柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

夢は夢のままで

 『あばれはっちゃく』の原作で正彦が転校してくるとクラスの女子達や母ちゃんやてるほが正彦に夢中になって正彦は大人気になる。ヒトミちゃんも正彦と仲良くして長太郎としては面白くない。しかも、正彦が長太郎を立てるものだから、長太郎としては益々面白くなかったりする。

 そんな中、下校途中で卒業したばかりのまだ中学生になっていない元6年生にヒトミちゃんと正彦が絡まれる。絡まれるのはヒトミちゃんの方で正彦に助けを求めるのだが、正彦は逃げ腰で頼りにならない。そこへ長太郎が飛んできて正彦と一緒に元6年生を退治しようとするのだが、正彦は足手まといにはなれど助けにならない。結局、長太郎一人で元6年生を退治する。

 翌日ヒトミちゃんと正彦はこの出来事を黙っていて欲しいと長太郎に頼む。

「だってね、吉井くんって、見たとこ、とってもかっこよくて、いかしているでしょ。それなのに、卒業生にとりかこまれて、ひいひい泣いたなんてことがみんなに知れたら、みんながっかりするじゃないの」

 長太郎がそれは本当の事だと言っても、ヒトミちゃんはこう返す。

「でも、わざわざ女の子の夢を壊す事はないと思うの」

 夢は夢のままにしておいた方がいいとヒトミちゃんは言っているのだ。ヒトミちゃんだって女の子で、少しは頭が良くて、手品とピアノが上手で、ボクシングを習っていて運動神経のいい正彦に夢を持っていたはずだ。

 だが、ヒトミちゃんは実は他のクラスの女子達とは違って正彦にあまり夢を持ってなかったのかもしれない。情けない正彦の正体を知っても、それで幻滅するよりも、友人としてまた転校生として苦労している正彦の立場や気持ちの方が良く分かって、それで正彦の友人として正彦に不利にならないように長太郎に頼みに来たのだと思う。また正彦に夢中になって楽しんでいる人達の楽しみを奪う事はないと思ったのだろう。
正彦はヒトミちゃんの横で小さくかしこまりながら長太郎に言っている。

「ぼくみたいに、年じゅう転校して歩くと、こうなっちゃうんだよ。転校生ってどうしてもいじめられるだろ、だから、転校したさきの、一番強そうなのと大いそぎで友だちになっちゃうんだ。(中略)だから、ぼく、本気できみの弟分になりたかったんだ

 長太郎は二人に頼まれてその頼みをきく。
ネットで芸能人などの情報が昔よりも手に入りやすい現代では、好きな作品の裏側や役者の素性を昔より詳しく知ることが出来るようになった。知って嬉しい事もあれば、知らないままのほうが良かったと思う事もあった。特に子供の頃に好きだった作品や人の場合はあまり知り過ぎない方がいいのかもしれない。「夢は夢のままで」大事にしておいくのは大事かもしれない。