柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

『俺はあばれはっちゃく』4話と『逆転あばれはっちゃく』7話

リメイク

『逆転あばれはっちゃく』7話を見て、『俺はあばれはっちゃく』4話を思い出しました。脚本が同じ田口成光さんなので、セルフリメイクに感じました。

長太郎が作文で父ちゃんのことを書いて授業で発表すると、それを初代では正彦、5代目では秀彦が嘘だと指摘するとこ。その後の過程は変わりますが、父ちゃん、父さんの仕事がどういうものかを知り、一瞥だけでは分からない父ちゃん、父さんの仕事の大切さ、凄さを理解するとこが共通してると思います。

違い

違いは初代の正彦は長太郎へのイジメに発展しなかったのが、5代目の秀彦は五郎や松夫達を使って陰湿なイジメをして、父さんの面目を潰し、長太郎の心を踏みにじったとこでしょうか。正彦も長太郎のプライドを潰し父ちゃんの面目を潰してはいるのですが、決して長太郎を陥れようとしての行動の結果ではなく、長太郎の悪知恵に対して、間違いを正しての行動の結果だったので、5代目の秀彦達の方が酷いなって思いました。

他の違いは父ちゃん、父さんの長太郎に対する態度ですね。初代の父ちゃんはもう、長太郎がまず悪いで、5代目の父さんは長太郎が秀彦に暴力を振るったのはそれなりに理由があると長太郎に静かに尋ねてました。その前に上司に当たる秀彦の父親の動物園の園長には頭を下げた後で。

この父ちゃん、父さんの長太郎に対する態度の違いは、5代目のシリーズの見直しによる父ちゃんのキャラクターの違いなんだろなって思います。正彦と父ちゃん、秀彦と父さんの微妙な人物性格の違いが、話の基本は同じでも、話の印象が変わるんだなって思いました。

父ちゃんと父さんの仕事の見せ方

私は父ちゃん、父さんの仕事の凄さの見せ方は、初代の方が良かったと思いました。長太郎は納得してないようでしたが、父ちゃんの仕事があってこその職場なんだってのが伝わりました。この初代の4話って子どもの頃も当然見ていて、印象に残ってたんですね。で、DVDで見返した時に、当時、見てた時の感情や風景が戻ってきて、懐かしいって思いました。

見返し時は長太郎の悔しい気持ちも分かるけど、社会人として働いてたから父ちゃんの気持ちも分かって、子どもの時より心に刺さりました。

5代目は大人になって見た感想しかないんですが、父さんが動物園(父さんの職場)秀彦達に馬鹿にされてる場面や秀彦のことを殴った理由を秀彦の父親の前では言えなかった長太郎を見るのはとても辛かったです。その後、父さんの名誉を挽回する事件が起きて、父さんが見直される展開になるのですが、この一番大事な展開が曖昧で内容が弱いんです。

長太郎達のクラスの飼いうさぎが具合が悪くなって、父さんが診ることになりますが、うさぎがどうして具合が悪くなったか、秀彦のアドバイスで野菜ジュースを飲ませたのが原因としても、なぜそれがダメなのか、その結果どうなったかの推測と説明がなく、回復させるにはどうしたらいいかが描かれていません。

そこを描くことで、父さんの動物に対しての知識の凄さが出るのに、そこを曖昧にしてるのが残念でした。うさぎの体温が下がったから温める、最後は長太郎の神頼みだけではもったいないと思いました。最後は長太郎の願いが届いたという締め方はいいのですが、そこにたどり着くまでの父さんの知識とうさぎへの具体的な対応がもっとしっかりとあれば、この話はもっともっと印象に深く残る話だったのになって、残念に思いました。

時代の変化

同じ『あばれはっちゃく』、同じ脚本家でも、似たような話の骨格があっても、話が伝えるメッセージが変わらなくても、ドラマを見ていた年齢、時代や人物の性格が微妙に違うことで、こんなに受け取る感情が違うんだなってのを知ったのは、新たな発見でした。ちなみに監督は違っていて、初代4話が新津左兵監督、5代目7話が磯見忠彦監督です。