柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

一枚上手

 楓さん、涼子さん、小太郎がアイスクリーム屋ピット(どう見ても『31』なのですが)を開店し「制服から可愛い服に着替えてすぐに遊びに行ける」というのを売りにして同じ店で中高生相手にレンタル服屋も始める。しかし、第23話で服屋の方は学校のPTAに目をつけられて苦情がきてしまう。ここで一貫がなんとか頑張って「ピット」を学校公認の店にするのだが、この時制服の事を否定して私服の良さをアピールした為に学校では私服が許可される。

 得意顔で学校公認の店にしてきた、と言う一貫にその説明を聞いていた清水家の人達。皆が事の顛末を聞く笑ったり感心する中で一人冷静に、冷ややかに突っ込んだのが新ちゃんだった。当然、一貫は聞き返す。

「馬鹿みたい」
「なんで?」

すると、新ちゃんは極めて的確にそしてすぐに分かる事を口にする。

「だって、その学校、制服止めるんだろ?だったら生徒は来ないよ。決まってるじゃないか。制服着させられているから他のものが着たくなるんでしょ?制服がなくなったら、わざわざ着替える必要ないじゃない。だから、『ファッションピット』もコインロッカーも流行らなくなる訳。中叔父ちゃん、どうしてそんなもの貰ってきたの?」

 この新ちゃんの説明を聞いた楓さん、袖子さんは納得し、小太郎は感心する。立場がなくなった一貫はどう言っていいやら困ってしまって逃げ出してしまう。と、小学生の新ちゃんに説明されるまでこの単純な理屈に気付かない大人達って……。

 第31話で新ちゃんが学校から帰ってきて家に誰もいないのに開けっ放しになっていた家を見て一言。

「全くしょうがないな、うちの大人どもは」

 全くその通りと言うか、母親の袖子さんはそそっかしくて言い間違いばかり、叔父達と叔母は喧嘩ばかり。新ちゃんがそう言いたくなるのも分からなくもない。

 第24話では、新ちゃんが「ピット」に家族優待という事で、ただでアイスクリームを食べにいくが、その事を一貫に咎められる。

「そこだよ新太。いつきてもいいと言われてもだよ?毎日、毎日商売物をだよ?ただ食いするってことは利口な子供がする事だと思うか?」
「まあ、まあ、固い事言わないないで」
「いいか、新太。物事にはけじらみがいっぱいいるんだよ」
「動物につくシラミの事?」

 一貫は色々と言い間違いをしながら、新ちゃんが「ピット」に行く事を止める。新ちゃんは多分一貫の言い間違いに気付いているのだが、わざととぼけてと聞いている。一貫はそれに乗り突っ込みをするが、その後も一貫と新ちゃんのちぐはぐなやり取りが続く。

「けじらみじゃないよ。けじめ」
「なあに、それ」
「あ、つまりきちんとすることだな」
「机の上なんか?」
「いや、整頓と言う事じゃないんだよ。なんちゅうかな、その、正しくおり目をつけるってことなんだな」
「折り直ししているよ、僕」
「ズボンのことじゃないんだよ」

 何回かやり取りした後、一貫が終に困ると、新ちゃんは急に物分かりが良くなる。

「いや、そういう事じゃないんだよ。分かんないかなぁ」
「親しき仲にも礼儀あり、人の好意にやたら甘えるな。子どもの頃から依頼心が強くなると社会人になってから苦労する、ってとこかい?」

 つまり、一貫が説明しなくても新ちゃんはちゃんと「けじめ」を分かっていたという。これは完全に新ちゃんが一貫をからかっている。そこへお客さんがやってきて一貫が言い間違えた時に新ちゃんが笑いながら訂正すると、決まりが悪くなった一貫は叫んでしまう。

「子どもは大人の話に口を出すんじゃない。アイスクリームでも食ってこい」

 新ちゃんはこの言葉に待ってましたとばかりに「ピット」にアイスクリームを食べに行ってしまう。一貫はまんまと新ちゃんの手口に嵌ったという訳。と新ちゃんは常に一貫よりも一枚上手な所が多く見られた。

 最初の方もそうだったが、この頃になると新ちゃんが一貫をからかう場面が多くなり、一貫が新ちゃんの頭をたたく回数が増えていく。もっとも、一貫の叩き方は漫才の突っ込みのような叩き方で『あばれはっちゃく』の父ちゃんのような叩き方ではない。その度に新ちゃんは「また、ぶったぁ〜」「そんなに叩いたら頭悪くなっちゃうよ」と一貫に訴えていたりする。幸い新ちゃんは一貫に叩かれた程度では馬鹿にはならなかったけど…。それから、数か月後に賢い良い子で喧嘩もしない新ちゃんが「あばれはっちゃく」になろうとはこの時はまだ誰も知る由もない。