柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

正彦と長太郎の関係

 

アバンタイトル

道路にチョークで相合傘を描いた長太郎、ヒトミちゃんの名前を書いて、横に寝ていますが、雨が降ってきて、車に轢かれるというちょっと怖いですね。

本編

今回は、正彦と長太郎の友情が主役?というか、正彦の死んだお母さんの話です。回想シーンですが、正彦のお母さんの姿が初登場してくる話です。

正彦の母親の思い出の作文を皆の前で朗読するのですが、そこで、正彦の母親は3年前に亡くなっていることが分かります。

長太郎達は小学5年生の設定ですから、正彦は小学2年生でお母さんと死別したと分かります。

正彦のお母さんは、正彦の作文によると美人でフランス語が得意とのことですが、実際は、正彦の見栄が入っていてます。

正彦の作文で正しいのは、美人で優しいお母さんの所だけです。学校の場面から、桜間家の夕食の場面へ。そこへ父ちゃんが家に帰ってきて、父ちゃんの上司で部長の正彦の父親に怒れて、荒れていて、母ちゃんも

「奥さんがいればね」

って言って、長太郎が授業での正彦の母親の作文の話を持ち出し、母ちゃんの知り合いの女性を紹介してみたらと話が発展して、正彦の父親のお見合いの段取りを取り付けます。

この秋山左知子さんを演じている一谷伸江さんは、4代目『痛快あばれはっちゃく』で『俺はあばれはっちゃく』の正彦に当たる信彦の母親役でレギュラー出演されます。

正彦が父親の為に、新しい父親の結婚相手を迎えるのを自分に言い聞かせるようにして、自分の気持ちを抑えながらも、左知子さんの失礼な正彦の母親の思い出を壊すようなことを言う為に、正彦の我慢していた感情が爆発してしまいます。

普段、冷静な正彦だけに、正彦の我慢と亡くなった母親への思慕が伝わってきます。正彦の父親を思う気持ちも大きくあるだけに、正彦が母親への思いと父親への思いの間での板ばさみになっていて、父親の再婚で正彦が実母のことを忘れてしまうことを言われてしまうのが、正彦には一番辛いと言います。

お見合いで、正彦が飛び出してしまったので、長太郎が気にして正彦を追いかけて、正彦の思いを聞きます。

長太郎に本当の母親の写真を見せて、母親の本当の姿を長太郎に明かします。普段は、ヒトミちゃんを巡って、いがみ合うことも多い二人ですが、長太郎に作文で書いたことが嘘で本当の母親の姿をはなし、父親のお見合いに対して嫌な気持ちを語る姿は、正彦の中で長太郎を友達だと思っているからかなって思ったりもします。

さて、長太郎は正彦の気持ちを聞いて、アイディアを閃きます。しかし、正彦のために出したアイディアで信頼して話したのに、長太郎ってばあっさり正彦を裏切ってしまうんですよね。

正彦を助ける為に知恵を貸す代わりに

優等生面するなよ、ヒトミちゃんと仲良くするなよ。 

 って、条件出したくせに。でも、これが最後の落ちに繋がっていくんですよね。

長太郎の裏切りで、家出していた場所から高所恐怖症なのに、廃墟のビルの上へと逃げていく正彦。

長太郎が助けに行くんですが、正彦がかなり危ない場所で宙吊りみたいになるんですが、これ、本当に高所恐怖症の人だったら、倒れてしまいます。

父ちゃんや正彦の父親も助けにきて、正彦の場所に行く途中で出会ったヒトミちゃんや恵子ちゃん、公一も見守る中、正彦が助け出されて、一件落着。

左知子さんにお断りをいれたことを報告に来た、父ちゃんと母ちゃん。正彦の父親のご機嫌をとる算段もこれで露と消えてしまい、返って恨みを買ってしまいました。

左知子さんは、正彦みたいな神経質な子どもがいるなら、だめってことで断るつもりだだったとケロッとしています。

正彦と正彦の父親が和解して、より強い絆が出来たようです。

学校に戻ってきた正彦はいつも通り。みんなに勉強を教えて得意顔。ヒトミちゃんも尊敬の眼差しです。

面白くないのは、長太郎。

優等生面するなよ、ヒトミちゃんとベタベタするなよ

 って、約束したのにと正彦に怒りますが、

君だって約束を破ったじゃないか 

 とあっさり。高所恐怖症を助けてやったのにと長太郎が食い下がっても、

君、過ぎたことは忘れようよ 

って返します。今回は正彦の弱みを掴んで、長太郎が優位にたったり、正彦が長太郎を頼ったりといつもの長太郎と正彦の関係とは違うものがありましたが、最後には、いつもの調子の二人の関係に落ち着きましたね。

長太郎と正彦。佐々木先生が言うには、二人は友人関係なんですが、なんといいますか、同じ友人でも公一とは、また違う友人関係になっていて、面白いですね。 

父ちゃんの親友は詐欺師?

アバンタイトル

今回も空を目指す長太郎。大きなパラソルとアルミの風船で空を飛びます。しかし、これは、授業中に見ていた長太郎の夢。久しぶりの長太郎だけのアバンタイトルだと思いましたが、夢から覚めるといつもの教室で、佐々木先生も、公一も、正彦もヒトミちゃんも明子も小百合も揃ってます。恵子ちゃんだけ姿を確認出来ませんが、位置的に佐々木先生の影になっているようですね。

本編

今回の脚本は田口成光さん、監督は山際永三監督です。

父ちゃんが紙の筒を片手に自転車をこいでいます。ふと、質屋近江屋(おおみや)に大きな風呂敷に包んだ男性の姿を見つけて、父ちゃんの動きが止まります。

もしかして、田中……?な、わけないよな。 

 どうやら、父ちゃんの知り合いに似ているようです。父ちゃんが首を傾げていると、画面奥から長太郎がドンペイと模型飛行機を片手に持ってきて、父ちゃんに声をかけて走り去っていきます。その後、父ちゃんは確信をもって、質屋の前にいた男性を知り間と確信して、にっこりと笑います。

