1980年9月6日放送・脚本・市川靖さん・松生秀二監督
静かにひっそりと
今回の話は和美ちゃんメインの話。長太郎がドン平の散歩の途中で公園で段ボールを置き忘れた男性を追いかけるところから話が始まります。寺山先生がその男性にぶつかり、続いて長太郎にもぶつかって、長太郎は先生に男性が段ボールを忘れたことを告げると、寺山先生はその段ボールの中身が爆弾ではないかと警戒し、警察を呼んで騒動になるのですが、その段ボールの中身は子猫。その子猫を和美ちゃんが飼いたいと申し出るのですが、和美ちゃんのお母さんは猫が苦手。そこで、長太郎が一肌脱いで、猫を飼うように仕向けます。
ここまでが和美ちゃんが子猫を飼う経緯の流れのですが、冒頭から和美ちゃんは登場していなくて、長太郎が警察沙汰を起こしたことで、父ちゃんと母ちゃんから怒られていて、寺山先生もそこに居合わせ、長太郎ではなく寺山先生が騒動を起こしたことを父ちゃん達に説明しているときに、みゆきちゃんと一緒にこっそりと登場してくるのですね。
予告を見た時は、最初から和美ちゃんが子猫を拾って、飼う話になるのかなって思っていたので、こんな感じで今回の主役の和美ちゃんと猫が対面するのは意外でした。ここで、和美ちゃんは一人っ子で妹が欲しいから、妹代わりに子猫を可愛がるとはなし、それでも和美ちゃんのお母さんが猫が苦手で反対するからと長太郎に飼える知恵を求め、長太郎はネズミのおもちゃを使って、猫の必要性を和美ちゃんのお母さんに分らせて猫を飼う許可を得ます。
それでも、すんなり問題なく飼えるようにはならず、猫の夜泣きやいたずらがあって、和美ちゃんのお母さんは和美ちゃんに無断で子猫を段ボールに入れて捨ててしまいます。でも、その現場を長太郎の母ちゃんが目撃していて、子猫を入れた段ボールを拾って、長太郎に届けさせて子猫は和美ちゃんの元に無事戻ってくるのですが、このことで和美ちゃんと和美ちゃんのお母さんの間に亀裂が入って和美ちゃんは子猫を抱いて家出してしまうのです。
和美ちゃんの寂しさを知って
和美ちゃんの子猫探しの次は和美ちゃん探しに。和美ちゃんを探す和美ちゃんのお母さんの心配する姿、和美ちゃんが子猫を飼いたかった理由を知った時の和美ちゃんのお母さんがショックを受ける姿は、とても心に突き刺さりました。本当に和美ちゃんのことを大事に思っているんだなってことが伝わってきて。和美ちゃんの為に必死なのに、和美ちゃんに寂しい思いをさせていたことが、とても和美ちゃんに申し訳なく思ったのだろうなってのが、なんだか切なくて辛いなあって感じたのですね。和美ちゃんのお母さんを慰める母ちゃんの優しさも心に沁みました。
大人同士の関係
和美ちゃん親子の関係に心が揺さぶられる一方で、今回の話は大人の関係にも少し目が行きました。和美ちゃんを心配するあまりに寺山先生に抱きつく和美ちゃんのお母さんを見ていると、19話「出て来いカブト虫」でも、みゆきちゃんのママと弘子ちゃんのママと一緒になって寺山先生に迫っていたのを思い出して、寺山先生もモテるなって思ったりとか、夜まで和美ちゃんを探して、そのまま理容サクラマにいる和美ちゃんのお母さんに父ちゃんが気を遣っているのを母ちゃんが見て不満そうな顔をしているのをみると、母ちゃんが和美ちゃんのお母さんにヤキモチを焼いているのかなって感じたりしました。
そういうとこで、なんかこう大人の恋愛まではいかないけど、それに近い大人達の感情も少し見えた話でしたね。子どもの頃にはあんまり気づかない部分なんですが、大人になって見返してみると、大人同士の人間関係や恋愛感情に近い感情に、いやらしい話、ニヤニヤしてしまう部分もあります。
寺山先生と和美ちゃんのお母さんは独身同士なので、一緒になって和美ちゃんの妹か弟が出来ればいいのになとか、寺山先生じゃなくても和美ちゃんに新しい父親が出来たら和美ちゃんもお姉さんになれるチャンスが出来るのかなって、今なら深読みしちゃうんですが、そこまでは踏み込まない、気づく人が気付く程度の匂わせが子ども見る側も演じる側も主役のドラマには丁度いいのかなって思ったりしました。その方が私の個人的な意見ですが、下品にならないでいいんだなって思います。
動物を飼うマナー
今回は数はそんなに多くないのですが、飼い犬の糞の始末についての注意の立て札が目立っていたなって思います。そんな訳で動物を飼うマナーを呼び掛けていた話でもあったなって思うのです。後は、猫といえばネズミと鰹節にマタタビという定番ネタも出てきて、マタタビのネタは最終的の解決に繋がっていて、そこで起きた騒動もまた楽しかった回でした。
後は信一郎の勉強をする姿が目に付く話でもあったなと、長太郎のマタタビを使った作戦の迷惑をこうむって、途中から勉強どころではなかったのですが、てるほの時もそうなんですけども、長太郎が起こす騒動の煽りを食らって、勉強どころではない状態になっても、上位成績をキープしているところはさすがだなって思いましたね。この話に限らず信一郎が勉強している場面はあるのですが、今回はなぜかその姿が私には印象に残りやすい話でした。
長太郎が和美ちゃんの子猫をおびき出すために炊いたマタタビの香りは、近所の他の猫たちも呼び寄せてしまって、騒動になるのですが、最後にその猫の達の飼い主がそれぞれに桜間家に引き取りに来たのを見て、あ、野良猫達ではなくて、みんな飼い猫だったのかと分かって、世田谷区、どれだけ猫を飼っているのって突っ込んでしまいました。いつもの長太郎の決めのセリフも父ちゃんに突っ込まれていて、そこも楽しかったです。
24話、25話、26話の小ネタ
前回の24話、今回の25話、それから26話で本筋とは関係のないところで気になったネタがあったので、次回はそれを中心に記事を書こうかなって思います。もし、余裕があれば26話の感想も書きたいと思いますが、無理なら26話の感想は日曜日に書けたらいいなって思っています。