柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

だまれ!ヒトミちゃん!

アバンタイトル

一人で焚火をしている長太郎、そこにヒトミちゃん、正彦、恵子ちゃん、公一、明子、小百合達が来て、焚火に当たらせてときます。

その前に、長太郎は焚火から取り出したサツマイモをジャンバーの中に、でも焼き立ての焼き芋を入れたから熱がり、ヒトミちゃん達が不思議に感じたところで、ドンペイがじゃれついて、ジャンバーの中から焼き芋が地面に。

一人、焼き芋を食べようとした長太郎を非難され、焼き芋が台無しになってオチ。

この焼き芋は、本編でも別の形で登場するので、このアバンタイトルは本編に繋がります。

本編

バス停でバスを待っていた佐々木先生がゴルフの素振りをしていると、近くにいた女性のスカートを傘で捲りあげる結果に。

そこに長太郎達がきて、結果的にスカート捲りをした佐々木先生を冷かします。否定をする佐々木先生。それを笑いながら見る、長太郎、ヒトミちゃん、恵子ちゃん、公一。

佐々木先生をからかう小学生達、先生も大変ですね。 バス停には『神奈中 美玉一丁目 美好団地行』とあります。この「神奈中」からも、28話で信如が書いたヒトミちゃん宛の手紙の住所、33話の佐々木先生の母親が佐々木先生に宛に書いた手紙からも、51話で二郎を探した時のパトカーに書いてあった「神奈川県警」からも、『俺はあばれはっちゃく』の舞台が神奈川だと推測出来るのです。

バスが来た佐々木先生はバスに乗り込み、去っていきます。

雨は降っていないのですが、佐々木先生は傘を持ってゴルフの練習をしていて、長太郎達も傘を持っています、路面を見ると濡れいますので、登校するときには雨が降っていて、下校時間には晴れたのだと思われます。

そこで、さす必要のない傘を使って、バスを待っている間に佐々木先生は、ゴルフの素振りをしていたという訳ですね。佐々木先生と別れた後で、長太郎が佐々木先生のスカート捲りに関心をして、同じように傘でヒトミちゃんのスカートを捲って、ヒトミちゃんに怒られています。

26話でてるほのスカートを捲っていたいじめっ子達をやっつけた長太郎ですが、ヒトミちゃんに同じことをしてしまいましたね。今回の脚本は市川靖さん、28話の脚本は安藤豊弘さんでした。

下校途中で、恵子ちゃんが知っている大きな家の前を通り、恵子ちゃんがそこに住んでいるのがプロゴルファーのナカムラ キミオの家であることを長太郎達に教えます。ナカムラさんは、恵子ちゃんのお父さんが勤める銀行のお得意さんだということ、息子のトオルが長太郎達と同じ美玉小学校に通っていることを長太郎達に教えます。

恵子ちゃんが、トオルがよく自分の家に遊びに来ていること、ゴルフの遠征で両親が海外に行っていて、トオルが一人で留守番していることもつけくわて説明します。

大きな家を見て、長太郎はゴルファーになろうといいます。

一人で留守番しているトオルが淋しがっていると言って、みんなに遊びに行こうとナカムラ宅に入っていきます。

トオルは、父親が学生時代から獲得してきたトロフィを自慢します。外で、的に向かってゴルフの球打ちをしていく長太郎達、一人部屋に残るヒトミちゃん。ここで、ヒトミちゃんが一人部屋に残ったことと、長太郎達が外でボール撃ちに行ったことが後で関連してきます。

パターを使ってボールを飛ばそうとした長太郎に、ボールを飛ばすクラブの違いを教えて笑う正彦と笑うみんなに、うまくボールを打てない長太郎はヒトミちゃんのいる部屋に戻ります。大きな家に住めるからゴルファーになろうとした長太郎は、野球のほうがいいと言って。あれ?でも38話では、サッカーのセンスがあると言われてサッカーの興味を持っていませんでしたっけ?運動神経のいい長太郎、ゴルフも野球もサッカーも本気に取り組んだらそれなりの成果は出そうな気がします。

でも、ゴルフの球打ちでは、止まっているゴルフボールに当てることが出来なくて、それは道具選びの間違いにもあるのですが、運動神経のいい長太郎にして珍しいですね。長太郎が思い通りに球打ちが出来なくて、正彦達に笑われてふてくされて、ヒトミちゃんが残る部屋に戻ってくるのも、この話の騒動の元になるきっかけを作るものになっています。