場面は変わって、長太郎は川原で佐々木先生や、ヒトミちゃん、公一、正彦、明子、小百合達が模型飛行機を飛ばしているところにいって、長太郎も持ってきた模型飛行機でその仲間に入ろうとするのですが、一緒に連れてきたドンペイが正彦の模型飛行機を壊してしまいます。もちろん、長太郎はドンペイが壊すのを止めるのですが、阻止することが出来ませんでした。

ヒトミちゃんと公一は、長太郎に正彦に謝るように言いますが、長太郎は自分が壊したのではないと反論してきます。それでも、ヒトミちゃんは、

だけど、ドンペイはあなたの犬でしょ?謝りなさいよ。

 しかし、その謝り方がいい加減なので、ヒトミちゃんはその謝り方に怒ります。そこへ佐々木先生がやってきて、公一がことの経緯を話します。当の模型飛行機を壊された正彦は、

もう、いいよ 。また、新しいの作るから。

 と言って壊された模型飛行機を捨てて走り去っていきます。この時の正彦の気持ちを考えるとどんな気持ちだったのかなって思います。公一は、正彦が模型飛行機を作るまでに1週間もかかったと言っています。それだけ、苦心して作った模型飛行機が見るも無残に壊れてしまったのだから、いつもは長太郎の味方である公一だって、長太郎にヒトミちゃんと一緒に謝るようにと強く言うのです。

しかし、ヒトミちゃんに言われても、公一に言われても、長太郎が悪いのはドンペイで自分は悪くないという態度を変えないままでいるのを見て、正彦は、今、どんなことを言っても無駄だと感じて、諦めてしまったのではないか?と思います。

それでも、一生懸命作った模型飛行機を壊された悔しさがあり、既に壊れてしまったこともあって、模型飛行機を投げ捨てて走り去ってしまったのかな?って思うと、正彦のの長太郎やヒトミちゃん、公一、恵子ちゃん、明子、小百合、佐々木先生の前での冷静な言葉とその場を離れなければ収まらない怒りと悲しさを感じると、正彦のやり切れない気持ちを感じてしまいます。

「長太郎、早く謝れ」

「でも、もう、いいって、言ってるじゃん」

「長太郎!正彦はお前の友達じゃないのか?みんなもよく聞きなさい。いいか?友達というものはな、そうは簡単に出来るものじゃないんだ。正彦に頭下げて謝れ。飛行機もちゃんと修理して返すんだぞ。いいな」 

 正彦が走り去った後、佐々木先生は長太郎も含めて、そこに残ったみんなにも、友達の大切さを語っています。

家に帰り、長太郎が正彦の飛行機を修復していたところに、父ちゃんが質屋で見かけた田中さんを連れて帰宅してきます。田中さんは、父ちゃんの中学生時代の親友。父ちゃんと田中さんは、15年振りの再会です。

父ちゃんと田中さんの関係と、長太郎と正彦の関係が今回の話は少しシンクロしていきます。

田中さんは、父ちゃん曰く、スポーツも勉強も何でも出来た優等生だったとのこと。それを聞いた長太郎は、「正彦みたい」だと納得します。 

さて、父ちゃんは質屋で田中さんが抱えていたものが気になり、その中身を尋ねてあけてみると、立派な壷が出てきます。田中さんは工場を経営しており、新しいシステムをいれるのに、お金がいるから、壷を売りたいといい、それを聞いた長太郎は骨董品が好きな正彦の父親、父ちゃんの上司の部長に売ることを提案します。

夜中、長太郎がトイレに起きると、田中さんが壷の箱を抱えながら、何やら悩んでいる姿を見つけます。この時と、冒頭で質屋で悩んでいる田中さんの姿が、今回の話の事件に発展する一つの振りになっています。

翌日、父ちゃんは会社に壷を持っていき、正彦の父親は壷を見て、値打ちものだと喜んで、300万するものを50万で買える事で大喜びします。

学校へ行った長太郎は、正彦の飛行機の修理のことを聞かれ、昨日は父ちゃんの親友がきたので、まだ、修理が終わってないことを伝えて、走り去っていきます。

家に帰り、飛行機の修理の続きをしている長太郎の所に田中さんが来て、長太郎の飛行機の修理を手伝います。この時に、マッチを取り出して、長太郎に飛行機の修理のコツを教えながら、飛行機を直します。田中さんの器用さに感心する長太郎。直った飛行機を手に持って上に上げて動かしながら、田中さんは羨望の目をして呟きます。

飛行機はいいな。どこにでも自由にいけるんだから。

 この言葉は、その後の田中さんの胸中を知ると、じんわりとしてきます。翌日、直した飛行機を持って学校に行き、正彦に謝って手渡した長太郎に向かって、正彦が怒りを示します。正彦の父親が父ちゃんから買った壷が、元々、壊れていて、それを売りつけた長太郎と父ちゃんに対して、自分の父親を騙してお金を取り、恥をかかせたことを正彦は怒っているのです。

正彦の家は父子家庭です。自分のことでは、怒りを抑えた正彦が父親が騙されたことに関しては、クラスメイトのみんながいる前で、怒りを抑えなかったのは、正彦の父親思いの優しさを感じることが出来ます。正彦の中では、自分のことよりも母親が死んでから男手一つで育ててくれた父親が一番、大事な存在であることが分かるのです。

正彦に自分だけでなく、父ちゃんまで詐欺師扱いされた長太郎は、何がなんだか分からず、父ちゃんを詐欺師扱いした正彦に怒りを示します。長太郎にとっても、父ちゃんは大好きで大事な存在だからです。

長太郎と正彦。それぞれが、大事な父親の名誉の為に喧嘩をしてしまいます。全ては、田中さんの持ってきた壷のせいなのです。

父ちゃんの方でも、会社で正彦の父親から、壷が最近壊れていて、接着剤で直したもので、価値がないと言われたことを説明されて、父ちゃんは田中さんの言っていることと、上司でもある正彦の父親が鑑定を頼んでもらった結果の相違に戸惑います。

