柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

2代目登場

アバンタイトル

公園に十字架と棺桶。棺桶からは、ドラキュラに扮した長太郎が出てきて、ヒトミちゃんを襲おうとして、声をかけ振り向いたヒトミちゃんがのっぺらぼうという、落ち。

本編

長く白いマフラーをして長太郎が、ドンペイと走っています。場面は変わって、タイ焼屋。小さい女の子がタイ焼きを焼いていて、ヒトミちゃん達が店の前で買ったタイ焼きを食べています。タイ焼きを焼いている女の子を熱心に見つめている男の子。

そこに、長太郎が走ってきた長太郎がタイ焼きを買いに来ますが、焼いて並べてあるタイ焼きにドンペイが興味を示して、それをタイ焼きやのおばさんが見て箒で叩いたことからドンペイが暴れて、滅茶苦茶に。

タイ焼きを焼いていた女の子の悲鳴に、女の子を見つめていた男の子が助けに入ります。長太郎もドンペイを止めるのですが、止めきれず、男の子の活躍で事なきを得ます。

今回は、このタイ焼きを焼いていた女の子とその女の子を見つめていた男の子がこの話の主役です。二人は、長太郎の小学校の4年生の澄子ちゃんと五郎。

五郎を演じていたのが、後に2代目『男!あばれはっちゃく』で2代目長太郎を演じる栗又厚さんです。

翌日、五郎のことが長太郎のクラスの話題になっています。五郎のことをどこの子かとヒトミちゃん達が自分たちの前の席に座っている長太郎に聞えるように聞きます。

 「だけどさ、昨日の力持ちの子、どこの子?」

「今度、私んちの近所に引っ越してきた、4年生よ」

「4年生にしちゃ、すごかったよね」

「力は強いし、喧嘩も強そうじゃない」

「顔もまあまあ」

「われらのはっちゃくも形無しってとこね」

「ほんと、メロメロだったもんね。はっちゃくもかなわないんじゃない?」

 五郎は、ヒトミちゃんの近所に引っ越してきた4年生。タイ焼きやで粉の袋などを持ち上げ片付け、騒動を収めた一連の出来事を見ていたヒトミちゃん達は、小百合から五郎の話題を出し、正彦が長太郎を意識したような表情で、「4年生にしてはすごい」と言い出します。

手前の長太郎の隙間から見える正彦の顔がニヤニヤしていて、これが明らかに長太郎に対する嫌味の言葉だと分かります。今回の監督は山際監督ですが、長太郎の後ろで長太郎を挑発する会話をさせ、手前の長太郎の憮然とした表情と奥でニヤニヤする正彦の表情を同時にとらえて対比させ、長太郎を怒らせているのが分かります。

一通り、ヒトミちゃん達の会話が終わったところで、手前の長太郎に会話に参加しなかった公一を登場させ、黙って聞いている長太郎に話しかけ、画面奥と手前の話を運ぶ場面の主導が入れ替わります。

公一に、勝手なことを言われていいのか?と聞いた長太郎は、あばれはっちゃくとしての力を見せつけ、教卓を持ち上げます。頭より高く持ち上げ、教卓の花瓶を割ったところで、佐々木先生が来て、怒鳴られ、廊下に立たされてしまいます。

すると、廊下には同じように水のバケツを持った五郎がタイ焼きを食べて立っていて、長太郎は、五郎に話しかけ、五本松のところでまっていろといいます。五郎は、食べていたタイ焼きを長太郎に投げて、長太郎はそれを口でキャッチして、佐々木先生にタイ焼きを食べていることを怒られてしまいます。

五郎は、それを肩をすくめて見ています。タイ焼きが五郎から長太郎に渡る動線が面白いですね。

約束の場所にきた長太郎と付き添いの公一。五郎がまだ来ていなくて、公一は長太郎が先生に長く怒られたせいだといいますが、五郎がやってきて、宿題を一週間分やらせていたことを話して、公一が長太郎といい勝負だといいます。

長太郎は五郎が自分を負かしたら、なんでもいうことを聞くというので、五郎はタイ焼きを食べて、相撲で長太郎と勝負します。行司は公一。

この相撲勝負は、この話49話の予告編でもやっているのですが、本編と勝敗が違います。

本編の勝負は引き分け。でも、年下の五郎が自分と引き分けたことで、五郎を気に入った長太郎。引き分けでも、お願いを聞いてくれるかと聞く五郎に、五郎を気に入った長太郎が承諾すると、五郎はタイ焼きやの澄子ちゃんに告白するのを応援してほしいとお願いして、長太郎と公一が五郎の恋の手助けをしてあげます。

澄子ちゃんのタイ焼きを手伝いに来た長太郎、公一、五郎。『およげたいやきくん』の音楽にのせてやってきます。ちゃんと、子門正人さんの歌声も聞こえています。

タイ焼きを作るのを手伝っている時に、澄子ちゃんのおばあちゃんの指輪が餡子に紛れ込み、300万円もする指輪を探す為に、公一の提案で知り合いに宣伝もかねて食べさせることをしますが、みんなが帰った後でも指輪が見つからず、残った五郎が残りのタイ焼きを食べて、指輪を探し出します。

五郎は澄子ちゃんに声をかけられ、デートの約束をします。

しかし、次の日、澄子ちゃんが約束の場所にいないので、五郎は長太郎のとこにいきます。タイ焼き屋に行くと、澄子ちゃんではなく澄子ちゃんのおばあちゃんがタイ焼きを焼いていて、澄子ちゃんが両親のいる九州に突然転校したことを告げます。

長太郎は、五郎に澄子ちゃんを見送るため、電車の見えるところまで走って行って、二人は、澄子ちゃんが乗っているであろう電車に向かって手を振ります。

五郎は、澄子ちゃんのおばあちゃんからもらった手紙を読みます。この手紙で澄子ちゃんは、「一年ほどで東京に戻ってくる」と書いていますが、これまでの映像からの推測から、初代『俺はあばれはっちゃく』の舞台は神奈川県だと特定出来るのですが、今回の脚本を書いた田口成光さんは、25話の脚本で伊豆に旅行に行った時にも、ヒトミちゃんに「東京に帰ったら」と言わせているので、田口成光さんの中では、『俺はあばれはっちゃく』舞台は「東京」になっていたのかもしれないなって思います。

