アバンタイトル
長太郎の蕎麦屋の出前から。
何段も重ねて、倒れそうで倒れないバランスで公道を自転車に乗って配達しています。途中で自転車を降りてヨタヨタと。
後ろでは公一がいて道を案内している感じです。
車の運転している人も巻き込んで、ちょっとしたドッキリの仕上げになっています。
本編
アイスを食べてドンペイの散歩をしている長太郎が本屋で地図を見ているヒトミちゃんと正彦を見つけて声をかけます。
夏休みに伊豆にヒトミちゃんと正彦が遊びにいくというのを聞いて、「自分も伊豆に行くから向こうで会える」っていう長太郎。
しかし、喜ぶ長太郎とは裏腹にヒトミちゃんと正彦は戸惑い顔。
長太郎が去った後で、正彦が言うですが、伊豆と言っても広いから必ず会えるわけでもないんですよね。
でも、ドラマだから会えちゃう。
で、ヒトミちゃんと正彦と別れた後で、公一に会って夏休みのうさぎ当番を変わってって言われて変わって上げるんですが、明日から伊豆に旅行に行くのに、なんで明日からの当番を変わるのよって、家で旅行の仕度をしているてるほと母ちゃんに言われてしまうんですよね。
さっき、公一に会う直前にヒトミちゃんと正彦に、自分も伊豆に旅行しに行くって言っていたくせに、困っている親友を見て、煽てられると自分の都合も考えずに引き受けてしまう長太郎は、馬鹿なのか、お人よしなのか。
長太郎は連絡網で電話をかけて、自分の代わりの飼育当番をしてくれるクラスメイトを探しますが、夏休みで留守の家が多くてつかまりません。
連絡網、懐かしいですね。
今の小学生の子達は知らない存在になっているのではないでしょうか?連絡網。
何年か前に小、中学校の連絡網が廃止されたことを耳にして、時代は変わっていったんだなって感じたことがあります。
馬鹿なのは長太郎だけではなくて、帰ってきた父ちゃんも仕事を引き受けてしまって、母ちゃんとてるほに怒れてしまいます。
いきなり旅行は延期だって言って、てるほはこの日程でないと夏期講習が始まって夏休みに旅行は出来なくなるし、母ちゃんは新婚旅行以来の旅行で楽しみにしていたのにって。
しかも、この旅行は父ちゃんの独断で、父ちゃんが大好きな鮎釣りも出来るからって決めた旅行なので、またまた父ちゃんの勝手な判断で延期なんてされたらたまったもんじゃないのです。
しかし、会社も明日から誰も職場にいなくなってしまうから、みんな夏休みの家族との予定があるからって、父ちゃんが休みの予定を変えて職場に出てくるっていうのも、そこで即時に判断して出勤することもあったのは分かるのですが、父ちゃんにも予定があって、それも家族と一緒なのに勝手に決めるのは、いくらなんでも勝手だなって思います。
ただ、私も仕事をするようなって分かったのですが、他の人達が休みたいという希望を優先して自分を後回しにして、仕事のシフトに入ったり、休みの日に急に休んだ人の代わりに仕事に入ることがあって、父ちゃんはデパートに勤めているので、カレンダーの祝休日通りに休めなくて、シフト勤務だと思うのですが、職場を回すために誰かが出勤してないと駄目ってことがあるのは仕方がないとも思うんです。
ただね、みんなの休みが集中してしまうところは、シフトを立てるのが難しいっていうのは分かるんですが、これはシフト表を作った人のミスだと思うんですよ。
部長がな、自分が休むことを計算にいれてなかったって、言うんでぃ
冒頭で、正彦も長太郎と同じ日に旅行に行くって会話をしていますが、正彦の父親は父ちゃんの上司の部長。
正彦の父親がシフトを作って自分が休むことを忘れてシフトを作った結果が父ちゃんに降りかかってきたんでしょうね。
普通だったら、職場の責任者で作った人が責任をとって出勤するもんだと思うんですが、父ちゃんのお人よしが出て、
「旅行を中止してしまったら正彦おぼっちゃんが可哀相です。あっしが代わりに出やしょう」
って引き受けてしまったんじゃないかなって、ドラマにはないけれどそんな父ちゃんの会社での姿が目に浮かびます。
翌日、うさぎの餌やりに学校へ行った長太郎。
佐々木先生は長太郎の話を聞いて長太郎を褒め、うさぎ当番を代わってくれるといってくれます。
父ちゃんも代わりに仕事をしてくれる人が出来て、二人は明日から伊豆に行くことに。
さあ、伊豆にやってきましたよ。
伊豆のロケは、当時、新聞の取材が来てロケの様子が記事になってました。
新聞の記事の切り抜きを『あばれはっちゃくデーター』さんのファンサイトで紹介されていたのを見て知ったのですが、夜中まで続いた収録の様子や子ども達のファンの様子が写真付で紹介されていて、『俺はあばれはっちゃく』の人気の高さ、注目度を改めて知りました。
『俺はあばれはっちゃく』は、元々全26話、2クールで終わる予定のドラマだったのです。
これは、DVD特典のブックレットにある長太郎役の吉田友紀さんがインタビューで話されています。
