柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

手に負えない暴れん坊

 『俺はあばれはっちゃく』は長太郎の暴れぶりや非常識さに周りが振り回される話もあるが、意外とゲストの年下の人物か年寄りに長太郎が振り回される話が多い。

 第1話、第10話の朝比奈元之介、第8話のおふで婆さん、第9話のマサミ(1年生の男の子)とその母親、第16話のブンタとその祖母、第17話のタマエ(同学年)、第28話の信如とその父親、第31話の源兵衛、第32話のマユミ、第36話のアユミ、第47話のエミリー、第51話の二郎。

 思いつくだけでも全56話のうち12話ほどある。特にアユミとエミリーは物凄く長太郎でさえ手を焼くほどだった。マユミと二郎の時は長太郎の面倒見の良さが誤解されて父ちゃんに殴られたり、怒鳴られたりしたのが気の毒だった。マサミ、ブンタ、信如の時は親子セット(ブンタは祖母だが)で振り回されたが、この3組は超過保護の家庭で子供が長太郎を気に入っているという共通点があった。マサミの母親とは理解し合えなかったが父親が長太郎に好意的で理解があったし、ブンタと信如は最終的に親とも理解出来た。年寄りが相手だと年の甲か相手の方が一枚上手で長太郎の方がやり込められる事が多かった。長太郎が勝てたのは朝比奈氏だけだったのではないかと思う。

 他にも、第30話とか長太郎に身に覚えのない泥棒の濡れ衣をかけられて可哀相だったが、こうした問題が周りで起きると必ず長太郎の仕業だと思うほどに悪戯と暴れぶりが定着していたのだろう。しかし、いくら長太郎の悪戯が過ぎるにしてもいくらなんでもそんな事はしないだろうと思う事でさえ疑われたりするのは見ていてあんまりだと思った話もあった。(第42話)

 長太郎が怒ったり謝らなったりするのは理不尽な事だったり、大切なものを馬鹿にされたり(特に父ちゃんと母ちゃん)、自分の中の正しい事を否定されたりした時で彼の中で道理が通っていた。また、父ちゃんが長太郎を怒る時も(時に八つ当たりや勘違いがあったが)長太郎が人の心をないがしろにしたり、直接的に長太郎の責任ではないにしろ責任を取らなければいけない時、分かろうとしなかったりした時で、父ちゃんも母ちゃんも長太郎に優しい子になって欲しかったんだろうなと思う。

 自分の気持ちに正直で曲がった事が嫌いで理不尽な事に腹を立て、行動力をもって困難な出来事に立ち向かっていく。こうした長太郎は33話で佐々木先生のいうように理想的で憧れの対象かもしれない。そして、その生き方が難しくだからこそ憧れであると分かった今の私には子供の頃分からなかった父ちゃんや佐々木先生の気持ちが今になって理解できる。