柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

信じる者は救われる?

アバンタイトル

長太郎と正彦が向かい合いしゃがんで花占い。背景には着物を着て扇子をもって舞うヒトミちゃんの姿。それぞれ、ヒトミちゃんの自分への思いを「好き、嫌い」で占いますが、今回のアバンタイトルは、本編の内容にも通じているように感じました。長太郎と正彦の花占いの結果を公一が興味深く覗いてました。

本編

長太郎がランドセルを背負い勢いよく走っていくと、曲がり角で正彦の伯母にぶつかります。正彦の伯母さんは、持っていた占いの本をバラまき、長太郎は一緒に本を拾います。そこで、正彦から聞いた伯母さんが占いに狂っていることを長太郎が話します。

長太郎と別れた伯母は正彦の家にいくと、その正彦の家の玄関にはお札がたくさん貼られています。正彦が出てきて伯母と会話をしている態度を見ると、正彦は迷惑な様子。

今、正彦の伯母が言うには、正彦とその父親は運勢が悪いらしく、伯母はその運勢をよくするために占いやお札で良くしようとしているのですが、正彦は自分の母親が死んだ時も、運が悪かった時だという伯母に対して、呆れるよりも怒りの感情が強いようです。

今回は、ちょっとしたことで、皆がたまたま起きた悪いことを「運勢が悪い」と結び付けて占いを肯定していくのです。それを占いとは意味がないと否定するのは、占いを信じていない長太郎と占いに凝っている伯母の行き過ぎた行動に迷惑している正彦。

見ていて、普段なら結び付けない関連をつなげて、占い結果になるように話を作り上げてしまう、それを否定する材料は無意識に切り捨ててしまうという情報選択の怖さを感じました。

長太郎の家では、父ちゃんと長太郎が正彦の伯母の占い好きを笑いますが、母ちゃんは占いを馬鹿にしてはいけないと、否定する父ちゃんに自分との相性占いで結婚を決めたとか、家を建てる時の方角とかの話を持ち出し、占いを否定する父ちゃんを詰問します。

縁起を担ぐのは悪いことではありませんが、何でも悪いことを占いのせいにするのも考え物。

長太郎のクラスでは。最近テストが多いのですが、正彦は中学受験を目指していて、家で勉強をしていても、占いに凝ってきている伯母や仕事のミスでイラついている父親の騒がしさに勉強どころではない様子。

正彦が伯母や父親に困っているときに、勉強机の母親の写真に語りかけているのが印象的です。占いを信じて団結している伯母と父親のいる家で正彦の心を支えているのは、亡き母親なのだと分かります。

正彦の伯母の占い好きは、桜間家にまで及び、ドンペイが運勢が悪いから捨てろだの、「吉報水」というただの水を、勉強嫌いな子を勉強好きにする有難い水といって母ちゃんに渡すなどして、正彦だけでなく長太郎も正彦の伯母の被害にあいます。

母ちゃんが正彦の伯母に同調して、占いを信じ、てるほも占いの結果に従うように物事を見たり、父ちゃんも母ちゃんの言葉に信じたりと、理性的なてるほや占いを信じていない父ちゃんも母ちゃんや正彦の伯母の話に次第に同調していくのは、コミカルに描かれていますが、ちょっと怖い感じがします。

ちなみに一升瓶でもらった吉報水を父ちゃんと母ちゃん、てるほがテーブルの上に置いて見つめる場面があるのですが、この撮影の時に父ちゃん役の東野英心さんが、おかしくて笑ってしまいNGを出したことを、てるほ役の島田歌穂さんが、DVDの解説書のインタビューで話しています。

次第に占いを信じていく劇中の父ちゃんの心情とは逆で面白いと感じました。

そんな正彦がテストで回答欄を間違えて0点を取ってしまうというミス。今回は、長太郎がそんな正彦を励まし、一緒に励ました公一から長太郎のテストでの最高点が明かされます。

正彦の伯母にすれば、秀才の正彦が0点を取ってしまったのも、「運勢が悪いから」という理由になるのでしょうが、連日、正彦の家に押しかけ、大騒ぎをしてくる伯母が正彦の勉強の邪魔をしているのが一番の原因で、伯母自身が撒いた災いの種を運勢の悪さのせいにして、そこから甥の正彦と弟の正彦の父親を助けてやっているという伯母の自己満足が目立ちます。

伯母は占いを信じない正彦に信じさせるために、人を雇って正彦を危ない目に合わせてまでして信じさせようとするのです。

しかし、その工作が長太郎にばれて、長太郎が正彦とヒトミちゃんと3人で伯母に一泡吹かせます。それも、伯母が信じている占いを使って。

正彦の伯母が正彦達の為にしていたこと、占いに凝って正彦達が運勢が悪いと思って、それをよくする目にした行き過ぎた行動は、いつしか「正彦達のため」ではなく、自分が「信じた占いを信じさせるため」にすり替わってました。

 

長太郎は正彦の伯母をやっつけたことから、父ちゃんや正彦の父親から怒られますが、長太郎を殴ろうとした父ちゃんから正彦が身をもって守り、父ちゃんや正彦の父親に伯母に対して、言葉でも長太郎を庇います。もちろん、長太郎だって反論しています。

今回の48話は(監督・松生秀二 脚本・安藤豊弘)、正彦の強さを感じた話でした。また、父親に対する思いやり、母親に対する思慕。35話(監督・川島啓志 脚本・山根優一郎)で正彦の父親がお見合いをした時と同じように、正彦の父親と母親に対しての感情がかかれた話だと思います。

また、何でも悪いことを「運」だけだと考えるのは、また、それを信じていく過程の人間心理の奇妙さの怖さも感じた話でした。