ロケでは伊豆(25話)が印象に残っていますね。はっちゃくはもともと26本だったんです。子供ながらに視聴率を気にしてまして、1話目が5.4%で第2話が5.0%で…それが10話を超えるあたりから10%に届いて、20話の頃には20%をうかがえる位置に来たんです。何しろ「クイズダービー」が36%あった時代だし、江川が巨人に入団した年でしたから…オレ今でも江川嫌いですもん(笑)江川が登板すると数字がガクッと下がるんです。
それでも10%を切ることはなかったんですね。それで番組延長が決まって、そのご褒美が伊豆のロケだったんです。このときは旅館にファンの方が多く集まってくれて嬉しかったですね。
激戦区の土曜日の夜の時間帯で、強力な裏番組を持ちながら高視聴率を出し始めて、人気が高まり、番組延長が決まっての伊豆のロケだったんですね。
新聞記事にもなって、ファンの人達がきて、『俺はあばれはっちゃく』が1年間のドラマになって、さらにシリーズ化されて、その後子役達を代替わりさせながら、この後1985年までの6年間も続く作品となっていった『あばれはっちゃく』ですが、この25話の伊豆でのロケ決定が今後も『あばれはっちゃく』のドラマを続けていく決断の決定でもあったんだなってことが分かります。
それは、上で紹介した吉田さんの言葉でも分かりますが、この後にドラマを見ていくと、後に続く2代目『男!あばれはっちゃく』の下準備期間に入っていったことが分かってくるのです。
そのことに関しては、またそれが分かる話が来たときに。
では、25話の話に戻ります。
伊豆に来た父ちゃんと長太郎ですが、物取りにあって文無しに。
一応、警察には届けるものの、さて小銭しか持ってない状態で今日の宿をどうするか?となりホテルの案内係仕募集の張り紙見て、仕事をすることに。
ここで、父ちゃんの年齢の見当がつきます。
「案内係募集」
年令三〇~四五才男子
パート可
条件運転免許他本細面談
ホテルサンバレー
父ちゃんは6話で午年なのは分かっているので、仕事募集の張り紙の年齢条件と照らし合わせると、37歳ってことになります。
『俺はあばれはっちゃく』は1979年の話ですから、1979年で午年の人で小学生と中学生の子どもがいる年齢を考えると、1942年生まれの37歳か、1930年生まれの49歳の可能性が高くなるのですが、募集の年齢の枠に入るのが1942年生まれの37歳だけなので、父ちゃんの年齢は演じた東野英心さんと同じ1942年生まれの37歳になるんですね。
私は『俺はあばれはっちゃく』の年齢設定資料は持っていないのですが、ドラマの中にある情報である程度の推測を立てることで、見えてくることがあります。
なんというか、今回の話は長太郎と父ちゃんの人の良さが裏目に出て、二人が辛い思いをすることが多くあって、ホテルの案内係で仕事をする長太郎と父ちゃんがそのホテルに宿泊することになった母ちゃんやてるほ、ヒトミちゃん家族と正彦親子に悔しい思いをさせられるのが、面白さよりも可哀相だなって感じてしまいました。
仕事でヒトミちゃん達を案内しながら、正彦と仲良くしているヒトミちゃんを見るしかないのって辛いですよね。
母ちゃん達は民宿をキャンセルしてホテルの一番いい部屋に泊まることになって、父ちゃんも長太郎もまさか自分達が働いているホテルに母ちゃんとてるほが泊まっているとは思ってなかっただろうし、二人が家にいると思っている母ちゃんとてるほも二人が夕食を運んできて驚いたでしょうね。
母ちゃんの言い訳も、豪華な夕食を運んできた父ちゃんと長太郎には言い訳にしか聞こえなくても仕方がないかなって思ったりして、みんなが同じホテルに集まってくるのも、このホテルでロケをしたからってことが、新聞記事を読んで分かりました。
このホテルでロケすることが決まっていたからの、張り紙仕事募集、その仕事をするための盗難被害にあうってことだったんですね。
長太郎と父ちゃんのお金と荷物を盗んだ泥棒を演じたのは、久里みのるさん。
佐々木先生と公一はロケの伊豆には行きませんでしたが、桜間家、ヒトミちゃん一家、正彦親子が伊豆にやってきて、夏休み近くのその日の伊豆はファンの子供達にとっては、ものすごい日だったんだろうなって思います。
伊豆の風景、父ちゃんが拘った鮎釣りの風景も写り、ホテルの敷地内の池での長太郎と泥棒のアクションシーンでの体を張った夜遅くまでの収録の模様も新聞に取材されていて、夏の日の熱気を感じる話です。
長太郎と父ちゃんを面白く?使うために、父ちゃんと長太郎の人の良さをうまく使って、さらには泥棒を捕まえることの意味を持たせて、長太郎の活躍する見せ場を見せているところの見せ場があるところはいいなって思います。
長太郎と父ちゃんに突っ込みどころは満載にあるんですけれども、ああ、この二人らしいなって思えて、二人がタフなので可哀相だなって思っても、どこかで安心して見ていられるのがあるのが、半年近く長太郎と父ちゃんの強さを見てきた私達視聴者にあったんじゃないかなって思います。
父ちゃんと長太郎が気の毒だった分、後半の活躍で面目躍如になったのは嬉しく感じましたし、それまでのストレスが解消されて良かったなって思いました。
収録DVD紹介