柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

女か虎か

『気まぐれ本格派』の新ちゃんは長太郎と違って目立つ事や喧嘩が嫌いで、野球などのスポーツはするものの基本的には本を読んだり、勉強したり、絵を描いたりする方が好きというか、そういうことをする事の方が多かった。そんな新ちゃんがズボンの裾を破いて家に戻ってくる話がある。新ちゃんにしては珍しいなと思ったりもしたが、新ちゃんと袖子さんのこの時の会話を聞いてみるとどうもそうでもないらしい。

「お母さん、またズボン破けちゃった」
「あら、やだ。こんなにまた破いちゃって、何やったの?」
「野球の滑り込み」
「嘘おっしゃい。また、道路でスケートやったんでしょ?」
「嘘じゃないよ!」
「ちょっと待ちなさい」
「いいよ!これで!」

 2人の会話には「また」という言葉が出てくる。つまり、ズボンが破けたのはこの時が初めてではないということだ。また、新ちゃんは破いた理由を野球の滑り込みと答えているが、袖子さんはそれを嘘と決めつけている。

 確かに野球の滑り込みをしたという割りには他の部分は綺麗で土埃もついていない。しかし、だからといって袖子さんが言うようにスケートをしたというのもやっぱり綺麗過ぎると思う。どちらにしても、ズボンの裾は派手に破れているが、他の部分は綺麗過ぎる感じがしてしまう。しかし、袖子さんがそう自信を持って言うからには新ちゃんは過去にスケートで派手に破いたという実績があるからに違いない。

 しかし、過去にそうだからと言ってこの時もそうだとは限らない。新ちゃんが本当の事を言っているのか、それとも嘘をいっているのか?袖子さんの推理が当たっているのか、外れているのかそれは分からない。分かっているのは新ちゃんが幾度か派手にズボンの裾を破いた事が何度かあるという事だけ。

 ちなみにこの前の場面で新ちゃんは遊びに行くが、この時は手ぶらでバットもグローブも、スケートも持ってなかった(道路でスケートと袖子さんが言っているので、このスケートは恐らくローラースケートの事だろう)。持ってはいなくても、スケートは友達から借りたり、野球なら仲間に入ってしまえば手ぶらでもする事が出来る。

 新ちゃんが遊びに行ってから家に戻ってくるまでの行動はドラマの中では描かれていないので、ズボンの裾が破れた本当の理由がどこにあるのか、それは分からない。まるで、『女か虎か』のように答えはないが、いくつもの答えが考える事が出来ると言える。

 このエピソードは『気まぐれ本格派』第12回の中のエピソードでこのドラマを第12回までみてきた当時の視聴者は二人の性格を鑑みてどのように答えをだしたのだろうか?それとも、こんな何気ない場面はさらりと流して見ていたのかな?