柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

2代目登場

アバンタイトル

公園に十字架と棺桶。棺桶からは、ドラキュラに扮した長太郎が出てきて、ヒトミちゃんを襲おうとして、声をかけ振り向いたヒトミちゃんがのっぺらぼうという、落ち。

本編

長く白いマフラーをして長太郎が、ドンペイと走っています。場面は変わって、タイ焼屋。小さい女の子がタイ焼きを焼いていて、ヒトミちゃん達が店の前で買ったタイ焼きを食べています。タイ焼きを焼いている女の子を熱心に見つめている男の子。

そこに、長太郎が走ってきた長太郎がタイ焼きを買いに来ますが、焼いて並べてあるタイ焼きにドンペイが興味を示して、それをタイ焼きやのおばさんが見て箒で叩いたことからドンペイが暴れて、滅茶苦茶に。

タイ焼きを焼いていた女の子の悲鳴に、女の子を見つめていた男の子が助けに入ります。長太郎もドンペイを止めるのですが、止めきれず、男の子の活躍で事なきを得ます。

今回は、このタイ焼きを焼いていた女の子とその女の子を見つめていた男の子がこの話の主役です。二人は、長太郎の小学校の4年生の澄子ちゃんと五郎。

五郎を演じていたのが、後に2代目『男!あばれはっちゃく』で2代目長太郎を演じる栗又厚さんです。

翌日、五郎のことが長太郎のクラスの話題になっています。五郎のことをどこの子かとヒトミちゃん達が自分たちの前の席に座っている長太郎に聞えるように聞きます。

 「だけどさ、昨日の力持ちの子、どこの子?」

「今度、私んちの近所に引っ越してきた、4年生よ」

「4年生にしちゃ、すごかったよね」

「力は強いし、喧嘩も強そうじゃない」

「顔もまあまあ」

「われらのはっちゃくも形無しってとこね」

「ほんと、メロメロだったもんね。はっちゃくもかなわないんじゃない?」

 五郎は、ヒトミちゃんの近所に引っ越してきた4年生。タイ焼きやで粉の袋などを持ち上げ片付け、騒動を収めた一連の出来事を見ていたヒトミちゃん達は、小百合から五郎の話題を出し、正彦が長太郎を意識したような表情で、「4年生にしてはすごい」と言い出します。

手前の長太郎の隙間から見える正彦の顔がニヤニヤしていて、これが明らかに長太郎に対する嫌味の言葉だと分かります。今回の監督は山際監督ですが、長太郎の後ろで長太郎を挑発する会話をさせ、手前の長太郎の憮然とした表情と奥でニヤニヤする正彦の表情を同時にとらえて対比させ、長太郎を怒らせているのが分かります。

一通り、ヒトミちゃん達の会話が終わったところで、手前の長太郎に会話に参加しなかった公一を登場させ、黙って聞いている長太郎に話しかけ、画面奥と手前の話を運ぶ場面の主導が入れ替わります。

公一に、勝手なことを言われていいのか?と聞いた長太郎は、あばれはっちゃくとしての力を見せつけ、教卓を持ち上げます。頭より高く持ち上げ、教卓の花瓶を割ったところで、佐々木先生が来て、怒鳴られ、廊下に立たされてしまいます。

すると、廊下には同じように水のバケツを持った五郎がタイ焼きを食べて立っていて、長太郎は、五郎に話しかけ、五本松のところでまっていろといいます。五郎は、食べていたタイ焼きを長太郎に投げて、長太郎はそれを口でキャッチして、佐々木先生にタイ焼きを食べていることを怒られてしまいます。

五郎は、それを肩をすくめて見ています。タイ焼きが五郎から長太郎に渡る動線が面白いですね。

約束の場所にきた長太郎と付き添いの公一。五郎がまだ来ていなくて、公一は長太郎が先生に長く怒られたせいだといいますが、五郎がやってきて、宿題を一週間分やらせていたことを話して、公一が長太郎といい勝負だといいます。