一人で部屋に残っていたヒトミちゃんは、綺麗なガラスの花瓶を見ていて、持ち上げてしげしげと見ていた時に、花瓶を割ってしまいます。そこに長太郎が来て、ヒトミちゃんと入れ替わります。ゴルフの素振りをしていて、ヒトミちゃんが戻した花瓶をゴルフクラブに当ててしまった長太郎は、自分が花瓶を割ったと思って、ネズミが出たと大騒ぎをして、ガラスの花瓶を粉々にしてしまいます。でも、不自然に割れていること、ネズミがおもちゃであることを正彦と公一に、特に正彦はガラスの花瓶を割ったことを誤魔化した長太郎を責め立てます。

ヒトミちゃんは、自分が割ったことをみんなに話そうとしますが、そのヒトミちゃんを見て事を察した長太郎はヒトミちゃんに向かって、大きな声で口止めをします。

「黙れ!ヒトミちゃん!俺が割ったんだ!」

長太郎は弁償をすることを約束させられ、父ちゃんが働くダイエーで同じ花瓶を見つけますが、300円だと思ったそれは、300000円。当然、長太郎の小銭で買えるわけもなく、そこに父ちゃんが通りかかり、長太郎が欲しがっていると見て、花瓶を買ってきますが、それは安い方。

父ちゃんが本物の高い方を買ってきたと喜んだ長太郎ですが、安い方だと知ってがっかり、事情を知らない父ちゃんと母ちゃん、てるほは、長太郎にこんなに綺麗な花瓶なんて勿体ないと父ちゃんに言います。

翌日、トオルや正彦達に弁償の目処がついたかと責められていますが、ヒトミちゃんは、本当のことを話そうとしても、長太郎は口止めするし、正彦達は長太郎の仕業だと思い込んでいて耳を貸しません。ヒトミちゃんも心が咎めながらも、強く言い出せないまま。でも、なんとか長太郎の無実を証明しようと、ナカムラ宅で捨てられた花瓶の破片を見つけて、花瓶がヒトミちゃんが割る前から、割れていたという事実を見つけます。冬で手ぶくろをしていたとはいえ、人の家のガラスのゴミをあさるヒトミちゃんの行動力がすごいですね。長太郎は、焼き芋の屋台の手伝いをして、花瓶を買うためのお金を貯めますが、お金ではなく報酬は焼き芋。

ここで、アバンタイトルで焼き芋を食べ損ねた長太郎が、いっぱい焼き芋をもらってがっかりするのが、なんだか皮肉ですね。長太郎が焼き芋の屋台の手伝いをヒトミちゃんが見ていて、事情を知るヒトミちゃんが焼き芋を多く買い、長太郎を気遣って焼き芋を渡す場面は、ヒトミちゃんの温かさを感じます。

長太郎がトオルや正彦に強く責められていたのがその前にあるだけに余計にそう感じます。

ヒトミちゃんは、家でテープを使いながら割れたガラスの花瓶を直していきます。

一方、ツアーから予定より早くナカムラプロが戻ってくる知らせを受け、恵子ちゃんが正彦と公一に、ナカムラプロが戻る前にガラスの花瓶を戻さなければ、連帯責任になるということを知らせ、正彦が慌てます。それまで、自分には関係がない、長太郎を責める立場だったのが、長太郎と同じ立場になって、冗談じゃないという気持ちが狼狽となって表に出てきています。他人事から、我が身の問題になってしまった時に、長太郎に押し付けていた正義感が自分を苦しめることになったのですね。

テープで直していたガラスの花瓶を直していたヒトミちゃんは、自分が貼る前にテープが貼ってある破片を見つけます。ここで、ヒトミちゃんが予測していた、自分が割る前に割れていたことの証拠を掴むのです。

その頃、連帯責任にされて焦った正彦、公一、恵子ちゃんは、長太郎の家に文句を言いに来ていました。正彦の長太郎を責める口調とその言葉が、無関係な自分たちを巻き込んだこと、正彦達も罪に陥れたことを責めているのですが、同じ場所にいて、同じようにナカムラプロの家に上がり込んで、そこで起きた事件。

