柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

『男!あばれはっちゃく』41話「日本一!成人式」感想

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『男!あばれはっちゃく』41話より

1981年1月11日放送・脚本・三宅直子さん・監督・磯見忠彦監督

グダグダ考察したけれど

kakinoha.hatenadiary.com

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これまで、上記の過去記事でカヨちゃんが中卒か高卒かとウダウダと考察してきましたが、この41話で明確に答えが出ていましたね。もう、この41話を見ていた方、覚えている方、DVDで見返した方には、何を言っているんだという私の考察でした。せっかく購入したたのだから、ちゃんと見返しておかないとダメですね。2代目以降は、なかなか見返す時間がなかったのと、自分の思い出優先、見返したい話優先で見ていたのが悔やまれます。

予定通りにはいきませんが、現在は2代目を順繰りに見ている途中なので、こうした見落としや記憶が浅い話も、ちゃんと拾っていけると思います。時間はかかりますが、特に締め切りもない、趣味のブログですから、のんびりやっていこうかと思っています。

さて、今回はカヨちゃんの成人式が近く、また、カヨちゃんの高校の同窓会で再会したコック見習いの三浦ダイスケの話。カヨちゃんが同窓会の会場に着いた時に、カヨちゃんが卒業した高校とクラスが分かります。

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『男!あばれはっちゃく』41話より

上記の引用画像で、カヨちゃんの母校が群馬県立美里高校であることとカヨちゃんが3年2組だったことが分かりました。カヨちゃんは、1981年1月15日に成人式を迎えるので、生まれた年は1961年(昭和35年)。現在の天皇陛下が1960年2月23日生まれですから、カヨちゃんとは1歳、学年で言えば2学年差になりますね。

今の栗又さんの職業を知って見ると

今回は、カヨちゃんの高校時代の同級生であり、この話のゲストであるダイスケが見栄を張って新宿ニューシティホテルのコック見習いでフランスに行くと偽ることで話が発展していくのですが、これがホテルオークラのフランスシェフになったという栗又厚さんが長太郎の時代の話であることが個人的にはツボでした。

この話が書かれた当時は、未来で栗又さんがホテルのフランスシェフになっているなんて、栗又さん自身も含めて、誰一人として分からなかったんですよね。それが、現在こうしてDVDで見ることで、さらに栗又さんがホテルのフランスシェフになったことで、この話の見方が二重にも三重にも深く見えてきます。

一流のシェフになるのに、どれだけの努力を重ね、周囲の信頼を勝ち取ってきたのだろうかと思うと、そんな簡単なものではなかったと思います。けれども、ちゃんと結果を出された栗又さんは、日々のダイスケが文句を言っていた退屈で地味な仕事でも、一つずつ誠実にこなして、身につけて、それを習得するために何度も何度も練習をされたのだろうと思います。

私は栗又さんが、その時々の自分の力量を正確に見て、足りない部分を補うようにしていったのではないかなって思うのですね。この話がどれだけ栗又さんに影響を与えたのか分かりませんし、実はこの話が影響を与えたのでもないのかもしれませんが、少しは『あばれはっちゃく』で演じた話が大なり小なり、栗又さんの人生の支えになっていたりしないかなって思ったりもして、それは『あばれはっちゃく』だけでなないと思うのだけど、『あばれはっちゃく』もあればいいなって思ったりもします。

この話の中で、寺山先生が大人になるというのはどういうことかを長太郎達に話して聞かせていますが、それがどこか心の片隅にあったらいいなって思いました。私は大人になって見返してみて、寺山先生の言葉を含めて、この話から伝わるメッセージの表面だけしか受けとめてなかったんだなって私自身のこれまでの人生を振り返って思ったので、なんだかとても恥ずかしく思いました。

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『男!あばれはっちゃく』41話より

私自身とダイスケを重ねて

見てくれのカッコよさではなく、中身が大事だというのが、この話から見えてきて外側よりもその中身、仕事に対して、どのくらい真摯に取り組むかの大切さを伝えています。

ダイスケは苦労や努力をショートカットして、すぐにすごいと言われる位置に行きたいのが見て取れて、目の前の苦労をしたくないという気持ちが、大事にして自分の身につけていかなければいけない毎日の仕事を雑にこなしていて、キャベツを切るにしても、適当でいい加減で、勤め先のとんかつ屋の親方に怒れています。

私自身も厨房で働いていて、千切りが上手くできずに、何度も何度も怒られて、悲しくて悔しくて家に帰って、キャベツをずっと千切りの練習をしていて、キャベツなんてもう食べたくないというくらいにキャベツばかりを食べていた時期があったので、キャベツなんてどんなふうに切っても同じじゃないか、と愚痴っていたダイスケには、ちょっと腹が立ちました。

キャベツばかりを切って、千切りキャベツは細く手で切れるようになって任されるようになった時は嬉しかったです。でも、転職した先では、そこも厨房で働いたんですけど、センターで既に機械で千切りされて納品されていたので、私の千切りキャベツを切れる能力は家庭料理だけにしか役に立たなくなりましたけれども、それでも、苦労して身につけた技術は簡単にはなくならないものです。

背伸びをして、現在の自分以上に見せようとするのではなく、現在の自分の力をしっかりと把握して自覚し、自分がなりたい未来の自分に近づけていくために、日々のつまらなくて退屈な仕事を一つ一つ、丁寧にこなして身につけていく。それは、口で言うほどに簡単ではありません。私自身がそうでしたが、途中で自分のサボりを正当化して投げ出してしまうものです。

外見と中身

ダイスケも中身を充実させることなく、体裁だけを整えて、周囲からすごい仕事をしているんだって思われたい、そう思われて威張りたいという考えでしたが、働いているとんかつの親方が自分のことをちゃんと見てくれていて、成人式のスーツを用意してくれたり、とんかつ屋の見習いとして期待されていることが分かってから身の丈にあったありのままの自分を受け入れて、仕事着で成人式にいこうとしたダイスケの姿はとても良かったなあって思いました。

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『男!あばれはっちゃく』41話より

カヨちゃんもダイスケに感化されて、母ちゃんが用意した振袖ではなくて、仕事着を選んでしまったのは、カヨちゃんの気持ちも分かるけれども、晴れ着を着ていってほしかったなあって思いました。

着るものでななく、中身と心ではあるんですけれども、それでも、今の自分を外にしっかりと見せるという覚悟も必要なのかなとか、外見とか外から見て立派なところで仕事をしているとかではなく、その仕事の内容や取り組み方の姿勢の問題だということを伝えながら、外見の服装を重視して終わるというのが不思議に思うと同時に、今の自分の中身を偽ることない服装という意味では、中身を重視しているのかなって思えて、自分の姿を外に見せる意味というのも、考えた話でした。深いですね。

おまけ・鏡開き

さて、この話が放送された日は1月11日だったのですが、この日は鏡開きの日ですね。鏡開きと言えば、私の子どもの頃は、お正月にお供えしてあった鏡餅を割って、お汁粉にして食べたのですが、この話でも桜間家はお汁粉を食べているんですね。四角いお餅なので、お供えしていた鏡餅を割ってお汁粉にしたのではないと思いますが、お汁粉を食べている長太郎達を見て、ああ、鏡開きしているんだなあって思いました。

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『男!あばれはっちゃく』41話より