柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

お母さん、さっきはごめんね

利昌さんの死で亀裂の入った新ちゃんと一貫の仲が元に戻ったきっかけが涼子さんが依頼した犬の結婚衣装でした。新ちゃんが涼子さんから取ってきた仕事を霧子と袖子さんは相手にしなかったのを一貫が犬の衣装を作ってくれる人を探してきて、それがきっかけで新ちゃんと一貫は仲直りをします。それまで、新ちゃんは一貫が清水家に戻ってきて仕事を手伝い始めた事に対して批判的で一貫に対して暴言を吐き、袖子さんから叩かれています。「謝りなさい!叔父さんに謝らなかったら、お母さん、承知しないわよ!」

新ちゃんと袖子さんは一貫の事で気まずくなり二人の仲も悪くなってしまいますが、涼子さんの犬の衣装の件がめでたく解決したその夜、新ちゃんは寝る前に自分の部屋を後にする袖子さんに向かって、布団で顔を隠して照れながら「お母さん…、さっきはごめんね」と謝ります。この時の新ちゃんの言葉を聞いた時の袖子さんの胸がいっぱいになる顔を見ると、袖子さんが心底ホッとしたんだな思うのです。袖子さんは新ちゃんに厳しく当たっていましたが、それは新ちゃんが憎いからではなくて、新ちゃんが意地悪になってしまうのが嫌だったからだと思います。新ちゃんが利昌さんの死を悲しんでいるのは袖子さんも分かっていて、袖子さんもまた利昌さんの死を悲しんでいましたが、その悲しみから新ちゃんが一貫を憎んだり、一貫の心を傷つけてしまう人間になってしまうのが嫌だったと思うのです。

新ちゃんは基本的には頭が良くて優しい男の子です。新ちゃんがそういう子になったのは、利昌さんと袖子さんがそういう子に育てたからだと思います。新ちゃんが生まれる前に袖子さんは新ちゃんの実の父親である今井さんに捨てられています。この時、新ちゃんを身籠っていた袖子さんは深く傷ついたと思います。それを利昌さんが助けてくれた。袖子さんは新ちゃんには人を傷つける人にはなって欲しくはなかった。利昌さんのように優しい子に育っていって欲しかったと、袖子さんではなくても、母親なら誰でもそう思うと思いますが、特に袖子さんの場合は新ちゃんに実の父親のような人を傷つける人間ではなく(と言ってもなんであの今井さんが袖子さんを捨てたのか不思議なのですが)育ててくれた利昌さんのような人の心の傷を癒してくれる優しい人になって欲しかったという思いが強く、新ちゃんが相手が悪ければという理屈でその心を傷つけてもいいんだという人間になるのは忍びなかったのではないかと思うのです。

新ちゃんが寝る前に謝ってくれた時、袖子さんが胸がいっぱいになったような顔をしたのは、新ちゃんが意地悪な人間になんかにはならないだろうという安心感と嬉しさと、謝れる優しさをちゃんと持っていて、自分の悪かった事を反省出来る人間、そういう人間に育っている事を確認出来たからだと私は思います。「お母さん、さっきはごめんね…」ほんの一言の短い言葉。この言葉にどれだけ袖子さんが救われたかと思うと私も袖子さんと同じように胸がいっぱいになるのです。

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