ナカムラプロの家に遊びに行こうと言ったのは長太郎ですが、そもそも恵子ちゃんが紹介をしなければ、下校の寄り道を正彦が注意していれば、事故は起きなかった可能性があります。「たら」「れば」を言えばきりがありませんが、遡ってみれば長太郎だけが悪いのではなく、正彦達も全くの無関係とは言い切れないのです。たまたま、ガラスの花瓶に接触しなかった。割れた後で今回の騒動を知る立場になっただけで、長太郎を非難する立場を得ることが出来たという、運の良さを持っていたに過ぎません。

玄関先で責められ、母ちゃんもてるほも心配して、長太郎に聞きますが、長太郎は部屋に戻り、逆立ちをして父ちゃんが買ってきた安い3000円の見た目は同じ花瓶に「0」を足してナカムラ宅に向かいます。母ちゃんが、玄関先で聞いた話を正彦に確認していたところに、長太郎が廊下の奥の自分の部屋から花瓶を抱えて出てきます。

長太郎が、弁償しようと行動を起こす時、白い光の背景にナカムラプロの怒っている顔が何度か映像で出てくるのですが、それは、長太郎は部屋に貼ってあったナカムラプロの姿を見て、ナカムラプロが大事にしている外国製のガラスの花瓶を割ったことを怒っている姿を思い浮かべているのですね、それが段々と怒りが行動に出てきて、長太郎が偽の花瓶(プラスチック製)を持って出た時には、長太郎の頭の中のナカムラプロはゴルフクラブを振り上げています。

こうしたカットを合間、合間に入れてくることで、長太郎が30万円もするガラスの花瓶を弁償することに対しての責任の重さと、弁償が出来なかった時の恐怖を見せていて、視聴者にも長太郎の追い詰められた心境を感じ取ることが出来ます。

今回の監督は、川島啓志監督ですが、川島監督は、『俺はあばれはっちゃく』の初期チーフ助監督をされていて、『俺はあばれはっちゃく』11話で監督に昇進されています。

途中で助監督にも戻っていたりするのですが、最終的には監督になっています。

山際監督、新津監督の下で働いたことで、一年間『俺はあばれはっちゃく』の制作現場にいたことで、川島監督なりの長太郎の感情を見せる演出を考えてきたのではないか?と思うのです。

ナカムラプロにぶっ飛ばされるのを覚悟でプラスチックの花瓶が入った箱を抱えて走っている姿に長太郎の心の声が重なり、走り去っていったあとで、交差している道の奥からテープでガラスの花瓶を直してそれを赤い風呂敷らしきものに包んで持っているヒトミちゃんが走ってやってきます。

走っていく長太郎、奥から見ている私たち視聴者の前にやってくるヒトミちゃん。二つの画面情報が時間差で、視聴者の前に現れます。長太郎の無実を証明するために、ヒトミちゃんが走っている。ガラスの花瓶を粉々にして、証拠隠滅を図ったのは長太郎で実際に割ってはいるのですが、それは、真っ二つに横に割れていたガラスの花瓶が割れていたのをヒトミちゃんが割ったと思ったから、そもそも割れていなければ、ヒトミちゃんも長太郎も誤魔化す必要はなかったのです。

長太郎はナカムラ宅に向かいましたが、ヒトミちゃんは長太郎の家に向かって、そこに残っていた恵子ちゃん達に、自分が復元したガラスの花瓶にある自分がテープで修復する前のテープの色の違いを指摘して、元々割れていたガラスの花瓶であったこと、長太郎の不自然のことを言って、みんなに長太郎の無実を訴えます。

それに対して、すぐに反応したのは公一。長太郎がやけに自分が割ったこと主張していたことを思い出します。そこで、ヒトミちゃんは、長太郎が自分を庇ったこと、自分が持った時に変な音がしたことを話し、長太郎が自分を庇っていたことを話すと、それを聞いたてるほが、長太郎を褒めます。

これまで、正彦が長太郎を「男らしくない」と正論で非難したいただけに、てるほの言葉はしんみりきます。母ちゃんも満足そう。

ヒトミちゃんは、長太郎一人を悪者にしたくないと、真実を伝えにナカムラ宅に行くことを決め、それに同意する恵子ちゃんと公一、正彦にも公一が同意を求め、それまで長太郎を悪者にしていた正彦はバツが悪そうな様子で、行くことを承諾しますが、一言。

