柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

てるほの反抗

アバンタイトル

天女の姿でヒトミちゃんが登場。羽衣伝説で、海辺で漁師姿の長太郎と海で戯れています。この時期ですから、さすがに天気は良くても寒かったんじゃないのかな?

2人が戯れている時に、流れる音楽が今回の本編に繋がっているように感じます。

本編

長太郎が父ちゃんが務めているデパートにあるレストランで、ヒトミちゃんにパフェを奢ってあげると父ちゃんを連れ出しますが、同じデパートの薬局で働いている倉持さんにパフェなんかを食べたら不良になると、父ちゃんにパフェを奢るのを止めさせてしまいます。

倉持さんは、1話以来の登場ですね。

倉持さんには、てるほと同じ中学生の息子の純平がいて、その純平とてるほは友人なのですが、てるほが学業優秀なのは、みなさん承知ですが、純平もまた、薬剤師で医療事務の資格を持つ倉持さんにとっては、医学部へ入学させて医者になってほしいと、塾に行かすほど優秀です。

今回は、倉持さんの教育熱心な部分がこの話の騒動の原因を作ります。

長太郎が学校で、休み時間に公一を操り人形にして遊んでいて、ヒトミちゃんや正彦に注意を受けます。

長太郎は公一を上手く操れなくて、ヒトミちゃんに謝りますが、なぜ、謝るのかと問われて誤魔化したのを正彦に暴露されます。ヒトミちゃんを操り人形にしようとしたことを。

この長太郎の考えも少し危ない。佐々木先生が笑って、逆に長太郎を操り人形にしてみんなで遊んでしまいます。

これは、明るく処理されていますが、佐々木先生の懐の広い対応が、和やかに話をつけているのが上手いなって思います。

この長太郎の操り人形んのくだりは、今回の話のオチに繋がっています。

長太郎は、学校に行く前にてるほのことを心配した父ちゃんから用心棒を頼まれているので、放課後、下校したてるほをつけていきます。

すると、塾をさぼった純平と待ち合わせて、てるほがディスコに入っていくのです。

長太郎も、「18歳以上お断り」の札を読んで、呆れながらもディスコの中に入っていきます。

っていうか、てるほと純平の背中に向かって、

「18歳以上お断りだぞ」

言いながら、長太郎もディスコに入りますが、あなたも18歳以下でしょうに。

長太郎は結局、ディスコの客や店員、てるほにも忍び込んだことがばれて、出ていきますが、長太郎はてるほと純平から父ちゃん達への口止めをお願いします。

口止め料は当然、もらって。倉持さんのとこには、旦那さんもいるのですが、影が薄いです。これは、9話に登場したマサミのとこと同じで、教育熱心な母親のパワフルさに父親の存在が薄くなっています。

しかし、話の最後にはこの父親の存在が重要になってきます。

長太郎が黙っていたのにも関わらず、純平のミスでてるほとの交換日記が見つかり、塾をさぼってディスコに行っていたことがばれて、倉持さんが桜間家に純平を連れて乗り込んできます。

父ちゃんは、かなりショックを受けて、てるほを殴ろうとします。母ちゃんが止めに入りますが、父ちゃんの失望は大きく、てるほの反抗もショックだったようです。

てるほは、純平に自分の正直な気持ちを母親である倉持さんにはっきり言ってと言いますが、純平は切り出せません。

それを見ていた長太郎が、ずっと作っていた操り人形を使って、純平と倉持さんの関係を揶揄して、2人の親子関係を表現します。

そこで、倉持さんが怒って、操り人形を引っ張ったことで、屋根で操作していた長太郎が落ちてきた騒ぎの中で、純平が思い切って自分の気持ちを告白します。

純平がこの話の中で、傷ついた鳩の手当てをしていて、面倒を見ている描写があるのですが、純平は医者になるよりも、鳥の研究をしたいとのこと。

倉持さんは、これまで無理をして、薬剤師の仕事以外に医療事務のパートの仕事をしてまで、お金を稼いで塾に行かせて、純平に勉強をさせていたことが無駄になったのかと嘆きます。

医者になる夢は、倉持さんが勝手に純平に押し付けた夢であり、それは純平自身の夢ではない。純平は自分で自分の夢を見つけたからと。

子どもの将来は親のものではなく、その子ども自身のものであるということ。

子どもとか関係なく、一人の個人はそれぞれに意思があって、操り人形ではないことを過干渉な父ちゃんと倉持さんの行き過ぎた行為に不自由さや自分たちの気持ちを無視する2人にはっきりと自分の気持ちや考えを伝えます。

子どもの将来を心配する父ちゃんや倉持さんの気持ちも伝わっていて、純平は母親の気持ちが分かるからこそ、自分の夢を意見をそれまで抑えていてのを、てるほにはずっと打ち明けていて、てるほも母親思いの純平のフォローに入っています。

てるほは、純平だけでなく、純平に反抗された倉持さんの気持ちのフォローもしているのですね。

長太郎がディスコに行っていたこともばれて、父ちゃんに殴られそうになって、てるほが庇い、今度はてるほが父ちゃんにきつい一言をいいますが、ここで、今回はてるほ中心で話が回っていたのが、父ちゃんと母ちゃんが小学生でディスコに行った長太郎のことも心配していたことが分かります。

この時代、今でも一部の人にはあるのかもしれませんが、ディスコに小学生や中学生が出入りすることは、「不良」、「不真面目」とされていて、父ちゃんや母ちゃんの嘆きを見ると、そう思っているんだろうなって分かります。

それをてるほが、

「ディスコに行ったからって不真面目とは限らないわ」

 

と一蹴します。

純平がただ勉強を強制されているからと、逃げていたのではなく、自分の夢と母親の夢に挟まれていたのと、塾をさぼってディスコで憂さ晴らしをしながらも、親に申し訳ないと迷っている姿に、真面目で親思いの優しさを感じました。

だから、てるほの言葉が重く響くのです。

親と子どもは、肉親であり近い存在でも、個々の別の一人の人間であること。

子どもは、親の隷属ではない、自立した一つの人格を持った人間だということが強く操り人形ではないというメッセージになってる話だと思います。

最後は、長太郎が約束通りにヒトミちゃんにパフェを今度は母ちゃんで、奢ってあげることが出来て良かったなと。

この時代パフェを食べることって、今なら目新しい話題のスイーツ、少し前なら分厚いパンケーキとかを食べに行く感覚で、新しいデザートだったのかなって、パフェのもつ特別感も感じた話でした。

ヒトミちゃん芸能界デビュー?