家に帰り、母ちゃんとてるほに事情を話し、50万円を直ぐに一括で出せない正彦の父親の足りない額を桜間家の預金から出したことを母ちゃんが言って、困っていると、てるほが今月の生活金の心配をして、壷を売るアイディアを出した長太郎を責めます。でも、その長太郎のアイディアはみんなが賛成したんですけどね。

田中さんの姿が消えて、父ちゃんは田中さんの経営する工場へ行き、田中さんの現在置かれている立場を知ります。今回の件で、長太郎も家族から責められますが、父ちゃんの親友の田中さんが起こした事件なので、やはり父ちゃんも責められます。田中さんを探す手がかりとして、飛行機を直してくれた時に使ったマッチの箱に書かれているお店から、田中さんの居場所を突き止めて、長太郎と父ちゃんは田中さんが戻ってくるのを待ちます。

父ちゃんは、こんな目にあいながらも田中さんを信じています。そんな父ちゃんの気持ちを聞きながら、長太郎はそういうものかな?というような顔をして聞いています。そこへ、田中さんが戻ってきて、父ちゃんは一瞬、笑顔を田中さんに見せるのですが、田中さんの申し訳ないような、悲しいような、なんとも言えない表情を見て、顔が少しだけ険しくなっていきます。父ちゃんと、田中さんの顔を見比べる長太郎。

少しの静かな時間の後、田中さんは、父ちゃんと長太郎の前から走り去っていきます。

追いかける長太郎。ついていく父ちゃん。お寺で水を飲んでいる田中さんを見つけて長太郎がつかみかかってきます。

よくも、父ちゃんを騙したな。俺の父ちゃんはな、今までおじさんが親友だからって、おじさんのことを信じていたんだぞ!この野郎!父ちゃんを裏切りやがって!

そこへ、父ちゃんが追いつき、田中さんに馬乗りになって責めていた長太郎をとめます。

「やめろ!長太郎!」

「父ちゃん!悔しくねぇのかよ!」

「もう、いいんだい」 

 田中さんは、起き上がり土下座して、父ちゃんに謝ります。壷を売る気はなかったことを、結果的に親友の父ちゃんを騙したことを。長太郎はそれを否定しますが、田中さんの壷を割ろうとしたという言葉を聞いて、長太郎は夜に壷を抱えていた田中さんの姿を思い出して、田中さんの言葉を信じます。

田中さんが工場が潰れたことを言わなかったことを父ちゃんは田中さんに言いますが、田中さんがその理由を言うと、父ちゃんは何も言わずに去っていきます。

田中さんの言葉を聞くと、父ちゃんが田中さんを親友だから、田中さんのことが分かると言ったのと同じように、田中さんも父ちゃんのことを理解していることが分かります。

それでも、だからこそ、田中さんのしたことは許せないことなのです。言葉では、田中さんは、

俺が全て悪いんだ 

 と言っても。その後で、田中さんはお金の整理がついて、父ちゃんに謝りにきて、お金を返しにきました。これで、一件落着となります。

26話との整合性がない

今回の話の落ち着き方に私は、首を傾げます。

それは、26話の話があるからです。26話の脚本が安藤豊弘さんで、今回が田口成光さんと脚本家が違うせいもあるかもしれませんが、同一の作品内で同一人物の言動、考えの違いを感じてしまうのは、どうなのだろうか?と思います。ちなみに、監督はどちらも山際監督です。

作品の人物の性格を5人の脚本家がいても、ずれることが殆どない『俺はあばれはっちゃく』だけに、今回の父ちゃんの友情に関しての僅かなズレは、小さいながらも敏感に感じ取れてしまいました。

26話で、長太郎と公一が喧嘩をした時に、父ちゃんが割れたお皿を例えに出して、友情の大切さを長太郎に話しましたが、それと同じように割れた壷と田中さんの気持ちがどうであれ、父ちゃんの信用を失わせた田中さんの裏切りが、割れた壷が完全に元通りにならなくても、友情は元通りになったという結果になったのに整合性を感じないからです。

父ちゃんは公一との友情が割れた皿と同じになる前に仲直りをしろといい、割れてしまうかもしれないところのギリギリのところで、友情を壊さなかった26話の長太郎と公一の時とは違い、今回の父ちゃんと田中さんの場合は、正彦の父親をも巻き込んで、実際の被害と裏切りをしています。

父ちゃんは、田中さんが謝り、お金が戻ってきたことで、元通りと笑っていましたが、本当にそうでしょうか。これで、正彦の父親も納得するのでしょうか。

話のラストでは長太郎が直した正彦の飛行機を持ってきて、みんなで川原で飛ばし、正彦も笑って長太郎を許しているように見えて終わっていますが、正彦の父親の気持ちは最後に出てくることありません。そこで、正彦の態度で推測するしかないのですが、最初に飛行機を壊された正彦の態度から見ても、これまでの正彦という人物を見ても、正彦の寛大な心があって許されたと思うしかないのです。

これは、父ちゃんにも同じことが言えて、親友の田中さんの置かれている状況や気持ちを知った上で、父ちゃんが田中さんがした裏切り行為を許した寛大な気持ちがこの事件を円満に解決したと私は思ってしまいます。

佐々木先生の言うように、友達は簡単には出来ません。信用を築き信頼を得るよりも、一度の裏切りで信頼を失うほうが簡単です。

今回、田中さんはちゃんと謝ってきましたが、それでも、信用を取り戻すことは難しく、相手が中学生時代からの親友の父ちゃんだからこそ、田中さんは許されたのだと思います。これが、巻き込まれて騙された正彦の父親だったら、田中さんのことは許さなかったと思います。

父ちゃんは上司の正彦の父親と常に会社で顔を合わせながら、田中さんのしたことを詫びて、何も知らんずとも自分が持ちかけたことで迷惑をかけたことを必死で謝ったと思うのです。父ちゃんが田中さんを笑って許した裏で、父ちゃんが会社で必死になって田中さんを庇いながら、上司の正彦の父親に詫びたのも、その後お咎めがなく、正彦が長太郎を受け入れたのも、全て父ちゃんの見えない責任感と優しさがあったと私は思います。

