脚本・山根雄一郎・山際永三監督
アバンタイトル
長太郎がヘルメットと肘あてと膝あてをして、坂道をローラースケート。水に嵌ってオチ。初代の1話のアバンタイトルと似たようなシチュエーションのアバンタイトルですね。初代は四輪でしたが、ローラースケートで立って坂道を下るのは相当、怖かっただろうなって2代目長太郎の栗又さんの顔を見ていて思いました。坂道を下る長太郎の姿に初代から続く長太郎の自己紹介のナレーション。
自己紹介ナレーションは初代で2回マイナーチェンジされ、3つのバージョンがありますが、2代目では初代で使った3番目(「俺はあばれはっちゃく」25話~最終回まで使用)の自己紹介ナレーションが使われています。
これは初代からの流れを汲んでの自己紹介ナレーションなわけですが、初代自己紹介ナレーションの1番目と2番目には「美玉市立第一小学校」の学校名が入っているので、2代目には使われなかったということであると同時に、2代目は原作『あばれはっちゃく』とは違う小学校、場所が舞台であることを暗に示しているんだなって思いました。
オープニング
オープニングは新しい長太郎達がどんな人物かの紹介も兼ねているなって思いました。石と木で作ったバーベルを重量挙げの選手のように持ち上げる長太郎。この姿が長太郎が力持ちだと印象付けますね。
また、2代目長太郎を演じた栗又さんは、初代49話「笑えタイヤキ」で力持ちの五郎役を演じていましたから、初代から見てきた人には、「あ、あの時の力持ちの子だ!」って思った人もいたんじゃないかな。
長太郎の次に父ちゃん、母ちゃんの働く姿が出てきて、2人の職場が分かり、カヨちゃん、信一郎と続きます。
オープニングを見ていて面白いなって思ったのが、カヨちゃんのキャスティングクレジットが信一郎よりも先にあることです。
素人考えなんですが、普通は桜間家の人達が先に来ると思うんですよ。それで、ここでは視聴者はまだ本編を見ていませんから、カヨちゃんが桜間家の長女、原作、初代のてるほに当たる人物だと思う人もいるんじゃないかなって思うんですよね、実際に本編を見ていると父ちゃんがカヨちゃんのことを邦彦の父親、佐藤部長に紹介するまではそういうふうに見えるんです。佐藤部長も桜間家の娘だと思っていて、ここで佐藤部長と視聴者の誤解を父ちゃんが解いているところは見事ですね。
新しい理容店サクラマから飛び出た長太郎がドンベイを連れて学校へ走る流れで通学途中のクラスメイト達が映ります。最初に出てくるのは、邦彦と洋一ですが、キャスティングクレジットは、みゆきちゃん役の鈴木輝江さんと洋一役の大場利明さん。ここで、女の子がヒロイン、男の子が初代の長太郎の親友公一のポジションを演じる人だって分かります。邦彦と洋一を追い抜いて、みゆきちゃん達女の子3人組のところで、長野昇一さん、戸川絵夢さん、伊藤月子さんのクレジット。
ここで、長野昇一さんが演じる子が初代の正彦の立ち位置、順番として戸川絵夢さんが演じるのが初代の恵子ちゃん、伊藤月子さんが演じるのが初代の明子と小百合の役割なんだろうなっていうのが、こうして何回も見返していくと分かるんです。
子ども達が終わって次に大人達、みゆきちゃんのママ役の藤江リカさんが邦彦の父親の佐藤部長役の恒吉雄一さんより先にきてるのを見ると、ヒロインの母親の方が2代目では大きく絡んでくることを想定していたんだろうなって思います。
まだ、1話のオープニングでは藤江リカさんがヒロインの母親役なのか、佐藤部長の奥さん役なのか分からないのですが、初代の正彦は父子家庭でしたから、2代目の邦彦も父子家庭ではないかという視聴者側の思い込みってあったんじゃないかなって思うんですよ当時ね。今回の1話では分からないんですけど、2代目の邦彦も正彦と同じように父子家庭だと後の話から分かります。
次にみゆきちゃんが5年やっているお寺の合気道の住職熊田役の竹田光裕さんの名前、少し離れてまとまって、吉村禎夫さん中野達也さんの名前があります。本編を見ると、吉村さんと中野さんが長太郎とトラックでやってきた引っ越し業者の2人なんだと分かります。最後に初代から続投の山内賢さんの姿。初代から見てきた子ども達にとって、山内さんは佐々木先生。「あ、佐々木先生」って思ったところで、「寺山先生」とある。漢字が読める子ども達には、今度は佐々木先生じゃないんだって分かるんです。漢字が読めない幼稚園当時の私でも、字の形が違うから違和感はあったかもしれないけど、当時はそこまでしっかりオープニングのキャスティングクレジットは見ていなかったな。寺山先生が出てきて、ここで長太郎の小学校の名前も分かります。
