柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

お父さん

前回の記事で紹介しましたが、新ちゃんが死んだお父さんの利昌さん代わりに参観日に来るはずの一貫を待ちながら、休み時間にお父さんと談話をしている級友たちを羨ましそうに見ている場面があります。前にも書きましたが、ドラマを見ているとどちらかと言うと新ちゃんは、お父さんっ子だったと思います。利昌さんが死んだ時に一番悲しんだのは新ちゃんでした。

清水家は一貫とその兄で新ちゃんの父親の長男利昌さん、一貫の弟の小太郎、妹で高校生の霧子、利昌さんの嫁で新ちゃんの母親の袖子さん、そして新ちゃんがいます。まだ、高校生の霧子は家にいますが、一貫と小太郎はそれぞれ好きな事を見つけて家を出てしまいます。家業を継いだのは長男の利昌さんで弟達と家業を盛り上げていこうとしていたのに、二人が勝手に出ていって好き勝手な事をしているので、弟二人はもういないものだと思って、あまり思わしくない家業を一人で切り盛りしていました。新ちゃんはそうした利昌さんをみて育ってきたので、利昌さんがどれだけしっかりしていて頼もしいか、どれだけ大変な思いをして仕事をしているかを知っています。新ちゃんは二人の叔父の事を嫌ってはいなかったのですが、そうして苦労していた利昌さんを知っていて、かつ、その利昌さんの死の原因を作った一貫が調子に乗って、利昌さんが経営していた時よりも店を大きくしてやると言ったのが癪に障って、「中叔父さんなんかにお父さんの代わりなんて出来ないんだよ」と言葉に出したのだと思います。

「叔父さんが家の仕事を手伝うのは当然さ、叔父さんのせいでお父さんが死んじゃったんじゃないか!」

新ちゃんはそういって利昌さんが死んでからしばらくは一貫を否定していました。だからこそ、参観日の作文で新ちゃんが一貫の事を感謝していると書いてくれたことは、一貫にとってはとても嬉しいことだったのです。また、第33話で一貫が誤解して清水家を去ろうとした時も、新ちゃんが泣きながらそれを引き留めたのも、そうした一貫と新ちゃんの経緯を知ると感慨深いものがありました。

お父さんがいなくて寂しい顔をしたのは新ちゃんだけではありませんでした。『鉄人タイガーセブン』の次郎も同じように寂しい顔をしていました。次郎は新ちゃんよりも幼く、まだ7歳。既に両親はなく姉のジュンと二人、滝川家に引き取られて育てられました。次郎は滝川家の剛(本作の主人公でタイガーセブンに変身する)を兄のように慕っていましたが、ムー原人に襲われた夢を見た時にその夢の中で剛が助けれなくてショックを受けます。夢の中で次郎を助けてくれたのは死んだ次郎の父親でした。「父さん!」夢の中で懐かしい父親と再会した時の次郎はとても嬉しそうでした。

「父さんだけだよ。僕を助けようとしてくれたのは」

次の日、登校途中で父親と登校する同世代の子供の姿を次郎は少し羨ましそうに、そして、どことなく寂しそうに見た後、道すがら花を摘みながら、学校ではなく父親のお墓の方へ行ってしまいます。新ちゃんも次郎も普段はしっかり者で明るくて元気な子なのですが、二人ともに父親がなく時々それで寂しい思いをして切ない顔をします。そんな二人の顔を思い出すと長太郎は父ちゃんがちゃんといて一緒に笑えていいなぁ。良かったなと思うのです。

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