父ちゃんも被害者ですが、それでも父ちゃんはそれに対しては何も言わない。それは、きっと、田中さんが父ちゃんにとって、大切な親友にかわりはないからだと思うのです。

親友とは、そんなに簡単に出来ないし、切り捨てることも出来ない、大事な存在なのだということをこの話を通して感じました。

やめるな先生

アバンタイトル

今回は珍しく、佐々木先生も登場。正彦、ヒトミちゃん、恵子ちゃん、明子、小百合達もいて、みんなで川原でフリスピーをしたり、バトミントンをして遊んでます。主役の長太郎と、その親友の公一はというと給食の白衣とコック帽をかぶって、寸胴でご飯を作っています。

どうやら、みんなが遊んでいる間に、長太郎と公一はお昼ご飯を作っているようです。公一が文句を言うと、長太郎が

公一、俺たちはな、たまには人に喜ばれることしなくちゃ 

って諭します。まあ、この二人が作る料理がまともでは、ないのですが。二人の料理が出来て、さあ、食べるぞってところで、その招待が分かって落ち。

 本編

第33話。『やめるな先生』は、佐々木先生が学校を辞めてしまうかもしれないという話です。こうして、1979年の本放送と同じ日にちに『俺はあばれはっちゃく』を見返すようになって、私はある偶然に気がついてしまいました。

この33話が放送された日は、1979年9月29日でした。この放送から32年後の2011年9月24日に佐々木先生を演じた山内賢さんがお亡くなりになりました。

5日のズレがあるとはいえ、佐々木先生が去っていってしまうという話が放送された日に近い日に、佐々木先生を演じた山内さんが逝ってしまうなんて、こんな奇妙な悲しい一致があるでしょうか。

私は、過去記事でも何度か書いてきましたが、子どもの頃に一番好きだった『あばれはっちゃく』の登場人物は、佐々木先生でした。

いつもよりも、長太郎に厳しい佐々木先生。それは、長太郎の為だと佐々木先生は言いますが、長太郎にはあまりそれが分かりません。

今回は佐々木先生の家庭の事情が分かる回でもあります。佐々木先生のお父さんは佐々木先生が子供の頃に亡くなっていて、母子家庭であること。実家は浜松で鰻の養殖をしていること。12話で佐々木先生は、美玉中央高校出身だと分かるので、佐々木先生は高校生進学で故郷、浜松を離れたことも分かります。

佐々木先生は実家で年老いて体の具合の悪くなった母親の為に、学校を辞めて実家に戻る決意をするのですが、その決断は長太郎を筆頭にクラスメイト全員の心を悲しませます。

長太郎が佐々木先生を辞めさせないアイディア。クラスメイトの全員の写真を撮って、それを本にして、浜松の先生に手渡すこと。

浜松までの電車賃がないのに、悩んでいると、てるほが自分のお小遣いを、父ちゃんが小遣いを渡してくれます。こうして、長太郎の気持ちを汲み取り、何も言わなくても、黙ってサポートする、姉てるほと父ちゃん、母ちゃんの長太郎を見守る優しさと温かさ。

浜松まで新幹線で行き、佐々木先生の実家を訪ねてみても、佐々木先生は留守。長太郎は佐々木先生の帰りを待つ間に、佐々木先生のお母さんの話を聞きます。

この話を聞きながら、長太郎の心境が変わります。ただ、静かに話を聞くなかで、顔の表情、目の表情が変わっていくのです。

佐々木先生が家庭の事情で辞めることを校長先生から聞いたとき、長太郎は自分の中にある「佐々木先生に辞めないでほしい」という気持ちが大きく、佐々木先生が先生を辞めてしまうことをとても責めて泣いていました。

あの長太郎がです。正彦、公一、ヒトミちゃん達も落ち込んでいて元気がありません。佐々木先生は、それだけ子ども達から慕われ、愛されている先生です。私だって、佐々木先生に辞めてほしくないのです。けれども、佐々木先生のお母さんの話を聞いていって、

「絶対に佐々木先生を辞めさせないぞ」

と意気込み、連れ戻そうと来た長太郎の考えが変わるのです。そこには、長太郎が自分の寂しさ、悲しさよりも大好きな佐々木先生とそのお母さんの為に、自分の気持ちを抑えて、自分の我侭を諦める姿を見ることが出来ます。これがどれだけ、辛いことか。

長太郎は佐々木先生を連れ戻すことを諦めて家に帰ります。そして、入れ違いに佐々木先生が戻ってきて、佐々木先生のお母さんが長太郎が持ってきた、クラスメイトの写真を束ねたお手製の本を佐々木先生に渡します。

自分の教え子たちの写真を見て、佐々木先生は泣いてるような怒ったような顔をしています。

長太郎、余計なことを

佐々木先生の中でも、教え子達との別れは辛いもの。それをなんとか、乗り越えて、実家に帰る決断をしてきたのに、断ち切った未練を呼び起こされた怒りと、自分を慕って浜松まで来てくれた長太郎の気持ちの有難さが分かって、嬉しさと怒りが同時に湧き上がっていたんだろうなって思います。

そんな、佐々木先生の様子を見て、佐々木先生のお母さんは、

賢一郎、本当にこれで良かったのかい? 

