柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

脂が乗ってきた

アバンタイトル

竹とんぼの巨大なのを使って空を飛ぶことをしています。随分とすごいことです。一応、少し飛んでますね。

本編

脚本は、安藤豊弘さん。あ、長太郎の遅刻から話が始まってます。長太郎が遅刻魔になっていたのはこのあたりですね。第1話から見てみると、長太郎は学校に行く前にドンペイの散歩に行っていたり、前回はマラソンの練習で早起きしているので、意外に早起きなんですが、この話から遅刻する印象が強く出ています。

廊下を急いで走って、テストを持って歩いていた佐々木先生とぶつかります。ここで、正彦のテストの点数をみんなに暴露してしまう長太郎。これは、ヒトミちゃんにたしなめられますが、これは長太郎が悪いですよね。休み時間に公一にからかわれて、家に戻ればその話が母ちゃんが知っている情報源は公一。公一ってば、いつの間に。

その公一がきて、長太郎に嬉しい情報を持ってきます。休み時間のヒトミちゃんと正彦の会話を思い出して、一人で北海道に正彦が転校すると考える長太郎。父ちゃんと正彦の父親の働くデパート(ダイエーのこと)は全国にあるからと。

夕食でも長太郎の妄想は止まらず、母ちゃんがヒトミちゃんに見える始末。長太郎の妄想の中の母ちゃんと同じ姿のヒトミちゃん可愛いですね。長太郎のおかしな様子に何も知らない父ちゃんは少し心配な様子。テストの点数を知っているてるほは呆れて、ちゃんと勉強しなさいよと怒ってます。

長太郎が正彦が転校するという誤解は、翌日、あっさり正彦に否定されて、父ちゃんには笑われて、てるほには勉強で挽回しなさいと言われて、長太郎の猛勉強が始まります。

翌日の登校時でも、暗記を邪魔されないようにしていて、公一がびっくりして逃げているのに、テスト直前まで覚えている長太郎にちょっかいを出すヒトミちゃんは、ヒトミちゃんだからこそ許されている特権ですね。しかし、長太郎が勉強している姿を嬉しそうに見ているヒトミちゃんが楽しそう。

テストが終わり長太郎にカンニングの疑いをかける正彦。誤解されることを得意に言っている長太郎も悪いのですが、勉強が出来ない、テストが早く終えたということで、正彦がそう考えるのも分かるのですが、それも短絡思考だなって思います。家に帰ると父ちゃんが正彦の父親に引越し先の家の手入れに時間がかかることで怒られてやけ酒です。

父ちゃんは、家を長く使えるように手入れをしていて、それを理解してない正彦の父親に怒られたことがショックなんですが、長太郎にしても、父ちゃんにしても正彦父子から信用されていないことが一番のショックだったように思います。

前日に会社を辞めるとグダを巻いていた父ちゃんでも、翌日はそれを忘れて会社にいつもどおり向かった父ちゃんを明るく見守る母ちゃんの優しさがいいですね。

長太郎は、父ちゃんのために正彦の父親に手紙を持って直訴。翌日、テストが返されて長太郎の点数が前回の13点から倍の26点になったことが分かります。ここで、長太郎のカンニングの疑惑も正彦の中で晴れたのが推測できて、ラストの正彦の言葉につながっています。

家に帰って来た長太郎の前に怒りの父ちゃんの姿。殴られると思った長太郎ですが、父ちゃんの笑顔と後ろに心配で出てきたのかと思ったてるほがにんまりと微笑んでいるのが見えて、てるほはもう全てを知っている様子。

父ちゃんは長太郎が正彦の父親に渡した手紙を読み出していて、ここで長太郎の「辞職願」を「辞食願」の誤植と正彦の父親が給食費と言った理由が分かるのですが、てるほのフォローを見ると、てるほは手紙の内容は、父ちゃんが読んだことで知ったみたいなので、てるほは父ちゃんが正彦の父親に長太郎のお陰で褒められたことだけを伝えたところで、長太郎が帰って来たのだと思います。

今回の話は、必要最低限で長太郎と正彦、それぞれの父親の話がリンクしていていいですね。長太郎に今度の日曜日に正彦の家に行けと言う父ちゃん。自分が謝りにいくのかと思っていた長太郎に、正彦の父親、部長が謝りたいとのこと。引越しの手伝いも兼ねて正彦の家に行く長太郎。ここで、ちゃんと謝れる正彦の父親がすごいと思います。

正彦の父親は、長太郎の手紙を捨てずに読んで、会社で父ちゃんに謝ったのも、簡単なようですごいことです。自分の過ちを認める。子どもで出来が悪い子だからと長太郎のしたことだからと相手にしないのではなく、ちゃんと受けとめる度量がなければ出来ないことだからです。その父親に比べると、謝るにしても

「許してくれる?」

ってきた正彦はまだまだですね。ここは、長太郎の返しが粋です。
第2話で出てきた長太郎が誕生日にもらった手製のヨットが良い感じに、父ちゃんの大工仕事への向き合い方を示すことの事例のよい例で出てきて、話がつながっていて広がっているのがいいとも思いました。

この18話で、安藤豊弘さんが参加されて『俺はあばれはっちゃく』の脚本家5人が揃いました。安藤さんが持ち込んだ長太郎が遅刻魔という以外はそれまでに少しだけ話に出てきたヨットのこと、正彦が既に英語の勉強をしていることをこの話で生かしていて、更には少し意地悪な女の子だったヒトミちゃんに原作で持つ優しさを加えて、『俺はあばれはっちゃく』の世界をより豊かにしていたように、私は感じました。『俺はあばれはっちゃく』に脂が乗ってきた時期だと思います。