柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

意地悪そうな顔をしているでしょ?

これは「男!あばれはっちゃく」で洋子さんが隼人さんの事を長太郎に教えた時に言った言葉です。この時の隼人さんが吉田友紀さん、長太郎が栗又厚さんでした。確かに洋子さんと隼人さんの出会い方は最悪でこれはそう言われても仕方がないなと思ってしまいます。実際に意地悪そうな顔にみえましたしね。その割には次の回で洋子さんと隼人さんはちょっと仲が良くて、信一郎さん少し複雑な顔をしてましたけれど…。

意地悪そうな顔といえば、「それ行け!カッチン」の吉田さんが演じたキヨシ君。転校生のキヨシ君は皆の気を引く為にいろいろと嘘をついたり、見栄を張ったりします。カッチン(斎藤こずえさん)はそんなキヨシ君に腹を立てるのですが、英子先生(真野響子さん)から「なぜかしら?なぜ、キヨシ君はみんなをだまそうとするのかしら?」と聞かれます。聞かれたカッチンは「何故って…」と言葉に詰まるのです。先生はそんなカッチンに答えを導くように聞いています。「ねぇ、カッチン、カッチンが転校してきた時は心細くなかった?お友達が一人もいないって寂し事よね」するとカッチンは「でも、私、嘘なんてついてないもん」と反論しますが、英子先生はそれを優しく受け止めこう続けます。「うん、カッチンはシミジミに乗って一躍人気者になったものね。キヨシ君もみんなに注目されて人気者になってお友達を作りたいから嘘をついたんじゃないかしら」と。カッチンはそれを聞いてキヨシ君とお友達になること思いつきます。

その頃、キヨシ君は空飛ぶ円盤を呼ぶ儀式を皆としていたのですが、カッチンと先生が現れてキヨシ君の嘘がばれます。正太君と良太君に責められるキヨシ君を庇ったのはカッチンでした。しかし、良太君は「上級生を騙しやがって!滅多滅多にしてやる!」正太君は「こんな奴と友達なんてなれるか!嘘つきは泥棒の始まり!こいつはいつかきっと大泥棒になる!」と言ってキヨシ君を許しません。(ちなみにこの良太役が鹿股さんで「俺はあばれはっちゃく」で純平君を演じています。良太君の弟の正太君を演じたのは西川和孝さんです)カッチンは逃げ出したキヨシ君を追いかけて、自分のロバであるシミジミに乗せる約束をするのですが、キヨシ君はその約束を破ります。怒った英子先生はキヨシ君を魔法でカッチンのいる場所へ送るのですが、ずっと待っていたカッチンをキヨシ君は馬鹿にします。その時のキヨシ君の顔がいかにも意地悪そうで、カッチンが可哀想でした。嘘や見栄を張って人気者になって友達を作ろうとしたというと、「あばれはっちゃく」の原作の正彦もそうで、私はキヨシ君を見ながら、正彦を思い出しました。転校生が新しいクラスになれるのはなかなか大変です。私も3回ほど経験していますが、慣れないものです。私の場合は注目を集めたいとは思わず、目立たないようにしていこうという考えでいたので、正彦やキヨシ君とは考え方が違うのですが、知らない所に入られて早く馴染みたい気持ちは良く分かります。

話を「カッチン」に戻しますが、カッチンの気持ちを踏みにじったキヨシ君は英子先生の魔法で懲らしめられます。キヨシ君を助けたカッチンも英子先生から攻撃を受け、キヨシ君はこれを見ていて最初は「嘘だ、嘘だ」と否定しますが、やがてカッチンを助けに行きます。二人はこれをきっかけにお友達になり、キヨシ君も嘘をつかない子になるのですが、これを見ながら思う事は、こうしたドラマって道徳の本と同じだなと言う事です。「それ行け!カッチン」だけでなく「俺はあばれはっちゃく」もそう。NHK教育で放送していた「さわやか3組」など道徳の時間に見るドラマもそうでした。それ程説教臭くなっていない。楽しみながら大事な事を教えてくれていた作品。東野英心さんが子供の為のドラマの復活をさせようとしていたのも、こうした作品を通していろいろと人の心を思いやる大切を知って欲しい気付いて欲しいという思いがあったのかな?と思ったりもします。今は国語の授業で、台詞を言ってどんな気持ちでその台詞を言うか?というやり方をしているようなのですが(少し前にニュースで見た)こうしたやり方も人の心を考えるのに必要なのだと思います。人の心や考え方は眼には見えないけれど、ドラマならば第三者の視点であるいみ神の目線で、主人公以外の心を視聴者は知る事が出来ます。それを置き換えたり、似た立場にあった時にこうだったのだろうか?と近い気持ちを知る事は出来るのではないか?全く同じではなくても、寄り添う事は出来るのではないか?と思うのです。ただ、現実を見ないでドラマの形をそのまま当て嵌めてしまうと本当の姿を見失ってしまうかもしれませんが。人に対する思いやりと想像力は大切だと思うのです。

それにしても、「俺はあばれはっちゃく」第16話と第40話を見た後だと、第16話に登場した文太役の上野さんが哲夫君で、第40話に登場した純平君が良太君役で出ていて、長太郎がキヨシ君役で出てているので、なんとなく奇妙な面白い感じがします。それぞれが別の役で別の人物でやりとりしているのは分かっていても、純平君が長太郎に「滅多滅多にしてやる!」って言っているのか、とか、キヨシ君に約束を破られて腹を立ている哲夫君が文太なのかとか思ってしまって面白く感じてしまうのです。

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