アバンタイトル

柔道をしているところから。長太郎、強いですね。公一の後にヒトミちゃん。ヒトミちゃんの柔道着の上着が脱げて、上半身がプラジャーだけになってしまう。それを指の隙間から見ているという。その姿、ヒトミちゃん役の早瀬さんも、少し恥ずかしかったんじゃないのかな。

本編

写真屋さんに正彦が撮影した写真を取りにきた正彦達に出会った長太郎は、写真屋さんに正彦、ヒトミちゃん、公一、明子、小百合と一緒にいきます。

すると、正彦が撮影したヒトミちゃんの写真が、写真屋さんに飾られていて、正彦は写真屋さんに褒められて、自分のカメラマンとしての才能があると喜ぶのですが、長太郎は、モデルがいいと言って一蹴します。

この写真がきっかけで、ヒトミちゃんが男子生徒に人気が出てきたので、長太郎はヒトミちゃんのファンクラブを作り、撮影会などを始めるのですが、これがきっかけで、ヒトミちゃんは、女友達の恵子ちゃん、明子、小百合達との仲にヒビが入ってしまいます。

最初は、学校内でのファンクラブでの盛り上がりが、雑誌のモデルの話がきて、ヒトミちゃんが芸能界デビューをする話が出てきます。

長太郎は、ファンクラブの会長として忙しくなるとほくそ笑みますが、てるほは、芸能人として、全国で有名人になっていくヒトミちゃんが遠い存在になってしまうことを指摘します。

母ちゃんは、モデルになると結構なお金を稼ぐことをいい、父ちゃんは子どものうちからお金を稼ぐことを覚えることなく、伸び伸びとしていろ、といいます。

長太郎やヒトミちゃんを演じている吉田友紀さんや早瀬優香子さん達は、子役で子どもの頃から芸能界で働いている訳で、この話の脚本を覚えていた当時、どんな気持ちで父ちゃんの台詞を読んで、聞いていたのかな?って思ったりもします。

長太郎がファンクラブを作ったことで、ヒトミちゃんの人気は大きくなり、教室の机には、プレゼントがいっぱいに置かれますが、ヒトミちゃんにはとても迷惑で、元凶の長太郎に、どうにかしてと怒ります。

その横で、恵子ちゃんが嫌味をヒトミちゃんに言っていて、ヒトミちゃんが男子達に人気があることが、ヒトミちゃんが恵子ちゃんや明子、小百合から仲間外れにされるということに、ヒトミちゃんはショックを受けますが、そこで仲間外れして嫌味をいう恵子ちゃん達に強がりを言ってしまうヒトミちゃんの気の強さと受けたショックの大きさを感じます。

ヒトミちゃんに対する恵子ちゃん、明子、小百合の態度は、言葉だけだと、意地悪には聞こえないのに、その口調や目つき、表情ですごく威圧感があって、それも、ただの嫉妬ではなくて、長太郎が急にヒトミちゃんを連れ出して、撮影会をしたことで、結果的に先に約束をした恵子ちゃん達の約束を破ってしまったことが発端だったというのを見ていると、女の子達の仲が壊れるきっかけがリアルだなって感じました。

恵子ちゃん達から冷たくされて、モデルの仕事を引き受けるヒトミちゃんですが、東京に母親と2人で引っ越して、モデルの仕事をする為に転校する事を知って、モデルの仕事を辞めると長太郎に伝えて、逃げることを告げます。

ここでは、長太郎がヒトミちゃんが芸能人になって、別れる事を受け入れていて、かなり気障な別れの言葉を言うのですが、これが最終回での態度と違うので、この長太郎のヒトミちゃんとの別れをすんなり受け入れるのが、転校して離れても芸能人として、ヒトミちゃんを離れてしまっても、見ることが出来るという安心感もあって、別れを受け入れられたのかな?って思ったりもします。

ヒトミちゃんがモデルの仕事を引き受けた裏には、恵子ちゃん達との関係があり、自棄から引き受けたものの、モデルの仕事の話が本格的になったことで、ヒトミちゃんは、みんなとこれまで通りにしていきたいからと、モデルの仕事現場から心配してきた長太郎に連れて逃げてと懇願します。

長太郎が撮影現場にきて、大人達に追いかけまわされた時に、

「長太郎君をいじめないで!」

と言ったヒトミちゃんを見て、大人だらけの仕事場で、初めてのモデルの仕事で不安だったヒトミちゃんにとって、長太郎が来てくれたことは、とても安心した出来事だったんだと思いました。

ヒトミちゃんの気持ちを確認して、長太郎とヒトミちゃんの大脱走が始まります。

この時にBGMで流れたのが『はっちゃくまっしぐら』です。

この『はっちゃくまっしぐら』と『はっちゃくひとりうた』の挿入歌は、この39話の放送日の1979年11月10日にレコード発売されていて、『あばれはっちゃく』シリーズの最初の挿入歌になります。

長太郎とヒトミちゃんが撮影所から逃げるのに、ぴったりな歌です。

脱走に成功して、ヒトミちゃんが長太郎に、恵子ちゃん達のところに行こうと長太郎に提案すると、長太郎がヒトミちゃんに

「お前、まだ懲りないのかよ」

って言うんですが、長太郎がヒトミちゃんに呆れて、「お前」呼びするのは、珍しいなって思いました。

長太郎の暴走と、正彦の写真から、ヒトミちゃんが意図しない人気が出て、恵子ちゃん達から嫌われて、ヒトミちゃんが困惑し、意地悪されたことから張り合うように、ヒトミちゃんがモデルの仕事を引き受けて、ヒトミちゃんのお母さんが芸能界デビューに食いついて、張り切ってしまったヒトミちゃんの心境を考えると、ヒトミちゃんの意思を無視して、どんどんと事が大きくなっていくことの怖さを感じましたし、長太郎も学校のアイドルから、全国のアイドルになっていくヒトミちゃんの存在をてるほから忠告されるまで、意識していなかったところで、小さな世界から大きな世界へ移ることへの自覚が、最初の2人には足りなかったようにも見えました。

それが、転校して本格的に芸能の仕事をするという話を聞いて、ことの大きさを実感したヒトミちゃんの動揺に出ていたと思います。

人気が出て、有名人になってお金を稼いでも、友達と疎遠になったり、別れたり、遠い存在になるのは、淋しくて、有名になるよりも大事なものがあるんだなって感じた話でした。

美玉中学サッカー部

アバンタイトル

ベレー帽をかぶり画家の恰好をしている長太郎、モデルは西郷さんの恰好をして、ドンペイの綱を持ってたっている公一。ドンペイが動くも、なんとか収まって、絵を完成。長太郎の「完成」の声に、公一がキャンパスに描かれた絵を見に行くと、そこには、猿がライオンに追いかけられてる絵が、自分が猿にされた公一の怒りを買って、長太郎は赤い液体をかけられてしまいます。

