柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

大物は違う

『鉄人タイガーセブン』(1973年)で主人公の剛の父親の滝川博士役を演じた北沢彪さんはPCL(東宝映画の前身。日本初の本格的トーキー映画スタジオとして昭和6年に設立)で、重要な俳優さんの一人だったという。『鉄人タイガーセブン』を制作していたピープロの代表であるうしおそうじさんは、DVDの特典インタビューの中で語っている。

「この北沢さんがジャリ番組に喜んで出てくれるとは想像しなかった。これは大変嬉しかった」

 世代的に私はこの北沢さんがどれだけ凄かった俳優さんか知らないが、うしおさんがそう語るのを聞いて、かなりの人物だったのではないかと想像する。また、私は知らなかったが、『バトルフィーバーJ』(1979年)で倉間鉄山将軍を演じた東千代之介さんもまた、父や母などに聞くと大御所の役者の一人であったらしい。

 今よりも、子供番組の地位が世間的に低く見られていた時代にこうした人たちが、いわゆるジャリ番組と呼ばれる作品に出て、作品を引き締めてくれるというのはすごい事だと思う。例えば、今、素人の目から見ても手を抜かず役者として役を真剣に演じているというのが伝わってくる。

 子ども番組だから手を抜く、アニメだから手を抜く、馬鹿にするというのではなく、演者として役を演じる。それは、プロとして当たり前の事だと思うけど、それを自然に出来るというのはやはり器の大きさが違うのだろうと私は思った。

 現場の若い役者の人達はそうした先輩の人達から知らず知らず影響を受け、自分を成長させる物として身につけていくのだろうか。そこから学べる人、学べない人と色々いると思うが、学べていける人もいたのだと思う。