 と問いかけます。私は、この話もまた忘れることが出来ない作品です。佐々木先生の人を見る目や長太郎に対する子どもが持つ、純粋で真っ直ぐな、大人になれば困難な性格に対しての憧れ、人を一辺倒の評判だけで判断せず、上司である校長先生の前でも、長太郎の良さをはっきり言う佐々木先生の姿、最初は自分の感情を優先していた長太郎が、自分の感情よりも、大好きな佐々木先生のことを考えて身を引く優しさがあって。

この話では佐々木先生は戻ってきてくれますが、今はもう、佐々木先生を始め、歴代の長太郎の先生を演じてくれた山内さんはこの世にはいません。

けれども、こうして何度でも映像の中で会うことが出来るし、私や子どもの頃に『あばれはっちゃく』の先生に出会った人達の思い出から、佐々木先生が消えることはありません。

いつまでも、いつまでも。

子どもを育てる難しさ

アバンタイトル

川から巨大な桃が流れるところから始まったアバンタイトル。今回は昔話。長太郎も鬘をつけて着物をきており、ついてくるドンペイはほっかむりをしています。ドンペイ、いつもに増して可愛い。

大きな桃をみつけて駆けつけた長太郎はさっそく川辺まで運んで、大きな斧でいきなり桃を割ってみると中から、赤鬼が登場。この赤鬼、実は長太郎の姉、てるほなのです。

島田歌穂さんは、DVDBOX2の解説書にあるインタビューで、赤鬼の姿になったことも含めて、『俺はあばれはっちゃく』でいろいろなことをやったことに対して、このように話されています。

島田:それまではお姫様タイプだったり象徴的な役が多かったんですが、はっちゃくではいろいろな格好もしましたし、水や粉もかぶりましたから、女優として何があっても怖くないっていう度胸みたいなものを学んだと思います。良い修行をさせてもらったとも言えるでしょうね。 

 9月19日の記事で、『俺はあばれはっちゃく』のメイン監督だった山際監督の島田さんに対しての言葉を紹介しましたが、山際監督が島田さんを「お嬢様でおとなしい」と評価されていたのと、合わせて島田さんのインタビュー記事の言葉を読むと、島田さんが『俺はあばれはっちゃく』の中で、役者として成長出来たと感じるのです。

本編

今回の脚本は安藤豊弘さん、監督は山際監督です。

今日も元気にランドセルを投げて学校から帰ってきた長太郎、いつも以上にランドセル投げが決まって、ご満足。

なぜか、父ちゃんが家にいて何かを作っています。父ちゃんは会社を早引きしてきたようです。

父ちゃんがおもちゃ箱を作っているのを見て、何かを悟った長太郎は父ちゃんを冷やかし、母ちゃんの体を気遣います。

どうも、長太郎は母ちゃんが妊娠したと思ったようです。

しかし、この時の長太郎の父ちゃんに対しての冷やかしの顔の表情を見て、言葉を聞いていると、父ちゃんがスケベな人に見えてしまいます。小学5年生の長太郎ですが、どうやって妊娠するかを正しく知っているようですね。

父ちゃんは、後輩の岡一平の娘マユミちゃんのためにおもちゃ箱を作っていると答え、長太郎の早とちりに、父ちゃん、母ちゃん、てるほに呆れられます。

しかし、兄になれると思っていた時に、母ちゃんに対して、買い物から帰ってきたてるほを指差しながら言う言葉は、よくも、まあ、てるほの前で言えたものだと思います。

「母ちゃん、産むんなら妹のほうを頼むぜ。ただし、こんな勉強のゲジゲジ虫じゃなくてさ、可愛い妹を産んでくれよな!

画面手前にいる長太郎と母ちゃんの後ろで、いきなりの長太郎の言葉に唖然とするてるほの顔がなんともいえません。怒りより、何が起きてるのか?という感じでしょうか。

さて、長太郎は父ちゃんが作り上げたおもちゃ箱を一平さんのところへ届けにいくのですが、いきなり夫婦喧嘩の場面に出くわしてしまいます。

家に戻ってきた長太郎の話から、一平夫婦の喧嘩はいつものことだということ。そこから、長太郎の赤ん坊時代の話に花が咲きます。アルバムの長太郎の写真は白黒写真で、時代を感じます。1979年はすでにカラー写真が一般的になっていますが、長太郎がうまれた11年前(『俺はあばれはっちゃく』は少し時間の捩れでてしまいますが、放送されていた1979年の設定になっていますので、長太郎の生まれた年は1968年だと推測され、この頃は白黒写真のほうが主流でした。現在、50代の方達の赤ちゃんの頃の写真は白黒写真が多いと思います。私の知り合いの50代の方も赤ちゃんの頃の写真は白黒でした)

翌日、一平さんが父ちゃんに妻のなつこさんが実家に帰って戻らないことを相談して、マユミちゃんを預かるから、なつこさんを連れ戻して来いと言ってマユミちゃんを預かるのですが、マユミちゃんはドンペイ以外になつかず、長太郎が遊び相手をしても見向きもしません。懐かずしゃべらないマユミちゃんに手を焼く長太郎。

そんな長太郎に対して、父ちゃんは言います。

「しかし、マユミちゃんも変わっているよな。俺にも姉ちゃんにも、ぜんぜん口きかないんだぜ」

「それはな、小さい子の扱い方があるんだよ。おめぇ達が下手なんだよ」 

 夜、長太郎の部屋で並んで寝ているマユミちゃんの布団の乱れを直して眠る長太郎。翌朝、マユミちゃんの泣き声で目が覚めます。謝りながら泣くマユミちゃん。マユミちゃんはおねしょをしてしまったのです。マユミちゃんを慰め自分がしたことにして、布団を干した長太郎を、公一が見つけて教室の黒板におねしょの跡を描いて、クラスの皆で笑います。長太郎はそれを否定せず、派手にやったと自慢しますが、休み時間に佐々木先生には事の真相を話します。

「なるほど、あのオーストラリアのおねしょ地図を描いたのは、本当はそのマユミちゃんって子だったんだ」

「そうなんだよ、メソメソしていてうるさいから、俺がやったってことにしてやったんだよ」

「はは、しかし、それはいいことかもしれないな」 

「いいこと?」

「うん。マユミちゃんって子の心を開くきっかけになるかもしれないからな」

「どうだか!」

「いや、小さな子の心っていうのはな、ちょっとしたきっかけで、大きく変わるものなんだ」

 長太郎が家に帰ると、マユミちゃんは両親が迎えに来て帰った後でしたが、マユミちゃんは、ドンペイに会いたくて長太郎の家に戻っていこうとします。長太郎の家に行く途中で迷子になり、ヒトミちゃんが見つけて保護します。長太郎と公一とドンペイに会ったヒトミちゃんとマユミちゃん。公園でマユミちゃんの面倒をみて家に帰るように言いますが、マユミちゃんは嫌がります。

