吊り橋の上の恋というけれど、『俺はあばれはっちゃく』の第52話で長太郎が沈みかけるボートから明子と小百合を助け、それが漫画の題材になり漫画のラストで「ちょっぴり恋かしら」という台詞があるが、明子と小百合は長太郎に恋をしただろうか?
明子は「もっと素敵な人に助けてもらえば良かった」というし、小百合もそれに同意している。第52話の冒頭でも漫画を見て同じようなやり取りをしている。特にドラマの中では明確に出してはいないが、明子は正彦が少し好きなのではないかと思う節がある。
この第52話でも、「助けてもらうなら正彦君みたいな人がいい」と言ったのは明子だし、第20話で孫悟空役は長太郎がいいとクラスで盛り上がっていた時に「でも、正彦君の方が格好いいわ」と皆に意見したのも、第35話で正彦が母親についての作文を読む時に目を輝かせて体を震わせたのも明子だった。
ドラマを見ていて勝手に思うのだが、明子と小百合の内、積極的に正彦を支持するのは明子で小百合はそれに「そうよねぇ」と同意するのが多いので、明子の気持ちが目立つ。
関係ないが第2話では長太郎が仕返しの為に正彦の下駄箱に蛙を入れる。蛙が苦手な正彦が気絶し女の子達が駆け寄る。その時、蛙を掴んでどけたのは明子だった。むんずと掴んでポイ。動じず騒がす明子は蛙が平気なようだ。(正彦が蛙が苦手だと何故長太郎が知ってのか不思議だ。たまたま、当たってしまったのだろうか?)
もっとも、こうした行為を受けての話はなかったし、そうした感情をモチーフにした話はなく、『俺はあばれはっちゃく』の中でのこうした描写は単に女の子に人気のある正彦を演出させる為だけのものだとは思う。
さて、話は戻るがそんな明子と小百合が長太郎に間一髪助けられて、漫画の主人公達のように長太郎にちょっぴり恋をしたのだろうか。「もっとかっこいい人に助けてもらえば良かった」と言われた後で長太郎は「なんだと!」と怒り(当たり前だよなぁ)明子は長太郎の袖を掴んで「ごめん、ごめん」と謝っている。
謝ったのは本当の気持ちだと思うし「もっと素敵な人に助けてもらえば」も照れ隠しだとも思うが、だからといって明子と小百合が長太郎に恋をしたとは私は思わない。二人は相変わらずだし、長太郎もそうだ。恋より命。
ちなみに、この話の撮影で吉田友紀さんは死にかけたそうで、焦ったろうなぁ。死ななくて良かった。こっちの方がドキドキしたろうな。吉田友紀君救出待ち。恐ろしい現場だ。恋なんてしている暇なんてないだろうに。
(明子と小百合が同時に体重をかけた為に吉田さんは湖に落ちて、ボートの縁を掴んだらボートがひっくり返り空気のない中に閉じ込めれられ、浅くて潜って逃げられなくて死にかけたとDVDの解説書で吉田さんがインタビューに答えていた)