芸術の秋ですね。

本編

今回は、サッカーの試合がメインになる話です。1979年にサッカーをメインにするのは、以前にも書きましたが、珍しいなって思います。

長太郎が走っていると、乱暴な車に水溜りの水をかけられてしまいます。そこで、長太郎が車にいる人に文句を言うと、助手席から中学生の男の子が出てきて、謝罪をするのですが、逆にランドセルを投げながら走っていた長太郎を叱る始末。

確かに長太郎の走り方も問題ですが、この中学生の話し方も嫌味で腹が立ちます。今回はこの中学1年生倉石ヒデオと運転席にいた母親の教育評論家と、長太郎の小学校に転校してきて、倉石家に預けられているハマサキ サンタ君がゲストメインになります。サンタは母親がなく、父親が漁師を辞めて北海道の牧場の仕事をすることになり、しばらく様子を見て準備をしているあいだ、遠い親戚の倉石家に預けられました。

ヒデオは、てるほの中学の後輩なのですが、美玉中学始まって以来の秀才で1年生にして、サッカー部の正ゴールキーパ。母親が有名な教育評論家の倉石タカコで、中学でも一目置かれている存在です。

ヒデオよりも、てるほの方が先輩なのに、ヒデオとてるほの会話を聞いていると、年齢が逆転しているような印象を受けます。それだけ、ヒデオが偉そうなのです。文武両道で母親が有名ということで、それが態度に出ているのでしょうか。

サンタが大人しくて、おどおどしているので、ヒデオはかなりそこを叱るのですが、その叱り方も嫌味で、母親も言葉は優しく親切なのですが、意地が悪いのです。

サンタと倉石家の広い庭でサッカーボールで遊んでいると、植木鉢を倒してしまいます。ヒデオが帰ってきて、ヒデオが自分のサッカーボールで遊んでいたことを怒ります。自分が初めて中学の試合で勝った時の記念のサッカーボールなんだそうで……。

植木鉢が壊れてお手伝いのお姉さんが怒っているのを無視して、長太郎とヒデオがサッカーボールを使った使わないで言い合っている。植木鉢が割れたことよりも、サッカーボールで遊んでいたことが怒られるという、長太郎はサンタを庇い、サンタを叱らないでと言いますが、サンタはきつく(サッカーボールを使ったことで)怒られてしまい、北海道の父親のところへいくと、長太郎に告げますが、長太郎はそれを北海道に逃げると言い、サンタの意気地のなさを叱ります。

長太郎もヒデオと同じように、サンタのうじうじオドオドした性格を怒るのですが、サンタの話を聞き、気持ちを受け止めた後で、サンタの逃げていく選択を叱るのです。そこは、サンタの性格が気に入らなくて怒るヒデオとの違いで、同じ内容で怒っていても、ヒデオの場合はサンタに対しての八つ当たりに見え、長太郎の場合になると、サンタを思って言っているように見えるので、だいぶ印象が違います。

ヒデオもサンタを思っているのでしょうが、サンタのはっきりしない性格にイライラしている感情の方が目立ちます。有名な教育評論家のタカコも表面的な部分しか見ていなくて、預けられている身で遠慮をしているサンタの気持ちや慣れない洋風の食事に戸惑っているサンタの立場も考えずに、自分のことを

「母親のように思え」

と言葉だけで、サンタに関心がありません。今回、このタカコはあまり話に絡んできませんが、時代にもてはやされている有名教育評論家が語る言葉だけは立派でも、中身がないと思わされるような存在だなって感じます。

長太郎は、サンタにヒデオと勝負してみろと、アドバイスをし、サンタもその気になって、長太郎は何で勝負するかを考え、サッカーの試合で勝負することを選びます。

そこで、美玉中学のサッカー部に試合を申し込むことに、ヒデオは断りますが、サッカー部部長が引き受けると受けて、長太郎達と美玉中学サッカー部が試合をすることになります。てるほは、そのことを聞いて、恥ずかしくて学校にいけないと大慌てします。本当に長太郎のせいで、てるほは中学でも有名人ですね。

美玉中学サッカー部は大会でも強く、有名でそれを知った上での勝負。長太郎の家に公一、正彦、ヒトミちゃん、恵子ちゃんが来ます。

正彦がつけたサッカーチームの名前が『Wilder』

「チームの名前、決まったよ。Wilder」

「それは、変だよ。「ワルだ」なんて!」

「違うよ、Wilder、暴れん坊って意味さ」

「長太郎君のことかもね」

長太郎が文句を言って、正彦が意味を言った時に、毎度お馴染みのアバンタイトルでの口上を思い出しました。そこへ、公一の一言が入り、Wilderと長太郎のサッカーチームの名前をつけた正彦の知識とセンスの良さを感じました。

長太郎のサッカーチームは、長太郎とサンタは勿論のこと、いつものメンバー正彦、ヒトミちゃん、恵子ちゃんも参加した男女混合。試合の審判は佐々木先生。

長太郎達は試合で張り切りますが、美玉中学に圧倒的にゴールを奪われ、点数は開いていきます。しかし、最後の最後でサンタが意地を見せて、ヒデオが守るゴールからシュートを決めます。そこで、佐々木先生がWilderの勝ちを宣言します。

長太郎達には内緒でしたが、美玉中学サッカー部は1点でも取られたら、自分達の負けと決めていて、それを佐々木先生には、話していたそうです。

長太郎とヒデオの喧嘩と、言いたいことや気持ちを遠慮していて、うじうじオドオドしていたサンタとヒデオの仲に巻き込まれた、美玉中サッカー部ですが、長太郎の試合の挑戦状を受け、さらには、そういう決まりを作って、長太郎やサンタの気持ちに応えてくれた懐の広さに、サッカー部の部長、それを受け入れたサッカー部員にすごさを感じます。言葉だけの教育評論家よりも、ずっと素晴らしい。

ヒデオがゴールキーパーで、それまでダメだと思っていたサンタがシュートを決めるところが、この話の醍醐味ですね。

ヒデオがサンタを見直し、2人が和解出来たのが、単純だけど良かったなと、長太郎もサッカー部部長からサッカーセンスを誉められ、中学に来たら入部するようにと催促されます。長太郎は佐々木先生にもサッカーセンスを誉めらえていて、サッカーが得意と感じていることは、この話の中で長太郎が話しますが、長太郎はサッカー部に入部するのでしょうか?本人は、「考えとく」と答えていましたが。