田口成光さんの脚本で舞台が東京だとされるのは、ヒトミちゃんの言葉と澄子ちゃんの手紙の文面だけなので、他の佐々木先生やヒトミちゃん宛に書かれた手紙の宛先に書かれた住所で分かる「神奈川県」という物的証拠などは出てこないので、そう推測するのです。

近づいてくる世代交代

今回は、27話で後に2代目で正彦のポジションにつく、邦彦役の長野昇一さんに続いて、2代目で主役を演じる栗又厚さんが『あばれはっちゃく』シリーズに初登場した回でした。

初代長太郎役を演じた吉田友紀さんは、ゲスト出演した子役の中で、長野さんと栗又さんが出演したことを、あれはテスト出演だったと、DVDの解説書のインタビューで答えています。

あばれはっちゃく』の人気が出て、伊豆のロケが決まり、放送の延長が決まって、2代目の制作が決まり、次の時代の新しい『あばれはっちゃく』シリーズが企画され、その新しい『あばれはっちゃく』に出演する、主役とライバル役のテストを兼ねたゲスト出演だった訳です。

長野さんが演じた27話に登場したヒトミちゃんの従弟のサトルも、今回、栗又さんが演じた五郎も長太郎に負けず劣らない「あばれはっちゃく」振りを見せていて、次の「あばれはっちゃく」感を出していました。

長野さんのサトルがより、長太郎に近いのに対し、五郎は気が優しく引っ込み思案なところが少し長太郎と違いますが、いざというときに、力が出てくるタイプになっていました。

結果、長野さんは初代の正彦に当たる邦彦を、栗又さんは2代目長太郎を演じることになります。2人が継いだ新しい『あばれはっちゃく』、『男!あばれはっちゃく』がどんな作品になるかを当時1980年1月19日にこの話を見ていた視聴者が知るのは、後、もう少し先の話です。

2代目『男!あばれはっちゃく』は、『あばれはっちゃく』シリーズ全5作品の中で、一番長く続いた作品となっていきました。

 

信じる者は救われる?

アバンタイトル

長太郎と正彦が向かい合いしゃがんで花占い。背景には着物を着て扇子をもって舞うヒトミちゃんの姿。それぞれ、ヒトミちゃんの自分への思いを「好き、嫌い」で占いますが、今回のアバンタイトルは、本編の内容にも通じているように感じました。長太郎と正彦の花占いの結果を公一が興味深く覗いてました。

本編

長太郎がランドセルを背負い勢いよく走っていくと、曲がり角で正彦の伯母にぶつかります。正彦の伯母さんは、持っていた占いの本をバラまき、長太郎は一緒に本を拾います。そこで、正彦から聞いた伯母さんが占いに狂っていることを長太郎が話します。

長太郎と別れた伯母は正彦の家にいくと、その正彦の家の玄関にはお札がたくさん貼られています。正彦が出てきて伯母と会話をしている態度を見ると、正彦は迷惑な様子。

今、正彦の伯母が言うには、正彦とその父親は運勢が悪いらしく、伯母はその運勢をよくするために占いやお札で良くしようとしているのですが、正彦は自分の母親が死んだ時も、運が悪かった時だという伯母に対して、呆れるよりも怒りの感情が強いようです。

今回は、ちょっとしたことで、皆がたまたま起きた悪いことを「運勢が悪い」と結び付けて占いを肯定していくのです。それを占いとは意味がないと否定するのは、占いを信じていない長太郎と占いに凝っている伯母の行き過ぎた行動に迷惑している正彦。

見ていて、普段なら結び付けない関連をつなげて、占い結果になるように話を作り上げてしまう、それを否定する材料は無意識に切り捨ててしまうという情報選択の怖さを感じました。

長太郎の家では、父ちゃんと長太郎が正彦の伯母の占い好きを笑いますが、母ちゃんは占いを馬鹿にしてはいけないと、否定する父ちゃんに自分との相性占いで結婚を決めたとか、家を建てる時の方角とかの話を持ち出し、占いを否定する父ちゃんを詰問します。

縁起を担ぐのは悪いことではありませんが、何でも悪いことを占いのせいにするのも考え物。

長太郎のクラスでは。最近テストが多いのですが、正彦は中学受験を目指していて、家で勉強をしていても、占いに凝ってきている伯母や仕事のミスでイラついている父親の騒がしさに勉強どころではない様子。

正彦が伯母や父親に困っているときに、勉強机の母親の写真に語りかけているのが印象的です。占いを信じて団結している伯母と父親のいる家で正彦の心を支えているのは、亡き母親なのだと分かります。

正彦の伯母の占い好きは、桜間家にまで及び、ドンペイが運勢が悪いから捨てろだの、「吉報水」というただの水を、勉強嫌いな子を勉強好きにする有難い水といって母ちゃんに渡すなどして、正彦だけでなく長太郎も正彦の伯母の被害にあいます。

母ちゃんが正彦の伯母に同調して、占いを信じ、てるほも占いの結果に従うように物事を見たり、父ちゃんも母ちゃんの言葉に信じたりと、理性的なてるほや占いを信じていない父ちゃんも母ちゃんや正彦の伯母の話に次第に同調していくのは、コミカルに描かれていますが、ちょっと怖い感じがします。

ちなみに一升瓶でもらった吉報水を父ちゃんと母ちゃん、てるほがテーブルの上に置いて見つめる場面があるのですが、この撮影の時に父ちゃん役の東野英心さんが、おかしくて笑ってしまいNGを出したことを、てるほ役の島田歌穂さんが、DVDの解説書のインタビューで話しています。

次第に占いを信じていく劇中の父ちゃんの心情とは逆で面白いと感じました。

そんな正彦がテストで回答欄を間違えて0点を取ってしまうというミス。今回は、長太郎がそんな正彦を励まし、一緒に励ました公一から長太郎のテストでの最高点が明かされます。