今度の長太郎は美玉市立第一小学校ではなくて、世田谷区立ちとせ第一小学校なんだって分かると同時に、2代目の舞台が東京都世田谷区だと知るのです。
また、キャスティングで役割と映像で人物紹介も兼ねていて、長太郎が元気よく飛び出しているのに対して、信一郎が参考書を読みながら出てくるところに勉強が出来るのと、理容店の窓を拭いて長太郎に声をかけているカヨちゃんに働き者で明るい優しさがあるんだってことが分かるのもいいなって思います。
本編
サブタイトルは「東京がなんだ」。
長太郎のナレーションから始まり、トラックの荷台から顔を出すドンペイ。荷台から東京の街を見る長太郎の目線。
この風景が私が子どもの頃、東京の父方の祖父、お祖父ちゃんのとこに行く風景と重なって、今、見るととても懐かしいです。
そこから、荷台にいる長太郎とドンペイの映像になるんですが、長太郎の後ろにある段ボールに「信一郎」の名前が書かれているのが分かります。「取扱注意」とあり、信一郎の私物が大事なものだと分かります。1話の中で桜間家が群馬県から東京に来た理由の一つとして、成績優秀な信一郎の東京大学受験であることが出てくるんですが、まだ、中学生の段階で大学受験を視野に入れているところが、当時の世相を語っていると感じました。
初代でも正彦が中学受験を視野に入れて勉強をしているんですが、初代と同世代の人達の話を聞くと、この頃に中学受験、塾通いが盛んになっていた頃で、名門麻布中学を受験して受かったって話を聞きました。麻布は東京23区が対象の男子校なので、東京からきた正彦は麻布が志望校だったりしたのかなって思ったり。
ところどころで、進学には東京が有利だと1話では語れていて、勉強が進んでいることも信一郎の口から語れています。
初代でも原作でも、長太郎の姉、てるほは成績優秀でした。2代目では姉から兄に変わりましたが、長太郎の兄、信一郎もてるほと同様に成績優秀の兄という設定です。しかし、初代のてるほよりも信一郎の方が勉強虫に表現されています。また、父ちゃんと母ちゃんも信一郎の大学進学の為に上京してきたのを見ても、初代よりも教育熱心だと感じました。
長太郎は道に迷った引っ越し業者の2人を仕方がないなって感じで見ながら、外で小便をするんですが、この時にドンペイの悲鳴が聞こえ、振り向くと2人組の男の子がドンペイをいじめているのを目撃して、反撃します。
場面が変わって、サクラマ理容店で引っ越しをしている長太郎以外の桜間家の人達の映像。
ここで、父ちゃん、母ちゃん、信一郎、カヨちゃんの4人の姿を見て、今度の桜間家は5人家族かしらって思うんですが、父ちゃんがカヨちゃんの事を「ちゃん」づけで呼んでいて、カヨちゃんが父ちゃんと母ちゃんの事を「おばさん達」と呼んでいるので、カヨちゃんが桜間家の娘じゃないって分かるんですね。オープニングでは「カヨ子」だけなんで、ひょっとしたら、「桜間カヨ子」の可能性もあるじゃないですか、初代だって、てるほは「てるほ」だけでしたからね。
でも、ここで「桜間カヨ子」の可能性は消えたわけです。では、このカヨちゃんが何者かになるんですが、これは後で引っ越し祝いに来てくれた父ちゃんが新しく勤める会社の上司、佐藤部長に父ちゃんが説明してくれることで分かります。それは、また、後で。
長太郎が遅いのを心配して、カヨちゃんと信一郎が探しに行きます。ここで、長太郎と邦彦、洋一の喧嘩を目にして、カヨちゃんが長太郎を止めに入ります。
カヨちゃんが真っ先に長太郎に駆け寄っているのとは対照的に、信一郎は呆れているんですね。信一郎がこういう荒っぽいのが嫌いなんだってことと、カヨちゃんの面倒見の良い優しい性格がここで分かります。
長太郎に対して、好意的に感じているか、迷惑に感じているかが、信一郎とカヨちゃんの違う態度から分かるんです。