長太郎は五郎が自分を負かしたら、なんでもいうことを聞くというので、五郎はタイ焼きを食べて、相撲で長太郎と勝負します。行司は公一。

この相撲勝負は、この話49話の予告編でもやっているのですが、本編と勝敗が違います。

本編の勝負は引き分け。でも、年下の五郎が自分と引き分けたことで、五郎を気に入った長太郎。引き分けでも、お願いを聞いてくれるかと聞く五郎に、五郎を気に入った長太郎が承諾すると、五郎はタイ焼きやの澄子ちゃんに告白するのを応援してほしいとお願いして、長太郎と公一が五郎の恋の手助けをしてあげます。

澄子ちゃんのタイ焼きを手伝いに来た長太郎、公一、五郎。『およげたいやきくん』の音楽にのせてやってきます。ちゃんと、子門正人さんの歌声も聞こえています。

タイ焼きを作るのを手伝っている時に、澄子ちゃんのおばあちゃんの指輪が餡子に紛れ込み、300万円もする指輪を探す為に、公一の提案で知り合いに宣伝もかねて食べさせることをしますが、みんなが帰った後でも指輪が見つからず、残った五郎が残りのタイ焼きを食べて、指輪を探し出します。

五郎は澄子ちゃんに声をかけられ、デートの約束をします。

しかし、次の日、澄子ちゃんが約束の場所にいないので、五郎は長太郎のとこにいきます。タイ焼き屋に行くと、澄子ちゃんではなく澄子ちゃんのおばあちゃんがタイ焼きを焼いていて、澄子ちゃんが両親のいる九州に突然転校したことを告げます。

長太郎は、五郎に澄子ちゃんを見送るため、電車の見えるところまで走って行って、二人は、澄子ちゃんが乗っているであろう電車に向かって手を振ります。

五郎は、澄子ちゃんのおばあちゃんからもらった手紙を読みます。この手紙で澄子ちゃんは、「一年ほどで東京に戻ってくる」と書いていますが、これまでの映像からの推測から、初代『俺はあばれはっちゃく』の舞台は神奈川県だと特定出来るのですが、今回の脚本を書いた田口成光さんは、25話の脚本で伊豆に旅行に行った時にも、ヒトミちゃんに「東京に帰ったら」と言わせているので、田口成光さんの中では、『俺はあばれはっちゃく』舞台は「東京」になっていたのかもしれないなって思います。

田口成光さんの脚本で舞台が東京だとされるのは、ヒトミちゃんの言葉と澄子ちゃんの手紙の文面だけなので、他の佐々木先生やヒトミちゃん宛に書かれた手紙の宛先に書かれた住所で分かる「神奈川県」という物的証拠などは出てこないので、そう推測するのです。

近づいてくる世代交代

今回は、27話で後に2代目で正彦のポジションにつく、邦彦役の長野昇一さんに続いて、2代目で主役を演じる栗又厚さんが『あばれはっちゃく』シリーズに初登場した回でした。

初代長太郎役を演じた吉田友紀さんは、ゲスト出演した子役の中で、長野さんと栗又さんが出演したことを、あれはテスト出演だったと、DVDの解説書のインタビューで答えています。

あばれはっちゃく』の人気が出て、伊豆のロケが決まり、放送の延長が決まって、2代目の制作が決まり、次の時代の新しい『あばれはっちゃく』シリーズが企画され、その新しい『あばれはっちゃく』に出演する、主役とライバル役のテストを兼ねたゲスト出演だった訳です。

長野さんが演じた27話に登場したヒトミちゃんの従弟のサトルも、今回、栗又さんが演じた五郎も長太郎に負けず劣らない「あばれはっちゃく」振りを見せていて、次の「あばれはっちゃく」感を出していました。

長野さんのサトルがより、長太郎に近いのに対し、五郎は気が優しく引っ込み思案なところが少し長太郎と違いますが、いざというときに、力が出てくるタイプになっていました。

結果、長野さんは初代の正彦に当たる邦彦を、栗又さんは2代目長太郎を演じることになります。2人が継いだ新しい『あばれはっちゃく』、『男!あばれはっちゃく』がどんな作品になるかを当時1980年1月19日にこの話を見ていた視聴者が知るのは、後、もう少し先の話です。

2代目『男!あばれはっちゃく』は、『あばれはっちゃく』シリーズ全5作品の中で、一番長く続いた作品となっていきました。