柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

女性がメインです

唯一の女性脚本家三宅さん登場

『俺はあばれはっちゃく』も第3話。
これまで1話、2話で山根優一郎さんが脚本を担当されていましたが、第3話で新たな脚本家三宅直子さんの登場です。
三宅直子さんは、この第3話からシリーズ最終作『逆転あばれはっちゃく』まで、脚本家として『あばれはっちゃく』シリーズに最後まで関われていきます。
初代『俺はあばれはっちゃく』に関わった5人の脚本家の中で、唯一の女性脚本家の方です。

 そのために、三宅直子さんが担当されるお話は、女性の人物達が話の中心になっていて、最初のメインは長太郎の姉、てるほです。
母ちゃんのおせっかいな面も出ていて、母ちゃんも少し目立っています。
父ちゃんが、てるほのことを「ちゃん」づけで呼んでいるのは、振り返ってみてみると、ちょっと珍しいですね。
1979年本放送の時は、まだ第3話だったので、そういうことを視聴者がまだ感じるところまではいってなかったと思いますが。

本編

 てるほの初恋がメインの話。
弟の長太郎が小学5年生で片思い恋愛中なので、中学2年生で初恋でラブレターを書いたけれども渡せていないてるほは、奥手だなって感じます。
この頃って、恵子ちゃんが長太郎を好きみたいな描写があって、これは1話、2話でもなんとなくそう感じる部分は少しあったんですけれども、第3話では明確になってます。
それで、長太郎はヒトミちゃんに誤解をされてその誤解を解くために手紙を書くのですが、誤解を解くために手紙を使うところが、今となっては古風な感じがします。

 長太郎なら手紙ではなく、直接言いそうな気もするんですけれども、ヒトミちゃんには直接言うのに少し怖いっていう感情があったりするのかなって思ってみたり。
第2話の長太郎の一張羅もそうなんですけど、第3話の長太郎の手紙を受け取ったヒトミちゃんもお琴の練習のために着物を着ているんですよね。学校から帰ってきて着物を着ているっていうのも、本放送の1979年当時でも珍しかったんじゃないでしょうか。

この回は、長太郎がてるほの初恋を実らせるために恋のキューピッドをかって出るのですが、これはてるほのためというよりは自分の為なんですよね。
この長太郎の行動のきっかけになったヒトミちゃんの言葉が私は好きなんです。

「心が傷ついているのよ、心が優しくなれば優しくなれるわ」

 で、姉てるほのために一肌脱ぐのですが、これって、喧嘩して人をとっちめてやろうって思うよりも、優しくして相手に心の余裕が出来たら、自分にも優しさが戻ってくるってことを暗に示していて、まさに「情けは人のためならず、巡りめぐって我が身の恩」という本来の言葉の意味を表現しているんだなって思います。
長太郎のキューピッドの影で、物語の冒頭から人間関係をややこしくするキュービッド役を勝手にしているのが公一です。
長太郎と恵子ちゃん、ヒトミちゃんと正彦のカップルを作って喜んでますね。

 恵子ちゃんは途中からこの恋愛関係から外れていくのですが、いよいよこの第3話で長太郎、ヒトミちゃん、正彦の三角関係が出来上がったって感じがします。
それにしても、この第3話の長太郎やヒトミちゃん、正彦も恵子ちゃんもマセていますよね。
中2のてるほの初恋、相手の高校生のヒデキさんはマザコンで、小学5年生の長太郎に言われっぱなしだし、恋愛関係や感情は長太郎達の方が上だなって思います。

 さらに恐ろしいのは、自分がモテている自覚のあるヒトミちゃんですね。
ヒトミちゃんは優しさもあるんですけど、ラブレターをコレクションしていて、その数を自慢している。
さらに数だけではなく、質まで求めているのは長太郎にラブレターの書き直しをしたことからも分かります。
うーん、長太郎もこのヒトミちゃんが初恋だとかなり先が思いやられるってことが伺える第3話でした。

 第3話では、アイキャッチやサブタイトル以外にも、場面転換にイラストが使われていて、これも全体を通してみると第3話だけなので、特徴的です。
サブタイトルのイラストが女の子同士が向かい合っている横顔だって言うのも面白いですね。
この向かい合っている女の子って誰なのかなあ。
普通に考えると、ヒトミちゃんとてるほってことでいいのでしょうか。

 頼りにならないヒデキさんのマザコンに失望したてるほがふる形で初恋は終わりましたが、頼もしいてるほが誕生し、長太郎の一筋縄ではいかない恋愛が始まりを告げた第3話です。女の子の強さと逞しさが出ている話だなって思います。

収録DVD紹介

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

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  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD