『気まぐれ本格派』で一貫が同窓会で初恋の人に会えるとウキウキしているのを見て、袖子さんが元さんに初恋の人はどんな人だったと尋ねると、元さんが答える前に新太に言われてしまう。
「覚えてないよね。明治は遠くなりにけり」
新太はそのまま遊びに行ってしまうが、新太が去った後に元さんは袖子さんに同意を求める発言をするが、聞き返されてしまう。
「失礼な昭和生まれのお兄さんをつかまえてなんて事を言うんだ。ねぇ?」
「えっ?先生、昭和?」
元さんはちょっと言葉に詰まりながら返答する。
「あ、いやあ、あの行ったり来たりの境目の昭和」
恐らく元号が変わる境目の時に元さんは生まれたのだろう。元という名も昭和の始めに生まれたという意味を込めてつけられたのかもしれない。実際にそうした物にあやかって名前を付けられた人達はいる。
さて、元さんに「覚えてないよね。明治は遠くなりにけり」と言っていた新太も、あれから32年経って今度は言われる側の年齢になってしまった。いつか、言われるのだろうか「覚えてないよね。昭和は遠くなりにけり」と。