今回は、美玉中学サッカー部の優しさと心の広さを感じる話でした。

 

 

ちゃんと見てくれる人がいる職場

アバンタイトル

「WANTED 列車強盗 ビリー・ザ・はっちゃく $50000RENWARD」の文字に長太郎の似顔絵。

西部劇のような舞台から始まる今回のアバンタイトルは、ヒトミちゃんがインディアンに扮した公一、正彦、恵子ちゃんから追われていて、それを長太郎が助けるという展開。助けてくれたお礼にヒトミちゃんが頬にキスして、キスマークをつけてカッコよく立ち去っていきます。

そんな長太郎を見ながら、正彦が

「ちぇっ、カッコつけちゃってさ」

一言。珍しく、長太郎がおいしい思いをしたまま終わるアバンタイトルになっています。

本編

父ちゃんの職場から始まる本編。いきなり、正彦の父親が父ちゃんに怒っています。どうやら、父ちゃんが出した倉庫の建築の見積もりが他社よりも高いことに怒っている様子。

他社の見積もりを見せて父ちゃんを責めるも、父ちゃんはこの仕事はそんな値段でやるのは、おかしい。バーゲンセールの安売りじゃないんだから、と笑い飛ばします。

安さ優先で、安全性を度外視した仕事よりも、ちゃんとしたものを作るだけの費用を父ちゃんは出しているのに、安さを求める正彦の父親と意見が対立。挙句のはてに父ちゃんが予算を横領しているという疑惑までかけられて、父ちゃんは仕事を辞めてしまいます。

半分サラリーマンとはいえ、大工職人でもある父ちゃん。しっかり責任のある仕事をしたいのと、横領疑惑までかけられてたとはいえ、仕事を辞めてしまうところが父ちゃんらしい。

長太郎が家に帰り、ドンペイの散歩に行こうとした時に母ちゃんから声をかけられ、父ちゃんが夕食を外で食べるといい、そこで、仕事を辞めたことを家族に話します。お座敷でお鍋を食べているんですが、お鍋が豪華でおいしそう。父ちゃん、かなり奮発しましたね。

長太郎は、父ちゃんが正彦の父親の部下でなくなることに大喜びしますが、てるほは今後の生活の心配を口にしていて、母ちゃんの顔は曇っています。

翌朝、父ちゃんは自転車に乗って、大工として使ってくれるところを探し回ります。しかし、簡単には仕事が見つからず。

この話では、桜間家の男性と女性で、仕事を失った後の対応が違います。能天気な長太郎と父ちゃんと、現実の生活を今後どうしていくかと悩んでパートに出たり、節約を考える母ちゃんとてるほ。

学校では、正彦がヒトミちゃん、公一、恵子ちゃんに父ちゃんの首の話をしていて、正彦に長太郎の仕返しを心配するみんなに正彦が父親同士のことは、自分と長太郎には関係がないと言い放ちます。

そこへ、父ちゃんが独立して社長になると思っている長太郎はご機嫌で、逆に公一達から心配をされてしまいます。

昔のつてで仕事を探しても、先代が亡くなっていて、昔なじみのところも代替わりをしていて、父ちゃんに対しても冷たく、父ちゃんも大好きな晩酌を控えるほど。

父ちゃんは仕事をとれない危機感を感じだしますが、長太郎は『ドラえもん』を見て大笑い。そこに母ちゃんがパートの仕事をしてもいいか?と父ちゃんに尋ねます。どうやら母ちゃんは、公一の八百屋を手伝うとのこと。公一のところは、母子家庭で公一の母ちゃん一人で八百屋を切り盛りしているため。

母ちゃんがパートに出ることで、てるほも長太郎に無駄遣いは出来ないと釘を刺して長太郎も本当に心配を始めます。長太郎は、看板を持って、父ちゃんの仕事を宣伝して回りますが、押し売りだと思われ水までかけられ、追い払われてしまいます。

父ちゃんは、最初に倉庫の建築を依頼した知り合いの工務店に行き、仕事をもらいにいきますが、仕事をあげたいし、協力をしたいけれども、父ちゃんの腕で何でもっていうのは……。と首を捻ります。

父ちゃんはどんな小さな仕事でもと思っているのでしょうが、父ちゃんの腕に見合う仕事となると、そんな小さな仕事をさせるのはという気持ちなのでしょう。

父ちゃんと長太郎は仕事を得る難しさを経験し、仕事を貰う、することの難しさを感じて、ぼやきますが、それでも、前向きな言葉を口にしていきます。

前向きな言葉と、愚痴。仕事ってそんな狭間の気持ちの中であるのかもしれません。

一方、最初の父ちゃんと正彦の父親の喧嘩の発端になった倉庫の建築で、倉庫の建築が進んでいないことに、正彦の父親の上司が怒鳴り込んで、正彦の父親の不手際を責め立てます。どうも、安い業者に頼んだことで、お金だけとって、そのままとんずらをされて建築に手付かずのままということで、正彦の父親は自分が間違っていたことを知り、父ちゃんが頼んだ工務店に頭を下げるも追い払われ、父ちゃんに謝って仕事をお願いしようとして、なかなか決心がつかず、学校から帰ってきた長太郎に父ちゃんとの仲を取り持ってほしいと、嫌がって逃げる長太郎を追いかけてお願いをする始末。

大の大人が小学生相手に、必死でお願いする姿。職人としての腕のある長太郎の父ちゃんと違って、手に職がない自分は会社をクビになったら、正彦と2人でどうやって暮らしていけばいいかと泣きつきます。

長太郎は、それを聞いて考えを改め、父ちゃんに仕事の依頼が来たと依頼人として、正彦の父親に合わせますが、父ちゃんが怒って断り(当たり前だよなあ……)、長太郎は父ちゃんと衝突。長太郎は正彦の父親と2人で倉庫の建設に乗り出します。しかし、その手つきは素人そのもので、心配して見に来た父ちゃんは、いらいらして、ついに飛び出し、倉庫を作ると言い出します。職人としての血が騒いだのと、なんだかんだで、長太郎と正彦の父親が心配な父ちゃんらしい行動です。

正彦の父親の謝罪。父ちゃんに仕事を依頼するのが自分の最後の仕事になるといったところで、正彦の父親の上司が来ます。

父ちゃんにとっても、上司であるその人は、

桜間くん、君、随分、長い休みをとったね。

と一言。父ちゃんが会社を辞めたことを話すと、そんな話は私には届いてないよ。ただ、君が長い有給休暇をとっているだけだってと言います。父ちゃんも正彦の父親もしっかりフォローしていて、父ちゃんが間違ってないこと、正彦の父親が間違っていたことの責任を取らせる姿と、その後でしっかりとフォローする上司を見ていて、こういうちゃんと仕事での人の責任やしたことの評価を出来る上司がいる父ちゃんの職場って、すごく理想的でいい職場だなって思いました。

表面上のことしか見ないで、人を判断する人が増えた今、もしかしたら、このドラマが放送されていた時代も現実は既にそうだったのかもしれませんが、このドラマの中に一つのユートピアがあるように感じました。

現実の厳しさと架空のドラマだから出来る温かさを感じた話でした。

それにしても、父ちゃんのまた新しい門出を祝うのに、正彦の父親がご馳走するという言葉に、

おじさんは、本当はいい人なんですね。 

 と言う長太郎は現金ですね。結局、めざしになって、正彦の父親がご馳走することはなかったですが、これは父ちゃんが丁重に断ったのでしょうね。後は、番組予算の都合でしょうか?