正彦の伯母にすれば、秀才の正彦が0点を取ってしまったのも、「運勢が悪いから」という理由になるのでしょうが、連日、正彦の家に押しかけ、大騒ぎをしてくる伯母が正彦の勉強の邪魔をしているのが一番の原因で、伯母自身が撒いた災いの種を運勢の悪さのせいにして、そこから甥の正彦と弟の正彦の父親を助けてやっているという伯母の自己満足が目立ちます。

伯母は占いを信じない正彦に信じさせるために、人を雇って正彦を危ない目に合わせてまでして信じさせようとするのです。

しかし、その工作が長太郎にばれて、長太郎が正彦とヒトミちゃんと3人で伯母に一泡吹かせます。それも、伯母が信じている占いを使って。

正彦の伯母が正彦達の為にしていたこと、占いに凝って正彦達が運勢が悪いと思って、それをよくする目にした行き過ぎた行動は、いつしか「正彦達のため」ではなく、自分が「信じた占いを信じさせるため」にすり替わってました。

 

長太郎は正彦の伯母をやっつけたことから、父ちゃんや正彦の父親から怒られますが、長太郎を殴ろうとした父ちゃんから正彦が身をもって守り、父ちゃんや正彦の父親に伯母に対して、言葉でも長太郎を庇います。もちろん、長太郎だって反論しています。

今回の48話は(監督・松生秀二 脚本・安藤豊弘)、正彦の強さを感じた話でした。また、父親に対する思いやり、母親に対する思慕。35話(監督・川島啓志 脚本・山根優一郎)で正彦の父親がお見合いをした時と同じように、正彦の父親と母親に対しての感情がかかれた話だと思います。

また、何でも悪いことを「運」だけだと考えるのは、また、それを信じていく過程の人間心理の奇妙さの怖さも感じた話でした。

マンガ版『俺はあばれはっちゃく』

マンガになった『あばれはっちゃく

ご存知で当時読んでいた、あるいはコミックスを買っていた、今も所持している方達もいると思いますが、『俺はあばれはっちゃく』は1979年放送当時、漫画化されていました。

掲載誌は徳間書店の『テレビランド』この『テレビランド』で漫画家のくまのよしゆき先生によって連載されました。確認できる限りでは2代目『男!あばれはっちゃく』まで連載されていて、初代『俺はあばれはっちゃく』と2代目『男!あばれはっちゃく』分で全2巻。

ただし、1巻で『俺はあばれはっちゃく』の漫画の内容は完結しています。

マンガの舞台は東京郊外

このブログで、映像や言葉から分かる情報から、ドラマ版『俺はあばれはっちゃく』の舞台は神奈川県だと特定しました。

kakinoha.hatenadiary.com

 漫画版では冒頭からいきなり、

 ここは東京の郊外

 という説明から入り、舞台が東京であることが提示されています。ちなみに、山中恒先生の原作『あばれはっちゃく』には、確かな明記はないものの、正彦が東京からの転校生であること、ヒトミちゃんが北海道に転校していくことが書かれているので、少なくとも、東京でもなく、北海道でもない地域だと考えられ、架空の町「美玉市」であることしか分かりません。

東京郊外と東京を舞台にした漫画版『俺はあばれはっちゃく』にも、正彦が転校生として登場してきますが、どこからきた転校生であるかということは書かれていません。

原作とドラマの要素が入り混じった人物造形

漫画版を読んでいると、公一のことを長太郎が「もやし」と呼んでいたりして、原作の公一についた「オンナノコ」という呼び名が出てこないので、原作よりはドラマ版に近い設定で描かれていると思うのですが、佐々木先生が「エンマ先生」と呼ばれていて、怒りやすくて怖い先生になっていたり、正彦がのら犬をいじめていたりと、ドラマ版の人物とは若干の違いがあります。佐々木先生は、原作ではそんなに印象はないのですが、6年生の担任の大林フミ先生がヒステリックな一面があり、漫画版の佐々木先生は、原作の佐々木先生と大林先生がミックスされたような印象を受けました。

それでも私たちの佐々木先生

しかし、タイトルからしても、ドラマ版の漫画版というところから漫画化されているためか、ドラマの厳しくも優しい佐々木先生の要素が入っていて、単なる乱暴者になっていないのが、漫画版の佐々木先生です。

子どもだからとい言って情けをかけずに、長太郎と対等の立場で接してくれます。

長太郎が宿題を忘れたり、清掃時間に遊んでいたり、サッカーボールを追って花壇を荒らすたびに佐々木先生、「エンマ先生」は長太郎にげんこつをくらわすのです。

腹に据えかねて、長太郎が佐々木先生に戦いを挑み、その挑戦を受けて佐々木先生は砂場で長太郎と戦いますが、大人相手の佐々木先生に長太郎は負けてしまいます。

「なんでえ なんでえ 先生はおとなだもんな おれとケンカしたって勝のあたりまえじゃないか おれだって おおきくなったら…」

「なにをいうか長太郎 男同士の対決っていったのは おまえのほうだぞ おとなも子どももかんけいない おまえは負けたんじゃー 男らしくみとめんかー ばかたれ ひとりになって少し反省しろ」

「うるせ~っ エンマのバカヤロー 暴力教師~っ おまえなんか死んじまえ 死んじまえ~っ」 

長太郎は姉のてるほにエンマ先生のことを話しますが、てるほはそんな佐々木先生のいい先生といいます。佐々木先生が学校を休むことになり、いつものように叱れなくなった長太郎は調子が狂うというのです。

本気で佐々木先生が長太郎に向かい合い、悪いことをしたら、本気で叱ってくれる佐々木先生は、多少暴力的ではあっても、漫画版でも健在でした。なぜ、佐々木先生が学校を休むことになったかについては、漫画版を読んでみてください。

山中恒先生の原作ともドラマとも違う、くまのよしゆき先生が描いたまた別の漫画版『俺はあばれはっちゃく』『男!あばれはっちゃく』に違った世界の長太郎の物語を楽しむことができますよ。

