柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

子役について思う事

私が吉田友紀さんを好きになってから子役について『あばれはっちゃく』シリーズに出演した子役の人達を調べたり、また高峰秀子さんの義理の娘さんになる斉藤明美さんの高峰さんについて書かれた本『高峰秀子の流儀』や中山千夏さんの『ぼくらが子役だったとき』を読んだりして感じた事を吉田友紀さんに照らし合わせて考えてたり思ったりしてきた事は、このブログやアメブロの『柿の葉のブログ』にも書き続けてきました。

今回、少し前になりますが、テレビ番組で子役特集を見ていた時にそこに私の大好きな杉田かおるさんが出演され、司会の中居さんから番組の最後にコメントを求められ杉田さんは少し考えた後番組に出演していた今の子役の人達にこんな言葉を言っていました。

「そう…好きでいるうちは続けていけばいい。好きならば続ければいいけれど、誤魔化して誤魔化してまで、続ける事はないから。誰かに続けろとか、続けさせられるとかじゃなく、自分で続けていきたいなら続けていくといい」
録画して見た訳ではないので一字一句同じではないのですが、杉田さんの「誤魔化してまで続けていく必要はない」という言葉にはジーンときました。杉田さんは自分の人生を切り売りすることで、子役時代の自分のイメージを壊してまでも自分をさらけ出す事で女優からバラエティータレントとして見世物にする事で生き残ってきました。その姿は人から見たら見苦しさを感じるものかもしれません。子役時代のイメージが崩れて残念に思う人もいたかもしれません。

でも、私は自分を誤魔化すことなくその道を自分の恥ずかしい部分まで曝け出して生きてきた杉田さんが嫌いではありません。悪さをしていながら、今ではいい人ですという仮面をつけて大人しくしているような人なんかよりも、ずっとずっと純粋で素直で可愛いと私は思います。杉田さんのそうしたのも彼女の計算の一つかもしれませんが、私は自分の過去に触れる話をトーク番組で語る時の杉田さんの少し怯えたような目を見ていると、堪らなくなるのです。特に妹さんの事を話される時の杉田さん、そしていろいろとあったお母さんの事…。

私が杉田さんを好きになったのはそのキャラクターもありますが、やはり、彼女の演技を見てからです。杉田さんが芸能界を離れなかったのは借金返済というのもあると思いますが、杉田さんの言葉を聞いてこの仕事が好きだったからなのかなと思いました。でも、一方で幼い頃から芸能界にいて、売れてしまい子ども時代に引退をするタイミングを持てず、その世界しか知らないが故に残ってしまったのではないか…という心配もあります。でも、今では落ち着いて福岡で家族と暮らしていて、時々、ブログでその様子を見るとUPされている写真を見ていると幸せそうで心が安定しているように見えるので、ああ、良かったなと安心します。

吉田さんにしてもそうですが、有名子役であるが故に演じた役の縛りを受け、仕事でも私生活でも好奇の目にさらされ、それが芸能人としての宿命であるといってしまえばそれまでですが、それが幼いころから続いてきて、その度に心が傷ついてきたのではないか…。

人間生きていれば子役に限らず心が傷つく事はありますが、有名人であるが故に何も知らない第三者が勝手なイメージを作り上げてその人の人格を否定して罵倒される。実際の学校生活の中で直接、その非難を浴びていじめを受ける子役の人達も多くいます。杉田さん、安達さん、坂上忍さん、宮脇さん、三原じゅん子さん、水澤さんがいじめを受けていたのは有名な話ですが、私は小学生時代に学校に馴染む事が出来ずに転校を繰り返した吉田友紀さんもそうだったのではないのかなと思っていたりします。

あばれはっちゃくシリーズ』で先生を演じた山内賢さんも子役出身の俳優さんでしたが、自身の子役時代を振り返って子どもが早いうちから大人社会に入るのはあまり好ましくないと仰っていた事を知りました。子役時代に傲慢に生意気になっていた自分を恥じるとともに、子どもがそうした世界に入ってしまう事を懸念されてたようです。水谷豊さんもご自身の体験から大人の汚い二面性を見せつけられ人間不信になった事を話していました。それ故に水谷さんは『熱中時代』で子役と共演した時に子役の扱いに気を使ったといいます。恐らくは山内さんも同じだったと思います。

杉田さん、吉田さんと共演した石立鉄男さんも「かおるちゃんの事が心配です。あんなに幼い子がこんな世界に早くから入るのは良くないよ」と言っていたといいます。

山内さん、水谷さんのように自分自身が子役を経験したからこそ自分が大人になった時に共演した子役に対して自分達が体験した嫌な思いをさせたくないという気持ちは強くあったんだと思います。だからこそ、子役を大事に扱っていたんだと思います。二人が子役を大事にしていたのは『あばれはっちゃく』『熱中時代』で二人と共演した子役の人達の思い出を聞いたり、読んだりすればすぐに分かる事です。山内さんが昨年お亡くなりになられた時、『あばれはっちゃく』シリーズの教え子達が皆、悲しみ、その思い出をツイッターやブログで書かれていたのを目にした時にそう思いました。

その中で、とても目立たなかったけれど『俺はあばれはっちゃく』第5話にゲスト出演した元子役で現在物真似タレントの葺本光秀さんの山内さんの訃報のブログに山内さんの訃報に対して最後に短く「この度の山内さんの訃報、とても残念です」とコメントを残した吉田友紀さんが印象的でした。

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