親分の責任

アバンタイトル

今回は、クラスメイトのみんなとモグラ叩き。最初は、普通に長太郎が、ヒトミちゃん、公一、正彦、恵子ちゃん、明子、小百合に囲まれ声援を受けながら、モグラ叩きをしているものの、長太郎の見ているモグラが、恵子ちゃんになり、公一、正彦、小百合明子、ドンペイに見えていき、それでも長太郎が叩いていくものの、ヒトミちゃんに見えるモグラは叩くことが出来ず、これはインベーダーの時と同じですね。

やはりのゲームが人に見えて、長太郎がヒトミちゃんにだけは攻撃が出来ないという、長太郎の弱点をゲームで表現しています。

本編

脚本は田口成光さん、監督は川島監督。

登校途中にある、柳の下を通ろうとしている公一に声をかける長太郎。柳の下では、親指を握り隠して、息を止めて通らないと呪われるという、ヒトミちゃん達の話を真に受けている公一を笑い飛ばす長太郎。

柳の下を通る話を見て、思い出したのが小学生の時にあった校庭にあった柳の木でした。私の小学校にも同じような話があって、息を止めて素早くその柳を通り過ぎていたものでした。小学2年生とはいえ、なんで信じていたんでしょうね。

さて、ドラマに戻って、柳の下を通り過ぎようとして、公一の言うことを無視して通り過ぎようとした長太郎がタクシーにひかれかけ、ボールが当たってしまって、公一は長太郎に、呪いがあると話しますが、長太郎は偶然だと片付けます。

教室につけば、恵子ちゃんが悲鳴をあげて教室に入り込んできて、音楽室で誰もいないのにピアノの音がすると駆け込んできます。柳の下の呪いの件の次は音楽室の勝手になるピアノです。長太郎が音楽室でそのピアノを弾く幽霊をやっつけるために、ピアノの音がする音楽室に駆け込んでいき、ピアノを弾く人影を攻撃しますが、ピアノを弾いていたのは正彦。音楽会のために練習していたとのこと。確かに正彦は初登場の2話でピアノが特技で披露していましたね。

音楽室の入り口では、ヒトミちゃんと恵子ちゃん、明子、小百合が大笑い。どうやら、長太郎は彼女達にいっぱい食わされたようです。朝の公一の柳の下の呪いの話もヒトミちゃん達の話が発端だし、女の子達にいいようにされて笑い者になり、まんまと騙された長太郎が、怒って仕返しを始めます。

ヒトミちゃん達が噂をしている柳の下で三つ目女になって、夜に待ち伏せをするという。長太郎がこの三つ目女に化けるために、てるほの服や母ちゃんのメイク道具を使っているんですが、母ちゃん、つけまつげを持っているんですね。

まんまとヒトミちゃんにやり返した長太郎ですが、ヒトミちゃん達が佐々木先生を呼んできて、逃げる途中で「タロウ」と名乗る年下の子とあって、子分にして欲しいと言われます。急いでいる長太郎は、その子を身代わりにして逃げるように指示。長太郎は、タロウを追いかけている佐々木先生達を追いすごして出て行きますが、そこで躓いて、水溜りにはまり、てるほの服を台無しにして家に戻ってきて、案の定、てるほを筆頭に家族から怒られます。

このタロウと出会ったのが、今回の長太郎の災難の一つになります。今回のゲストはタロウとその父親の長太郎をひきそうになったタクシー運転手なのですが、タクシー運転手を演じていたのが野呂圭介さんなんですよね。

野呂さんと言えば、思い出すのが『元祖!ドッキリカメラ』です。この番組を知らない若い人達でも、相手を騙す「ドッキリ」を知っていると思いますが、今回の長太郎がヒトミちゃん達に騙されたのも、長太郎がやり返すのも『ドッキリカメラ』を思い出させるので、ゲストの野呂さんに合わせたものかなって思います。

翌日、学校で佐々木先生が、昨夜の三つ目女の騒動のことを持ち出して、人を驚かしたり、騙すことを諭します。

下校中にタロウがタクシーをペンキで塗っているのに出会い、ペンキ塗りを注意しますが、頼まれてやっているというタロウの言葉を真に受けて、タクシーの運転手に怒られてしまいます。母ちゃんが平謝りをして、ペンキを落とす代金を払うことに。

長太郎は自分を騙したタロウを追いかけて、その先でタクシーの手入れをしていたタクシー運転手と出会います。ここで、タロウとタクシー運転手が親子だとわかり、タロウもアユミという女の子だと分かります。

長太郎とタクシー運転手の父親が揉めている間に、アユミはタクシーのカーラジオをつけ、運転を始めます。長太郎とタクシー運転手の父親は大慌て。カーラジオからは、さだまさしさんの『関白宣言』が流れています。

アユミは女よりも男の方がかっこよくて、憧れていて、長太郎のようになりたいと言いますが、アユミの父親は最初の子は男の子だと思って育ててきたけど、女の子らしくして欲しいと長太郎にお願い。

女の子よりも男の子の方がかっこいいと思っているアユミ。この価値観って、女の子よりも男の子が優遇されているというのを見てきたり、女の子で損した体験からきているんだろうなって、長太郎との会話から感じるんですよね。

女の子を懲らしめるというアユミは長太郎以上のいたずらをやり始め、それはアユミの親分にされた長太郎の責任になっていきます。ヒトミちゃんや父ちゃん、アユミの父親からのお願いも合わさり、長太郎はアユミを男の子に憧れているのから、女の子に憧れるようにと作戦を考えます。

