盗むのが許されるかというのは別問題なんですよね。

悪いことは悪いんだぞ 

 長太郎はそう言いますが、これは長太郎が正論で長太郎がいたずらはしても、「悪いこと」と「良いこと」の区別がある少年であることが分かります。

今回の脚本は田口成光さんなんですが、教室での正彦の短い言葉や、長太郎のここでの言葉でも分かるように、一言で彼らの持つこれまで描かれていた、性格やクラスでの立ち位置、視聴者が感じている彼らの印象を端的に彼らの言葉や態度で表しているなって感じます。

これは、田口さんが長太郎や正彦などの性格の特性を的確に持って脚本を書かれていたのではないかなって思います。視聴者が持っているドラマの人物達の性格を脚本家が明確に理解しているのは、当然かもしれませんが、複数の脚本家でなくても、ドラマの登場人物の性格がブレてしまう作品があっても、『俺はあばれはっちゃく』にそれを感じないのは、複数の脚本家、監督を始めとするスタッフの間で、しっかりとドラマの人物達の性格の把握が出来ているのだなって感じます。

恵子ちゃんの話を聞き、自分にも責任があることを感じた長太郎が、ちり紙交換をしながら、出ていった一郎の母親探しも始めます。

一郎の母親が見つかり、そこで恵子ちゃんのせいにしたおじさん、長太郎のせいにした恵子ちゃんと違って、今回の事件の一番の原因は酔っ払い運転をしていたおじさんにあるとして、謝ってきた恵子ちゃん達を許しています。

おばさんがおじさんに反省を促すためにした家出のやり方はよい方法ではありませんでしたが、ここでようやくまともな大人が出てきたと感じました。

何かの失敗を誰かのせいにして、罪の意識や責任から逃れようとする心理は分かりますが、他人のせいにして逃れるのは何か違う。

人間は失敗をしてしまうけれども、その失敗を受け止め、罪を償う姿勢が大事なんだと感じました。

一郎の父親が調子がいいなって思います。おじさん、事件を起こして酔いつぶれてクダを巻くだけで何もしてない。弁償をしないといけないという責任もおばさんが出て行った原因が自分にあることも、長太郎と恵子ちゃんが動かなければ何も感じなかったと思うと、本当に母ちゃんと父ちゃんが言うように、長太郎の父ちゃんと母ちゃんの良さが分かりますね。ここでも、これまで父ちゃんと母ちゃんを見てきた視聴者の気持ちを、父ちゃんと母ちゃんの一言で表していて、やっぱり今回の話は、これまでのみんなの印象をそれぞれに言わせた一言で表現していた話だったなって思います。