新年あけましておめでとうございます

アバンタイトル

『賀正』と書かれた定式幕からスタート。黒子に扮した公一が幕を開けていくと、舞台の上には、着物を着た小百合、恵子ちゃん、袴を着た正彦、長太郎、着物を着たヒトミちゃんと明子のいつものメンバーが正座をして頭を下げています。金屏風を背に長太郎が新年の新年のご挨拶。

「明けましておめでとうございます。本年もよろしく、頼むわ」 

「よろしく」まではかしこまっていて、「頼むわ!」でいつもの調子に崩れる。それに合わせて公一が拍子をカンっと一つ。下手から、しめ縄をしたドンペイが登場してきて、舞台の上を走り回ります。もう、しっちゃかめっちゃか。

ドンペイの得意な顔がアップになり、長太郎が最後の締めの一言。後ろではヒトミちゃん達がキャーキャー騒いでいます。

今回の47話が放送された1980年の干支は申なのですが、ドンペイの登場もあって、今年2018年の戌年の新年に見るのに丁度よくなっていますね。

女の子たちの着物が綺麗で鮮やかで、着物に合わせて結った髪も可愛いです。

本編

富士山、しめ縄、門松、ドンペイの犬小屋にも正月飾りがあり、笛と太鼓の音が聞こえてきてお正月の雰囲気を醸し出しています。桜間家の玄関から出てきたのは羽織袴を着た父ちゃんと長太郎。笛と太鼓の音色は次第に出てきた二人に近づいてきています。玄関先にはドンペイが縄につながれて長太郎や父ちゃんの姿を見てはしゃいでいます。

父ちゃんが玄関先に戻り、母ちゃんとてるほを呼びかけ、長太郎は獅子舞の人達を待っています。ちょうど、母ちゃんとてるほも揃ったところで、獅子舞の人達も桜間家につき、獅子舞から顔を出して、父ちゃんとご挨拶。

「親方、おめでとうございます」

「いやあ、おめでとうございます。源之助さん、今年もパーッとやってくださいよ」

獅子舞をしている人を父ちゃんは「源之助さん」と呼んでいますが、これはオープニングのテロップに「獅子舞:松本源之助」と表示されているので、映像と検索したお写真を見て、江戸里神楽士師流家元4代目松本源之助さん、ご本人だと思われます。

4代目松本源之助さんは、大正13年東京に生まれ、息子の5代目松本源之助さんと共に江戸里神楽の発展、継承に貢献され、1984年に芸術祭大賞を受賞されるなど、数多くの賞を受賞されました。2004年11月11日に90歳で永眠されています。

江戸里神楽は、笛、太鼓、拍子の囃子に仮面をつけた無言劇のことで、今回の獅子舞は代表的なもの。

神楽は、出雲(島根県)を発祥にした民俗芸能で、鷲宮(埼玉県)を経て、江戸(東京都)へ来て、江戸時代中期におかめやひょっとこの面をつけた滑稽な面白さを出したものへと変化していったそうです。

4代目松本源之助さんは、第二次世界大戦終戦後、言葉の通じないアメリカ軍キャンプの慰問やフランスのキャバレー・ムーランルージュに1年間出演されたこともあるそうです。言葉の通じない外人相手に日本の伝統芸能をみせる。

なんだか、今回の『俺はあばれはっちゃく』の話に通じるところがあるように感じました。

4代目松本源之助さんの詳しい経歴などはリンク先で。

www.city.arakawa.tokyo.jp

 本職の方達が登場して、本物の獅子舞を見せてもらったのですね。長太郎がこの後、獅子舞の源之助さんに頭を噛まれますが、これも本当のゲン担ぎ。

さて、長太郎が獅子舞に噛まれているのを、襲われていると勘違いした白人の女の子が門松の竹で源之助さんを攻撃。この白人の女の子が今回の騒動の元です。

英語でまくし立てる女の子に何を言っているか分からない長太郎ですが、英語のヒヤリングが出来るてるほは、女の子の言っていることが分かって、勘違いしていると指摘します。

なんとか、女の子の騒動が収まり、部屋に入っていくと、女の子も一緒に入ってきてしまいます。しかも、土足で。長太郎が気が付いて注意しますが、外国人の女の子には家に上がるときに靴を脱ぐ文化がないので、知らないのですね。この前に、ヒトミちゃんとヒトミちゃんのママが長太郎の家に来たと思われる女の子を探して、大騒ぎ。佐々木先生、正彦、恵子ちゃん、明子、小百合、巡査の山本さんも巻き込んで人探し。

一方、桜間家では女の子にてんやわんや。唯一の頼りのてるほも友達と初詣に行くと逃げてしまいます。英語も分らない長太郎と父ちゃん、母ちゃんですが、父ちゃんは日米親交だといい、母ちゃんはジェスチャーを交えて、お雑煮を食べるか?と聞いてきます。

さて、お雑煮を3人前食べた女の子は長太郎と一緒に外に出ると、女の子が凧あげに興味を持って凧を奪ったり、それを長太郎がフォローしたり、神社にいくと女の子が破魔矢を勝手に手に取り、長太郎がお年玉で払う羽目に、神主さんの初釜も台無し、女の子が射った矢が初詣に来ていたてるほの髪の毛に刺さったりと大騒動。長太郎が文句を女の子に言うたびにキョトンとしているのが可愛い。

女の子にペースを乱されて天手古舞の長太郎のところに、女の子を探しているヒトミちゃんと正彦が合流。女の子の名前がエミリーで、ヒトミちゃんのお父さんの仕事の取引先のアメリカの女の子だと分かります。

エミリーは男の子に絡まれて、ヒトミちゃんが長太郎に助けを求めて長太郎が助けに入ります。しかし、二対一。正彦にも応援を頼みますが、正彦は及び腰。そこへ、山本さんがきて、佐々木先生、恵子ちゃん、明子、小百合も合流。長太郎は佐々木先生なら大学を出ているから英語が分かるという父ちゃんの言葉を思い出し、エミリーの英語が分からない佐々木先生に内心、大学出ていてもだらしがないとあきれ顔。

エミリーはヒトミちゃんと一緒に家に帰るのですが、家に戻ってきた長太郎はお正月から父ちゃんに張り倒してしまいます。父ちゃんが怒った騒動の殆どはエミリーが起こしたもので、長太郎はフォローに回っていたのですがね。