作戦は、簡単なもので女の子の強さを見せつけて、長太郎への憧れを取り除くこと。

このアユミが出てきてからは違うんですが、そもそも事件の元を作ったのが、ヒトミちゃん達が長太郎を騙して笑い者にしたことから始まっていて、アユミが勝手に暴走した責任を長太郎が取って、長太郎が痛い目にあってしまうのって、なんだか理不尽だなって思います。

最終的に長太郎の弱点であるヒトミちゃんが出てきて、アユミの気持ちを変えてしまうところは、アバンタイトルでのモグラ叩きで示された、ヒトミちゃん最強説が本編でも強調されているなって思います。ヒトミちゃんが長太郎を痛めつけて、アユミが男よりも女だと走り去っていった後で、長太郎を気遣い、痛めた体を心配してさすって声をかけるところにヒトミちゃんの優しさを感じます。

性差で感じる男女の損得、かっこ良さというのは、今の時代にもありますが、いつの時代にも隣の芝生は青く見えていたりするのかなとか、1979年代は女が強くなっていった時代でもありながら、まだ男性に比べて女性の立場が弱かった時代でもあったかなって思い出したりもした話でした。

長太郎が三つ目女になって、ヒトミちゃん達を驚かした以外は今回は長太郎は殆ど悪くないのに、責められたり、痛めつけられたりしたのは気の毒だと思いつつ、自分が知らない所で、しぶしぶ子分にしたアユミの行いの責任を取った今回の話は、親分、上司になって責任を持つことを伝えてくれた話だと思いました。

正彦と長太郎の関係

アバンタイトル

道路にチョークで相合傘を描いた長太郎、ヒトミちゃんの名前を書いて、横に寝ていますが、雨が降ってきて、車に轢かれるというちょっと怖いですね。

本編

今回は、正彦と長太郎の友情が主役?というか、正彦の死んだお母さんの話です。回想シーンですが、正彦のお母さんの姿が初登場してくる話です。

正彦の母親の思い出の作文を皆の前で朗読するのですが、そこで、正彦の母親は3年前に亡くなっていることが分かります。

長太郎達は小学5年生の設定ですから、正彦は小学2年生でお母さんと死別したと分かります。

正彦のお母さんは、正彦の作文によると美人でフランス語が得意とのことですが、実際は、正彦の見栄が入っていてます。

正彦の作文で正しいのは、美人で優しいお母さんの所だけです。学校の場面から、桜間家の夕食の場面へ。そこへ父ちゃんが家に帰ってきて、父ちゃんの上司で部長の正彦の父親に怒れて、荒れていて、母ちゃんも

「奥さんがいればね」

って言って、長太郎が授業での正彦の母親の作文の話を持ち出し、母ちゃんの知り合いの女性を紹介してみたらと話が発展して、正彦の父親のお見合いの段取りを取り付けます。

この秋山左知子さんを演じている一谷伸江さんは、4代目『痛快あばれはっちゃく』で『俺はあばれはっちゃく』の正彦に当たる信彦の母親役でレギュラー出演されます。

正彦が父親の為に、新しい父親の結婚相手を迎えるのを自分に言い聞かせるようにして、自分の気持ちを抑えながらも、左知子さんの失礼な正彦の母親の思い出を壊すようなことを言う為に、正彦の我慢していた感情が爆発してしまいます。

普段、冷静な正彦だけに、正彦の我慢と亡くなった母親への思慕が伝わってきます。正彦の父親を思う気持ちも大きくあるだけに、正彦が母親への思いと父親への思いの間での板ばさみになっていて、父親の再婚で正彦が実母のことを忘れてしまうことを言われてしまうのが、正彦には一番辛いと言います。

お見合いで、正彦が飛び出してしまったので、長太郎が気にして正彦を追いかけて、正彦の思いを聞きます。

長太郎に本当の母親の写真を見せて、母親の本当の姿を長太郎に明かします。普段は、ヒトミちゃんを巡って、いがみ合うことも多い二人ですが、長太郎に作文で書いたことが嘘で本当の母親の姿をはなし、父親のお見合いに対して嫌な気持ちを語る姿は、正彦の中で長太郎を友達だと思っているからかなって思ったりもします。

さて、長太郎は正彦の気持ちを聞いて、アイディアを閃きます。しかし、正彦のために出したアイディアで信頼して話したのに、長太郎ってばあっさり正彦を裏切ってしまうんですよね。

正彦を助ける為に知恵を貸す代わりに

優等生面するなよ、ヒトミちゃんと仲良くするなよ。 

 って、条件出したくせに。でも、これが最後の落ちに繋がっていくんですよね。

長太郎の裏切りで、家出していた場所から高所恐怖症なのに、廃墟のビルの上へと逃げていく正彦。

長太郎が助けに行くんですが、正彦がかなり危ない場所で宙吊りみたいになるんですが、これ、本当に高所恐怖症の人だったら、倒れてしまいます。

父ちゃんや正彦の父親も助けにきて、正彦の場所に行く途中で出会ったヒトミちゃんや恵子ちゃん、公一も見守る中、正彦が助け出されて、一件落着。

左知子さんにお断りをいれたことを報告に来た、父ちゃんと母ちゃん。正彦の父親のご機嫌をとる算段もこれで露と消えてしまい、返って恨みを買ってしまいました。

左知子さんは、正彦みたいな神経質な子どもがいるなら、だめってことで断るつもりだだったとケロッとしています。

正彦と正彦の父親が和解して、より強い絆が出来たようです。

学校に戻ってきた正彦はいつも通り。みんなに勉強を教えて得意顔。ヒトミちゃんも尊敬の眼差しです。

面白くないのは、長太郎。

優等生面するなよ、ヒトミちゃんとベタベタするなよ

 って、約束したのにと正彦に怒りますが、

君だって約束を破ったじゃないか 

 とあっさり。高所恐怖症を助けてやったのにと長太郎が食い下がっても、

君、過ぎたことは忘れようよ 

って返します。今回は正彦の弱みを掴んで、長太郎が優位にたったり、正彦が長太郎を頼ったりといつもの長太郎と正彦の関係とは違うものがありましたが、最後には、いつもの調子の二人の関係に落ち着きましたね。

長太郎と正彦。佐々木先生が言うには、二人は友人関係なんですが、なんといいますか、同じ友人でも公一とは、また違う友人関係になっていて、面白いですね。 

父ちゃんの親友は詐欺師?

