柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

大人の建前と子どもの本音

アバンタイトル

今回は、侍の格好をした長太郎とその小姓の公一が弓矢の練習をしています。なかなか的に当たらず、どんどんとその距離を縮めて、最後には的に正彦の似顔絵を使っています。正彦に対する感情から、的に当てるのですが、ここで落ち。

現代設定ではなく、時代劇設定でのアバンタイトルは今回が初めてかな。また、場所も時代劇で使うようなところですね。

本編

長太郎が竹箒を振り回して走っています。

どうやら、長太郎が班長で公園の掃除をするようになっているようです。

場面が変わり、母親達が会議をしているのを公一と一緒になって覗いています。

どうやら、保護者で何かのスポーツの親睦会を開くというか、隣町の美良町婦人会からキックベースで親睦会をするためのメンバー集めなどの話し合いをしているようなんですが、長太郎の母ちゃんが引き受けないかという発言をすると、恵子ちゃんのお母さんが嫌味を言い、ヒトミちゃんのお母さんが、母ちゃんに面倒なまとめ役を押し付けています。

それを見た長太郎が母ちゃんを庇うのですが、母ちゃんは引き受けてしまいます。母ちゃんにまとめ役を押し付けておきながら、母ちゃんが協力を仰ぐと誰もが理由をつけて断ってしまいます。

公一の母ちゃんは仕事が忙しいとか(公一の家は母子家庭で八百屋の自営業)、ヒトミちゃんのママはキックベースなんて柄でもないと目を吊り上げて怒る。

面倒なことを人に押し付け、キックベースをやりたくないって子どもですか?長太郎が貧乏くじを引いてしまった母ちゃんを庇ってくれたことが母ちゃんは嬉しいといいますが、長太郎の余計な一言が母ちゃんの立場を悪くしたと、父ちゃんもてるほも言います。それで、長太郎は母ちゃんに謝るのですが、長太郎は今回は何も悪くないんですよね。

それでも、あばれはっちゃくの母親だから、運動神経はいいだろうし、キックベースも出来るだろうって、母親達のほうがどうかしているんだよね。

こういう、大人の建前というか、空気を読むこと、本音を隠す、相手に合わせることで社会をうまく渡っていくのと、長太郎のように立場の弱い人が我慢をしないように配慮して、本当のことを言うことの難しさを感じます。

長太郎は、佐々木先生にお願いしてキックベースのコーチを佐々木先生がやることを皆に伝えて、みんなのお母さん達にキックベースのチームに参加するようにします。

佐々木先生目当てで、キックベースの練習に参加してくるいやらしい母親達。

しかし、練習試合でまともに試合が出来ていないのを見て、長太郎が母親達を非難します。これに怒って、キックベースのチームを辞退すると代表してヒトミちゃんのママが不参加を伝えに長太郎の家にやってきます。

母ちゃんがそれまで腰を痛めても、やってきたことが無駄になり、長太郎はまた父ちゃんに怒られます。確かに長太郎の言葉は過ぎていて、大勢の前で恥をかかされて、心を傷つけれたヒトミちゃんのママ達の悔しさや怒りは分かるのですが、自分達のプライドを優先して子どもの長太郎の言葉にむきになるのもどうかと思うのと、子どもの言葉だとしても、人を傷つける言葉というのはあるのだなって思います。

弾みで出てしまうこともありますが、長太郎はそれを詫びて、キックベースのチームに戻ってきて欲しいとヒトミちゃんの家に行き、公一の家にも行って頭を下げます。

ここで、いいなって思うのは、ヒトミちゃんも、公一も長太郎の側に立って、長太郎を援護しているところです。

ヒトミちゃんはドラマの最初の頃は意地悪でしたが、この29話までくると、原作のヒトミちゃんと同じく、人を良く見ていて悪くない人に対しては、しっかりと自分の価値基準で味方をして、ちゃんと公平であることです。

例え、自分が母親と違う意見でも、母親のほうに「非」があれば、闇雲に長太郎が「あばれはっちゃく」だからという理由だけで責めないし、母親の傷ついた気持ちを理解した上で悪い部分、正す部分を怯むことなく、しっかりと言葉で面と向かって伝えています。

このヒトミちゃんの潔さというのは、原作のヒトミちゃんがもつ最大の長所の一つだと私は思っていて、ドラマでは18話からその長所が強くなってきたと個人的には感じています。

今回はキックベースでの親睦会で、キックベースのルールが野球に近いのですが、ヒトミちゃんのママたちは野球のルールも知らないのが、問題を大きくしてしまいました。

今よりも野球人気が高い時代の話ですが、興味のない人には分からないのがスポーツのルールで、これはスポーツのルールに限らないんだなって思います。

ちなみに、『俺はあばれはっちゃく』が放送されていた1979年2月~1980年3月は、江川卓投手が巨人に入団した年でもあり、『俺はあばれはっちゃく』の裏番組で巨人戦のナイター中継があると、『俺はあばれはっちゃく』の視聴率が下がったりもしたので、主演の吉田友紀さんは、DVDBOXの解説書のインタビューで、

オレ今でも江川嫌いですもん 

 と答えています。DVDは2005年発売なので、今から12年前の話です。

さて、この話を先週の予告で紹介する時に、西条八十の詩をアレンジしたので紹介しています。

あの「麦わら帽子」ですよ。たぶん、これは『俺はあばれはっちゃく』(1979年)よりも2年前の1977年に公開された映画『野生の証明』からの影響があったのでしょうね。