柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

男三人!あばれはっちゃく

三代目が始まる前のスペシャル『男三人!あばれはっちゃく』(1982年4月3日放送・脚本山根優一郎氏、監督松生秀二氏)では、卒業した長太郎(栗又厚さん)が父ちゃんの仕事の手伝いで伊豆に来て、荒木さん(三代目長太郎)演じる純一と知りあい、純一の家の家宝である、十手がなくなったところから、吉田友紀さん(初代はっちゃく)演じる島津隼人さんを巻き込んで、それを取り戻す為に、三人が活躍する話が描かれます。

吉田さんの島津隼人役は二代目にゲスト出演した時の設定のままで、引き継がれていて、話は二代目の最終回の後の話という位置づけになっています。二代目の最終回は寺山先生の別れに重点が置かれていますが、初代はヒロインヒトミちゃんとの別れ(これは原作に準じています)、三代目は親友である実との別れが描かれているのに対して、二代目はレギュラー子役の別れが描かれていないのは、1年目で親友の別れやライバルの別れを既に描いているという理由もあるとは思いますが、既にスペシャルで登場する事を見込んで、みゆきちゃんを筆頭に外さなかった為だったのではないかな、と思います。

また、事件の発端になる伊豆に行く理由も父ちゃんと克彦の父親の二人の仕事がきっかけであり、レギュラーの人間関係の誰かが欠けても難しかったんだろうな、と思いました。後は、2年近く馴染んだ2代目はっちゃく世界をそのまま引き継ぐ事で、見ている子ども達への違和感を極力、薄くさせていたのではないか?と思うのです。以前にも書きましたが、やはり人気シリーズの新作に対する前作のファンの思い入れと複雑な寂しさは、『あばれはっちゃく』に限らず、ついて回るものではないでしょうか。
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私は帯で続けて見ていて(長野県に住んでいた頃『あばれはっちゃく』は帯で放送されていました)子どもの頃はシリーズが継続するほうの嬉しさが上回っていたなと見返しては、当時の自分の心境を思い出すのですが、改めて作品を見ていくと初代に対する思い入れが深まっていき、また、ネットでの当時、それぞれに思いいれていた各代に対する感情を見聞させて頂くと、作り手側も、いきなり世界観を変えるのではなくて、慣れて親しんだ2代目はっちゃくの世界観で三代目への橋渡しになるスペシャルを制作されていたのではないかなと思うのです。

『子どもの気持ち』という綺麗事をなくして考えれば、抵抗されるものを作るよりは、既に分かり合ったメンバーで作った方が息もあっていて早いというのもあるのだとも思います。

この『男三人!あばれはっちゃく』は三人のはっちゃくが活躍するのが最大の目玉ではありますが、初代ヒロインヒトミちゃん役の早瀬優香子さんが出演されているのも見所の一つです。十手の行方を追いかけて、桂木剣道道場までやってきた三人がそこの道場主桂木源之助さんの申し出で剣道をしている隼人さんに三本勝負で勝てば十手を返してあげるといわれます。

二本続けて連勝する隼人さんですが、三本目で小手を取られて負けてしまいます。この隼人さんから一本とったのが、初代ヒロインヒトミちゃん役の早瀬優香子さん演じる師範の孫娘ちはるなのです。初代のファンからしてみると、長太郎とヒトミちゃんの形を変えた再会という事になります。

これもまた、スピンオフならではの楽しみ方の一つです。また、道場主の桂木源之助さんを演じた小栗一成さんも初代では信如(早川勝也さん)の父親役として、初代28話に出演されていますので、それも込みで見ると面白いものがあります。d.hatena.ne.jp

さて、どういう経緯で十手が桂木さんの手元に来たか、三本勝負に負けてしまって、どうやって十手を三人が取り戻したか、それは、是非DVDで確認して頂ければなと思います。この『男三人!あばれはっちゃく』は現在発売中の5代目『逆転あばれはっちゃく』にありますので、5代目と2代目のもう一つのスペシャル『俺は男だ!あばれはっちゃく』も含めて見て頂ければなあと思います。

また、『俺は男だ!あばれはっちゃく』では、栗又さんがちゃんと逆立ちしている場面がありますので、そちらもご確認を。以前に栗又さんのインタビューをもとにして、逆立ちが出来ない2代目と紹介してましたが、それも訂正させて頂きますです。d.hatena.ne.jp

ところで、2009年の『大胆MAP』で吉田さんが早瀬さんと会うのが「『はっちゃく』の撮影が終わってから会ってないですもん」と濱口さんの質問に答えていて、この時、私は初代の最終回からと思っていたのですが、そうではなくて、『男三人あばれはっちゃく』のスペシャルの撮影のことを指していたのだなとわかりました。このスペシャルも『はっちゃく』ですものね。

私もこのスペシャルを子どもの頃に見ていたのに、今回、改めてDVDで見て覚えていたのが、以前にも書きましたがやはり、最後の『あばれはっちゃく』の称号を譲る場面だけだったというのが、情けないです。まあ、開き直れば、当時はビデオもなくて、31年前に一度見ただけですから!という言い訳もなりたつのですが、それは、それで見苦しいですね。
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