そこへ、エミリーがやってきて、父ちゃん達は歓迎するのですが、エミリーに振り回された長太郎はあきれ顔。ヒトミちゃんの家では、エミリーをもてなす為に洋風のお正月を演出して、パンやらお肉やらを用意、日の丸と星条旗を飾り付けて、とても日本のお正月と言えない雰囲気に。しかし、エミリーは抜け出して、桜間家でお節や雑煮を食べて、福笑いをして笑っています。そこへ、エミリーを探しに来たヒトミちゃんのママがエミリーがお餅を食べたことを知って、「可哀想」と言ったことから、父ちゃんが怒り、

「餅を食べて可哀想とはどういうこったい!」

 

ヒトミちゃんママも負けずに言い返す。だから、とばっちりが子どもにまで来て、長太郎に

「あそこのうちの子どもとは口を聞くない」

ヒトミちゃんと口を聞くななんて長太郎には、無理な話。それに、ヒトミちゃんは関係がないわけで。

さて、ヒトミちゃんのママに呆れているのは、長太郎達だけでなく、ヒトミちゃんのパパも同じ。ヒトミちゃんのママに苦言を呈するも、一蹴されて、そこにヒトミちゃんがエミリーがいなくなったと告げ、今度はヒトミちゃんとヒトミちゃんのパパで桜間家にいきます。

文句を言われると思ったのが、ヒトミちゃんのパパは一緒にお餅を食べて日本のいつものお正月を過ごしたいと申し出。そこで、エミリーが日本に来たからこそ、日本のお正月を楽しみたいことを知り、ヒトミちゃんのママに遠慮をしていたことを知って、ヒトミちゃんが長太郎の知恵を頼ります。そこで、公園で長太郎がベンチの上で逆立ち。私はこの逆立ちが『俺はあばれはっちゃく』の中ですごい逆立ちだと思いました。

エミリーは公園で、公一、正彦、恵子ちゃん、明子、小百合と羽子板をして遊んでいて楽しそう。長太郎の作戦には、このメンバーも交じって、獅子舞になってヒトミちゃんの家に行って、ヒトミちゃんのママも脅かします。

日本のお正月らしさをヒトミちゃんのママに思い出してほしかったのかな。今度は長太郎が獅子舞をしますが、本職の4代目松本源之助さんが出演されていますから、獅子舞の指導を少しはされたのではないかな?って思ったりもしています。

何よりも、エミリーの気持ちを無視したヒトミちゃんのママに効き目があったのは、長太郎とヒトミちゃんの言葉よりも、片言のエミリーの日本語の

「ママさん、英語、ぜんぜんダメね」

かなって思います。

ヒトミちゃんのママのもてなす相手の心を見ない思い込み、自分が短大を出ていて、12話で英会話を学んでいて、英語が通じて、アメリカ人のエミリーがホームシックにならないようにアメリカの食事を用意して、エミリーの気持ちを分かったつもりになって、エミリーとちゃんと会話、コミュニケーションをしなかったから意思の疎通が出来なかったことによるヒトミちゃんのママ相手に起きたエミリーの暴走。

ちょっと、長太郎が閃いたやり方での、ヒトミちゃんのママへの懲らしめというか、エミリーの気持ちを知ってもらうやり方にはヒトミちゃんのママが可哀想に感じてしまうのですが、一方的に相手の言葉を聞かずに相手の為と思って突っ走るのも考えものだなって思いました。

騒動が終わって、美玉神社でお祓いをするのですが、エミリーが最後の一暴れをして、長太郎にとばっちり。

お正月も賑やかに過ぎていきました。

年の暮れ

アバンタイトル

長太郎が父ちゃんと臼と杵で餅つきをしています。長太郎がこねて、父ちゃんがつく。

「俺、餅つき」

「俺、焼きもち」

とリズミカルに。てるほと母ちゃんは、それを丸めていて、その丸めた餅をドンペイがくわえていくところを取り戻そうとして、父ちゃんがついた餅を持ちながら、慌てているところでドンペイが父ちゃんが持つ餅に興味を持ち、押し倒して父ちゃんが尻もちををついたところで、長太郎がきて一言。お正月が近い桜間家の餅つきの楽しい風景から、アバンタイトルが始まります。

もうすぐ、お正月、今回はアバンタイトルも、本編もお正月の準備の話です。

では、本編

本編

父ちゃんが歌を歌いなバラ、玄関先で大きく立派な門松の準備をしています。てるほと母ちゃんは玄関のライトや扉のふき掃除、門松を飾り付けた父ちゃんに呼ばれて、門松を見に来た2人。門松を見て、正月が来た感じという母ちゃんに、てるほは、お年玉が目に浮かぶといいます。

一方、家から出てきた長太郎。ドンペイの散歩に行くといいますが、大掃除の手伝いをしろと怒られて、窓ふきや荷物の片付けの手伝いをしますが、トラブルばかり。邪魔になるので、外で遊んで来いと言われて、結局、ドンペイの散歩へ。

早速、親友の公一のところに行きますが、八百屋の公一の家は大忙しで、猫の手も借りたいほど、結局、忙しい長太郎に追い払われて、長太郎はドンペイと一緒に河原で遊び、しょぼくれて、他のクラスメイトの名前を挙げては、彼らを遊びに誘おうとしますが、皆に断れるだろうとしゃがんでいると、そこに自転車で巡査の山本さんが通りかかり、長太郎にヒトミちゃんや正彦と佐々木先生の家で遊ばないのか?と声をかけます。

山本さんから話を聞いた長太郎は、佐々木さんのところへ仲間外れにしたと怒鳴りつけますが、実は長太郎が家を出たタイミングで入れ違いになってしまって呼びに行ったのに居なかったということ。ヒトミちゃんが、

「誰もあなたのこと、仲間外れになんかしないわ」 

 って、言ってくれるんですが、11話でみんなで長太郎を仲間外れにしてた話を思い出すと、この言葉にグッとくるものがあるんですね。約、一年かけてヒトミちゃん達の中での長太郎のポジションが大きくなったように感じて。