桜間家でカヨちゃんが長太郎の味方の立場にいること、1話を見る限りだとカヨちゃんは初代の母ちゃんの立場に近い感じがします。母ちゃんは母ちゃんでちゃんと2代目にも久里さんがいて存在感をだしているんですけど、初代のてるほが信一郎とカヨちゃんに分かれた感じです。初代のてるほのお転婆で長太郎にも負けない負けん気と面倒見の良い部分をカヨちゃんが勉強の出来るところを信一郎が受け持った感じ。
長太郎が到着して、いきなり父ちゃんの大目玉。ここで、父ちゃんが東京で仕事を見つけてこと、母ちゃんが理容店(母ちゃんは「バーバー」って言ってますね)を開く事、その理容店が居抜きで父ちゃんが改装をしたことが、長太郎と父ちゃん、母ちゃんの会話から分かります。
カヨちゃんの声掛けで、3人も引っ越しの作業に戻るんですが、この時、長太郎はお隣がお医者さんだと知ります。その名も「千歳医院」。長太郎が見た看板で内科、小児科の病院の情報が入り、次のカットで桜間家と千歳医院がどれだけ隣にあるかが分かります。千歳医院は縦の看板には「千歳医院」とあり、横の看板には「ちとせ医院」と表示されています。今後、ブログでは「ちとせ医院」表記で統一していきますね。
次に2階の長太郎と信一郎の部屋になり、ここで東京と群馬の家、土地の事情の違いから、1人一部屋だった子ども部屋が東京では2人で一部屋だってことで、世田谷区の土地が群馬よりも高い事情も分かります。長太郎はここで、ちとせ医院の娘の着替えを偶然、目撃して興味を持ちます。
刺激的なヒロインの初登場場面です。長太郎は引っ越しの挨拶を兼ねて、女の子の名前を知ろうとします。対応してきたのは、藤江リカさん演じるみゆきちゃんのママ。
みゆきちゃんのママへの説明で父ちゃんが建築会社に勤める事、理容店は母ちゃんの店で土日は父ちゃんも理容店を手伝うことが長太郎の口から説明され、兄弟が2人であることが父ちゃんから説明されます。ここで、父ちゃんの会社が週休2日の会社だと分かるんですね。今では週休2日は当たり前だと思いますが、40年前、1980年では珍しかったのではないかなって思います。(私の父は会社員で当時から土日休みの週休2日でしたが、帰りがとても遅かった記憶があります)
ここで女の子の事を尋ねると画面の奥から買い物のお使いから帰って来たそのみゆきちゃんが登場。ここで、みゆきちゃんのママがみゆきちゃんの名前を呼び、隣に引っ越してきた長太郎達に挨拶をして、仲良くしなさいって、みゆきちゃんに言うんですが、みゆきちゃんの側から見れば、着替えを覗かれた男の子が家の前にいた訳で、長太郎にいい印象はありません。でも、長太郎はみゆきちゃんを気に入って、お近づきのしるしにみゆきちゃんの買い物の荷物を持ってあげようと、買い物かごを受け取ろうとします。みゆきちゃんはそれに抵抗し、買い物かごを落とし、中にあったワインの瓶を割ってしまいます。
ここでも、台詞だけでなく映像の情報からいろいろな情報を受け取れます。キャプチャーできなかったのですが、買い物かごを落として、父ちゃんとみゆきちゃんのママが駆け寄った時にちとせ医院の郵便ポストのところに「大島」という表札が見れます。ここで、ちとせ医院を経営している家族が大島さんだと分かります。その家の娘だから、「みゆき」と呼ばれた女の子が大島みゆきちゃんだと分かるのです。
長太郎の親切が仇になってしまい、みゆきちゃんの長太郎の第一印象は覗きもあって最悪です。その前に、邦彦と洋一と喧嘩をしていますから、長太郎はライバルと後の親友、ヒロインとは最悪の出会い方をしたことがここまでで描かれるのです。
続いて、夜になり父ちゃんを群馬の工務店から引き抜いた佐藤部長が登場してきます。
佐藤部長が持ってきた開店祝いの花に「佐藤邦雄より」って名前があるので、佐藤部長の名前がここで分かります。
ここで、カヨちゃんの事を尋ねた佐藤部長に対して、父ちゃんがカヨちゃんの事を母ちゃんの姪だと説明するので、カヨちゃんが長太郎達の従姉だと分かります。
また、カヨちゃんは中学を卒業してインターンで理容師の勉強を兼ねて母ちゃんの仕事を手伝っていることも分かるので、カヨちゃんが中卒だということも分かります。
