『俺はあばれはっちゃく』の正彦の性格を分かりやすく言うと少し嫌味な所のある出木杉君。
長太郎を皆の前でからかったり(第2話)ホラ吹きはっちゃくと冷やかしたり(第14話)、後から「本当は僕もそう思っていたんだよ」(第11話)と言って長太郎の手柄を彼だけの物にしない(第11話のしつけ塾の先生の正体の事、七夕の幽霊騒動の時など)というちゃっかりというか、長太郎を上から目線で馬鹿にしているような所がある。
その一方で長太郎の勘違いや早とちりによる暴力に対しては寛大で許してくれる。
「いいんだよ。長太郎君の勘違いなんだから」(第5話)
正彦の伯母さんのインキチ占いの時(第48話)は父ちゃんの暴力から長太郎を守っていたりする。正彦が完全に嫌な奴なら長太郎も怒りをストレートにぶつける事が出来るが、正彦が親切で優しい所があるので怒りが宙ぶらりんになってしまう。
これは、ドラマより原作の方が顕著に出ていて原作の長太郎はドラマの長太郎よりも、多くのもにょる気持ちを抱えていた。しかし、原作の正彦は虎の威を借る狐だと分かり、(これはヒトミちゃんと長太郎しか知らない)長太郎の気持ちが幾分救われる所があった。ドラマの長太郎はそれがないから、どっこいかな。
『ドラえもん』の出木杉くんの場合は正彦にある嫌味というものが全くない。故にのび太は長太郎よりも、もっとなんとも言えない気持ちを抱くことになる。出木杉君についてドラえもんとのび太でこんな会話をした事がある。
『ドラえもん』23巻「透視シールで大ピンチ」より
の び 太:「いやなやつ!!あんなやつは人類の敵だ!!」
ドラえもん:「出木杉君が?どうして?」
の び 太:「決まっているだろ!あいつなんか、頭はいいし、スポーツは万能だし、男らしくて親切で…」
ドラえもん:「悪いとこないじゃない」
の び 太:「…(困ったような渋い顔)だからきらいなんだよ」
ドラえもん:「どうも きみのいうことはわからない」
長太郎と正彦は友達ではあるが、のび太が出木杉君に抱いた感情と同じものを長太郎も持っていたかもしれない。(のび太と出木杉君も友達だけど)