佐々木先生の家には33話で登場した佐々木先生のお母さんも登場していて、ヒトミちゃん達とお手玉をして遊んでいたのですが、長太郎が来たことで、外で凧揚げで遊ぶことに。佐々木先生も一緒に遊んでますが、途中で帰ってしまいます。佐々木先生が帰った後で、長太郎と正彦は、佐々木先生が教えてくれた喧嘩凧をします。

喧嘩凧は、浜松のもの。佐々木先生は、浜松の出身ですから(33話参照)、子ども時代を思い出して、懐かしく思い出して、長太郎達に教えたのだと思います。長太郎と正彦は、佐々木先生が帰った後に喧嘩凧をしますが、その凧が落ちて、この季節、お蕎麦を出前していた人にぶつかり、長太郎は責任をとってお蕎麦屋さんにお詫びとして、出前の手伝いをします。

事情を知った佐々木先生のお母さんが佐々木先生に、長太郎に責任を取らせてお蕎麦屋の手伝いをさせていいのか?お前がちゃんと最後まで見ていなかったのが良くなかっんじゃないか?と聞き、佐々木先生が責任を取って長太郎の代わりに出前をすることに。

佐々木先生は、公務員。バイトをしている姿を見られたくなくて、目指し帽を被って出前をしています。桜間家では、母ちゃんとてるほがおせちづくり。

てるほが栗きんとんを作っていて、母ちゃんのアドバイスを受けています。栗きんとんって、私も一度だけ作ったことがあるんですが、とても面倒で大変なんですよ。

今では、お節料理も大半は買ったりする人が多いと思うのですが、1979年の暮れの桜間家では手作りで作るのが普通だったんですね。私の家も子どもの頃は、おせち料理は作るものの方が多かったです。

そこへ、佐々木先生が出前に来て、母ちゃんはすぐに佐々木先生と見破り、長太郎に話を聞きます。長太郎は、佐々木先生が出前を変わってくれたことで、また正彦に喧嘩凧で負けないように凧を改造していたのですが、母ちゃんの話を聞いて佐々木先生の事を知ります。

父ちゃんが冒頭で、12月は先生も走る「師走」と言われたことを思い出して、本当に先生が走り回っていると感心しますが。師走の「師」って、先生というよりは、お坊さん、僧侶のことだったりするので、学校の先生とはちょっと違ったりします。

でも、父ちゃんのような勘違いは、普通にされていますね。

今回は、長太郎の代わりに出前をしたり、泥棒を捕まえようとして、非番で泥棒を取り押さえた山本さんを間違えてとらえて、泥棒を逃がしてしまったりして、佐々木先生が酷い目にあったりします。長太郎は長太郎で、正彦に喧嘩凧のリベンジを考え、風もないのに呼び出して、喧嘩凧をしていて、いやいやんながらも、それに付き合う正彦。

なんとか、誤解を解いてお詫びをした佐々木先生が、長太郎と正彦のところに通りかかり、風がない代わりに自転車で走って、凧を上げやすくしてあげたりして、そこにさっき逃がした泥棒がきて、喧嘩凧が落ちて捕まえることが出来て、それで蕎麦屋の宣伝になって、結果めでたし。

佐々木先生が散々な目に合いますが、ドタバタしながらも、最後は楽しく締めくくられます。

佐々木先生にしても、長太郎にしても、母親がもう自分は解放されたんだ、責任を取らなくてもいいんだって、安心をしていても、それによって被害を被った人が苦労しているのをほっておいていいのか?と問いかけて、ちゃんと最後まで責任を取ったり、相手の事を考えるように諭す場面が出てきて、自分が起こした行動の結果、被害を受けた人の事を考える事をさせている、ことがこの話で目立ちました。

不可抗力もありますが、自分のした判断、行動で被害にあう人の事を考えること、それに責任を感じて、フォローすること、起こしてしまった結果は取り戻せないけど、その後始末をする考えを促すことで、人の事を考えるという思考を与え続けるという事は大事なんだなって思います。

今回は、佐々木先生のおっちょこちょいが目立った珍しい話でした。桜間家のお正月を迎える準備の様子も見れて、年の瀬の慌ただしさも感じながら、こうして、来るべき1980年を迎える準備をしていたのを懐かしく思い出しました。

それにしても、蕎麦屋さんが凧にぶつかって、責任をとらなくちゃってなった時に、他人事のように逃げてしまったヒトミちゃん達。ヒトミちゃんの優しさと初期のドラマの非道さが同時に出てきた話でもありました。

一件落着して、泥棒が捕まって、蕎麦屋の配達も終わって、蕎麦屋の宣伝にもなり、長太郎も母ちゃん達とお蕎麦屋さんに行き、外は雪が降りだして、寒さが本格的に。

1979年、最後の『俺はあばれはっちゃく』は、この話で終わります。そして、長太郎の元気な決めセリフ。

「来年もあばれるぞ!」 

 今年一年、ありがとうございました。

また、来年、お会いしましょう。

人が広める噂

アバンタイトル

サンタクロースに扮した長太郎が、そりに乗ってトナカイに鞭をふるって走っています。そのトナカイよく見ると、公一。長太郎がヒトミちゃん、恵子ちゃん、正彦にプレゼントを配り、トナカイの公一が紙の雪を降らしています。長太郎のプレゼントはビックリ箱。驚くヒトミちゃん達に喜ぶ長太郎に、ヒトミちゃんからのプレゼントは、お手製の勉強虫の小さなぬいぐるみ。

もうすぐ、クリスマスに相応しいアバンタイトルです。

本編

2学期が終わり、通信簿が手渡されています。佐々木先生が冬休みの注意事項と年末の忙しい家庭を助けるようにと話していて、そこに遅刻してきた長太郎が登場。帰り道、長太郎が通信簿を紙飛行機にして飛ばしていて、どぶ川に落ちてしまいます。その通信簿には、「昭和54年」の文字が。17話のマラソン大会でも、分かるんですが、『俺はあばれはっちゃく』は、放送されていた年、1979年が舞台なんですよね。1979年2月に放送が始まりから、長太郎達は5年生で4月になったら、6年生になるはずが5年生のままだったので、1979年を5年生で2回体験していることになります。