理容師、美容師は中卒でも養成施設に入所試験を受けて入る事が出来ます。また、実務実習をする必要があり、父ちゃんの話からカヨちゃんが中卒で養成施設に入所して実務実習のために母ちゃんのお店で働いていることが分かります。基本的には養成施設は高卒からなのですが、中卒も認められていることは、厚生労働省のホームページに書かれています。カヨちゃんが高卒なら父ちゃんはそう言うと思うので、カヨちゃんは中学を卒業して理容師の養成所に入所したんだと分かるのです。
信一郎の東大受験を視野に入れて東京に引っ越してきた桜間家が、親戚の中卒の女の子と一緒に働く、男の子には学歴、女の子には手に職をという考えがあったのかな、と1980年の作品ですが、まだまだ古い価値観の名残を感じました。
佐藤部長の話から、長太郎が喧嘩をした相手が佐藤部長の息子、邦彦だと分かるんですが、この時点では長太郎が喧嘩をした男の子が2人いるので、どちらが邦彦か分からないんです。ここに、理容サクラマを通りかかった長太郎と喧嘩をした男の子の1人が通りかかります。
「あ、邦彦のお父さんだ」
これで、消去法でここにいない男の子の方が邦彦だと分かる訳です。ここまでで、ヒロインの大島みゆきちゃんとライバルの佐藤邦彦の名前と顔が視聴者に伝わります。
長太郎が佐藤部長に謝るように父ちゃんに強制されて、お店まで出てきて、それで洋一がそれを目撃するんですが、この時にお店にあるカレンダーから、3月だと分かります。つまり、ドラマ内の劇中も放送日の3月22日と同じ 3月だということなんですね。
父ちゃんに怒られ、お店で寝るように言われてドラマの前半部分が終わります。
後半、お店の椅子に寝ている長太郎を心配してカヨちゃんが声をかけますが、長太郎は父ちゃんとの約束を守ります。
カヨちゃんもそんな長太郎の気持ちを優先します。カレンダーで3月だと分かるんですが、次の日に新しい学校に行くことがカヨちゃんの口から語られるので、3月で春休みだけど学校があるのかって思う訳なんですが、この辺りは大目に見てもいいのかなって思います。
翌朝、長太郎は父ちゃんと信一郎と一緒に新しい小学校に来て、担任の寺山先生に挨拶します。視聴者はオープニングで既にドラマ本編には出てこなくても、その新しい小学校が「世田谷区立ちとせ第一小学校」って知っているんですね。
それにしても校門で挨拶って斬新。私も父親が転勤族の会社員で転校を2回経験していますが、まずは校長室に行って挨拶して担任の先生を紹介されていましたので、ちょっと驚きです。
寺山先生への挨拶でも挨拶がてらの桜間家の紹介を兼ねています。ここまでで違う人達(みゆきちゃんのママ、邦彦の父親、寺山先生)に一部重なる部分がありながらも、くどくなくそれでいて繰り返しの桜間家の家族構成と引っ越し理由を述べているので、視聴者には二重、三重の新しい桜間家の紹介になり、それが強く印象に残りつつ視聴者はドラマを見ていて、自然に入ってくる情報で新しい2代目の桜間家を知っていくところがすごいなって思います。また、長太郎が去っていく、父ちゃんと信一郎を見て寺山先生に尋ねる言葉で、信一郎が中学1年生だという情報もここで分かるのです。
初代のてるほは中学2年生で小学5年生の長太郎とは3歳差でしたが、2代目の長太郎と信一郎は2歳差だと分かります。この年齢差は原作の長太郎とてるほと同じです。
初代『俺はあばれはっちゃく』では長太郎を演じた吉田友紀さんとてるほを演じた島田歌穂さんが3歳差でドラマの長太郎とてるほも3歳差にしていましたが、2代目では原作のきょうだいの年齢差に合わせた形になりました。ちなみに、2代目長太郎役の栗又厚さんは1969年12月生まれ、長太郎の兄の信一郎役の須田庄治さんは1967年生まれなので2歳差ですね。原作に合わせたというよりは、初代のように演じた方々の年齢差に合わせたのかもしれません。
寺山先生に連れられて5年3組の教室に向かう長太郎、教室に入ると前日に出会った3人がいます。
寺山先生が怪我をしている邦彦と洋一に呼びかけて、長太郎の家を覗いていたのが洋一だと分かります。視聴者は既に邦彦が分かっていますが、ここで名前と姿が同時に出ていてはっきりと認識します。隣にいる赤い服の女の子は既にみゆきちゃんだと知っています。後の2人の女の子、みゆきちゃんの隣の席の子が弘子ちゃんでもう一人が和美ちゃんだと知るのは1話以降です。
