柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

利昌さんってどんな人だったのだろう?

『気まぐれ本格派』新ちゃんの育ての父親の利昌さんは第2話で死んでしまうので、どういう人かというのは良く分からないが、袖子さんや新ちゃん、元さんや神主の若杉さんの言動からどういう人だったのかと推測は出来る。袖子さん、新ちゃん、元さん、神主の若杉さんの4人から見た利昌さんの人物像と兄弟である一貫、小太郎、霧子から見た利昌さんの人物像はかなり違う。

 袖子さん達にとっては優しくて真面目なそれでいて気持ちの楽しい人だったんだなと思うが、一貫達からみた利昌さんはくそ真面目で面白みに欠けて融通が利かない頑固者という人だった印象を受ける。どちらも利昌さんの性格にあったものだろうが、やはり妊娠した袖子さんが恋人だった今井さんに捨てられ、その袖子さんをお腹にいた新ちゃんごと引き受けて結婚したことを知っていた元さんや神主の若杉さんと知らない一貫達では、違う見方をしてしまうのだろう。

 利昌さんが袖子さんと結婚した理由は新ちゃんも知らなかった訳だが、新ちゃんも袖子さん達と同じように利昌さんを見ていたと思う。利昌さんが死んで一番悲しんでいたのは新ちゃんだった。一貫を責めていたのもそれだけ利昌さんが好きだったのだと思う。
 
 一貫と和解してしばらくしてから新ちゃんは「段々、お父さんに似てきたな」と言うがやはり新ちゃんの心の中には利昌さんが残っていて消えていなかった。それは新ちゃんが書いて授業参観で読んだ「将来の夢」という題の作文内容から分かる。

「あの時もう少し医学が進んでいたら、お父さんの命は助かったかもしれないのだ。だから、僕はお医者になってお父さんのような人の命を救ってあげたいと思う」

 利昌さんにとって新ちゃんは実の子ではない。でも、その新ちゃんがそれほどまでに利昌さんを思えるのは利昌さんが新ちゃんにとっていいお父さんであったからだと私は思う。利昌さんは優しくて頼りがいのある人だったのだと。
だから、元さんが一貫にという言葉にも納得できる。

「利坊は、お前が思うよりもずっと心の優しい人間なんだ」

 それにしても利昌さんが袖子さんと結婚した理由は分かるが、二人が出会ったのはいつだったのだろう?まさか、ある日突然妊娠した袖子さんと出会った訳でもないだろうし、いや、今井さんに捨てられた袖子さんが自殺をしようとしたのを利昌さんが見かけてそれを止めたのがきっかけというのもあるだろうし、それとも、今井さんと袖子さんが付き合っている頃から知り合いで、利昌さんは袖子さんに思いを寄せていたものの、恋人同士の二人を見守っていたのかもしれない。そして、袖子さんが今井さんに捨てられた時に袖子さんを支えたのだろうか?

 利昌さんの弟の2人は(一貫と小太郎)は好きな事をやる為に家を飛び出し自由に生きて来た。利昌さんは家の暖簾(貸衣装屋)を守る為に必死だった。それが、2人の眼にはみみちく見えたのかもしれないが、妊娠した袖子さんを引きうけ新ちゃんを自分の子のように大事に育ててきた事を知っている袖子さんや元さん、神主の若杉さんから見れば心の広い暖かい優しい人に見えていた。新ちゃんにとっても利昌さんはそういう優しい父親だったはずだ。

人間なんて一方から見たら冷たいつまらない人にしか見えないかもしれないが、また別の一面を見ればその人の良さに気付く。人を一面だけで判断するのは勿体ない事のなのだと思う。