柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

マンガ版『俺はあばれはっちゃく』

マンガになった『あばれはっちゃく

ご存知で当時読んでいた、あるいはコミックスを買っていた、今も所持している方達もいると思いますが、『俺はあばれはっちゃく』は1979年放送当時、漫画化されていました。

掲載誌は徳間書店の『テレビランド』この『テレビランド』で漫画家のくまのよしゆき先生によって連載されました。確認できる限りでは2代目『男!あばれはっちゃく』まで連載されていて、初代『俺はあばれはっちゃく』と2代目『男!あばれはっちゃく』分で全2巻。

ただし、1巻で『俺はあばれはっちゃく』の漫画の内容は完結しています。

マンガの舞台は東京郊外

このブログで、映像や言葉から分かる情報から、ドラマ版『俺はあばれはっちゃく』の舞台は神奈川県だと特定しました。

kakinoha.hatenadiary.com

 漫画版では冒頭からいきなり、

 ここは東京の郊外

 という説明から入り、舞台が東京であることが提示されています。ちなみに、山中恒先生の原作『あばれはっちゃく』には、確かな明記はないものの、正彦が東京からの転校生であること、ヒトミちゃんが北海道に転校していくことが書かれているので、少なくとも、東京でもなく、北海道でもない地域だと考えられ、架空の町「美玉市」であることしか分かりません。

東京郊外と東京を舞台にした漫画版『俺はあばれはっちゃく』にも、正彦が転校生として登場してきますが、どこからきた転校生であるかということは書かれていません。

原作とドラマの要素が入り混じった人物造形

漫画版を読んでいると、公一のことを長太郎が「もやし」と呼んでいたりして、原作の公一についた「オンナノコ」という呼び名が出てこないので、原作よりはドラマ版に近い設定で描かれていると思うのですが、佐々木先生が「エンマ先生」と呼ばれていて、怒りやすくて怖い先生になっていたり、正彦がのら犬をいじめていたりと、ドラマ版の人物とは若干の違いがあります。佐々木先生は、原作ではそんなに印象はないのですが、6年生の担任の大林フミ先生がヒステリックな一面があり、漫画版の佐々木先生は、原作の佐々木先生と大林先生がミックスされたような印象を受けました。

それでも私たちの佐々木先生

しかし、タイトルからしても、ドラマ版の漫画版というところから漫画化されているためか、ドラマの厳しくも優しい佐々木先生の要素が入っていて、単なる乱暴者になっていないのが、漫画版の佐々木先生です。

子どもだからとい言って情けをかけずに、長太郎と対等の立場で接してくれます。

長太郎が宿題を忘れたり、清掃時間に遊んでいたり、サッカーボールを追って花壇を荒らすたびに佐々木先生、「エンマ先生」は長太郎にげんこつをくらわすのです。

腹に据えかねて、長太郎が佐々木先生に戦いを挑み、その挑戦を受けて佐々木先生は砂場で長太郎と戦いますが、大人相手の佐々木先生に長太郎は負けてしまいます。

「なんでえ なんでえ 先生はおとなだもんな おれとケンカしたって勝のあたりまえじゃないか おれだって おおきくなったら…」

「なにをいうか長太郎 男同士の対決っていったのは おまえのほうだぞ おとなも子どももかんけいない おまえは負けたんじゃー 男らしくみとめんかー ばかたれ ひとりになって少し反省しろ」

「うるせ~っ エンマのバカヤロー 暴力教師~っ おまえなんか死んじまえ 死んじまえ~っ」 

長太郎は姉のてるほにエンマ先生のことを話しますが、てるほはそんな佐々木先生のいい先生といいます。佐々木先生が学校を休むことになり、いつものように叱れなくなった長太郎は調子が狂うというのです。

本気で佐々木先生が長太郎に向かい合い、悪いことをしたら、本気で叱ってくれる佐々木先生は、多少暴力的ではあっても、漫画版でも健在でした。なぜ、佐々木先生が学校を休むことになったかについては、漫画版を読んでみてください。

山中恒先生の原作ともドラマとも違う、くまのよしゆき先生が描いたまた別の漫画版『俺はあばれはっちゃく』『男!あばれはっちゃく』に違った世界の長太郎の物語を楽しむことができますよ。