アバンタイトル

今回も空を目指す長太郎。大きなパラソルとアルミの風船で空を飛びます。しかし、これは、授業中に見ていた長太郎の夢。久しぶりの長太郎だけのアバンタイトルだと思いましたが、夢から覚めるといつもの教室で、佐々木先生も、公一も、正彦もヒトミちゃんも明子も小百合も揃ってます。恵子ちゃんだけ姿を確認出来ませんが、位置的に佐々木先生の影になっているようですね。

本編

今回の脚本は田口成光さん、監督は山際永三監督です。

父ちゃんが紙の筒を片手に自転車をこいでいます。ふと、質屋近江屋(おおみや)に大きな風呂敷に包んだ男性の姿を見つけて、父ちゃんの動きが止まります。

もしかして、田中……?な、わけないよな。 

 どうやら、父ちゃんの知り合いに似ているようです。父ちゃんが首を傾げていると、画面奥から長太郎がドンペイと模型飛行機を片手に持ってきて、父ちゃんに声をかけて走り去っていきます。その後、父ちゃんは確信をもって、質屋の前にいた男性を知り間と確信して、にっこりと笑います。

場面は変わって、長太郎は川原で佐々木先生や、ヒトミちゃん、公一、正彦、明子、小百合達が模型飛行機を飛ばしているところにいって、長太郎も持ってきた模型飛行機でその仲間に入ろうとするのですが、一緒に連れてきたドンペイが正彦の模型飛行機を壊してしまいます。もちろん、長太郎はドンペイが壊すのを止めるのですが、阻止することが出来ませんでした。

ヒトミちゃんと公一は、長太郎に正彦に謝るように言いますが、長太郎は自分が壊したのではないと反論してきます。それでも、ヒトミちゃんは、

だけど、ドンペイはあなたの犬でしょ?謝りなさいよ。

 しかし、その謝り方がいい加減なので、ヒトミちゃんはその謝り方に怒ります。そこへ佐々木先生がやってきて、公一がことの経緯を話します。当の模型飛行機を壊された正彦は、

もう、いいよ 。また、新しいの作るから。

 と言って壊された模型飛行機を捨てて走り去っていきます。この時の正彦の気持ちを考えるとどんな気持ちだったのかなって思います。公一は、正彦が模型飛行機を作るまでに1週間もかかったと言っています。それだけ、苦心して作った模型飛行機が見るも無残に壊れてしまったのだから、いつもは長太郎の味方である公一だって、長太郎にヒトミちゃんと一緒に謝るようにと強く言うのです。

しかし、ヒトミちゃんに言われても、公一に言われても、長太郎が悪いのはドンペイで自分は悪くないという態度を変えないままでいるのを見て、正彦は、今、どんなことを言っても無駄だと感じて、諦めてしまったのではないか?と思います。

それでも、一生懸命作った模型飛行機を壊された悔しさがあり、既に壊れてしまったこともあって、模型飛行機を投げ捨てて走り去ってしまったのかな?って思うと、正彦のの長太郎やヒトミちゃん、公一、恵子ちゃん、明子、小百合、佐々木先生の前での冷静な言葉とその場を離れなければ収まらない怒りと悲しさを感じると、正彦のやり切れない気持ちを感じてしまいます。

「長太郎、早く謝れ」

「でも、もう、いいって、言ってるじゃん」

「長太郎!正彦はお前の友達じゃないのか?みんなもよく聞きなさい。いいか?友達というものはな、そうは簡単に出来るものじゃないんだ。正彦に頭下げて謝れ。飛行機もちゃんと修理して返すんだぞ。いいな」 

 正彦が走り去った後、佐々木先生は長太郎も含めて、そこに残ったみんなにも、友達の大切さを語っています。

家に帰り、長太郎が正彦の飛行機を修復していたところに、父ちゃんが質屋で見かけた田中さんを連れて帰宅してきます。田中さんは、父ちゃんの中学生時代の親友。父ちゃんと田中さんは、15年振りの再会です。

父ちゃんと田中さんの関係と、長太郎と正彦の関係が今回の話は少しシンクロしていきます。

田中さんは、父ちゃん曰く、スポーツも勉強も何でも出来た優等生だったとのこと。それを聞いた長太郎は、「正彦みたい」だと納得します。 

さて、父ちゃんは質屋で田中さんが抱えていたものが気になり、その中身を尋ねてあけてみると、立派な壷が出てきます。田中さんは工場を経営しており、新しいシステムをいれるのに、お金がいるから、壷を売りたいといい、それを聞いた長太郎は骨董品が好きな正彦の父親、父ちゃんの上司の部長に売ることを提案します。

夜中、長太郎がトイレに起きると、田中さんが壷の箱を抱えながら、何やら悩んでいる姿を見つけます。この時と、冒頭で質屋で悩んでいる田中さんの姿が、今回の話の事件に発展する一つの振りになっています。

翌日、父ちゃんは会社に壷を持っていき、正彦の父親は壷を見て、値打ちものだと喜んで、300万するものを50万で買える事で大喜びします。

学校へ行った長太郎は、正彦の飛行機の修理のことを聞かれ、昨日は父ちゃんの親友がきたので、まだ、修理が終わってないことを伝えて、走り去っていきます。

家に帰り、飛行機の修理の続きをしている長太郎の所に田中さんが来て、長太郎の飛行機の修理を手伝います。この時に、マッチを取り出して、長太郎に飛行機の修理のコツを教えながら、飛行機を直します。田中さんの器用さに感心する長太郎。直った飛行機を手に持って上に上げて動かしながら、田中さんは羨望の目をして呟きます。

飛行機はいいな。どこにでも自由にいけるんだから。

 この言葉は、その後の田中さんの胸中を知ると、じんわりとしてきます。翌日、直した飛行機を持って学校に行き、正彦に謝って手渡した長太郎に向かって、正彦が怒りを示します。正彦の父親が父ちゃんから買った壷が、元々、壊れていて、それを売りつけた長太郎と父ちゃんに対して、自分の父親を騙してお金を取り、恥をかかせたことを正彦は怒っているのです。

正彦の家は父子家庭です。自分のことでは、怒りを抑えた正彦が父親が騙されたことに関しては、クラスメイトのみんながいる前で、怒りを抑えなかったのは、正彦の父親思いの優しさを感じることが出来ます。正彦の中では、自分のことよりも母親が死んでから男手一つで育ててくれた父親が一番、大事な存在であることが分かるのです。

正彦に自分だけでなく、父ちゃんまで詐欺師扱いされた長太郎は、何がなんだか分からず、父ちゃんを詐欺師扱いした正彦に怒りを示します。長太郎にとっても、父ちゃんは大好きで大事な存在だからです。

長太郎と正彦。それぞれが、大事な父親の名誉の為に喧嘩をしてしまいます。全ては、田中さんの持ってきた壷のせいなのです。

父ちゃんの方でも、会社で正彦の父親から、壷が最近壊れていて、接着剤で直したもので、価値がないと言われたことを説明されて、父ちゃんは田中さんの言っていることと、上司でもある正彦の父親が鑑定を頼んでもらった結果の相違に戸惑います。

家に帰り、母ちゃんとてるほに事情を話し、50万円を直ぐに一括で出せない正彦の父親の足りない額を桜間家の預金から出したことを母ちゃんが言って、困っていると、てるほが今月の生活金の心配をして、壷を売るアイディアを出した長太郎を責めます。でも、その長太郎のアイディアはみんなが賛成したんですけどね。

田中さんの姿が消えて、父ちゃんは田中さんの経営する工場へ行き、田中さんの現在置かれている立場を知ります。今回の件で、長太郎も家族から責められますが、父ちゃんの親友の田中さんが起こした事件なので、やはり父ちゃんも責められます。田中さんを探す手がかりとして、飛行機を直してくれた時に使ったマッチの箱に書かれているお店から、田中さんの居場所を突き止めて、長太郎と父ちゃんは田中さんが戻ってくるのを待ちます。

父ちゃんは、こんな目にあいながらも田中さんを信じています。そんな父ちゃんの気持ちを聞きながら、長太郎はそういうものかな?というような顔をして聞いています。そこへ、田中さんが戻ってきて、父ちゃんは一瞬、笑顔を田中さんに見せるのですが、田中さんの申し訳ないような、悲しいような、なんとも言えない表情を見て、顔が少しだけ険しくなっていきます。父ちゃんと、田中さんの顔を見比べる長太郎。

少しの静かな時間の後、田中さんは、父ちゃんと長太郎の前から走り去っていきます。

追いかける長太郎。ついていく父ちゃん。お寺で水を飲んでいる田中さんを見つけて長太郎がつかみかかってきます。

よくも、父ちゃんを騙したな。俺の父ちゃんはな、今までおじさんが親友だからって、おじさんのことを信じていたんだぞ!この野郎!父ちゃんを裏切りやがって!

そこへ、父ちゃんが追いつき、田中さんに馬乗りになって責めていた長太郎をとめます。

「やめろ!長太郎!」

「父ちゃん!悔しくねぇのかよ!」

「もう、いいんだい」 

 田中さんは、起き上がり土下座して、父ちゃんに謝ります。壷を売る気はなかったことを、結果的に親友の父ちゃんを騙したことを。長太郎はそれを否定しますが、田中さんの壷を割ろうとしたという言葉を聞いて、長太郎は夜に壷を抱えていた田中さんの姿を思い出して、田中さんの言葉を信じます。

田中さんが工場が潰れたことを言わなかったことを父ちゃんは田中さんに言いますが、田中さんがその理由を言うと、父ちゃんは何も言わずに去っていきます。

田中さんの言葉を聞くと、父ちゃんが田中さんを親友だから、田中さんのことが分かると言ったのと同じように、田中さんも父ちゃんのことを理解していることが分かります。

それでも、だからこそ、田中さんのしたことは許せないことなのです。言葉では、田中さんは、

俺が全て悪いんだ 

 と言っても。その後で、田中さんはお金の整理がついて、父ちゃんに謝りにきて、お金を返しにきました。これで、一件落着となります。

26話との整合性がない

今回の話の落ち着き方に私は、首を傾げます。

それは、26話の話があるからです。26話の脚本が安藤豊弘さんで、今回が田口成光さんと脚本家が違うせいもあるかもしれませんが、同一の作品内で同一人物の言動、考えの違いを感じてしまうのは、どうなのだろうか?と思います。ちなみに、監督はどちらも山際監督です。

作品の人物の性格を5人の脚本家がいても、ずれることが殆どない『俺はあばれはっちゃく』だけに、今回の父ちゃんの友情に関しての僅かなズレは、小さいながらも敏感に感じ取れてしまいました。

26話で、長太郎と公一が喧嘩をした時に、父ちゃんが割れたお皿を例えに出して、友情の大切さを長太郎に話しましたが、それと同じように割れた壷と田中さんの気持ちがどうであれ、父ちゃんの信用を失わせた田中さんの裏切りが、割れた壷が完全に元通りにならなくても、友情は元通りになったという結果になったのに整合性を感じないからです。

父ちゃんは公一との友情が割れた皿と同じになる前に仲直りをしろといい、割れてしまうかもしれないところのギリギリのところで、友情を壊さなかった26話の長太郎と公一の時とは違い、今回の父ちゃんと田中さんの場合は、正彦の父親をも巻き込んで、実際の被害と裏切りをしています。

父ちゃんは、田中さんが謝り、お金が戻ってきたことで、元通りと笑っていましたが、本当にそうでしょうか。これで、正彦の父親も納得するのでしょうか。

話のラストでは長太郎が直した正彦の飛行機を持ってきて、みんなで川原で飛ばし、正彦も笑って長太郎を許しているように見えて終わっていますが、正彦の父親の気持ちは最後に出てくることありません。そこで、正彦の態度で推測するしかないのですが、最初に飛行機を壊された正彦の態度から見ても、これまでの正彦という人物を見ても、正彦の寛大な心があって許されたと思うしかないのです。

これは、父ちゃんにも同じことが言えて、親友の田中さんの置かれている状況や気持ちを知った上で、父ちゃんが田中さんがした裏切り行為を許した寛大な気持ちがこの事件を円満に解決したと私は思ってしまいます。

佐々木先生の言うように、友達は簡単には出来ません。信用を築き信頼を得るよりも、一度の裏切りで信頼を失うほうが簡単です。

今回、田中さんはちゃんと謝ってきましたが、それでも、信用を取り戻すことは難しく、相手が中学生時代からの親友の父ちゃんだからこそ、田中さんは許されたのだと思います。これが、巻き込まれて騙された正彦の父親だったら、田中さんのことは許さなかったと思います。

父ちゃんは上司の正彦の父親と常に会社で顔を合わせながら、田中さんのしたことを詫びて、何も知らんずとも自分が持ちかけたことで迷惑をかけたことを必死で謝ったと思うのです。父ちゃんが田中さんを笑って許した裏で、父ちゃんが会社で必死になって田中さんを庇いながら、上司の正彦の父親に詫びたのも、その後お咎めがなく、正彦が長太郎を受け入れたのも、全て父ちゃんの見えない責任感と優しさがあったと私は思います。

父ちゃんも被害者ですが、それでも父ちゃんはそれに対しては何も言わない。それは、きっと、田中さんが父ちゃんにとって、大切な親友にかわりはないからだと思うのです。

親友とは、そんなに簡単に出来ないし、切り捨てることも出来ない、大事な存在なのだということをこの話を通して感じました。