これは、放送が最初は半年で終わる予定だったので、原作のように進級させないで、5年生の話で終わらせようとしていたからじゃないかなって、私は勝手に思っています。

さて、通信簿を渡すところから始まるのは、8話以来ですね。8話では長太郎に通信簿の成績を長太郎にとられた公一ですが、今回はとられることなく、上がった成績を持って家の八百屋で忙しく働く母ちゃんに、成績が上がったことを告げて、約束していたものを買ってもらう話をしますが、公一の母ちゃんは年の瀬で忙しくて、公一の話に耳を貸しません。

しかも、過労で倒れてしまいます。公一の家は母子家庭で、公一の家は八百勝という名の八百屋。公一もたまに配達の手伝いをしていますが、基本的には公一の母ちゃんが一人で切り盛りしています。

長太郎は、公一の母ちゃんが倒れた現場にいて、一緒に病院に行き、公一の母ちゃんが元気になるまで一緒に店の仕事をやることを決めます。

悪い成績をとって父ちゃんと喧嘩したこともあって、長太郎は公一の家に泊まり込んで、一緒に仕事をすることに。長太郎の母ちゃんは、長太郎のことを分かっていて、公一の分まで弁当を用意して、長太郎のパジャマも持って応援にきます。その帰りに、入院している公一の母ちゃんの見舞いに行く母ちゃんの優しさと気遣い。

元気に八百屋の仕事をしている長太郎を見て、父ちゃんも満足顔。喧嘩をしても、やはり子どもの事は心配なんですね。

さて、ライバル店の視察にきて、長太郎は白菜の値段を知って、八百勝の白菜の値段を変えてしまいますが、これはライバル店の罠。この罠にまんまと引っかかった長太郎は、近所で評判の噂を流す口コミお婆さんに目をつけられます。

長太郎が、ライバル店より安くつけた値段の宣伝を、嘘だと言って言いふらして、八百勝の評判を下げていきます。お婆さんの姿を見て、正彦が口コミ婆さんの事を言って長太郎に注意を促しますが、時すでに遅し。

今の時代だったら、Twitterを使って噂を広めますが、この時代は井戸端会議や道すがらの話で話をして、人から人へ口伝えで伝わっていくのです。町内で噂が広まるには充分。口コミ婆さんは、自分の目で確認した真実しか話さないから、自分の話すことを信じている。本当のことを言って何が悪いと、文句を言いにきた長太郎に言い返します。

長太郎は、公一の家の事を知らないで噂を広めたこと、売れ残って野菜がダメになったら作ってくれた人にも申し訳ない!と言って、口には口だ!とヒトミちゃん達にもお願いして、宣伝を始めます。

長太郎の野菜を無駄にするなの言葉と、公一の家の事情を長太郎から聞いた口コミ婆さんは、今度は八百勝のプラスの口コミを始めます。

口コミは、強力な武器になって、使い方によって、一つの店を潰したり、繁盛させる怖さを持っていると感じました。さて、この話、長太郎の母ちゃんが新しい洗濯機を買いたがっていて、父ちゃんが買ってくれるんですが、長太郎が福引で同じ洗濯機を当て、公一の母ちゃんがお礼に洗濯機を持ってきて、洗濯機が3台になってしまうです。

さて、この3台の洗濯機がどうなったかというと……。

もうすぐクリスマス。もうすぐ大晦日。お正月。

1979年よりは、いい噂も悪い噂も、嘘も本当も瞬時に広い範囲に広がるようになりましたが、1979年でも人の口に戸は立てられない噂の怖さと凄さを感じる話でした。それでも、その噂は人間が流すもの。流す人間が「噂」をどう使うかで、いろいろと受ける影響が変わっていくのだなって感じた話でした。

人に優しくするにも用心が必要?

アバンタイトル

教室で恵子ちゃんと腕相撲をしている長太郎。クラスメイトに囲まれて恵子ちゃんに勝利した後、今度はヒトミちゃん。ヒトミちゃんの柔らかい手ににやける長太郎はあっさり負けて、見ていた正彦から「わざと負けた」を口火にクラスメイト達から非難されるも、机の下に入ってにんまり。好きな子の手を握るだけで喜ぶのが微笑ましいアバンタイトルですね。

本編

模型売り場にいる長太郎と公一、正彦の3人。正彦が電卓片手に品物を見ながら計算をしています。結構な額で、長太郎が正彦に長太郎が聞きます。

「そんなに買うのかよ」

「違うよ、この中から選ぶんだよ。パパのボーナスが出たら買ってもらうんだ」

 時は、もうすぐクリスマス。長太郎たちがいる店内にもジングルベルのBGMが鳴っています。長太郎の父ちゃんも正彦の父親と同じところに務めているので、長太郎の家にももうすぐボーナスが来るのに長太郎が気づき、実家で八百屋を経営している自営業の公一はボーナスが出るサラリーマン家庭の長太郎と正彦の家を羨ましがっています。

場面は変わって、てるほと母ちゃんがデパートの着物売り場に来ています。母ちゃんとてるほもボーナス特別セールの着物を見ています。

このデパートは父ちゃんが務めている向ヶ丘遊園ダイエー。てるほは、少し高めの着物に尻込みしている母ちゃんに社員割引を勧めますが、こういうのは出来ないと母ちゃんがいい。だったら、ボーナスで買えばいいんじゃないと勧めます。母ちゃんも着物は、ずっと新調してなくて、お正月に久しぶりに着物を買いたいとてるほの勧めにボーナスで買ってもいいかと父ちゃんの了承を受けてから、買うことを決めます。

家計のことや父ちゃんの意見を聞いてから、買いたいものを買う判断をするところが母ちゃんらしいというか、今、2017年に見返してみると、古風な感じがします。この父ちゃんの意見をまず優先するという母ちゃんの姿勢を覚えておくと、この後の母ちゃんの行動がより面白味を持っていると感じます。