先生が長太郎をみんなに紹介する時の黒板には日付がないので、長太郎がいつ転校してきたか明確に分からないんですが、理容店サクラマにあるカレンダーから、3月に転校してきたと推測は出来るんです。最も、長太郎は4月からも5年生で「5の3 寺山」クラスにいて、クラスメイトも変わっていないので、3月に放送された1話(1980年3月22日放送)2話(1980年3月29日放送)に関しては、先に書いたようにそんなに深く考えなくてもいいように思います。
長太郎にいい印象のない邦彦が長太郎がクラスに入ることを反対し、それに洋一もみゆきちゃんも乗っかります。寺山先生は困惑して理由を尋ねますが、長太郎は武士の情けで聞くなと先生に言います。
お前達、言いたいことは、それだけか
一言、言うと、長太郎は黒板に大きく「あばれはっちゃく」と書いて自己紹介します。
次に算数の授業の場面になるのですが、ここで黒板に書いた問題が出来る人と聞いて、みゆきちゃんが真っ先に手を挙げているので、みゆきちゃんが勉強の出来る子だと分かります。弘子ちゃんも、邦彦も手を挙げていて、洋一が挙げていないので勉強が苦手なんだと分かります。
長太郎も手を挙げますが、「分かりません」と答え、クラスの笑いを誘います。
長太郎が勉強が出来ないことと物怖じしない性格がここでしっかり伝わります。
長太郎は前日の振舞いと挨拶でみゆきちゃん達の怒りを買ってしまい、放課後下駄箱にちょうせん状をもらいます。
長太郎は家に帰り、ここで2代目長太郎のランドセル投げが出てくるんですが、このランドセル投げも初代の6話よりは控えめなんですが、少し不自然なんです。
長太郎は、ちょうせん状の地図のお寺にむかいます。そこには、みゆきちゃん達の姿がここで邦彦がみゆきちゃんが合気道5年のキャリアであることを話し、長太郎とみゆきちゃんとの対決が始まります。
女の子相手に戸惑う長太郎ですが、みゆきちゃんを投げ飛ばします。長太郎とみゆきちゃんの対決の途中で住職の熊田さんが戻ってきますが、長太郎とみゆきちゃんの対決を止めずに見守っています。
喧嘩というよりは、熊田さんは2人の対決だと思って見守っていて、下手な手出しも口もはさんでこないんです。長太郎が勝ったのを見届けてから、長太郎に近づいて名乗り、「みゆきちゃんを投げ飛ばすなんて大したもんだ」と感心し、長太郎に合気道をやらないかと誘います。
2代目の長太郎には担任の先生だけでなく、住職の熊田さんという長太郎に理解のある大人がいるんだってことが、熊田さんの取った長太郎への対応から感じられました。
桜間家にはカンカンに怒ったみゆきちゃんのママから怒りの電話がくるんですが、お隣なのに怒鳴り込んでこないで電話で文句を言うみゆきちゃんのママの行動に怒りのあまり、長太郎の顔も見たくないのかって思ってしまいました。
長太郎は翌日、窓を開けたみゆきちゃんの部屋にめがけて紙ヒコーキを飛ばします。それは長太郎の謝罪の手紙。
その手紙に同じく紙ヒコーキの手紙で答えるみゆきちゃん。
ここでは、みゆきちゃんに許してもらえず、学校に行くと邦彦達に逃げられてしまいます。それでも、長太郎はそんなことには負けないぞと元気よく飛び跳ねて第1話が終わります。
まとめ
1話の脚本は山根優一郎さん、監督は山際永三監督です。1話では初代との設定の違いと新しい桜間一家の紹介を兼ねています。
新しい土地の人達への自己紹介が視聴者への桜間家の紹介を兼ねていて、繰り返しの部分がありますが、その流れが自然である事、映像の中に情報が盛り込まれていることで、くどくなく話を楽しみながら情報が入ってきます。
また、オープニング映像と合わせて登場人物の性格や立ち位置、長太郎に対してどんな存在かも示されていて、とても正味25分とは思えない情報量が1話に詰まっています。
山根さんと山際監督は初代『俺はあばれはっちゃく』でも1話を担当されていて、流れるように作品の世界観を私達に見せてくれましたが、それは2代目でも健在でした。初代と2代目の違い、2代目の世界観を堪能できた第1話だったと思います。
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