マユミちゃんは喧嘩ばかりしているパパとママが嫌いで、家にいてもつまんないと言います。登場した時から、無愛想で無口で無表情で、おねしょをした時に泣きながら謝るマユミちゃんを見ていると、両親の不仲が幼いマユミちゃんの心をいかに傷つけていたかが分かります。一平夫妻の夫婦喧嘩は、マユミちゃんへの児童虐待だったのです。

公園でマユミちゃんの扱いに困っていると、ポータブルゲーム機を持った正彦がやってきて、長太郎達がゲームに夢中になっている間に、マユミちゃんはドンペイとどこかへ行ってしまいます。気がついた長太郎達はマユミちゃんを捜しだし、川で流れているマユミちゃんを見つけて、長太郎が川に入って助け出します。

マユミちゃんがいなくなり、捜していた一平夫婦は長太郎の家に来て、父ちゃんに相談していたところに、マユミちゃんを助けた長太郎が帰ってきて、父ちゃんはいきなり長太郎を殴ります。これは、父ちゃんの早合点で長太郎がマユミちゃんを連れ出したと思ったからです。

しかし、川で助けた時にマユミちゃんの本当の気持ちを聞いた長太郎は、一歩も怯まず、マユミちゃんの寂しさを伝えます。マユミちゃんも父ちゃんの暴力から長太郎を守ります。マユミちゃんの心を知った一平となつこさんは、マユミちゃんに謝り、3人で家に帰ることに。お別れの時にマユミちゃんが長太郎の頬にキスをしたのをみて、長太郎に対してもマユミちゃんが心を開いたのを感じました。

3人を見送りながら、いきなり殴った父ちゃんに「酷い」と言った長太郎に、素直に非を認めて謝った父ちゃん。この開かれた桜間家の親子関係がいいですね。

今回は、親の影響が良くも悪くも子どもの心理に大きな影響を及ぼし、人格や心を傷つけてしまう怖さを感じた話でした。両親が絶えず夫婦喧嘩をすることで、他人とのコミュニケーションが取れなくなり、対人関係を築くのが難しくなってしまうケースもあることを知ると、親としてのあり方はどういうのが、子どもにとって良いものなのか?と思い、それを含めて子どもを育てる難しさ、苦労を感じました。

歌穂さんの誕生日

歌穂さんの誕生日

今日は『俺はあばれはっちゃく』で長太郎の姉、桜間てるほを演じた島田歌穂さんのお誕生日です。

島田さんのお名前を知ったのは、『がんばれ!ロボコン』を再放送で見た時です。

島田さんは、今もテレビ、ラジオ、舞台、旦那様でピアニストの島健さんとの歌のコンサートと歌手として、俳優として、ミュージカル役者として幅広く活躍されています。

こらからもお元気で、ますますのご活躍を期待しています。

昔、『俺はあばれはっちゃく』のメイン監督で『男!あばれはっちゃく』の初期監督だった山際永三監督とお会いしてお話をした時に、山際監督は島田さんに関して、てるほを演じていた時は、

「お嬢様なところがあって、おとなしかったところがおしかったけれど、あれだけ大成するなんて、すごいね」

って話されていたのを思い出します。

島田さんも、子役の端境期を経験されて、紆余曲折がありましたが、こうして長く活躍されているのが、とても嬉しいです。

島田歌穂さん、お誕生日おめでとうございます。

新しいオープニング

オープニング映像変化

31話でオープニング映像が変わります。これまでは長太郎が一人で踊っていたのが、長太郎がローラースケートで走り、その後、家からドンペイと一緒に散歩にでて、父ちゃんを皮切りにみんながいるところを颯爽と走って生きます。

オープニングで出てきたローラースケートは本編で、初登場してきます。

アバンタイトル

時代劇の撮影所のようなところで黒ずくめの忍者に扮した長太郎。

そこへ白装束の公一が出てきて、毬栗を長太郎に浴びせて

いが忍者

と駄洒落で落ち。

本編

長太郎が家に帰ると、見知らぬ爺さんが音楽かけて踊ってます。

もちろん、長太郎は怒るのですが、プレゼントされたローラースケートであっさり懐柔。

8話でも、おふでさんというおばあさんに降りまわされた桜間家ですが、今回はこの爺さんに振り回されてしまいます。

しかも、この爺さん、父ちゃんと母ちゃんの仲人で、大工の父ちゃんの師匠なんですって。

おふでさんも、父ちゃんの知り合いだったんですが、父ちゃんの知り合いの老人って、長太郎以上にお世話がせで、迷惑かけるんです。

今回は、夜中にラジカセで音楽かけて、ダンス踊っているし。

今回は、図工の授業で本立てを作る宿題がでるのですが、ヒトミちゃんを始めとして長太郎の友達はみんな、この宿題に文句がタラタラ。

正彦なんて、

 鉛筆以外持ったことないのに、

 という始末。

ここで、ヒトミちゃんの閃いたが飛び出します。

長太郎も台詞をとられて文句をいっています。

長太郎以外の閃いたは、母ちゃんも使いますが、ヒトミちゃんの閃いたは初で珍しいですね。

長太郎は、みんなにおだてられて、図工の宿題を引き受けるのですが、ヒトミちゃんの庭にある木のテーブルの上で、作業をした結果、そのテーブルに板を釘づけにしていまい、ヒトミちゃんの家のテーブルを台無しにして責められて、じいさんに助けを求めてきます。

なんとかお願いして、直してもらった長太郎。

それにしても、長太郎と公一に任せっぱなしにして、ゲームして飲み物飲んでいるなんてヒトミちゃんも人が悪い。

めでたく、ヒトミちゃん家のテーブルを爺さんに直してもらって、家に戻る爺さんと長太郎、そこに、爺さんの息子が爺さんを迎えにきています。

なぜか爺さんは、大工道具を持たないと頑固なんですが、長太郎の素人手つきに我慢ならずに、テーブルを直したり、長太郎が探して見つけた時にも家を建てているのを見て、感心していたり、そこはそうした方がいいと言ってみたりして、大工仕事をしないと決めていながら、大工仕事に対して未練があるようです。

で、爺さんの息子さんが来たことで、爺さんが大工仕事を引退して、息子の世話になるということで、爺さんは大工仕事をやりたいと思いながらも、諦めなければいけないから、意地を張っているようです。

父ちゃんと爺さん、爺さんの息子の話し合いから、大工仕事をやめて帰るという展開になり、図工の宿題をやってもらう約束をした長太郎は、爺さんの大工仕事への気持ちを無理に押し殺して、息子のいいなりになるのを阻止して、犬小屋作り勝負をけしかけます。

爺さんの息子は、大工仕事に偏見があるようで、爺さんは長太郎の言葉と、息子に大工仕事を見せたいことから、長太郎の勝負を引き受けます。

翌日、長太郎はヒトミちゃん、恵子ちゃん、公一、正彦とチームを組み、爺さんと犬小屋作り対決をするのです。

それを見ている父ちゃんは、長太郎を応援したり、親方の師匠爺さんを応援したりと忙しく、一緒にみていたてるほに

どっちを応援しているのよ 

 といわれる始末。

爺さんが犬小屋を丁寧に作り上げている姿を見ている爺さんの息子の態度と目が、みるみる尊敬の目に変化していくのが、見ていて素晴らしかったです。

大工仕事を馬鹿にして、年齢を重ねた父親に仕事は無理だと思い込んでいた息子が、軽蔑の目から尊敬の眼差しになっていて、その驚きの変化の中に、父親への尊敬が見えました。

そんな親方父子の姿に、父ちゃんが長太郎も親孝行しろっていい、父親に仕事をさせることが親孝行と死ぬまで仕事をさせてやると返す長太郎に父ちゃんが突っ込みます。

これは、長太郎流のジョークですが、現代、2017年では親の脛をかじらないと生活が難しい時代になったので、(働いていても実家住まいも含めて)今では笑えないジョークになってしまいました。

悲しいですね。

最後の締めで、長太郎がいつものお決まりの台詞をいうのですが、それを爺さんにとられてしまいます。

「今日もあばれるぞ!」 

「じいさん、それ俺のセリフ」

今回は、ヒトミちゃんの「ひらめいたわ」から始まって、最後の締めまで、セリフを取られてしまった長太郎でした。

親が仕事をする姿、年齢で出来なくなるという偏見で人のもつ可能性を小さく見てしまう愚かさ、職人の仕事への拘りの大切さを感じた話でした。 

登場人物の性格が一言で

アバンタイトル

海の中をパジャマで泳ぐ長太郎と、ひとみちゃんが乙姫様の姿になって、玉手箱を渡してという、少し浦島太郎を思わせるアバン。

玉手箱をあけて、そこで夢から覚めるというものになってます。

このアバンも含めて、7月7日の七夕でみた長太郎とヒトミちゃんが彦星と織姫になって天の川で会うという長太郎の夢もそうでしたが、長太郎が水関係の夢を見て、起きると寝小便というのが出てきます。

水関係の夢、寝小便というのは定番ですが、それぞれ夢落ちになってます。

本編

今回の主人公は恵子ちゃん。ドンペイの散歩中に、恵子ちゃんが廃品回収の軽トラックをバックの誘導案内をしているのですが、長太郎に声をかけられて、「ストップ」を言いそびれて、軽トラックがブロック塀にあたって、ブロックや電柱が大破します。

しかし、豪快な大破だなあ。

運転手のおじさんが出てきて、そこへおばさんが駆けつけ、おじさんに文句をいいますが、この二人は夫婦。

おばさんがおじさんの運転を非難しますが、おじさんは恵子ちゃんの誘導が悪いと弁解します。

でも、恵子ちゃんは長太郎と逃げた後。恵子ちゃんは罪の意識を感じますが、長太郎は目の悪い恵子ちゃんにバックの誘導を頼んだのが悪いと、恵子ちゃんを励まします。

でもなあ。メガネかけてたし、目の悪いことは関係ないような。

場面変わって翌朝、長太郎が早起きして、父ちゃんのために鰻をとりに川へといきます。

これまで出てきた場面描写で、初代『俺はあばれはっちゃく』の舞台は神奈川県だと推測できるのですが、神奈川県の川に鰻なんているのかな。

さて、長太郎は川原で小さな男の子に出会います。この男の子が今回の話の騒動の原因の山田一郎君なんですが、この男の子に恵子ちゃんが絡み、冒頭の夫婦が一郎の両親でこの二人も絡んできます。

さらには、川原に行く途中で出会った御なじみの巡査山本さんが追いかけている配達された牛乳が盗まれる事件も絡んできます。

牛乳が盗まれ、それが犬を連れていた男の子ということで、ドンペイを散歩させている長太郎が疑われてしまうのですが、長太郎は無実。

翌日、学校で長太郎が鰻をとるコツを蛇のおもちゃを使って再現。教壇で正彦、公一や他の男子クラスメイトに話して聞かせます。

この教室での場面。長太郎たちの手前では、ヒトミちゃんと明子、さゆりがあやとりをして遊んでいます。

さらに、長太郎の後ろにある黒板には、ドラえもんの絵が描かれているのです。

『俺はあばれはっちゃく』は2月3日に放送が始まって、この話で30話ですが、同じ年1979年、『俺はあばれはっちゃく』放送開始から2ヶ月後の4月から、同じテレビ朝日で『ドラえもん』(大山のぶ代版)の放送が開始されたのです。

あばれはっちゃく』シリーズが終わるまで、『あばれはっちゃく』と『ドラえもん』は私が子ども時代にテレビ朝日で放送されていた人気子ども番組でした。既に子どもの人気番組であった『あばれはっちゃく』に『ドラえもん』を登場させたのも、同局の人気子ども番組だったからと思います。また、この話以外にも、初代の後も、『ドラえもん』はちょくちょく出てきます。特に4代目『痛快あばれはっちゃく』が多いです。

 

さて、長太郎の鰻の知識に学校では教えないことは詳しいと言うのが正彦なのが、教室での勉強が出来るのは正彦、教室の勉強以外のことが出来るのは長太郎だということが、正彦の呆れ気味に褒めているんだか、けなしているんだか分からない一言で表現されているのが、面白いですね。

