第39話でヒトミちゃんが言った台詞。なんというか、今までは主に学校の中というか学校の延長線上の子供の世界での騒動が主だったけど、大人の世界、しかも長太郎を良く知らない大人たちの世界の中に長太郎が飛び込んでヒトミちゃんの為に、その大人達から酷い目にあいそうになる。
それを見たヒトミちゃんが堪らず叫んだ言葉はなんだか印象的でヒトミちゃんの台詞の中では一番好きな台詞だ。そう、なんというか大人の世界に紛れ込んだ子供が必死になって相手の事を思いやっているように見えて。
普段のヒトミちゃんだったら、長太郎のすばしっこさも知っているだろうし簡単に捕まらないと分かっているから安心するだろうし、もし、捕まったりしても「だらしないのね」なんて悪態もつくかもしれない。けど、この時のヒトミちゃんは自分の為に来てくれて自分の我が儘の為に大人達に追いかけ回されている長太郎を見て、心配で心配で仕方がなかったんだと思う。
「長太郎君をいじめないで!」
あの中で長太郎という人物の中身(性格)をよく知っていたのはヒトミちゃんだけだった。ヒトミちゃんだけが長太郎の人の良さも長太郎が悪くない事も知っていた。長太郎の良さを誰も知らない(ヒトミちゃんのママでさえも長太郎の事はあまり好ましく思っていない)中で、ヒトミちゃんは叫ばずにはいられなかったんだと思う。
2人が逃げ切った後、かなりロングから映した映像で長太郎がヒトミちゃんの手を取って駆けていくのが何とも愛おしい。
「行こう!」