母ちゃんとてるほがいる着物売り場から、父ちゃんが働いている同じデパート内の従業員の仕事場に場面は移り、不景気からボーナスが出ないという話が出ています。

そして、その日の夜の桜間家の夕食。母ちゃん、てるほ、長太郎はボーナスで欲しいものを買ってもらおうと父ちゃんの機嫌を取りますが、父ちゃんはボーナスが出ない話を聞いているので、3人に言います。

「馬鹿野郎!え!勝手な事ならべやがって。もし、ボーナスが出なかったらどうする気だい?」

 それを聞いて、驚く3人に父ちゃんは事情を話します。『俺はあばれはっっちゃく』の中では、この時代1979年を景気があまり良くないという言葉が他の話でも出てくるのですが、(37話『父ちゃん社長だ』の回など)『俺はあばれはっちゃく』前後のドラマ、例えば吉田友紀さんが『俺はあばれはっちゃく』の前年にレギュラー出演されていた『気まぐれ本格派』でも、不況だという会話が出てきて、この時代の経済があまり良くなかったのかなって思われます。

私は当時、5歳でそうした不況、不景気を感じなかったのですが、一緒に見ていた両親は、父ちゃんや母ちゃんの気持ちに共感を感じながら見ていたりしたのかなって思ったりもします。

さて、ドラマの話に戻って、父ちゃんが聞き返してくる長太郎とてるほにボーナスが出ない可能性を話して聞かせます。

「嘘だろ」

「ボーナスが出ないなんて!」 

「なきにしもあらずだ。え、スーパーだのが進出してきてな。いろいろデパートも大有り名古屋だ」

 父ちゃんの勤め先で『俺はあばれはっちゃく』のロケ地でもあった、向ヶ丘遊園ダイエーは現在も残っていますが、私が『俺はあばれはっちゃく』が放送していた頃に買い物によく行っていた仙台のダイエーはイオンに変わってしまい、他にも多くのダイエーがイオンに変わってしまいました。

そうした未来から、父ちゃんの言葉を聞くと、なんかこう時代の移り変わりというか、そういうのを感じますね。ダイエーのような大きな店が消えていくのを目の当たりにする日がくるなんて、当時は考えもしませんでした。

父ちゃんは、自分のボーナスを当てにしないで、欲しいものは自分で買えといい、母ちゃんはヘソクリで買うことにするのです。学校では長太郎が正彦にボーナスが出ないことを伝えると、正彦もがっかり。母ちゃんは目当ての着物が売り切れていてがっかり。

下校の時に、恵子ちゃんの家に着物を着たおばさんがいて、恵子ちゃんの母親に話があるとのこと。

可哀想な身の上を聞いて泣く恵子ちゃんと恵子ちゃんのママ。着物を買ってほしいという話に、決まった呉服屋でしか買わないというのと、恵子ちゃん同様、ふくよかな恵子ちゃんのママは特別仕立てじゃない着物じゃないと断ってしまいます。

気の毒だと見ていた長太郎とヒトミちゃん。ヒトミちゃんのママは着物を着ない主義で、長太郎は母ちゃんが着物を欲しがっていたと思い出し、デパートから着物が買えなかった母ちゃんと出会って、着物を売りに来た女の人を連れてきます。

女の人の可哀想な身の上話。さっき長太郎が恵子ちゃんの家で話したのと話が少し違うのを突っ込みながら、てるほも母ちゃんも女性の話に同情して、言い値よりも2,000円色をつけて買って、缶詰も渡します。

ここで、長太郎が話の矛盾を指摘しているのが伏線で、この後で、巡査の山本さんが来て、盗品を売りさばいている女詐欺師のことを話し、さっきの人が女詐欺師だと判明します。

父ちゃんの会社では、ボーナスが出る話が出ていて、出ないというのは士気を高めるため。いつもより、多くボーナスが出せるということで、父ちゃんもご機嫌で着物を買ってやると言うのですが、詐欺にあったばかりな長太郎達は、そわそわ。そこへ、何も知らない山本さんが来て、父ちゃんに詐欺にあったことがばれて、父ちゃんに3人が起こられてしまいます。

母ちゃんを除いて、それぞれが互いに責任を擦り付け合います。てるほが父ちゃんを強く責め立てます。父ちゃんが母ちゃんをもっと大事にすればいいのに!という言葉に父ちゃんも買い言葉で、母ちゃんを責めてしまい、黙っていた母ちゃんも終に怒ってしまいます。

内緒にされていたのを怒る父ちゃん、女詐欺師の可哀想な身の上話に同情した母ちゃんの気持ちを否定された事に悲しむ母ちゃん。母ちゃんが父ちゃんの意見を尊重して、自分の欲しいものを買う判断をしていて、常にそれまでも、父ちゃんを立てている母ちゃんが、父ちゃんに対して怒るのは、大事にされていると思っていたのが、父ちゃんの照れ隠しと怒りから出た言葉で、そうじゃないと感じてしまったから。

翌日、頭が冷えた父ちゃんが母ちゃんに謝るも、母ちゃんはツン。てるほは、長太郎にどうしようか?と尋ねます。そこで、父ちゃんに母ちゃんと仲直りをするきっかけを作ろうと、てるほと長太郎は父ちゃんをデパートに呼び出します。すると、そこに女詐欺師の姿が。長太郎が気づいて追いかけて、万引きしているのも見つけて大声を出して、屋上まで追いかけていきます。父ちゃんや警備員の人達も後を追いかけて、女詐欺師を捕まえます。

父ちゃんが女詐欺師を取り押さえたときに言う言葉に、母ちゃんへの愛を感じます。

「母ちゃんを騙しやがって!」 

 不況の時代、専業主婦の母ちゃんが父ちゃんにもしものことがあったらと最悪なことを考えて、家計のやりくりからヘソクリを作り、明日は我が身になる人の身の上を聞いて、手を差し伸べる母ちゃんの他人に対する優しさ。

その優しさに付け込む詐欺師。「騙されるほうがバカ」と、父ちゃんは言いましたが、騙すほうが一番悪いのです。人に優しくするのに用心しないといけないなんて、寂しいですが、そうした現実もあることを知っておくのも、身を守るには必要なのかもしれません。