柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

名前

「てるほちゃん、もういいわ」

『俺はあばれはっちゃく』第42話で夕飯の片づけを手伝っていたてるほに母ちゃんが言った言葉。母ちゃんも父ちゃんも基本的にはてるほの事を「姉ちゃん」とは呼ばずに名前で呼んでいたな。2代目以降の兄たちも「兄ちゃん」ではなくて名前で呼んでいたし…。

 私は二人姉妹の姉なので子供の頃は「お姉ちゃん」と呼ばれる事が多かったです。学校でも名字か、名字をもじった仇名で呼ばれていたので、(中には名前で呼んでくれる友人もいましたが)自分の下の名前を冗談だと思うかもしれませんが忘れてしまった事があります(笑)。その事を妹に13年前に少し話したら、それから妹は私の事を「お姉ちゃん」ではなく名前で呼ぶようになりました。

ゲゲゲの女房』で加納さんが言いましたが、その人の役割を表す言葉はその人個人を何処かに忘れているような気がします。

「誰かさんの秘書とか、結婚したら誰かさんの奥さん、子供が産まれたら誰かちゃんのお母さんと呼ばれて、自分がないのが嫌なんです」

 名前と言うのは自分のものでありながら、自分で名前を書く時にも使いますが、人に呼ばれる事で初めて使われるものです。人の声で名前の文字が音となって空間に放たれ、耳で聞いて自分は確かにその人間だと自分自身を確認し一生付き合っていく大切なもの。(いろんな事情で改名される方もいますが)誰かのお姉ちゃん、お兄ちゃん、奥さん、お母さん、お父さんの前にそれぞれ個性を持った人であるという事を教えてくれるもの。

 恐らく、桜間家の長治さんと和子さんは自然に自分たちの子供を名前で呼んでいたのでしょうが、こうして名前で呼ぶというのは意外と単純でありながら、大切な事なのかもしれません。
「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」と呼ぶ事が悪いとは思いませんが、時々は名前で呼んであげて、貴方は貴方よと思い出させてあげるのもいいのではないでしょうか?私みたいに自分の名前を忘れる前に。(私の場合はちょっといきすぎかもしれませんが)

 ちなみに私の名前はあばれはっちゃくシリーズに出てくるある登場人物と同じ名前で、同名なだけで自分の事ではないと分かっていても、テレビの向こうで自分の名前と同じ名前を呼ばれるだけでも嬉しかったです。