柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

どんな場面になると思いますか?

『気まぐれ本格派』のDVDには当時の資料として新聞のテレビ欄の記事が紹介されています。そこには、『気まぐれ本格派』の台本の一部が紹介されていて、そこで

「どんな場面になると思いますか?」

と問いかけています。台本は当然、文字だけです。当時は顔文字なんてものはなく、(笑)とかという表記もありません。(今でもないと思いますが)『気まぐれ本格派』は漫画原作の作品ではなかったので、登場人物がどんな状況でどんな表情でいるのか?というのは、その台本を読んで想像するしかなかったのだと思います。

私なんかは出来あがったドラマを見ているので、台本を読めば、ああ、この場面で新ちゃんがこんな顔をしていた。一貫がこうだった。楓さんがこんな顔をしていて、袖子さんが…なんてすぐに頭に浮かんできますが、当時、その完成された画面を作る側の方からしてみれば、それがない訳で、どんな表情をして、どんな思いで自身が演じる役がその台詞を言っているのか?というのを考えながら演じていたのだなと思うと、この台詞の一文、一文だけの情報からそれを読みとらなければいけないのだと考えると、当時、この作品に出演されていた役者の人達がどれだけ、読解力があり、表現豊かな役者さんたちだったのか、という事がよく分かります。

もちろん、取りたい画面に役者さん達を導く監督を始めとするスタッフの皆さんの力もありますが、これだけの台詞を覚え、他人の言葉ではなく、自分の言葉として演じる役と一体となって、まさにそこに存在する人物として言葉を話し、存在させる事が出来ると言うのは、凄い事だと思います。

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