柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

トラさんを知っていますか?

 

『俺はあばれはっちゃく』エンディングより

録音部の子ども好きなトラさん

トラさんは、初代『俺はあばれはっちゃく』と4代目『痛快あばれはっちゃく』の録音を担当した録音部の笠原虎雄さんのことです。笠原さんに関しては、8年前に山際永三監督にインタビューした時に山際監督の方から、そのお名前が出ました。その時の笠原さんに関して出ているのが以下の記事リンクです。下に笠原さんに触れている部分をリンク記事から引用します。

kakinoha.hatenadiary.com

山際・『俺はあばれはっちゃく』は同時録音でしたね。同録です。「トラさん」って呼ばれてた録音部の笠原虎雄さんが、非常に子ども好きでねぇ。僕らの知らないところで、子ども達を上手く可愛がってくれて。確かロケでも同録で撮っていたんじゃないでしょうかね。

同時録音という、当時新しい技術を使って『俺はあばれはっちゃく』は撮られていた作品だったんですね。

また、同時録音とトラさんのことについては、『俺はあばれはっちゃく』DVDBOX2のブックレットに掲載されている島田歌穂さんもインタビュー内で話されています。

同時録音の経験

島田さんはインタビューの中で、同時録音を経験したのは『はっちゃく』が初めてと話しています。

ロボコンのときはアフレコでしたけど同録を初めて経験したのがはっちゃくで、それも新鮮でした。(『俺はあばれはっちゃく』DVDBOX2ブックレットより引用)

今では、映像と音声を同時に撮ることは当たり前の技術になっていますが、初代『俺はあばれはっちゃく』が始まった頃の1979年は、同時録音が始まったばかりでした。また、2代目『男!あばれはっちゃく』の信一郎役の須田庄治さんが、かつてロケ先で音声が悪かった時は、後からアフレコをしていたとファンサイトの掲示板だったかで、書いていたのを見かけたことがあるので、少なくとも1980年代の前半までは、同時録音という技術は、まだまだ新しく、不安定な技術だったのだろうと思います。

現在、4代目長太郎役だった坂詰貴之さんは、主に声優として活躍されていますが、坂詰さんだけでなく、声優の方の中には子役出身の方達が多くいます。それはドラマでの同時録音という技術が1979年頃に始まったことや、島田さんや須田さんの言葉から考えると、昔から活躍されていた子役の方達はアフレコを意外と仕事で経験されていて、声優の仕事に対するスキルも持ち合わせていて、その関連で声優の仕事をする人も多いのかなって、個人の感想ですがそんなことを思いました。

初代から戻ってきた二枚目のトラさん

話を戻して、また、島田さんは笠原さんについて、こんなこともインタビューで語っていました。

あとびっくりしたのが録音のトラさん(笠原虎雄)がみんなの知らないうちに番組のメイクさんと付き合っていて…トラさんは2枚目の物静かで寡黙な方だったんですけど、撮影が終わる頃にご結婚なさって、本当にびっくりしました!(『俺はあばれはっちゃく』DVDBOX2ブックレットより引用)

初代で笠原さんは、メイクさんとご結婚されていたんですね。『俺はあばれはっちゃく』の中で一組の夫婦が誕生していたという。笠原さんは2代目『男!あばれはっちゃく』からは、『あばれはっちゃく』のスタッフから離れてしまうんですが、4代目『痛快あばれはっちゃく』で戻ってきているんですね。

4代目は初代長太郎を演じた吉田友紀さんが島津隼人役で戻ってきてくれましたが、初代から戻ってきたのは、吉田さんだけでなく、子ども好きで二枚目で寡黙な録音のトラさんも戻ってきたんだってこと、同時録音という新しい技術が43年前の『俺はあばれはっちゃく』の頃に始まったことなんかを覚えておいてくれると、嬉しいなって思います。

『痛快あばれはっちゃく』エンディングより