「でも、壊したことは謝るべきだよ」 

これを言えるのは、やはり正彦らしいなって思います。長太郎が粉々にしたのは事実ですから。だけど、長太郎がヒトミちゃんを庇っていたこと、元々割れていたことを知って、ちゃんと逃げないでヒトミちゃん達と長太郎の為にナカムラ宅に行こうとした姿は、連帯責任を取らされることに怒っていた正彦を考えると、結果的に連帯責任を受け入れたわけで、そういうところは偉いなって思います。

場面は走っている長太郎に変わり、長太郎が車に轢かれそうになり、慌ててよけると、抱えていた箱が落ちて、自動車のタイヤの下敷きに。運転席から出てきたのは、ナカムラプロ。 長太郎がナカムラプロに気づき、花瓶が割れたことを伝えると助手席から出てきたナカムラプロの奥さんが、立ち話もなんだからと、自宅に来てもらいましょうと言って自宅へ行くことに。長太郎は心の中で思います。

「これで、おあいこだな」 

 ナカムラ家にナカムラ夫婦と一緒にきた長太郎。部屋にいたトオルに長太郎がガラスの花瓶を割ったことを告げ口するトオル

残念がる奥さんと、とうとう割れたか?というナカムラプロ。

奥さんの反応はともかく、ナカムラプロの反応はどこか不自然。長太郎が弁償すると言ったというトオルに長太郎は、ナカムラプロの自動車で割られた自分が持ってきた花瓶の箱を振り、破片の音を立てます。

そんな長太郎に、本当に割ったのか?と穏やかに尋ねるナカムラプロ。大事にしていた外国製のガラスの花瓶を割られたことを知ってのナカムラプロの反応は、長太郎が想像していたよりもずっと、穏やかです。30万もするものを小学生の長太郎が弁償しいたことに不信を感じて、破片を手にして見たナカムラプロは、大笑いをして言います。

「似てる、似ている。そっくりだ」 

 そこで、偽物だとばれたところに、ヒトミちゃん達が本物の割れたガラスの花瓶を持ってきて、事情を説明。長太郎の無実は晴らされます。

ヒトミちゃんが持ってきたガラスの花瓶のテープの貼ってあった破片で、犯人が分かり息子を叱るナカムラプロ。しかし、さらにもう一人の真実の犯人が、奥様の口から分かるのです。

「あなただって、人のこと言えないんじゃないの?パットの練習で花瓶の底にヒビを入れちゃったじゃないの」 

 突き詰めれば、ナカムラプロがガラスの花瓶を割る下地を作っていたのですね。大きな家に住み、海外遠征をして賞金を稼ぐプロゴルファーなら、30万円の新しいガラスの花瓶を買えると思うのですが、トオルが「パパのお気に入り」と言っていたのを考えると、そのガラスの花瓶自体に思い入れがあったのだと思まいます。

それが割れても、笑っているところが懐がでかいなって思うのと、ヒビを隠していたことの矮小さも感じられて、ナカムラプロにお茶目な印象を受けました。それまで、長太郎の頭の中でのナカムラプロが怖かっただけに、今でいうギャップ萌えを感じました。

また、奥さんの言葉からガラスの花瓶が、初優勝の記念の物であることも話されて、大事にしていた理由も判明します。

「せっかく初優勝の記念なのに、この中に球を入れる練習をしていて、本当にもったいないわ。それが ただ飾ってあるだけ代物よ」

 これを受けて、ナカムラプロの言った言葉。

「ま、名誉っていうのは品物じゃなくて、努力の積み重ねだ。ピタゴラス曰く、形あるものは壊れる」 

 これで、円満に解決だと思えば、長太郎が父ちゃんが大好きな酒も飲まずに買ってくれた花瓶はどうなるのか?と聞くと、ヒトミちゃんがプレゼントしてくれるといい、恵子ちゃんもそれにのり、ナカムラ夫妻も「私たちも」と言って、長太郎はみんなからの言葉に照れてしまいます。

「もて過ぎちゃうのも困っちゃうな」 

 目出度く汚名が晴れ、明るい笑顔が戻った長太郎の姿に胸を撫でおろした話でした。