柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

てるほの反抗

 

アバンタイトル

天女の姿でヒトミちゃんが登場。羽衣伝説で、海辺で漁師姿の長太郎と海で戯れています。この時期ですから、さすがに天気は良くても寒かったんじゃないのかな?

2人が戯れている時に、流れる音楽が今回の本編に繋がっているように感じます。

本編

長太郎が父ちゃんが務めているデパートにあるレストランで、ヒトミちゃんにパフェを奢ってあげると父ちゃんを連れ出しますが、同じデパートの薬局で働いている倉持さんにパフェなんかを食べたら不良になると、父ちゃんにパフェを奢るのを止めさせてしまいます。

倉持さんは、1話以来の登場ですね。

倉持さんには、てるほと同じ中学生の息子の純平がいて、その純平とてるほは友人なのですが、てるほが学業優秀なのは、みなさん承知ですが、純平もまた、薬剤師で医療事務の資格を持つ倉持さんにとっては、医学部へ入学させて医者になってほしいと、塾に行かすほど優秀です。

今回は、倉持さんの教育熱心な部分がこの話の騒動の原因を作ります。

長太郎が学校で、休み時間に公一を操り人形にして遊んでいて、ヒトミちゃんや正彦に注意を受けます。

長太郎は公一を上手く操れなくて、ヒトミちゃんに謝りますが、なぜ、謝るのかと問われて誤魔化したのを正彦に暴露されます。ヒトミちゃんを操り人形にしようとしたことを。

この長太郎の考えも少し危ない。佐々木先生が笑って、逆に長太郎を操り人形にしてみんなで遊んでしまいます。

これは、明るく処理されていますが、佐々木先生の懐の広い対応が、和やかに話をつけているのが上手いなって思います。

この長太郎の操り人形んのくだりは、今回の話のオチに繋がっています。

長太郎は、学校に行く前にてるほのことを心配した父ちゃんから用心棒を頼まれているので、放課後、下校したてるほをつけていきます。

すると、塾をさぼった純平と待ち合わせて、てるほがディスコに入っていくのです。

長太郎も、「18歳以上お断り」の札を読んで、呆れながらもディスコの中に入っていきます。

っていうか、てるほと純平の背中に向かって、

「18歳以上お断りだぞ」

言いながら、長太郎もディスコに入りますが、あなたも18歳以下でしょうに。

長太郎は結局、ディスコの客や店員、てるほにも忍び込んだことがばれて、出ていきますが、長太郎はてるほと純平から父ちゃん達への口止めをお願いします。

口止め料は当然、もらって。倉持さんのとこには、旦那さんもいるのですが、影が薄いです。これは、9話に登場したマサミのとこと同じで、教育熱心な母親のパワフルさに父親の存在が薄くなっています。

しかし、話の最後にはこの父親の存在が重要になってきます。

長太郎が黙っていたのにも関わらず、純平のミスでてるほとの交換日記が見つかり、塾をさぼってディスコに行っていたことがばれて、倉持さんが桜間家に純平を連れて乗り込んできます。

父ちゃんは、かなりショックを受けて、てるほを殴ろうとします。母ちゃんが止めに入りますが、父ちゃんの失望は大きく、てるほの反抗もショックだったようです。

てるほは、純平に自分の正直な気持ちを母親である倉持さんにはっきり言ってと言いますが、純平は切り出せません。

それを見ていた長太郎が、ずっと作っていた操り人形を使って、純平と倉持さんの関係を揶揄して、2人の親子関係を表現します。

そこで、倉持さんが怒って、操り人形を引っ張ったことで、屋根で操作していた長太郎が落ちてきた騒ぎの中で、純平が思い切って自分の気持ちを告白します。

純平がこの話の中で、傷ついた鳩の手当てをしていて、面倒を見ている描写があるのですが、純平は医者になるよりも、鳥の研究をしたいとのこと。

倉持さんは、これまで無理をして、薬剤師の仕事以外に医療事務のパートの仕事をしてまで、お金を稼いで塾に行かせて、純平に勉強をさせていたことが無駄になったのかと嘆きます。

医者になる夢は、倉持さんが勝手に純平に押し付けた夢であり、それは純平自身の夢ではない。純平は自分で自分の夢を見つけたからと。

子どもの将来は親のものではなく、その子ども自身のものであるということ。

子どもとか関係なく、一人の個人はそれぞれに意思があって、操り人形ではないことを過干渉な父ちゃんと倉持さんの行き過ぎた行為に不自由さや自分たちの気持ちを無視する2人にはっきりと自分の気持ちや考えを伝えます。

子どもの将来を心配する父ちゃんや倉持さんの気持ちも伝わっていて、純平は母親の気持ちが分かるからこそ、自分の夢を意見をそれまで抑えていてのを、てるほにはずっと打ち明けていて、てるほも母親思いの純平のフォローに入っています。

てるほは、純平だけでなく、純平に反抗された倉持さんの気持ちのフォローもしているのですね。

長太郎がディスコに行っていたこともばれて、父ちゃんに殴られそうになって、てるほが庇い、今度はてるほが父ちゃんにきつい一言をいいますが、ここで、今回はてるほ中心で話が回っていたのが、父ちゃんと母ちゃんが小学生でディスコに行った長太郎のことも心配していたことが分かります。

この時代、今でも一部の人にはあるのかもしれませんが、ディスコに小学生や中学生が出入りすることは、「不良」、「不真面目」とされていて、父ちゃんや母ちゃんの嘆きを見ると、そう思っているんだろうなって分かります。

それをてるほが、

「ディスコに行ったからって不真面目とは限らないわ」

 

と一蹴します。

純平がただ勉強を強制されているからと、逃げていたのではなく、自分の夢と母親の夢に挟まれていたのと、塾をさぼってディスコで憂さ晴らしをしながらも、親に申し訳ないと迷っている姿に、真面目で親思いの優しさを感じました。

だから、てるほの言葉が重く響くのです。

親と子どもは、肉親であり近い存在でも、個々の別の一人の人間であること。

子どもは、親の隷属ではない、自立した一つの人格を持った人間だということが強く操り人形ではないというメッセージになってる話だと思います。

最後は、長太郎が約束通りにヒトミちゃんにパフェを今度は母ちゃんで、奢ってあげることが出来て良かったなと。

この時代パフェを食べることって、今なら目新しい話題のスイーツ、少し前なら分厚いパンケーキとかを食べに行く感覚で、新しいデザートだったのかなって、パフェのもつ特別感も感じた話でした。

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