柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

泳げ!鯉のぼり

アバンタイトル

ゲストの女の子と長太郎の2人。傷はメイクだと思いますが、生傷が耐えない長太郎ですね。長太郎役の吉田友紀さんが、DVDBOXにあるブックのインタビューで病院通いが多かったというのも頷けます。

本編

今回の話は、私が『俺はあばれはっちゃく』の全話の中で2番目に大好きな話です。それにしても、正彦の鯉のぼり揚げにみんなを呼んできて、一番の功労者の長太郎を吹流しに例えるヒトミちゃんって……。
先に鯉のぼりにみんなを例えたのは、正彦なんですけど、正彦はヒトミちゃんと自分をお父さん鯉とお母さん鯉に例えた後は、他のみんなはそれ以外って言っているんので、自分とヒトミちゃん以外は平等に扱っているんですよね。
ヒトミちゃんの言葉にのって、長太郎に追い討ちをかけるのが公一。

正彦の鯉のぼり自慢で、先に言い出したのが正彦なんで錯覚しがちなんですが、長太郎をけなしたのはヒトミちゃんと公一であることは間違ってはいけないなって、正彦も好きな人がいることを知って、正彦を長太郎の恋敵として見るだけではなく良いところを見るようにしているんですが、こういう細かいとこも気をつけてみないとなって思います。

さて、正彦の鯉のぼりに負けまいと、長太郎も鯉のぼり自慢をするのですが、実際は持ってない長太郎。そこへ、父ちゃんの恩師の大熊先生が訪ねてきて、長太郎の作戦が始まります。この作戦、原作では違う話でヒトミちゃんが取った作戦の1つなんです。原作にある事件を放送日の1979年5月5日の放送に合わせて巧く取り入れて、季節柄の話にしたところがお見事です。脚本は山根さん。
父ちゃんの大熊先生を演じている太宰さんは、『男はつらいよ』の映画シリーズにタコ社長として既に認知度が高くあった俳優さんで、長太郎の鯉のぼりを買って欲しいという事情を聞いて、長太郎と共に

「男はつらいの」

って言っているところは、これはもう『男はつらいよ』を意識した言葉だと思います。
父ちゃんをおだてて鯉のぼりを買ってもらおうとした長太郎も、ヒトミちゃん達が来たときのテープをてるほが再生して、それが父ちゃんの悪口部分にあたるところだからさあ大変。

この後の、長太郎と大熊先生の寝床での会話はとても好きな場面です。申し訳ないと思った大熊先生が長太郎に自分の家までの地図を渡して、鯉のぼりを渡すことを約束します。
その地図が筆で描いた巻物みたいで、宝の地図のようです。
長太郎にとっては、鯉のぼりは宝物ですものね。大熊先生との約束で電車にもバスにも乗らずに、かなりの距離を走ったり、ヒッチハイクをしたりして、満身創痍で大熊先生の家を目指す長太郎。

一方、長太郎の家に来た正彦達の言葉から、母ちゃんは大熊先生のところへ行ったと推測した母ちゃん。長太郎が大熊先生のところに辿り着いたときに母ちゃんの連絡を受けてきていた父ちゃんが待っていました。
大熊先生の長太郎が約束を守ってきたことをしっかりと褒めてくれる大熊先生。長太郎をいたわる父ちゃんと優しい大人達に見守られているのを感じます。
大熊先生が長太郎に渡したのは、大熊先生の戦死した息子さんの鯉のぼり。

時代を感じます。1979年は、1945年に日本が敗戦してから、34年後のこと。
まだ、敗戦が今よりも近い時代です。それでも、子ども達にとっては生まれる前の知らない時代の話。
戦争の記憶がしっかりとある世代が多かった時代、それとなく大熊先生の言葉は戦争を二度としてはいけないということを伝えていると感じます。

海辺で父ちゃんと長太郎の言い合いも双方に愛情があって好きな場面です。
苦労して持ってきた鯉のぼりは穴だらけで、長太郎は母ちゃんに修復を頼みますが、自分でやるようにとてるほの言葉に徹夜で長太郎が繕います。ここで、長太郎は家庭科が得意とてるほが言うのですが、通信簿の数字は体育以外は悲惨だったので、てるほの母ちゃん助けのための長太郎をおだてるための言葉だったかなって思います。

長太郎の見事な鯉のぼり揚げにきた、ヒトミちゃん達。正彦の負け惜しみが鯉のぼりの素晴らしさを逆に語っています。

「穴だらけじゃないか!」
「でも、長太郎君らしいわ!すてきよ」

今度は、ヒトミちゃんが褒めています。最初に長太郎を「吹流し」と言った人と同一人物とは思えませんね。ヒトミちゃんは案外と思ったことをストレートに言う性格だなって思います。
次回は、母ちゃんが中心の話。来週は、母の日が近いですからね。
この予告を見ると、次回の話の中との間違いがあるのに気がつきます。実は、15話の予告の中に16話でないと成立しない箇所があるのです。それで、ああ、もうこの時点で16話までの撮影が終わっているんだなって分かります。
これは、本放送の時とかには気がつかない点かなって思いました。