調子にのり、悪ふざけをしてヒトミちゃんたちに、蛇を生きているように操って驚かしにきた長太郎は、窓際で佇んでいる恵子ちゃんにまでちょっかいを出して取っ組みあいの喧嘩に発展します。

体格のいい恵子ちゃんと細身の長太郎。いくら恵子ちゃんが体格が良いといっても、女の子相手に取っ組み合いの喧嘩を始めるとは……。正彦が真っ先に恵子ちゃんへ声をかけて止めに入ってます。正彦らしいですね。

いつもの休み時間ならば、ヒトミちゃんは恵子ちゃんと一緒のことが多いのですが、今回の話の主役の恵子ちゃんが一人休み時間に孤立していて、悩んでいるということで、今回は明子と小百合とヒトミちゃんはあやとりをしていたわけですね。

恵子ちゃんと長太郎の喧嘩にクラスは騒ぎ、佐々木先生が駆けつけ、正彦が事の経緯を説明して佐々木先生が長太郎を叱り、恵子ちゃんに謝らせますが、頭を下げた先で舌を出している長太郎を見ると、言葉と気持ちは裏腹のようです。

普段の恵子ちゃんらしくない態度に、長太郎、ヒトミちゃん、公一、正彦、明子、小百合がそれぞれに心配の声をあげるのですが、明子は恋の悩みがあると言うのですが、公一の給食を残していたという目撃談から恵子ちゃんが無理な減量をしていることからくる栄養不足であると正彦が言い、小百合が無理な食事制限の弊害を言い出します。

恵子ちゃんの様子を真剣で深刻に心配する長太郎達ですが、彼らのこの推測は当たってなく、明子の恋の悩みも違います。

長太郎は減量による栄養失調も恋の悩みも違うという、自分の勘を言いますが、この時点では恵子ちゃんの不調の原因が分かりません。

学校から戻ってきて、恵子ちゃんの姿を見て、川原で空の牛乳瓶を見たことで、牛乳泥棒の疑惑を恵子ちゃんに持った長太郎は、翌朝、確認をとります。

ここで、恵子ちゃんが元気のなかった理由と長太郎が山本さんにかけられた牛乳泥棒の事件が繋がり、さらには長太郎が追いかけた一郎君を一郎の家まで追いかけたことで、廃品回収のおじさんが一郎の父親であると判明して、恵子ちゃんが元気をなくしたのも冒頭のバック誘導失敗にあることが分かります。

このバック誘導失敗事件のお陰で、おじさんは壊した電柱の弁償を電力会社にしないといけなくて、おばさんと喧嘩別れ、仕事もクビになって、仕事をしなくなり酒びたり。一郎君が拾ってきた犬も捨てるように言われてしまい、一郎君の家を目茶目茶にした理由を感じて、一郎君と犬の世話することになった恵子ちゃんは悩んでいたという、恵子ちゃんの責任感を強く感じます。

小学生の恵子ちゃんがそこまでと思いますが、事情を長太郎に話すことになり、恵子ちゃんは長太郎にも責任があると言います。そのとおりなんですが、ここで恵子ちゃんも一郎の父親と同じでやっぱり人のせいにしちゃっているんですよね。

原因は確かにそうだけど、声をかけられたのは事実だけど、すぐに仕事に戻らなかった恵子ちゃんは悪くなかったのかと、それと犬の世話のために、牛乳や長太郎がとった鰻を盗むのが許されるかというのは別問題なんですよね。

悪いことは悪いんだぞ 

 長太郎はそう言いますが、これは長太郎が正論で長太郎がいたずらはしても、「悪いこと」と「良いこと」の区別がある少年であることが分かります。

今回の脚本は田口成光さんなんですが、教室での正彦の短い言葉や、長太郎のここでの言葉でも分かるように、一言で彼らの持つこれまで描かれていた、性格やクラスでの立ち位置、視聴者が感じている彼らの印象を端的に彼らの言葉や態度で表しているなって感じます。

これは、田口さんが長太郎や正彦などの性格の特性を的確に持って脚本を書かれていたのではないかなって思います。視聴者が持っているドラマの人物達の性格を脚本家が明確に理解しているのは、当然かもしれませんが、複数の脚本家でなくても、ドラマの登場人物の性格がブレてしまう作品があっても、『俺はあばれはっちゃく』にそれを感じないのは、複数の脚本家、監督を始めとするスタッフの間で、しっかりとドラマの人物達の性格の把握が出来ているのだなって感じます。

恵子ちゃんの話を聞き、自分にも責任があることを感じた長太郎が、ちり紙交換をしながら、出ていった一郎の母親探しも始めます。

一郎の母親が見つかり、そこで恵子ちゃんのせいにしたおじさん、長太郎のせいにした恵子ちゃんと違って、今回の事件の一番の原因は酔っ払い運転をしていたおじさんにあるとして、謝ってきた恵子ちゃん達を許しています。

おばさんがおじさんに反省を促すためにした家出のやり方はよい方法ではありませんでしたが、ここでようやくまともな大人が出てきたと感じました。

何かの失敗を誰かのせいにして、罪の意識や責任から逃れようとする心理は分かりますが、他人のせいにして逃れるのは何か違う。

人間は失敗をしてしまうけれども、その失敗を受け止め、罪を償う姿勢が大事なんだと感じました。

一郎の父親が調子がいいなって思います。おじさん、事件を起こして酔いつぶれてクダを巻くだけで何もしてない。弁償をしないといけないという責任もおばさんが出て行った原因が自分にあることも、長太郎と恵子ちゃんが動かなければ何も感じなかったと思うと、本当に母ちゃんと父ちゃんが言うように、長太郎の父ちゃんと母ちゃんの良さが分かりますね。ここでも、これまで父ちゃんと母ちゃんを見てきた視聴者の気持ちを、父ちゃんと母ちゃんの一言で表していて、やっぱり今回の話は、これまでのみんなの印象をそれぞれに言わせた一言で表現していた話だったなって思います。