柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

やめるな先生

アバンタイトル

今回は珍しく、佐々木先生も登場。正彦、ヒトミちゃん、恵子ちゃん、明子、小百合達もいて、みんなで川原でフリスピーをしたり、バトミントンをして遊んでます。主役の長太郎と、その親友の公一はというと給食の白衣とコック帽をかぶって、寸胴でご飯を作っています。

どうやら、みんなが遊んでいる間に、長太郎と公一はお昼ご飯を作っているようです。公一が文句を言うと、長太郎が

公一、俺たちはな、たまには人に喜ばれることしなくちゃ 

って諭します。まあ、この二人が作る料理がまともでは、ないのですが。二人の料理が出来て、さあ、食べるぞってところで、その招待が分かって落ち。

 本編

第33話。『やめるな先生』は、佐々木先生が学校を辞めてしまうかもしれないという話です。こうして、1979年の本放送と同じ日にちに『俺はあばれはっちゃく』を見返すようになって、私はある偶然に気がついてしまいました。

この33話が放送された日は、1979年9月29日でした。この放送から32年後の2011年9月24日に佐々木先生を演じた山内賢さんがお亡くなりになりました。

5日のズレがあるとはいえ、佐々木先生が去っていってしまうという話が放送された日に近い日に、佐々木先生を演じた山内さんが逝ってしまうなんて、こんな奇妙な悲しい一致があるでしょうか。

私は、過去記事でも何度か書いてきましたが、子どもの頃に一番好きだった『あばれはっちゃく』の登場人物は、佐々木先生でした。

いつもよりも、長太郎に厳しい佐々木先生。それは、長太郎の為だと佐々木先生は言いますが、長太郎にはあまりそれが分かりません。

今回は佐々木先生の家庭の事情が分かる回でもあります。佐々木先生のお父さんは佐々木先生が子供の頃に亡くなっていて、母子家庭であること。実家は浜松で鰻の養殖をしていること。12話で佐々木先生は、美玉中央高校出身だと分かるので、佐々木先生は高校生進学で故郷、浜松を離れたことも分かります。

佐々木先生は実家で年老いて体の具合の悪くなった母親の為に、学校を辞めて実家に戻る決意をするのですが、その決断は長太郎を筆頭にクラスメイト全員の心を悲しませます。

長太郎が佐々木先生を辞めさせないアイディア。クラスメイトの全員の写真を撮って、それを本にして、浜松の先生に手渡すこと。

浜松までの電車賃がないのに、悩んでいると、てるほが自分のお小遣いを、父ちゃんが小遣いを渡してくれます。こうして、長太郎の気持ちを汲み取り、何も言わなくても、黙ってサポートする、姉てるほと父ちゃん、母ちゃんの長太郎を見守る優しさと温かさ。

浜松まで新幹線で行き、佐々木先生の実家を訪ねてみても、佐々木先生は留守。長太郎は佐々木先生の帰りを待つ間に、佐々木先生のお母さんの話を聞きます。

この話を聞きながら、長太郎の心境が変わります。ただ、静かに話を聞くなかで、顔の表情、目の表情が変わっていくのです。

佐々木先生が家庭の事情で辞めることを校長先生から聞いたとき、長太郎は自分の中にある「佐々木先生に辞めないでほしい」という気持ちが大きく、佐々木先生が先生を辞めてしまうことをとても責めて泣いていました。

あの長太郎がです。正彦、公一、ヒトミちゃん達も落ち込んでいて元気がありません。佐々木先生は、それだけ子ども達から慕われ、愛されている先生です。私だって、佐々木先生に辞めてほしくないのです。けれども、佐々木先生のお母さんの話を聞いていって、

「絶対に佐々木先生を辞めさせないぞ」

と意気込み、連れ戻そうと来た長太郎の考えが変わるのです。そこには、長太郎が自分の寂しさ、悲しさよりも大好きな佐々木先生とそのお母さんの為に、自分の気持ちを抑えて、自分の我侭を諦める姿を見ることが出来ます。これがどれだけ、辛いことか。

長太郎は佐々木先生を連れ戻すことを諦めて家に帰ります。そして、入れ違いに佐々木先生が戻ってきて、佐々木先生のお母さんが長太郎が持ってきた、クラスメイトの写真を束ねたお手製の本を佐々木先生に渡します。

自分の教え子たちの写真を見て、佐々木先生は泣いてるような怒ったような顔をしています。

長太郎、余計なことを

佐々木先生の中でも、教え子達との別れは辛いもの。それをなんとか、乗り越えて、実家に帰る決断をしてきたのに、断ち切った未練を呼び起こされた怒りと、自分を慕って浜松まで来てくれた長太郎の気持ちの有難さが分かって、嬉しさと怒りが同時に湧き上がっていたんだろうなって思います。

そんな、佐々木先生の様子を見て、佐々木先生のお母さんは、

賢一郎、本当にこれで良かったのかい? 

 と問いかけます。私は、この話もまた忘れることが出来ない作品です。佐々木先生の人を見る目や長太郎に対する子どもが持つ、純粋で真っ直ぐな、大人になれば困難な性格に対しての憧れ、人を一辺倒の評判だけで判断せず、上司である校長先生の前でも、長太郎の良さをはっきり言う佐々木先生の姿、最初は自分の感情を優先していた長太郎が、自分の感情よりも、大好きな佐々木先生のことを考えて身を引く優しさがあって。

この話では佐々木先生は戻ってきてくれますが、今はもう、佐々木先生を始め、歴代の長太郎の先生を演じてくれた山内さんはこの世にはいません。

けれども、こうして何度でも映像の中で会うことが出来るし、私や子どもの頃に『あばれはっちゃく』の先生に出会った人達の思い出から、佐々木先生が消えることはありません。

いつまでも、いつまでも。